湯田中温泉と小布施の北斎館と善光寺と東山魁夷　長野電鉄の旅　前偏

2022/12/05 - 2022/12/06

志賀高原でのスキーツアー、長野の温泉旅行のお誘いを別々に受けた。奇しくも両方とも長野県だ。
何かと忙しい師走、両方行くわけにもいかず悩んだ末に後者を選択。

長野の温泉旅行に関して事前に聞いていたのは、湯田中の温泉に泊まるということと、小布施、北斎、善光寺という単語のみ。

湯田中、なんだっけ・・・
小布施は栗の街だよなあ。
北斎？
長野と北斎の関係はわからん・・・・


珍しく、人についていく旅となりましたが予備知識なしの旅はそれなりに刺激的でした。

人についていく旅もあながち悪く無いなと思った信濃一泊二日。

エリア 長野市(長野)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 4.5
• グルメ: 4.0

• 同行者: 友人
• 交通手段: 新幹線 私鉄

スタートは東京駅。
10:24分発のかがやきに乗って長野へ。

平日なのに満席でびっくり。金沢へ行く人が多いようだ。

新幹線の中で、でどこ行くの？
とお連れさんに問うと、

長野駅で長野電鉄に乗り換えて小布施へ行くと返事が帰ってきた。

東京駅 駅

あっという間に長野駅。

平成９年10月１日に開業した北陸新幹線（長野－東京間）は、平成29年10月１日に20周年を迎えました。

ということであるらしい。

長野市長は荻原さん、公園廃止問題では渋い顔されてますね。

長野駅 (JR東日本) 駅

まずは長野市観光情報センターで地図入手。

googlemapも便利だけれど、やっぱり大きな地図が欲しい。

長野市観光情報センター 名所・史跡

小布施、栗と北斎と花のまちらしい。

ところで、長野、信州、信濃ってどう使い分けているんだろう？
信州そばとは言うが、長野そばとは言わないし。

長野駅の全景。

立派な駅だこと。

長野駅 (JR東日本) 駅

何はともあれ、腹ごしらえ。

駅ビルの草笛という蕎麦店に入った。

信州蕎麦の草笛 グルメ・レストラン

大盛りを頼んだところ、大盛はやっていなくて中盛りなら700円追加で出せるという。
盛りが900円。追加の中盛が700円？

出てきた桶に入ったそばを見て納得。都会の量の少ない蕎麦に慣れちゃって忘れてましたよ。中盛りにしなくて正解。


写真はお連れさんが頼んだクルミ蕎麦。

黒柳徹子の色紙があった。

90歳以上は盛り蕎麦無料だって。

メニューをよく見たら、小盛り100円引きなんてのがあるじゃないの。納得。

お隣さんが頼んでいた、かき揚げも巨大で仰天。

なんだか懐かしいな。
昔の蕎麦屋のお品書きは縦書きだった。

さて、長野電鉄で小布施へ。

長野電鉄の改札前には野菜が置かれており、ここは道の駅か？　状態。

自然薯が激安で帰りに買って帰ることにする。
尚、自然薯は改札に持って行くと駅員がバーコードをピッ！としてくれました。

長野駅 (長野電鉄) 駅

柿の皮って何に使うんだ？

300円って高いのか安いのかわからんな。

しかし、善財さんって良い名だ。

ポンちゃんラーメンなんて初めて見たぞ。

これも買って帰れば良かった。

特急に乗って小布施へ。

あれ、君どこかで見たことがあるな。

長野電鉄 乗り物

こちらは各駅停車。

なんと、特急は小田急のロマンスカー、各駅は東急電鉄と日比谷線の車両じゃないの。
巡り巡って長野で走ってるんだ。

そういえば長野駅前に東急デパートもあったなあ。

後で聞いたところによると、長野駅と終点の湯田中駅の標高差は1000mありそのために、箱根ロマンスカーの出番となっているらしい。

長電フリー乗車券2,580円。

今回はこれを使って２日間うろうろするらしい。
黙って後をついていくだけなのでお気楽。

さて、小布施駅。

向こうに見えるのが、かつて走っていた車両ですかね。
鉄ちゃんじゃないけれどちょっと乗って見たかった。

小布施駅 駅

小布施、正直栗が有名くらいの知識しかない。

それとて4トラ　トラベラーの旅行記で得た知識だ。

まずは小布施堂本店。

皆さん義理堅い様であちこちらに栗菓子をお送りになる。

横浜そごうにも店舗があるが、余計なことは言わずにおく。

小布施堂本店 グルメ・レストラン

おっ、これが噂のモンブラン朱雀！

おや、人気なし。

人が居ない訳だ。

お連れさんたち、モンブランにはあまり興味がない様でスルー。

今回の旅の一番の目的である(らしい)北斎館

小布施駅から徒歩10分強。

https://hokusai-kan.com/

北斎館 美術館・博物館

ところで、なぜ長野に北斎館があるのかというと、北斎は小布施の豪農の招きで数度この地を訪れ、様々な作品を残したからであるらしい。

まったくもって知らなかった。

本名を川村鉄蔵というらしい。これも知らなかった。

北斎はサヴァン症候群だったとう説があるがあながち間違いじゃないように思う。
最後の雅号は「画狂老人卍」というらしいから、変わった人であったことは確かだ。

ゴッホやゴーギャンにも影響を与えた北斎は引っ越し魔であったことでも知られる。

90年の生涯で引っ越した回数は93回。
1日に3回引っ越したこともあったそうな。

北斎は何度もこの地に滞在している。

余程小布施が気に入ったのだろう。

北斎が小布施に来た時は８０代半ば。
江戸から歩いてきたというから恐れ入る。

水恋鳥

人物画、風景、動植物。非常に多くの作品が残されている。
北斎にはゴーストライターがいたという説がある。
その一人が娘である葛飾応為。

実際に合作は何作かある様だ。

東洲斎写楽＝北斎説というものもあったな。

東町祭り屋台と天井絵

これはちょっと凄かった。

こんなのが町を廻ってたんですかねえ？
凄いな。

これが噂の石畳ならぬ栗(の木)畳

小布施まで来て栗を食べないのもどうかということで、栗の木テラス 小布施店。

小布施の栗は1300年頃に京丹波の栗が持ち込まれたことに始まるらしい。

栗の木テラス 小布施店 グルメ・レストラン

シュークリーム、モンブラン、ロールケーキとそれぞれ別なものをオーダー。

味見の後一番おいしかったのは？
という問いに、

全員がシュークリームを指さしたのにはちょっと笑った。
シュークリームも無論マロンクリーム。


ここで、岩松院という寺院に八方睨み鳳凰図の天井絵があることを知らされる。
行って見たかったが、電車の時間の都合で泣く泣くあきらめる。

ところで、こちらの栗の木テラス 小布施店 閉店が17:30。
気がつけば我々だけになっていた。

栗の木テラス 小布施店 グルメ・レストラン

小布施駅に着く頃にはどっぷりと日が暮れていた。

こんなに暗い夜は久しぶりだ。

小布施駅 駅

湯田中に着くと、連絡していなかったが送迎者車が待っていてくれた。
どうやら本日最後の客であったようだ。

今日の宿はよろづやというらしい。

着いた宿は千と千尋の世界の様でもあり、
新選組の池田屋階段落ちに使われそうでもあり。

湯田中温泉　よろづや
https://yudanaka-yoroduya.com/

信州湯田中温泉 よろづや 宿・ホテル

こういう旅館に泊まるのは久しぶり。

狩野永徳　唐獅子図屏風はもちろん複写だ。

部屋はまあ、一般的な温泉宿の部屋。

二間ありそこそこ広い。

蛇口をひねれば温泉が出るらしいが部屋風呂は使わなかった。

さてお待ちかねの夕食。

部屋食ではなく個室での食事だった。

【前菜】
南京小倉寄せ
いちじく旨煮
里芋利休
エシャロット
合鴨オレンジ煮

【お吸い物】
土瓶蒸し

あわび茸
福美鶏
銀杏
三つ葉

パッとしない見た目に反して美味しかった。
福美鶏というのは信州のブランド鶏らしい。

【お造り】
信州大王イワナ
佐久鯉
信州サーモンの刺身


信州大王イワナというのは信州サーモンに次ぐ長野のブランド魚。
抱卵しないため、通常の倍くらいの大きさに育つらしい。

“海なし県”長野県で、地元の魚でもてなしたい！という努力の現れである。

https://www.agries-nagano.jp/story/6344.html


ふた昔前は、どこへ行ってもマグロの刺身に海老のてんぷらが旅館の料理だったからねぇ。

【お凌ぎ】
この蕎麦は物凄く美味しかった。

蕎麦屋を閉めた人が特別に打っているらしい。

【焼き物】
清流岩魚塩焼き

【台の物】
信州プレミアム牛ステーキ
地野菜

Ａ５ランクの特別な信州牛であるらしい。

見事なサシだが、20年前に食べたかった。

【煮物】
冬瓜
海老
紅葉麩
青味
菊花餡

海老が唯一の海のものだったが、これは要らないな。

木島産こしひかりだそうであるが、先月新潟で食べたコメは本当にうまかったなあ、と改めて思った。

A5ランクの肉はわっぱ飯にしていただいた。

ポン酢か塩でさっぱり、というのが料理人の推す食べ方の様だが、ここまでサシが入っていると、かえって焼肉のたれのほうが良いような気がするなあ。

【水菓子】

部屋に帰ると布団が敷かれているのはお約束。

枕投げは行わないが、この日クロアチア戦があり両隣の部屋が空室であったのは幸いだった。

絶叫とため息が交差。

ではのんびりと温泉に浸かりますか。

こちらには、平成15年に登録有形文化財に指定された純木造伽藍建築の桃山風呂があると聞いて楽しみにしていた。

脱衣場の柱には善光寺詣での人が持ち帰った千社札。

脱衣場からして雰囲気ありあり。

心、洗う

ですかね。

ではのんびりと温泉に浸かりますか。

湯舟は想像以上に広く、お湯は透明。

この宿に泊まる理由の大半はこの桃山風呂。

令和であることを忘れるな。
明日の朝、もう一度は入りに来よう。

さて翌朝。

部屋からは見事な雲海が見えた。

雪も覚悟していたんだけれどよかったよかった。

純木造伽藍建築をゆっくりと拝ませてもらった。

因みに桃山風呂は時間によって男女入れ替え制。

蒸し風呂なんてのもありました。

では、朝食

メニューは女将の手書きらしい。

温泉蒸しの中はエノキの豚ロース巻きと野菜。

野菜、酒粕、生クリーム、コチュジャンが合わさったまぁーず味噌というオリジナル味噌で頂く。

昨晩暗くてゆっくり見なかった玄関を撮ってみる。

街を歩いてみる。
平日とはいえ、人が少ないな。

大丈夫か？この温泉。

ところが駅前には外国人がいっぱい。

どこから来た？
どこへ行く？

湯田中駅 駅

湯田中駅旧駅舎である楓の館

湯田中駅旧駅舎 名所・史跡

これを見てなっとく。

あぁ湯田中って地獄谷温泉の入り口なんだ。
スノーモンキーってあちらこちらで目にした理由がやっとわかったよ。

温泉に入る猿はちょっと見てみたかったが、お連れさんたちは全く興味を示さず。

箱根ロマンスカーもとい、長電特急に乗って長野へ向かいます。

長くなりそうなので、続きは後編で。
湯田中温泉と小布施の北斎館と善光寺と東山魁夷　長野電鉄の旅　後偏へと続く