秋篠川行ったり来たり

2021/12/23 - 2021/12/23

　特段用と云うほどの用事では無いが、奈良市内の所要を片付け表題の秋篠川辺りを彷徨ってきました。その用事に大凡二時間ほどかかり昼食時間を過ぎてしまいました。小洒落た店も無くはないが人と接するのが億劫で、コンビニでパンとデザートのアイスを買う。

エリア 奈良市(奈良)

• 旅行の満足度: 5.0

• 交通手段: 自家用車 バイク

　買ってしまってから、アイスの保存方法に気付くが先に喰っても良いだろうとデザートからかかることにします。しかし、これが良くなかったようで胃の膨満感を午後引きずっていました。平城京跡の駐車場へ車を入れ、自身はトイレに入る。

　あまりさっぱりしないながらも、大極殿や南門その他の再建風景を見ている時に思い出したのが、現場を統括する学芸員の新聞で読んだお話「構造物はさっぱり資料がないので、推測だけで造っている･･･」と。宮殿跡で在ったことも忘れて耕作したり、鉄道を敷設していたのですから正直で良いお話です。デザート問答よりはましです。

　建築概要説明

　ススキが生駒山他を覆い隠すように茂っています。ほぼ東西に横切ると秋篠川へ出ます。あと一歩という横断歩道で信号待ち、対則でもお待ちなので信号が変わるものと思い相当時間待つも一向に青信号とならない。少し冷静に見ると「押しボタン」としっかりと書かれています。真向かいでお待ちの女性も、観光客らしくない。その方から見て私もその辺のオッサン。お互い、相手に頼っていたと云う事なんでしょうか。すれ違う時は双方当然素知らぬ顔で。

　秋篠川唐招提寺脇の万葉歌碑は、このコースの定番休憩地。秋篠川畔の緑地にある大伴旅人の歌碑。大伴旅人は大伴家持の父で、当時太宰帥として赴任していた旅人が、淡雪がまだらに降りつづくと奈良の都が思われることだと、大宰府に降りつづく雪を見て奈良の都を思う歌だそうです。この日は冬とは思えない好天に、雪は無理だと呟く偐山頭火でした。

　コロナがなければ薬師寺は東西の塔の落慶法要で全国から、老若男女が詰めかけたことでしょう。さすが法力もコロナには退散で、門前も高田後胤がお寺に入られた往時を偲ばせる。自棄に美しい西塔が塀の落ちた瓦越し見ると妙に安定感がある。元々狭い露地のような山門付近が尚更寂れて見えるが、これも本来の姿でしょう。

　今年いただいた暮れの品の中に寿吉屋の奈良漬けがありました。奈良漬けでは特に著名なのは「山埼屋」ですが、寿吉屋も美味い。が、高血圧を原因とする愚妻の病や、愚僧には禁物の塩分過多食品です。薄味の奈良漬けは出来無いものなのでしょうか。などと心で呟きながら薬師寺の体駐車場へ出て来ました。

ここから先は大和郡山です、日が西に傾きはじめますと少々寒気が。また秋篠川畔に出て平城宮跡を目指して戻りましょう。