2022/09/09 - 2022/09/11
6147位(同エリア7607件中)
RiEさん
旅行3日目、最終日。
チェックアウトして向かったのは、ぶどう栽培からワインの醸造まで行っている北陸で最も古いぶどう園とワイナリーの“やまふじぶどう園”へ。
そのあと南砺市へ移動して、井波彫刻発祥の寺院とされ境内各所に施された美しい木彫刻が鑑賞できる“井波別院瑞泉寺”を訪れ、井波彫刻工房が軒を連ねる井波門前町の“八日町”を散策しながら軒先やベンチで寛ぐ木彫りの猫たちを捜した。
子持ち鮎が食べられる時期なので鮎料理専門店の“鮎や”で、砺波市のブランドに認定されている「生粋の庄川鮎」を用いた絶品の鮎料理を堪能してから帰路についた。
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 自家用車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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1927年開園の“やまふじぶどう園”は、富山県内や大きな都市の実店舗を中心に販売していて、自社でオンライン通販を行っていないためこの機会に訪れた。
山藤ぶどう園 グルメ・レストラン
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10:00前に到着するとぶどう収穫・販売時期と重なっているせいか、高級なぶどうを入手するために訪れた人や軽食を求める人で混雑していて、1組ずつ入店する入場制限が行われていた。
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やまふじぶどう園のワインの一部の商品は富山県内の酒屋・道の駅・スーパーなどで見かけたけど、ワイナリーには20種類近く自社生産ワインの取り扱いがあり、こんなにラインナップが豊富だとは思わなくて驚いた。
個性的なネーミングや造り手のこだわりが感じるのがヒシヒシ伝わる説明うを受けたけど、今まで1度もやまふじぶどう園のワインを飲んだことが無く選ぶ基準が掴めなくて迷っていたら、コロナで試飲は中止してるけど開栓してあるワインなら…と3種試させてもらい、好みの味だった2本を土産に購入した(ショップ内は撮影禁止)。 -
ぶどう園の広い敷地を利用してライブやマーケットが開催されたり、ワークショップ・収穫イベントも行っているので家族連れの姿を多く見かけた。
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このオープンスペースも時期によっては、夜にイベント会場になるらしい。
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天井を覆うように延びるぶどうの木には、カバーが付けられたブドウの房が下がっていたので、頭上を注意しながら秋の実りを見て周った。
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30分ほど車で移動して南砺市にある八乙女山の山麓に建つ浄土真宗寺院“井波別院瑞泉寺”へ。
本願寺5代:綽如上人によって開基された寺院で、天皇から勅願所として建立することが許可された勧進状を認めてもらったので、加賀・能登・越中・越後・信濃・飛騨・6カ国の有縁の人々から浄財を募り建立し、北陸の浄土真宗信仰の中心として多くの信者を集めたことで知られている。
越中の一向一揆の中心的寺院だった瑞泉寺は1581年に佐々成政によって焼き討ちにあい、江戸時代に入って1642年に再建されたものの1762年に町屋出火によって土蔵以外は焼失してしまったのと、1879年に寺内より出火して山門などを残して再び焼失した過去があることから、瑞泉寺は3度大きな火災にあって伽藍が焼け落ちている。3度焼失して、そのたびに立て直した故に高まった井波彫刻の技術が集約された寺院:井波別院瑞泉寺 by RiEさん井波別院瑞泉寺 寺・神社・教会
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ドンと構える立派な大門は、2度目の火災後の1785年に京都の大工によって建て始められたけど、京都の本願寺の火災による再建工事が始まったため多くの職人が京都に戻ってしまったので、井波大工がその後を引き継ぎ完成させた。
現在残るこの大門は1809年頃にほぼ完成したと思われる。 -
大門正面では山門の彫刻欄間:雲水一疋龍(波に龍)が睨みを利かせていて、髭と目玉だけがグリーンカラーなのが渋い。
1879年3度目の大火に見舞われた際、この龍が飛び出てきて井戸の水を吹きかけ、山門を類焼から守ったと伝わる。 -
少し下がった位置から山門を眺めると、龍の生き生きした表情と躍動感が見てとれる。
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山門全体が素晴らしくどこを切り取っても絵になるけど、この先瑞泉寺に散りばめられた井波彫刻技術の素晴らしさに次々と驚かされることになる。
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参道を進んでいくと龍が水を口に含んだと伝わる井戸と、その時に尾を巻きつけたという伝説の松:昇竜の松(松枯れのため現在は伐採済)があった。
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本堂向かって左側に建つ太子堂は7年がかりの大工事の末に、1918年に井波建築・井波彫刻・井波塗師の優れた技を集めて、約16間=29m四面の重層伽藍が再建された。
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現在の本堂は3度目の火災のあと1885年に再建されたもので、間口25間=46m・奥行23.5間=43mの単層入母屋造りの北陸随一の大伽藍を、井波大工の棟梁・大工・彫刻師が完成させた。
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本堂へ上がる階段は畳。
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階段を上がると正面中央上部に、金色の瞳をした龍が対になるよう配置されていた。
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木目や節を活かす素朴な雰囲気と、高い技術が交差する瑞泉寺。
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足元を見ると経年劣化による傷・穴・虫食い跡などがあり、ストッキングやタイツだと引っ掛かりやすいのでカバーソックスを持参した方が良いかもしれない。
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拝観料は大人1人500円で本堂内部は撮影禁止だけど、テーブルに置かれた井波彫刻:獅子頭だけは撮影OKで、実際に触れて井波彫刻の技術の高さを体感することができた。
本尊は阿弥陀如来で、両脇壇には宗祖:親鸞聖人御影と先門首御影を安置している。
本堂正面中央の欄間には、浄土そのものを示すという迦陵頻伽の見事な彫刻が施されており、瑞泉寺の再建と共に伝承され発展を遂げてきた井波彫刻の技術の高さが詰まっていた。 -
続いて太子堂へ。
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本堂と太子堂は広い回廊で繋がっていて…
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間に小さな庭が配置されていた。
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太子堂に着いてまず目を惹くのは、屋根の一部が前方に突き出した向拝に施された正面拝向上手狭彫刻。
両端2本は霧に鳳凰が、中央2本は波に龍の彫刻が施されていて大変美しい。 -
太子堂の入口周辺を見上げると、笹と虎・波と龍・波と兎などの素晴らしい彫刻が施されており、首が痛くなるほど見上げてしまった。
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太子堂は厳かな雰囲気が漂っていて、内陣中央には後小松天皇より開基:綽如上人に下賜された聖徳太子二歳の尊像が安置され、両脇壇には開基:綽如上人御影と瑞泉寺前住職御影を安置している。
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太子堂から続く橋を渡ると宝物館に行ける。
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まさか、橋を渡った先がまさかコンクリートむき出しとは!
本堂横に置いてあったスリッパが大きかったので私は利用しなかったため、コンクリート床をストッキングで渡る羽目になるとは想像しておらず、今思うと靴を履いて出直すか、本堂にあるスリッパを取りに行くべきだった。 -
鉄板の小さな階段なんて完全に屋外だし、天候が悪かったら通れなかったはず。
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1966年に六角の建物が宝物堂になっていて、内部撮影は禁止だけど瑞泉寺が所蔵する数々の寺宝が鑑賞できた。
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来た回廊を戻って、靴を履いてから境内へ出たけど…
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宝物館手前の階段を利用して外から入館する人ばかりだった。
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山門を出て塀沿いに進んでいくと、1972年に建てられた唐破風造りの式台門(勅使門)が姿を現した。
門扉などに菊の紋章があしらわれているので菊の門とも呼ばれている。 -
蛙股には莫が、虹梁には松に鶴が彫られている。
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両脇板には井波彫刻の元祖といわれる番匠屋七左衛門作が施した「獅子の子落とし」が配置され、2005年の大法要で200年の状態に復元されたものを鑑賞できる。
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車を置いたまま、瑞泉寺前どおりを少し散策する。
井波彫刻の歴史は250年前に遡り、京都から瑞泉寺建立に派遣された宮大工が地元の人に技を伝えたことで発展を遂げ、現在井波には瑞泉寺の表参道にあたる“八日町通り”を中心に約200名の彫刻師・職人が暮らしているそうで、数えきれない程の工房が軒を連ねていて、技術の粋を重ねた看板彫刻に目を奪われる。
ただこの通りは市バスも通過するし、車通りもそれなりにあった。隠れた木彫猫を探しながら散策が楽しめる:瑞泉寺門前町の町並み(八日町通り) by RiEさん瑞泉寺門前町の町並み(八日町通り) 名所・史跡
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中でも特に目を惹くのが、軒下や窓から姿を現す木彫りの猫たち。
井波彫刻師たちが生み出す猫たちは約30匹存在するそうで、仕草や表情もユニークだった。
こちらは看板裏からヒョコっと顔を出し境内を見つめる猫。 -
思慮深い表情でベンチに佇む白猫。
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パッと見るだけじゃ気付かないけど、酒屋の1階中央の軒下には…
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寝そべりながら手酌するハチワレ猫が隠れていた。
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華やかな牡丹に囲まれた眠り猫。
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先程の手酌する猫が隠れている酒屋の向かいある“若駒酒造場清都酒店”の立派な看板に目が行くけど…
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軒下を見上げると、白猫が杉玉を狙っている構図になっていて遊びが効いている。
試飲は出来ないけど、こちらで製造しているひやおろしを土産に購入した。 -
30分ほど車で移動して砺波市庄川町に到着すると、駐車場はほぼ満車状態でギリギリ車を停めることができた。
子持ち鮎が食べられるこの時期に訪れたのは“庄川峡鮎料理専門店 鮎や”。鮎や グルメ・レストラン
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鮎やで提供している鮎は、砺波市のブランドに認定されている「生粋の庄川鮎」を用いているので期待が膨らむ。
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待合室前には生け簀があって、勢い余った鮎がピョン!と段を越えて黄色いエリアに何度も乗り上げるのを眺めていると…
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大きなタモを抱えた料理人が生け簀の中に入って、容赦なく掬っていった。
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靴を履いたままでOKのテーブル席もあるけど、案内されたのは畳敷きの椅子席。
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Menu。
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【鮎料理5品】2800円
【鮎めし】1100円
鮎ごはんが大好きなので、鮎みそ汁・漬物・程良い上品な甘辛さで箸が進む鮎や特製鮎味噌が付いた鮎めしを、私だけ足してもら、ボリュームがある。
鮎料理5品の内容は…
・鮎の内臓を塩辛にした鮎うるか
・山葵で食べるお造り3枚と、鮎昆布〆2枚
・梅ペーストがのっている鮎茶わん蒸し
・鮎南蛮漬け
に加えて… -
生粋の庄川鮎の札が付いたメインの子持ち鮎の塩焼き3本(これは2人前)。
卵はふわっふわでたっぷり入っており、少し酸味がある薄味のタレに付けて味わった。
夏の鮎は以前はよく食べに行ったけど9月に入ってからは初めてだったので、この時期ならではの希少な味に大満足だった。
合計:7260円。 -
14:00過ぎに出発して、高速に乗る前に“道の駅:たいら”に立ち寄り五箇山土産を調達してから帰路に就いた。
初日の不安定な天候には泣かされたけど、東北方面を旅行した際に各地で耳にした廻船問屋について深く知ることができ、新しい発見に満ちた旅になった。
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旅行記グループ
受け継ぎ守り継がれる文化遺産を巡る旅 in 富山★2022
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