2021/02/25 - 2021/02/25
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河内温泉大学名誉教授さん
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斑鳩の苺屋さんに用事があって、再び亀の背を越えて奈良県に越境です。苺は「古都華」の配送を四件分頼むだけ、自宅用は明日香ルビーを一箱購入。車を法輪寺に置き車で中昼食、トレンクルを引き出して輪行の準備。底冷えがするのですが快晴、寅さんの様に風まかせの輪行による表題の旅の始めは「いかるが池」の堤を一周です。
いかるが池から葛城・金剛連山を望む
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車 バイク
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野鳥も愚僧の侵入に驚きもしせず
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何年か前に池を一周したときは、隣接するゴルフ場との境界が明確でなく、ゴルフ場へバイクで入り込んだ記憶があります。しかし今回は、写真の様に境界場に遊歩道も作られトイレも設置されています。この辺りから南に広がる田園の水源として利用されているのでしょう。準備体操程度に堤を一周して富雄川方向へトレンクルを進めます。
富雄川堤上自転車道標識 -
その気ならば嵐山まででもどうぞ・・・と標識にはありますが、本日は遠慮して川を渡るだけです。渡った場所辺りを「高安」と云います。河内の地理に詳しい人なら、八尾の高安と同じと思われます。それが半分正解で、同じ高安だと云われています。それは在原業平の河内(高安)通いの「業平道」にここが当たり、元々は「富の小川」と呼ばれていたが後に業平を偲んで高安と呼ぶようになったと鎮守の天満宮の標識にあります。
天満宮 -
同標識
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高安八幡宮
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面白いのは村の美しい娘が美男子の業平に連れて行かれるのを恐れて、顔に鍋墨を塗って防御したと記されています。この先の柏原市太平寺地区では業平に「はしたない」姿の娘を見られたくないので、道の西側の家には道に向けて窓を付けなかった・・・と各地に色々な伝説を残した色男だったようですね。
鍋墨の記載のある説明板 -
この天満宮は白洲正子著「十一面観音巡礼」にも登場します。彼女は大和の勝林寺と云う寺に、縁あって流れ着いた和風檀像と呼ぶ榧の一木作等身大の十一面観音像の縁をたどって訪れています。当時も既に仏像は奈良博物館で収蔵されていたが、訪れた寺で観音像は元は「高安」の天満宮に大日堂がありそこで祀られていたものと聞き、住職に案内されている。そこで彼女は聖徳太子を偲ぶ「斑鳩やとみの小川の流れこそ 絶えぬ御法のはじめなりけり」(新千載和歌集)にある「とみの小川」から何か深いえにしがあったように思われる・・・と記しています。
八幡宮内の大日堂跡の碑 -
とみの小川沿いの上宮跡
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道中の紅・白梅良い香りです
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聖徳太子が上宮から飛鳥の橘寺まで通った道を「太子道」と呼びますが、この辺りで業平道ともクロスオーバーしています。主要道としてはこの道しか考えられないのですが、政務に通う道と、色恋に通う道が重なるというのもおかしいものですね。
業平道標識 -
この辺りで太子とも業平さんとも距離を置いて先へ進みます。今では田園の中を斜めに横切っているのが関西本線と西名阪自動車道。今回は、高安付近で関西線を越えると業平道の標識が立っていましたが。しかし、これに従って進むと途中で田圃に突き当たるので、どうもこれはこじつけ標識のようです。この道脇に珍しい松を拝見することが出来ました。松は浄土真宗善照寺境内にある「冨生(ふしょうの松」と呼ばれる黒松。盆栽栽培のように根が地上に盛り上がるように作られ「根上がりの松」と呼ばれているそうです。さしずめ愚僧なら株の値上がりを待つ・・・とつい考えてしまし足す。しかし、斯様な事を考えていた24日は日経平均で400円あまり「値下がり」していました。
蔵土真宗善照寺山門 -
冨生の松説明
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松は見事に根上がりしています
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松に見とれている間に多少「損」をしていたようですが、些細な事先へ進むと安堵町に入ります。ここは太子道領域です。巨大な聖徳太子像と、かかし細工のような人形達を以前紹介したことがあった所です。まずは、最近出来た「四弁花」という観光施設へ。富本憲吉の生家前の広場に新しく作られたようですが、見事に閑散としています。特段拝見することもないので、トイレのみ拝借する。施設の外で暫し休息していると富本憲吉の生家を利用したホテルも閉鎖されています。
四弁花前にて -
富本憲吉の生家ホテルもコロナに討ち死にでしょうか
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案山子公園全景
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町に点在していたかかしを一箇所に集めて「かかし公園」としたようです。一番奥に聖徳太子と黒駒など、太子道を上宮へと進む一行がおられます。公園入口から奥までに色々な意匠のかかし達が並んでいますが、手入れをされていないようで廃墟に似た雰囲気も漂います。
かかし公園正門 -
コンテスト優秀賞「駄菓子屋さんに集まった子供」
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コンテスト最優秀賞「お庭掃除」
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少し南へ進むと大和川の堤に出ますが、直ぐに寺川の土手です。天井川を何度も登り降りするのもトレンクルだと流石にへこたれます。そこで寺川の左岸を走ることに、さすれば本日最大の目標の大和川潜水橋へ自然と出るだろうという算段。予想通り寺川は大和川に飲まれ、曽我川の脇に廣瀬神社が見えて来ました。
堤と堤の間の畑にて蓮華でしょうか -
廣瀬神社 奇祭砂かけ祭は終わっているようです(開催したかも不明)
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廣瀬神社祭神
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法隆寺インターチェンジを過ぎて、西名阪道と大和川に挟まれた道を進むと「潜水橋」が遠目に見えて来ました。この橋は勢州の孫Kz君が興味を持っているそうで、現物の写真を送ってやろうとの孫孝行。加点狙いという意見もありますが、それも当たっています。コロナ禍が去った来阪時の見学のお約束にした場合の下見学という目的もあります。
河合町目安地区の潜水橋(沈下橋とも呼びます) -
以前に渡った時の感覚よりも幅員が狭く見えます。自転車さえ行き違いには神経を使うところですね。Kz君は怖がると思いますが、私も小さい方の寅2号(ALTO STATION WAGON 660)でも少し怖いでしょう。
付近の住民が散歩するも前から車が来ると戻って退避です。これって逆じゃないかな -
郵便配達もこの橋を利用
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潜水橋を越えると斑鳩町です。聖徳太子の時代ならこの堤はありません。川から法隆寺等の寺を遠望できたことでしょう。唐(中国)からの使い達に「どや!」と威張る聖徳太子の思惑が透けて見えますね。本日最初に訪れた「いかるが池」からの金剛葛城の遠望の中間あたりに、異国からの使いを乗せた船が川の道を飛鳥へと向かっていると想像する、それが太子のダイナミックな舞台演出であり思惑だったのでしょうか。
法隆寺西院から再び遠望してください。川は見えませんが飛鳥方向や金剛山系が望めます。 -
中国伝来とも云われるコロナ、聖徳太子遠忌1400年遠忌の法力で何とか治めていただきたいものですね。
太子の道 業平の道 コロナ道 <偐山頭火>
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