2022/01/24 - 2022/01/24
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赤い彗星さん
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久々の遠出となる栃木日帰り旅行から、中一日。
特に体力も落ちておらず、筋肉痛もすぐに回復したことから、
前々から行ってみようと思っていた富岡製糸場に出かけました。
明治初めに設立され、近年まで115年創業が続いていた製糸場は、
もう機械が動くこともなく静かなままでしたが、日本の生糸生産を
支えていた世界有数の工場としての威容を感じる事の出来る場所でした。
- 旅行の満足度
- 4.5
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都内から、高速バスで富岡へ。
富岡のバス停が、市街からかなり離れているので、約30分歩いて富岡市街にやってきました。 -
正面に富岡製紙場が見えてきました。
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富岡製糸場のすぐ前に復元された旧韮塚製紙場。
富岡製糸場を模範として造られた、民間の機械製紙場です。旧韮塚製糸場 名所・史跡
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韮塚製紙場を創立した、埼玉県深谷市出身の韮塚直次郎氏の胸像。
初代富岡製糸場長の尾高惇忠と関係が深く、富岡製糸場の建築資材となる瓦や煉瓦、木材などの調達や製造を請け負っていたそうです。 -
旧韮塚製紙場内は、韮塚製紙場に関する展示物が飾られています。
地下の遺構を見る事が出来るよう、床がガラス張りになっている場所があります。 -
旧韮塚製糸場前に小さなバスと云うより、大きめのカートのようなまちなか観光周遊バスが止まっていました。停留場でなくても乗り降り自由な方式のようです。
寒い時期なのでビニールで覆われていますが、暖かくなるとトロッコ列車のように窓ガラスがない乗物に変わるようです。 -
富岡製糸場に入場します。
冬の平日で開場間もない時間、恐らくこの日2人目の入場者でした。富岡製糸場 名所・史跡
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入場券売り場前に絹糸を手繰って糸巻したものが展示されていました。
入場料は、1、000円。上信電鉄利用の場合は、上信電鉄の高崎駅、上州富岡駅で「富岡製糸場見学往復割引乗車券」も販売されています。 -
入場券売り場正面に建てられた富岡製糸場石柱。
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場内の案内板。
製糸場内はかなり広く、多くの歴史的建造物が残されています。 -
まずは正面にある国宝建築物の東置繭所に入場します。
骨組みは木材、壁は煉瓦で造られている「木骨煉瓦造」という工法で建設された建物です。当時は、1階が事務所や作業場、2階は繭の貯蔵に使用されていました。 -
入って右側のゾーンには、富岡製糸場や周辺の絹産業遺産群に関する資料が展示されています。
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富岡製糸場のミニチュア。
手前の横に長い建物が、今いる東置繭所です。 -
官営工場時代の写真。当時は、フランス式の繰糸器が設置されていました。明治5年に官営工場として操業を開始し、明治26年に民間に払い下げられました。
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富岡製糸場と共に世界遺産の絹産業遺産群の一つ、旧田島弥平住宅のミニチュア。文久3年(1863年)に建てられた住居兼養蚕場は現存しています。この場所で通風を重視した「清涼育」と名付けられた蚕の飼育方法を編み出し、弥平が著した「養蚕新論」により、日本各地に広まったそうです。
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世界遺産の絹産業遺産群の一つ、高山社跡。
明治16年に、通風と温度管理を調和させた「清温育」という蚕飼育法を開発した高山長五郎が、翌明治17年に養蚕教育のために設立した教育機関です。
全国各地や中国・朝鮮半島などから集まった生徒に技術を伝達し、「清温育」は全国標準の養蚕方法となったそうです。 -
世界遺産の絹産業遺産群の一つ、荒船風穴。
明治38年から大正3年にかけて、3基の風穴が造られました。
岩の隙間から噴き出す冷風を利用した蚕種(蚕の卵)の貯蔵施設です。
蚕の産卵から繭造りまで1年周期だった養蚕が、卵を貯蔵する事が出来るようになったことで、年数回の養蚕が可能になり、繭の増産に貢献したそうです。
現在は、城跡のような建物基礎部分の石垣が残されています。 -
入って左側のゾーンは、土産物屋や絵手紙などが展示されていました。
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東置繭所の目の前にある、重要文化財の検査人館。
生糸検査などを担当していたフランス人技術者の住居として建設された建物です。皇族や政府役人訪問時に使用された貴賓室も備えているそうですが、内部は見学できず、外観見学のみとなります。 -
東置繭所は、全景が入りきらないほど長い建物です。
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東置繭所横に建つ小さな小屋は、高圧変電所です。
送電線から引き込んだ高電圧の電気を、工場内で使用できる電圧に変えていた施設です。 -
東置繭所の隣に建っている繰糸所に移動します。
この施設もかなり長い建物です。 -
国宝の繰糸所に入場します。
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繰糸所では、蚕の繭から生糸を取る作業を行っていました。
繰糸所の建築には、海外から取り入れた「トラス構造」という柱を使わない様式が用いられています。これによって建物内部の広い空間が保たれています。 -
富岡製糸場設立当時の繰糸所には、フランス式の繰糸器300釜が設置されており、当時は世界最大規模の製糸工場でした。
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入口から、繰糸所中ほどまでの機器は、全てきっちりとラッピングされています。精密機器という事で、ほこりなどが入り込まないように状態保存されているようです。
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この辺りはラッピングされておらず、自動繰糸器を直接見る事が出来ます。
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現在、繰糸所で目にすることが出来る機器は、1966(昭和41)年以降に設置された自動繰糸器です。1987(昭和62)年に操業停止するまで利用されていました。
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復元されたフランス式繰糸器で実演を見せてくれる場所です。
平日は、10:00~11:30、14:00~15:30の2回。
土曜は、14:00~15:30の1回。日・祝日はお休みです。 -
繰糸所には大きな窓が並んでいて、内部が非常に明るい状態に保たれています。細い絹糸相手の仕事ということで、採光にも工夫されていることが解ります。
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映画に出てくる機関車みたいなフォルム。
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一番下の容器に繭を入れて、生糸を取りだしていました。
隙間なくぎっしりと各部品が並んでいます。 -
工場の手洗い場。今の学校はどうなっているか分からないけど、このような造りの手洗い場を見ると、小・中学校時代を思い出します。
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昭和15年に建てられた診療所。5室の病室も併設されています。
富岡製糸場創立時には、フランス人医師が常駐し、フランス人技術者や日本人の従業員の診察を行っており、フランス人帰国後は、日本人医師により、診療が引き継がれたそうです。
外観のみ見学可で、内部の見学は出来ません。 -
重要文化財の首長館(ブリュナ館)。
お雇い外国人のフランス人技術者ポール・ブリュナが、家族と暮らしていた建物です。ブリュナ帰国後は、宿舎や従業員学習のための校舎、娯楽や式典会場など、色々な用途で使用され、建築当時とは内装が変更されているそうです。
建築当時からの遺構としては、煉瓦造りの地下室が残されています。
外観のみ見学可で、内部の見学は出来ません。 -
来場記念写真が撮れるポイント。
首長館の裏手です。 -
世界遺産の記念碑。繭を模したオブジェクトが付いています。
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大正7年に建てられた、女性従業員のための寄宿舎。
2階建ての養蚕農家の建物を、増改築して転用した建物です。
各部屋は、20畳の大部屋で構成されていました。 -
昭和15年に建てられた女性従業員用の寄宿舎で妙義寮、浅間寮と名付けられていました。1棟ごとに15畳の部屋が16室ずつ、計32室の部屋が設けられています。
1部屋最大12人の従業員が、一緒に暮らしていたようです。 -
明治6年に建てられた重要文化財の女工館。
お雇い外国人のフランス人女性教師の宿舎として建造されました。
教師たちの帰国後は、役員用宿舎や従業員用食堂・娯楽室などとして、操業停止まで使用されていました。 -
富岡市のイメージキャラクター「お富ちゃん」人形。
富岡製糸場創業140年に当たる2012年に生まれたキャラクターです。 -
普通の民家のような建物ですが、工場敷地内に設けられた社宅群です。
製糸場の幹部役員が、家族と暮らすための社宅が用意されていました。 -
季節的に葉も花も何も付いておらず、ただの枯れ木にしか見えませんが、養蚕に必要な桑の木が植えられています。
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東置繭所と並んで、こちらも国宝の西置繭所。
建物の構造や大きさは、東西共にほとんど変わりません。
西置繭所は、2階は東同様繭の貯蔵庫。1階は、蒸気機関の燃料用石炭の貯蔵庫や繭の選り分け場所として使用されていました。 -
西置繭所は、2020年に完了した保存整備工事により、建物が復原され、内部の見学も可能になっています。撮影不可ですが、繰業時代に使用されていた道具など、製糸場の歴史に関する資料が展示されています。
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煙突と重要文化財の鉄水溜。
鉄水溜は、造船技術を利用して造られた鉄製の巨大水槽です。製糸工程で必要となる水を大量に貯めておくことが出来ました。日本最古級の鉄製構造物です。 -
東西繭所の間に、ブリュナエンジン動態展示施設があります。
建物内には、復元されたブリュナエンジンが展示されています。
フランス人技術者のポール・ブリュナが導入したため、ブリュナエンジンと呼ばれているそうです。 -
ブリュナエンジンは、繰糸器や揚返器を動かす動力として、蒸気機関と共に設置されていました。富岡製糸場で約50年間使用されていたエンジンの現物は、現在愛知県の明治村に展示されています。
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古い形式の小型ブルドーザー。
工場内の整地などに使われていたのかな。 -
東置繭所横の乾燥場があった周辺は、修復整備中でした。
富岡製糸場は、明治時代に造られた古い建物が多く、まだまだ整備途中ということで、現在は外観のみ見学可能な建物も、ゆくゆくは内部公開される可能性があります。 -
東置繭所の2階。乾燥させた繭を保管していた場所です。
いかにも倉庫な風景ですが、東置繭所は長さ104Mもある建物で、ここまで長い建物の何もないガランとした巨大な空間を見る機会はなかなかないと思います。 -
乾燥技術が発達するまでは、生乾きの状態で倉庫に格納し、天気の良い日に窓を開けて乾燥させていたそうです。乾燥技術が進んでからは、乾いた繭をこのように袋詰めし、この倉庫に設けられていたトタン製の貯繭室で保管していました。
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製糸場創立時には、さすがにエレベータはなかったでしょうから、昭和に入って造られたものです。
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繭を乾燥させるために設けられた沢山の窓。
窓の開け閉めだけでも大変だったでしょうね。
にわか雨に降られたりしても、急な対応は難しい窓の多い倉庫です。 -
東置繭所2階の外壁。通路も建物と並行して真っ直ぐ。
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富岡製糸場見学を終え、上州富岡駅に向かう途中の焼き肉屋さんでランチ。ラーメンセットの魅力に抗えず、肉ではなくラーメンを美味しく頂きました。
焼肉 蒼 グルメ・レストラン
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