金沢・能登３泊４日のんびり旅　１日目

2023/05/10 - 2023/05/13

期限の迫ったJALマイルを使って小松空港起点に金沢、能登を回ってきました（予約は前回の徳島旅より先）。この方面は、記憶にある限り学生時代に初ドライブで行ったきりなので、50年ぶりということになります。不思議に仕事では縁がありませんでした。

徳島旅行が文字通り弾丸でタイトなスケジュールだったため妻には不評。なので今回は日程的に余裕、訪問先もホテルや食事処の予約以外はあらかじめ細かく決めることなく、あえて行き当たりばったりの旅程にしました。結果的に２日目以降は、レンタカー会社でもらったマップコード表頼りの旅になります。

初日の金沢の「観光」総合評価は3.5としていますが、訪問先によりバラツキがあります。
ひがし茶屋街　4.5（志摩）
兼六園　2.5
金沢城公園　2.5
尾山神社　3.0
妙立寺　1.0
にし茶屋街　2.5
長町武家屋敷跡　4.5（翌日の野村家）

訪れる価値のある場所は「金沢ひがし 志摩」（国指定重要文化財）と「長町武家屋敷跡 野村家」、「尾山神社神門」（国指定重要文化財）の３ヶ所くらいでしょうか。
あくまでも個人の感想ですがご参考まで。

［旅程］
５月10日（水）　横浜→羽田→小松→金沢（泊）
５月11日（木）　金沢→羽咋→七尾（泊）
５月12日（金）　七尾→羽咋→輪島（泊）
５月13日（土）　輪島→珠洲→能登→羽田→横浜

エリア 金沢(石川)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 3.5
• ホテル: 4.0
• グルメ: 5.0
• 交通: 3.5

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 一人あたり費用: 10万円 - 15万円
• 交通手段: 高速・路線バス タクシー JALグループ 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配
• 利用旅行会社: 一休.com

５月１０日（水）快晴
朝早く自宅を出発。最寄り駅から空港連絡バスで羽田に向かいます。新横浜付近。

定点観測の鶴見つばさ橋。朝のラッシュで渋滞中。

8:00 羽田空港第１ターミナルに到着。

羽田空港 第1旅客ターミナル 空港

ル・シエール
自宅で朝食を摂っていない妻は、ここでモーニングセット。

ル・シエール グルメ・レストラン

9:30発 JAL185便 小松空港行

機材はB737-800、ほぼ満席。
定刻２分前にプッシュバック。

レインボーブリッジ

富士山
飛行ルートは日本アルプスを見下ろす絶景が続きます。

南アルプス

中央アルプスと八ヶ岳（手前）

乗鞍岳と北アルプス

白山連峰

砺波平野の散居村

10:20 小松空港に到着。

小松空港 (小松飛行場) 空港

10:50発のリムジンバス（＠1,300円）で金沢に向かいます。

安宅の関 弁慶像
歌舞伎『勧進帳』の名場面。安宅の関は小松空港の北３kmほどの所にあります。

小松ICから北陸自動車道を北上。

松任海浜公園ではゲートボール大会が開催されているみたい。

田植えの真っ最中。

犀川の下流を跨ぎます。

11:30 金沢駅西口に到着。

金沢駅 駅

金沢市制百周年記念事業モニュメント『悠颺』（ゆうよう）

郵太郎

郵太郎ポスト 名所・史跡

今宵の宿です。

ハイアット セントリック 金沢 宿・ホテル

チェックインには早いけど、ちゃんと部屋に入れてくれました。ラッキー！
荷物を部屋に入れてさっそく市内観光へ。

ハイアットで全国旅行支援クーポンを受け取りました。

これまで北海道、徳島県でも電子クーポンでしたが、北海道の電子クーポンはQRコードが小さすぎて読み取れず結局手入力、使い物になりません。

徳島県はregion PAYというアプリをダウンロードしてしまえば、あとは紙クーポンのQRコードを読み取るだけで残高管理できて、いちばん使い勝手が良かったように思います。全国の自治体がこれに統一すれば便利です。

石川県の使い勝手の悪さは特筆もの。アプリでないので一度使って残額をまた使おうとすると、その都度最初からQRコードを読み取り、いちいち受け取りコードを入力しなければなりません。そのためクーポンカードを常に携帯しなくてはならず、これならなにも電子化の必要がなく、紙クーポンで十分。おまけに余計なアンケートの入力も要求され面倒なことこの上ない。お店側もレジの前で一連の処理が済むのをずっと待っている必要があります。

11:40 昼食はこのお店。

カフェ加賀麩不室屋 グルメ・レストラン

加賀麩とりどり膳 ＠2,200円
これを食べてみたかった。

さっそくクーポン使用。

食べ終わって金沢駅東口へ。

もてなしドーム 名所・史跡

鼓門
グロテスクで好きになれません。

鼓門 名所・史跡

空港からのリムジンバス・チケットに北鉄バスチケット200円がおまけでついていたので、それを使ってひがし茶屋街を目指します。

ところが右回りルートに乗るべきところ、左回りルートに乗ってしまいました。乗り場の案内人に確認したのに。

まあタダ券だし、市内観光と割り切ればこれもアリかと。

犀川大橋

金沢21世紀美術館

金沢城

石川橋

前田利家像

橋場町・ひがし茶屋街バス停に到着。

金沢観光人力車がいます。２人乗りで周辺をまわると8,000円だそうなのでやめました。

ジョグジャカルタのベチャ（自転車タクシー）は50円だったけど。

観音町通り
観音町は1616年（元和2年）、三代藩主前田利常夫人（二代将軍秀忠娘・珠姫・天徳院）の発願により「卯辰山観音院」が造営され、その門前町として栄えたそうです。かつてはここがメインストリートでした。

ひがし茶屋休憩館（旧涌波家住宅）
居合わせたボランティアガイドさんにひがし茶屋街の説明を伺います。有益な情報がいっぱい。

ひがし茶屋休憩館 名所・史跡

ひがし茶屋街には案の定、修学旅行生や観光客が押し寄せています。

ひがし茶屋街 名所・史跡

志摩（国指定重要文化財）
茶屋建築の重要文化財は、京都・島原の『角屋（すみや）』とともに全国で２例だけだと、休憩館で教えてもらいました。

なので、入館料＠450円（JAF会員証提示で50円割引）を支払って見学します。

志摩 名所・史跡

建物保護の観点からバッグ類とカメラは入り口のロッカーに入れる必要がありますが、スマホでの撮影はOKです。

建物の仕様や展示された調度品それぞれに見どころが多く、お茶屋文化の一端を覗き見ることができます。

京都祇園の一力亭や別のお茶屋で遊んだ頃を思い出します。

茶屋街を東へ進みます。

箔座ひかり藏
純金プラチナ箔と24Kの純金箔で仕上げた「黄金の蔵」はインスタスポットとして人気です。もちろんインスタにアップ。

箔座ひかり藏 専門店

茶屋街をさらに東へ。

旧かみや主屋・土蔵
「旧かみや」は、1873年（明治6年）築の茶屋建築で、奥にある土蔵とともに茶屋建築の外観と間取りの特徴をよく残しており、金沢市指定有形文化財に登録されています。建物は現在、化粧品店として利用されていますが、内部の建具等の保存と旧状復元を義務付けられているそうです。

茶屋美人 グルメ・レストラン

森八
1625年（寛永2年）創業の老舗和菓子店。伝統銘菓「長生殿」は亡くなった義母の好物でした。

森八 ひがし二番丁店 グルメ・レストラン

不むろ茶屋
加賀麩不室屋の甘味処です。

不室茶屋 グルメ・レストラン

茶屋街の家々の玄関にはとうもろこしの「門守」が飾られています。健康と商売繁盛の縁起物として観音院の「四万六千日」という縁日で売られ、毎年購入するのが昔ながらの風習だそう。

東料亭組合
茶屋街だから当然ありますよね。

経田屋米穀店
経田屋は、江戸時代末期に米穀商として創業した金沢を代表する老舗米殻店。製粉業も兼ねて現在も現役で経営しています。
現在の建物は1904年（明治37年）に建てられたもので国指定有形文化財です。

経田屋米穀店 名所・史跡

茶屋街を一巡後、梅ノ橋を渡って浅野川を越えます。

浅野川大橋まで戻り、そこからタクシーで兼六園に移動。

梅ノ橋 名所・史跡

兼六園は65歳以上入園無料。蓮池門から入場します。

徽軫灯籠（ことじとうろう）です。写真には写っていませんが外国人観光客がいっぱい。

兼六園 公園・植物園

唐崎松
有名な雪吊りはこの松に施されるらしい。

霞ヶ池の蓬莱島

内橋亭
眺めるだけ。

内橋亭 グルメ・レストラン

栄螺山

翠滝

瓢池と海石塔

伯牙断琴の手水鉢

夕顔亭

兼六園は、京都仙洞御所庭園、岡山後楽園などに比べると大味で散漫、がっかりです。横浜のそこいらにある公園と変わりません。アップダウンがあって体力的に辛いので、20分ほどサクッと見て退散です。

兼六園では高齢の外国人団体客を数多く見かけました。坂道だらけで埃っぽく、見どころもあまり無い兼六園を代表的な日本庭園と勘違いされては困りもの。庭園を見るなら金沢でなく、京都を訪れてほしいと思います。

お堀通りを越えて金沢城公園へ。

金沢城公園 公園・植物園

金沢城石川門

石川門 名所・史跡

五十間長屋

橋爪門

重要文化財の三十間長屋が修復工事中なので五十間長屋に入ってみました。格別、興味を惹くもの無し。
これがこの後に続く災いの元。

色紙短冊積石垣
インカ帝国（行ったことないけど）にも比肩する見事な石積みです。

玉泉院丸庭園
中に入らなくても外から丸見え。

金沢城公園 玉泉院丸庭園 名所・史跡

鼠多門

金沢城公園 鼠多門 名所・史跡

鼠多門橋を渡って金沢城公園をあとにします。
金沢城は復元建造物が多く、美しいけどテーマパーク感が拭えません。外人ならともかく、多少なりともお城を知っている日本人には物足りない。小田原城の方がずっと良い。やはり天守閣がないのが致命的（元からありませんが）。

尾山神社の境内に入ると「母子順風之像」。

尾山神社 寺・神社・教会

金谷神社

前田利家公像

尾山神社 神門
神社にしては異形の神門。どこか東南アジア風。

妙立寺
ここでトラブル発生。16時に予約してありますが金沢城公園で時間をとられ、タクシーで駆けつけたものの数分遅刻。すでにガイドツアーが始まっているとはいえ、参加者はまだ目の前にいます。なのに寺の対応はとりつくしまもなく参観拒絶。
後からやってきた別の観光客も同様。慈悲深いブッダの心はどこに行ったのでしょう。

妙立寺(通称 忍者寺) 寺・神社・教会

仕方なく近くのにし茶屋街へ。
まだ開店には早いのか、どこも閉まっています。

にし茶屋街 名所・史跡

西料亭組合
ひがし茶屋街にもある検番所。こちらの建物はシャレています。

西検番事務所 名所・史跡

甘納豆かわむら
甘味処として人気のお店だそうですが、夕食前なので控えます。

甘納豆かわむら グルメ・レストラン

「賛否両論 金沢店」がありました。
上質の日本料理を抜群のコスパで提供する、テレビで人気の笠原将弘シェフのお店ですが、残念ながら閉店したようです。コロナには勝てなかった。

犀川大橋（国指定登録有形文化財）
美しいワーレントラス式の鉄橋です。

歩いて長町武家屋敷跡に向かいます。

犀川大橋 名所・史跡

香林坊をかすめて、

香林坊 名所・史跡

長町武家屋敷跡に到着。にし茶屋街から休み休み歩いて30分です。

長町武家屋敷跡 名所・史跡

大野庄用水に沿って土塀が並んでいます。
大野庄用水は灌漑、物資運搬、防火、防御、融雪などの多目的用水ですが長町武家屋敷周辺では金沢の伝統景観そのものを形成しています。水量はかなり多く、音が聞こえるくらい流れも速いです。

長町二の橋
この橋を渡ると両側に土塀が連なる小路です。

武家屋敷跡 野村家
17時を過ぎているので閉館しています。

武家屋敷跡野村家 名所・史跡

足軽資料館
ここも閉館中。明日再訪することにしました。

金沢市足軽資料館 美術館・博物館

割烹 いけ森
夕食はこのお店、ミシュラン１つ星です。
18時に予約してあります。

割烹 いけ森 グルメ・レストラン

カウンター５席。他に個室が３室あるようです。カウンターを予約済み。

とりあえずビール。妻はノンアル。

奥能登珠洲出身の店主池森敏春さんの穏やかで優しいお話を聞きながらの食事です。

先付
蓮蒸し　サヤエンドウとウニ、木の芽添え

宗玄 純粋無垢 特別純米

向付
白海老の昆布じめ、サヨリ、ボタンエビ、バイ貝、ひらめのお造り

丁寧な仕事ぶり。

お椀はもちろん輪島塗。季節感を大切にしているそう。

椀物
椀種は、鮑とわかさぐじ、ヒグチコ、じゅんさいのお吸い物

農口 観音下無濾過原酒
現代の名工にも選ばれた能登杜氏四天王の農口尚彦氏の技術・精神・生き様を継承する狙いで開設された農口尚彦研究所のお酒です。

八寸
フルーツトマト、もずく、サザエの酒蒸し、鴨、イイダコ、茄子の煮浸し、キスの炙りと蕨のヌタ、湯葉とあん肝のコノワタ蒸し

ちまきはクエのお寿司

揚げ物
やなぎざわら、若鮎、タラの芽の天ぷら

手取川 名流大吟醸

ここまで全て店主のアドバイスで石川県の地酒をチョイスしました。

炊き合わせ
おこぜの唐揚げ、わかめ、コシアブラ、ホワイトアスパラのクズ仕立て

季節の地場食材を多彩に調理し、薄味で素材を活かした料理の数々に大満足です。

食事
ホタルイカと蕗のとうの炊き込みご飯

汁物
加賀麩の味噌汁

香の物は女将の手作り

女将との呼吸もピッタリ。静かで滑らかなサービスで心から寛げます。

デザート
自家製わらび餅と自家製抹茶アイス（こちらも女将手作り）、マンゴーと紅ほっぺ

カウンターについてから２時間半、ゆったりと食事を楽しめました。これだけの料理にして値段はリーズナブル（むしろ安い）。コスパ抜群です。

タクシーを呼んでもらってホテルに帰還。

人手不足なのかルーフテラスバーは休業中、ラウンジも20:30閉店で使えません。
大人しく就寝します。

ハイアット セントリック 金沢 宿・ホテル