2023/03/24 - 2023/03/24
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kojikojiさん
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この旅行記のスケジュール
2023/03/24
この旅行記スケジュールを元に
熱海に来た翌日は急遽変更したことにより、午後遅くなってようやく「MOA美術館」に着きました。ここへ来るのは2回目ですが、もう30年くらい前のことになるので、いくつかの展示品が記憶に残っているだけでした。エントランスを入ると延々と続くエスカレーターは鳴門の「大塚国際美術館」を思い出させます。ようやくたどり着いた展示室では最初に「黄金の茶室」に再会します。これはインパクトがあるので以前に見た記憶がありました。天正13年の1585年に豊臣秀吉が造らせた金箔張り、広さ三畳の組み立て式の茶室です。同じように再現されたものはいくつかあり、大坂の百貨店で金の販売展示会で見たことがありました。2年ほど前のことですが、この時に金を買っておけばよかったなと今でも思います。大阪城にも納められていましたので、他にもあるのかもしれません。次は楽しみにしていた「岩佐又兵衛」の展示です。一昨年の秋に叔母は京都の吉兆でお茶会を開いた際に待合いに掛けたのが岩佐又兵衛の掛け軸でした。入手した経緯は祖父が京都国立博物館の梅津先生と展覧会に行った帰りに、ぎおん石段下にあった古物店で買い求め、二条陣屋に来られた国華社の楢崎先生に見てもらったところ、東京で岩佐又兵衛展を開く予定があるので持ち帰られたと聞いたことがあります。そんなこともあるのでぜひ見たいと思っていました。展示してあったのは「浄瑠璃物語絵巻」がメインでした。奥州へ下る牛若と三河矢矧の長者の娘浄瑠璃の恋愛譚を絵巻化したもので、金箔や金銀泥、緑青、群青など高価な顔料がふんだんに用いられ、登場人物の衣裳や調度に至るまでが艶麗な色調で細微に描かれています。あまりの素晴らしさに時間も忘れて妻と見入ってしまいました。全12巻にはそれぞれ解説もあり、物語を目で追うことが出来ました。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 3.5
- グルメ
- 4.5
- ショッピング
- 4.0
- 交通
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 船 タクシー JR特急 徒歩
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行なし)
- 利用旅行会社
- 阪急交通社
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「起雲閣」の受付でタクシーを呼んでいただき、「MOA美術館」まで移動しました。市内の巡回バスで移動する方法もありますが、各所でタクシーを呼ぶのが便利だと思います。
MOA美術館 美術館・博物館
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チケットは事前にネットで購入してありましたが、平日の午後は空いていました。エスカレーターで高いところを昇っていく妻の後ろ姿を見ていたら、このまま天国へ行ってしまいそうに思えました。
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昇っても昇ってもエスカレーターが続いていきます。大理石をふんだんに使ったアプローチには一体どれだけの費用が注ぎ込まれているのだろうと思ってしまいます。
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途中の円形ホールには日本最大級のマッピングで映し出される「万華鏡」がありました。作者の依田満と百合子夫妻は日本を代表する万華鏡作家で、「大人の科学マガジン」で万華鏡を監修されています。
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「メインロビー」まで上がってきました。床は大理石の一種の寒水石を敷き詰め、ソファは杉本博司のデザインで、脚部は透明度の高い光学ガラスを使用しています。
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初島や伊豆大島が浮かぶ相模灘を一望でき、遠くは房総半島から三浦半島や伊豆七島まで見えるとありましたが、この日は初島と大島まででした。
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「黄金の茶室」
天正14年の1586年の正月、豊臣秀吉が時の天皇である正親町天皇に茶を献じるため京都御所内の小御所に組立式の黄金の茶室を運びこみ、黄金の道具を用いて茶会を行ったという史実に基づいて復元制作したものです。 -
秀吉はこの黄金の茶室を天正15年の北野茶会に用い、天正20年には朝鮮出兵のため肥前名護屋に出陣した際にも大阪より運ばせて茶の湯を行ったことが知られています。名護屋城という名を聞くと昨年末に行った唐津城のことを思い出します。
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大阪城落城とともに消滅したと考えられている黄金の茶室はいろいろな所で再現されていていくつかあるようです。2年前に行った大阪城の中にもありましたし、大阪市内の百貨店の金の即売会場にも展示されていました。そんなことよりもその時に勧められた金の延べ棒を買っておけば良かったと思います。まだ6000円台で買えたのに…。
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「源氏物語図屏風(若紫・夕顔・野分)」岩佐貞雲
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岩佐貞雲重弘は岩佐家5代目といわれ、勝以の画系を知る上で重要な画人です。
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右隻では光源氏と惟光朝臣(これみつのあそん)が少女若紫を柴垣越しに見る「若紫」の巻きを描いています。
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廊下にはこぎれいな女房が2人立ち、館の座敷の中には幼い10歳くらいの若紫の姿があります。伏籠の中に入れておいた雀の子を犬君が逃がしてしまった場面です。
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4歳の頃に母と買い物から戻ると家の中に十姉妹が迷い込んでいて、捕まえて笊を被せておきました。母が父の会社に電話して籠を買ってきてもらうことになったのですが、笊の中の鳥が気になって覗こうとしたとたんに逃げてしまいました。その時の飛び去る鳥の後ろ姿は今でも忘れることが出来ません。
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母はもう一度父に電話して籠が必要でなくなったことを伝えました。その日の晩に父は鳥籠と十姉妹のつがいを買ってきてくれたことも忘れられません。
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左隻は夕霧が嵐の日に紫の上を垣間見る「野分」を描いています。光源氏36歳の秋の物語です。
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8月のある日、激しい野分(台風)が都を吹き荒れました。六条院の庭の草花も倒れ、そこへ訪れた夕霧は混乱の中で偶然紫の上の姿を垣間見て、その美貌に衝撃を受けます。その後祖母の大宮の元へ見舞いに参上してからも、爛漫の桜のような紫の上の艶姿は夕霧の脳裏に焼きついて消えませんでした。
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野分(台風)の去った翌日に源氏は夕霧を連れて、宿下がり中の秋好中宮を始めとする女君たちの見舞いに回ります。玉鬘の元を訪れた時、こっそりと覗き見た夕霧は玉鬘の美しさに見とれると共に、親子とは思えない振舞いを見せる源氏に驚いて不審に思います。花のように美しい女性たちを思って心乱れつつ、雲居の雁へ文を送る夕霧でした。
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ここの展示されている作品は岩佐又兵衛勝以の筆とされる絵巻の中で最も色彩の華麗な作といわれます。物語は義経説話の1つで、奥州へ下る牛若と三河矢矧(やはぎ)の長者の娘の浄瑠璃との恋愛譚です。「浄瑠璃物語」十二段の正本そのままを用いた詞により、牛若の衣裳模様や女房たちの局の襖の画題、浄瑠璃姫の寝室の調度、2人が交わす大和言葉の逐一までが綿々と語られ、それらの場面が金箔や金銀泥、緑青や群青や朱など各種の高価な顔料を惜しげもなく使い、艶麗な色調で描かれています。
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「浄瑠璃物語絵巻」第1巻
源氏の御曹司牛若は15歳の春に源氏の再興を願い、ひそかに鞍馬寺を出て欧州の藤原秀衡を頼り東国を目指します。 -
牛若は源義経の幼名で、鎌倉幕府初代将軍源頼朝の異母弟で、仮名は九郎です。河内源氏の源義朝の九男として生まれ、平治の乱で父が敗死したことにより鞍馬寺に預けられます。
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兄である頼朝はまだ12歳であったため助命されて伊豆へ流刑となり、母の常盤御前が平清盛の妾となることで牛若は許され、6歳7歳から鞍馬寺に住み始めました。
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人目を触れないように金売吉次(かねうりきちじ)兄弟の供の者に姿を変えた厳しい旅でした。金売吉次は「平治物語」「平家物語」「義経記」「源平盛衰記」などにも登場する伝説的人物です。奥州で産出される金を京で商う事を生業としたとされ、牛若が奥州藤原氏を頼って平泉に下るのを手助けしたとされます。
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三河国の矢矧に泊まった夜に宿を出た牛若は宿場で名高い長者の屋敷の前を通りがかります。矢矧は現在の愛知県の岡崎市の辺りです。
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長者の屋敷から漏れる琴や笙、篳篥の音に惹かれて耳を傾けます。
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屋敷の管弦に笛の音が無かったため、牛若は肌身離さず持っている「蝉折れ(せみおれ)」という名の名笛を出して管弦に合わせて演奏します。
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天仁3年の1110年に鳥羽天皇が宋朝へ万金を贈った返しとして、生きた蝉のような節の付いた笛が送られてきました。特別な笛として大切に守られていましたが、ある時に高松中納言がこの笛を吹き、つい普通の笛と同じように膝下に置いたところ、それを咎めた笛が、蝉の節のところで折れてしまいました。それ以来「蝉折の笛」と名づけられました。
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「浄瑠璃物語絵巻」第2巻
「蝉折れ(せみおれ)」を出して管弦に合わせて演奏する牛若の姿から第2巻は始まります。 -
琴を弾いていた浄瑠璃は、屋敷の外から聴こえてくる笛の音に気づき、手を止めて笛の音に聴き入ります。
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音色の素晴らしさに浄瑠璃は使えの十五夜に命じて、笛の主を確かめさせます。
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十五夜は牛若の凛々しく高貴な姿を事細かに報告します。
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笛の主が由緒ある人と察した浄瑠璃は、十五夜に託して牛若に和歌を送ります。十五夜を介した数度の問答を経て、牛若は浄瑠璃へ文を送ります。
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絵巻は通常、詞書(ことばがき)とそれに対応する絵画によって構成されています。「浄瑠璃物語絵巻」では浄瑠璃節特有の五、七、五、七調の「語り」をそのまま絵巻に視覚化されたことが特徴になっています。また牛若は数限りなく登場してきますが、その衣装はどの場面であっても同じものが細かく描かれています。
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「浄瑠璃物語絵巻」第3巻
文を受け取った浄瑠璃は、筆遣いの気高さから笛の主が牛若であることを察し、女房達を使いに立たせ館に招き入れます。 -
女房達との合奏中に牛若は浄瑠璃の琴の音に感じ入り、七重の御簾の中にいる浄瑠璃の姿をひと目見たいと思います。
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そのとき一陣の風が簾を吹き上げ、お互いに見交わした2人に恋慕の想いが生まれます。
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その夜、牛若は十五夜の案内で浄瑠璃の贅を尽くした部屋に忍び入ります。
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詞書(ことばがき)にはキャプションが添えられ、物語の場面を確認することが出来ます。
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場面が進むにつれて牛若に感情移入していきますが、15歳で好きな女性の所へ夜這いを書けるような内容なのでちょっと恥ずかしくなってきます。
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「浄瑠璃物語絵巻」第4巻
牛若は四方の障子に四季の絵が描かれた豪華な部屋を通り、浄瑠璃の御所に近づきます。 -
物語の直接関係のない屋敷の内部も詳細に描かれていることに驚かされます。
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牛若は浄瑠璃の寝室に忍び入り、枕屏風の側から覗くと浄瑠璃は眠っていました。
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下手な恋愛ドラマのテレビ番組より面白いです。妻と一緒にハマっていた中国のウー・ジンイェンの「延禧攻略」とか「李皓鑭」などの豪華な宮廷の場面を思い出します。
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壁に掛かる山水や達磨の掛け軸、棚に置かれた中国から渡ったであろう政治の航路や有環の瓶、水差しなどに目が行ってしまいます。
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牛若の求愛の言葉に目覚めた浄瑠璃は、驚きの声を上げて牛若に帰るように言います。
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牛若は様々なたとえを上げながら「今夜一夜はなびかせ給え、浄瑠璃君」と口説きます。
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浄瑠璃は言葉を返してなかなかなびこうとはしません。
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「浄瑠璃物語絵巻」第5巻
牛若は大和詞(和歌)を引いて浄瑠璃を口説き続けますが、浄瑠璃はなびきません。 -
浄瑠璃は夜が明けると母の長者に漏れ聞こえ、流罪、死罪になりかねないと告げますが、浄瑠璃のためなら構わないと牛若は返します。もう源氏の再興などは頭の中には無いようです。
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浄瑠璃は牛若には敵わぬと感じつつも、父の供養のための精進中の身であるので諦めてほしいと懇願します。
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牛若は自らの素性を明かし、お互いに精進中の身であるから構わないといいます。
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断り切れないと覚悟した浄瑠璃は心を寄せて一夜の契りを結びます。
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「浄瑠璃物語絵巻」をはじめによっによっは岩佐又兵衛本人と工房によって制作されたと考えられています。この辺りはフランドル絵画の分業制にも似ているように思います。そのため牛若や浄瑠璃の顔にも巻によって顔の違いがあるようです。頬がふくれ頤(おとがい)が長い様を「豊頬長頤(ほうきょうちょうい)」と言うことを知りました。
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「浄瑠璃物語絵巻」第6巻
翌朝、牛若は引き止める浄瑠璃に再会を約束し、和歌を詠み合った後に名残の笛を奏でます。笛に音を耳にした母の長者が女房達を連れて現れます。牛若は心を残しつつ、修行で身につけた法力を用いて姿をくらませます。鞍馬山で大天狗から取得した法力は源氏の再興の前に夜這いで威力を発揮したわけです。 -
姿をくらました牛若は瞬間に金売吉次の一行に追いついて東に下ります。残された浄瑠璃は十五夜にその思いを告げ、牛若の面影を偲び嘆き悲しみます。
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「浄瑠璃物語絵巻」第7巻
浄瑠璃と別れた牛若は再び金売吉次の従者に扮して、吉事の刀を持って馬を引くつらい旅を続けます。 -
浄瑠璃への思いは深まるばかりで、牛若は遅れがちになります。後々の運命を考えたら、浄瑠璃と楽しく暮らした方が良かったのではないかと思います。
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吉次一行は堺川を越えて遠江国(とおとうみのくに)に入り、池田で宿をとります。古くは「遠淡海」と呼ばれ、都から見て遠くにある淡水湖という意味であり、近江国の「近淡海(ちかつあはうみ)」である琵琶湖と対比されます。この「遠淡海」に関しては、一般的に浜名湖を指すとされます。
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見付、袋井、掛川、日坂と通り過ぎ、小夜の中山を越え、駿河国の目前の宇津の山へと進みます。東海道五十三次の岡部宇津の山の辺りで隣は丸子です。牛若は丸子で名物のとろろを食べたのでしょうか。
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実際に吉次なる人物が実在したかどうかは、史料的に存在を裏付ける事が不可能であるため存在は伝説の域を出ないようです。しかし当時の東北地方は金を産出し、それを京で取引していたのは明らかでした。吉次のように金を商って奥州からやって来た商人がいた事は想像できます。
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「浄瑠璃物語絵巻」第8巻
駿河国に入った吉次一行は蒲原宿にある菊屋を目指します。菊屋に着くと一行を歓迎して盛大な宴会が開かれます。 -
牛若は旅の疲れと浄瑠璃と別れた悲しみから床に伏してしまいます。一行の宴会は何でもありのどんちゃん騒ぎだったようです。
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先を急ぐ吉次兄弟は心ならずも牛若の看病を宿の主人の与一に頼み、砂金百両に巻き絹百疋を置いて先に旅立ちます。
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「浄瑠璃物語絵巻」第9巻
病に伏す牛若の気高い姿を見込んで、与一の女房は娘の婿にと言い寄りますが、牛若は相手にしません。腹を立てた女房は夫の留守に男を雇って、病の牛若を海に沈めるように命じます。 -
男たちは牛若の気品に打たれて、浜の六本松に捨てたまま帰ってしまいます。
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宿に残した源氏の家宝が、童子や大蛇、白鳩や烏に変化して見守ります。
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そこへ源氏の氏神が現れ、京に向かう旅の僧に扮して牛若に近づきます。
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牛若は浄瑠璃に宛てた文をしたため、旅の僧に託します。
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「浄瑠璃物語絵巻」第10巻
源氏の氏神は預かった文を一瞬の間に矢矧の長者の館の浄瑠璃に届けます。 -
文を読んだ浄瑠璃は母にも告げずに牛若の後を追います。
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冷泉と共につらい旅を続け、ようやく蒲原の宿に着きますが、供も連れていない美しい2人を見た宿場の人々は雪女と間違えて誰も泊めようとはしません。
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2人が荒れた辻堂でで雨をしのいでいると、箱根権現の変身した老いた尼が現れ、十四、五歳の若者は死んだと告げます。
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「浄瑠璃物語絵巻」第11巻
浄瑠璃は砂浜から牛若の亡骸を掘り出して涙にくれます。 -
浄瑠璃の涙を口に受けて牛若は甦り、冷泉の必死の祈願によって元気を取り戻します。
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牛若は必ず平家討伐を果たして浄瑠璃を正室に迎えると約束します。
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浄瑠璃と冷泉を大小の烏天狗に乗せて矢矧の長者の館に帰します。
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この場面はもう鳥肌が立ってきます。そのリアルな烏天狗の姿に魅了されます。
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インチキ臭いB級映画のCGよりもリアリティと迫力を感じます。
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牛若は東国へ下り、やがて藤原秀衡の助けを得て、十万余騎を従えて平家追悼の旗印に都へ上がります。
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軍勢を引き連れた牛若はその途中に矢矧の長者の館に立ち寄ります。
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中世末期に成立したこの物語は当時とても人気があったらしく、これを「語っていた」芸が「浄瑠璃」といわれるようになりました。
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「古浄瑠璃」の正本をもとにして作ったこの絵巻は金銀泥をふんだんに使用し、着物の柄、木々の枝振りなどが実に細密に描かれています。
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「浄瑠璃物語絵巻」第12巻
軍勢を引き連れた牛若は矢矧の長者の館で歓待を受けますが、浄瑠璃が見えないのを不審に思います。 -
どこへ頭を剃り僧の姿をした冷泉が現れ、浄瑠璃は馬追と契ったことで母の怒りに触れ家を追われ、牛若を待ち焦がれつつ世を去ったと涙ながらに告げます。
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牛若が浄瑠璃の墓前で法要を行うと五輪塔が割れて、その一片が牛若の袂に入ります。牛若は浄瑠璃の成仏を確信し、御墓の上に寺を建てて冷泉寺と名付けます。
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牛若の家来は浄瑠璃の母を簀巻きにして矢矧川に沈めます。
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その後牛若は平氏を討ち、源氏の御代をなしましたが、その心中を察せぬものはいなかった。
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今年は1月に門司港に滞在し、対岸の下関の赤間神宮や平家一門の墓も訪ねました。壇の浦まで歩いたので、この絵巻物には感慨深いものがありました。
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観終わると大河ドラマを1年分まとめて観たような気になりました。広末保はこの絵巻を「絢爛にして野卑」と評したと芸術新潮の「岩佐又兵衛の逆襲」で知りました。
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「自画像」岩佐又兵衛勝以
竹の椅子に座り竹杖を持つ岩佐又兵衛の自画像と伝えられます。 -
「官女図」岩佐又兵衛勝以
又兵衛は土佐光信末流を称し、古典画題の作品を多く残しています。この作品は歌仙絵の1つと考えられ、豊頬な顔立ちは又兵衛の特徴がよく表れています。 -
「柿本人麻呂図」岩佐又兵衛勝以
大和絵の手法による歌仙絵を多く手がけた中で、漢画における水墨手法を巧みに使いこなしています。この人麿は滅筆体風の手法で描かれています。 -
「紀貫之図」岩佐又兵衛勝以
こちらは同じ水墨技法でも没骨技法が取り入れられています。 -
「寂光院図」岩佐又兵衛勝以
平家物語の一節の大原寂光院を描いています。第3代の建礼門院徳子(平清盛の息女、高倉天皇の皇后、安徳天皇の国母)は、文治元の1185年9月に入寺し、真如覚比丘尼と称しました。そして源平の戦に破れて遠く壇ノ浦で滅亡した平家一門と、我が子安徳天皇の菩提を弔い、終生をこの地で過ごしました。今年の旅はいろいろな所で繋がってきます。引き続き美術館の鑑賞を続けます。
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