塩竃_Shiogama　『北バチ』！藤原氏・伊達氏も信仰した奥州一之宮を擁する門前町

2022/01/03 - 2022/01/04

宮城県中央部、仙台と松島の中間に位置する市である塩竃を訪れました。古くから、奥州一之宮鹽竈（しおがま）神社の門前町そして港町として栄えました。現在はマグロの水揚げ基地として全国的に知られ、特に生鮮メバチマグロは日本有数の水揚量を誇り、すし店がたくさんある町です。
★本塩釜のホテルに泊まり「すし哲 本店」へ。
★塩釜港の魚市場食堂で朝ごはんを食べ、酒蔵に寄った後は鹽竈神社へ。

[いただいた郷土料理/ご当地グルメ]
◎マグロ
◎サバ
◎地酒、地元限定の「浦霞（うらかすみ）」

エリア 多賀城・塩釜・利府(宮城)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5
• ホテル: 4.0
• グルメ: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦
• 一人あたり費用: 1万円 - 3万円
• 交通手段: 自家用車
• 旅行の手配内容: 個別手配

年末年始の宮城周遊、石巻から西へ進路を取り塩竈市へ向かいます。

三陸沿岸道路の利府中（りふなか）ICで下車。

JR仙石線、本塩釜駅近くのホテル「ホテルグランドパレス塩釜」に到着。

ホテルグランドパレス塩釜 宿・ホテル

この日はここに泊まります。大きなロビー。

客室。

一般的なビジネスホテルの設備と備品。

バスルーム。駅前ですし、結婚式場もあるような地域のフラッグシップホテルの様ですので、素泊まりでもそんなに安くはないです。

車なのにあえて駅前のここにホテルをとった理由はこの店…ではなく（候補ではあったのですが）…

この「すし哲 本店」が近くにあったからです。

すし哲 本店 グルメ・レストラン

年始は予約を取らないとのことでしたので17時に訪問。大将の横のカウンター席へ。この大将の話が面白かったです。

浦霞（うらかすみ）の純米辛口を突き出しとともに。

まずは白子焼をオーダー。

アナゴ（蒲焼/白焼）・本マグロ・姫キュウリの南蛮味噌・供酢・ボタン海老・アワビ肝・タコ・玉子焼き…いやいや豪華なお通しです。酒が進む～。

光り物三種、コハダ・サバ・イワシ…。
わーい好物のサバです！でも大将に言わせれば「金華サバなんて言ったってどこ泳いできたかわかったもんじゃない、ありきたりのイワシの方が美味い。東京はブランドに弱い。」だって。

…確かにこのイワシ…見た目も美しくかつ美味そうですがマジ美味かったです。ありきたりのイワシ…なんですね。

そして、看板メニューの「すし哲物語」が有田焼の皿で出てきたところで“ひがしもの”について話をふってみたところ…

…「ひがしものは10月まで。寒くなったら海が荒れて小さな船では北に行けなくなる。北の美味いメバチマグロが『北バチ』で、北じゃない温度の高い海域では餌も脂の乗りも悪いマグロになる。」…へ～そうなんですか。

…てことは、ひがしものはちょっと時期外れだったかな。まぁ、そこにこだわらなくてもかなり美味いわけですが。私は東京でもないし。

海老の吸い物付き。

2つ目にオーダーした一ノ蔵が空き、次の酒は…ちゃきちゃきとした明るい女将さん（らしき方）が勧めてくれたこちら「浦霞の原酒」、宮城県限定・季節限定の日本酒です。

美味い鮨と酒をいただいてると、一人の男性のお客さんが来店し私たちの隣、大将の目の前のカウンターへ。すると大将「この忙しい時に来るんじゃないよ～！」「いいだろ別に手間かけないんだから！」「浦霞の巷に出ない酒を職権濫用で味わってるくせに！」…。45年通ってる常連さんてことで、ものすごく仲が良さそうです。

…な～んて口だけでなく手も動かしながらサービスで出していただいたのがこちら、まぐろの串焼き。こりゃまた…鮨で満腹なところに香ばしくジューシーな焼き物で胃が下がる。

そうするとその常連さん交えこの店に来た芸能人の話になって。JRのCMシーンでのこのカウンターに座る吉永小百合さん。

デザートにはイチゴのシャーベット。季節に合わせて4種あるらしい（ラフランス、ぶどう、桃）。

いただきませんでしたが、フランスのアルザス地方へ出向いて仕立てたというオリジナルラベルの白ワイン。魚に合いそうです。

いやいや、美味しかったのはもちろん、楽しい食事でした。

翌朝…客室の窓からホテルの裏山。

ホテルをチェックアウトし、塩釜港へ向かいます。

目当てはこちら「塩釜海の駅」。

塩釜海の駅 グルメ・レストラン

「塩釜市魚市場」に併設する施設です。

ホテルの朝食では味気なさそうだったので、１月4日からここが開いていることを調べて素泊まりにしました。

食券買います。

シンプルな造りで市場関係者の食堂という感じです。営業は全然普通に一般向けなんですが。

私は、日替わり定食の「ミックスフライ定食」（830円）。アジとマグロは具が肉厚。

妻は、「マグロ丼」（1000円）。４種のマグロの具がごはんを覆い、赤身好きの妻ご満悦。

がっつりと朝めしを平らげた後はお土産を物色。

三陸産のホヤ。

三陸産のウニ。

塩釜港で水揚げされたメバチマグロの中トロ！

サバの文化干し。発泡スチロールの中古ケースを無料でくれますので、冷凍物をたんまり買いました。

「塩釜市魚市場」も見学していきましょう。

解説付きで作業場を上から眺められます。

マグロを箱詰め中。

マグロを運搬中。

大きな市場ですので見学通路も結構長い...そのところどころにマグロ漁に関わる情報が。

オブジェも含め他にもたくさん。マグロの食文化について知ることができます。

再び本塩釜駅周辺に戻り、「浦霞」の醸造元である「株式会社佐浦」へやって来ました。

浦霞醸造元 グルメ・レストラン

江戸末期の享保9年（1724年）に鹽竈（しおがま）神社の御神酒酒屋として創業。事務所棟玄関には、法蓮寺由来とされる向拝。

事務所の玄関だけ拝見させていただきました。

で、お酒を売ってるのはこっちの建物。

新酒が出来ると飾られる杉玉。

日本酒キャラクタープロジェクト「神酒ノ尊」にて擬人化された「浦霞」。

真ん中に置いてある“季節限定”かつ“宮城県限定”の「本醸造生原酒しぼりたて浦霞」をお買い上げ。前日に「すし哲」でいただいた日本酒です。

酒器も色々。妻が興味津々ですが、既にかなり持っているのでここは抑えて…店をあとにします。

ちょっとだけ街歩き。かわいい移動販売カフェ発見、開店準備中の様です。

まちかど博物館（旧ゑびや旅館）、「ゑびやカフェはれま」という、これまた雰囲気良さそうなカフェが入ってました。

その向かいには「御釜（おかま）神社」。これから訪れる鹽竈神社の境外末社です。

御釜神社 寺・神社・教会

この境内に安置される竈が、鹽竈の地名の由来らしい。

「阿部平蒲鉾店」と「チョコレート工房クレオバンテール」が並んでます。ここは「笹かま」でしょ～…という私の意とは裏腹に、妻は既に甘い方の店頭に立っています。

メシ食った後だし、こちらに吸い込まれるのは必然か…。

チョコレート工房 クレオバンテール グルメ・レストラン

チョコクッキーをお買い上げ。

本塩釜の駅前をちょっと見て、鹽竈（しおがま）神社へ向かいます。

佐浦の酒蔵をチラ見して…

享保5年（1720年）創業の老舗和菓子店「丹六園」が建つ角を曲がり…

鹽竈神社の無料駐車場へ。神社まで結構遠い場所ですが、年始で混雑しているのでやむなし。

陸奥国一宮で全国にある塩竈神社の総本社です。また境内には志波彦神社があり、正しくはこの2社をあわせた｢志波彦（しわひこ）神社鹽竈（しおがま）神社｣が正式名称なのだそうです。

まずは「鹽竈神社」へ。創建時期不明ながら千年以上の歴史を持つ神社です。「随身門」から入ります。

鹽竈神社 寺・神社・教会

「唐門」を通って…

正面の「左右宮拝殿」へ。

拝殿の前には、芭蕉が“奥の細道”に綴った「文治の灯籠」。

その右手には「別宮拝殿」。中世には奥州藤原氏、江戸時代には伊達家に厚く信仰されていた鹽竈神社は、本殿・拝殿・随身門など14棟1基が国の重要文化財に指定されています。

続いて隣の「志波彦（しわひこ）神社」の神門。志波彦神社はもともと今の仙台市にあったものが明治時代に鹽竈神社境内に遷宮されたそうです。

鹽竃の神と協力関係にあった神らしいので、一緒になったのでしょうか。その「拝殿」にお参りして神社をあとにします。

雪景色の神社の庭園。

塩竃観光そして宮城周遊を終え、関東の自宅へ向かいます。雪が降り出しました。

古くから門前町そして港町として栄えた塩釜…年始ということもあり由緒ある鹽竈神社にお参りできて良かったです。…というのは建前で、「浦霞」と「すし哲」が目当てでした。すし哲は有名人気店ですが意外なほど気軽でカジュアル、美味しく楽しい訪問になりました。