里坊と石積みの町　坂本散策

2021/09/01 - 2021/09/01

計画を立てても立てても、コロナで自粛。　
慎重と言おうか従順と言おうか…おこもりばかり
それなら、人影もまばらな、比叡山山麓の坂本を散策しましょうか。

ここは、山の暮らしが厳しくなった老僧たちの隠居所として作られた
50を超える里坊と、その敷地を支える石垣の密集地です。

戦国時代、各地の石垣を築いたプロフェッショナル集団、のずら積みは
その職人たちの出身地から穴太積みともよばれ、安土桃山城跡はじめ全国に見られます

ブラタモリで野面積みを詳しく説明していましたが、その時は「なるほど」
と思っても一晩寝れば？？？？
まあ、私の知識はそんなものでも、静かな散歩を楽しめばそれでOK

エリア 大津(滋賀)

坂本へは京阪電車石山線と、JR湖西線が通っていますが今日は京阪電車で。
紫式部が源氏物語を書いたといわれる石山寺から
比叡山坂本まで21駅
国宝の寺から国宝の寺へ、のんびりと走る路面電車です

こじんまりとした静かな駅

比叡山から流れ落ちる疎水沿いに苔むした穴太積みの里坊が続きます

八王子山山頂近くの急な山道を上ったところに
山王祭に使うお神輿が収められています。

急な石畳の道を大勢の男らが日吉大社本宮迄担ぎ下ろす勇壮なお祭りは怖くて、てれびでしか見たことはありませんが

パンフレットではこんな感じ

日吉大社に直接向かわず、路地路地を回り迷いながら
西教寺ー日吉大社コース「山の辺の道」を歩いてみました。
何しろ迷子のなるのが大好き?という困った性格ですから


するとこんな神社が

楠の巨木をまっ平に切ったテーブルツリー
しかも二本も

しかも、しめ縄が巻いてある御神木なのです。

木はまっ平の縁から枝を伸ばしなお天を目指します。
不思議が一杯

元三大師里坊の標識

大師は比叡山の高僧で比叡山復興の祖としあがめられている方です
門は固く閉ざされ、内部も相当広いようです。

ここは観光客どころか、住民の影も見えない静かな地区なので、
路地から路地をさまよって、相変わらずの見事に迷子

ぶらぶらしているうちに西教寺に付きました。
西教寺は明智光秀の菩提寺で
ひな人形展や、紅葉の頃は沢山の参拝客が来ますが
今日はパス。

秋の気配にびわ湖が光っています

千体地蔵仏の前に出ました。坂本地区は地蔵信仰が厚く
多くのお地蔵さまが点在しています

草むらにぽつんと一体。すっかり風化しています

石垣にこんな苔も

サンゴみたい

こちらは藪ミョウガの花盛り
濃紺のパチンコ玉ぐらいの実。

葉っぱも匂いもミョウガそのものなのに、こちらはミョウガではなく
つゆ草の仲間なんですって

道理で根元をいくら探しても実がないわけ

ソフトボール大のイガグリ
こんな巨大な実は初めて見ました。

どんな大きな実が入っているのだろう

ぶらぶら歩くこと一時間。
木立の中に日吉大社の国宝東本宮の境内が見えてきました

裏口だいすきな私は拝観矢印とは逆回り。
もともと静かな境内は、コロナで人影もありません

国宝です

正面に出てくると、等身大の立て看板。

全国3800社以上の総本山も国宝も時代には逆らえない？

違和感一杯

境内に林立する、全国から寄進された御神灯

重文の拝殿

こちらも重文です

境内をでて、鳥居前のお店で昼食を取ろうと思ったら、コロナ休業です。
見事な庭園と湯葉料理が名物です。
コロナの収まるのを待つばかり

しかたがないので慈眼堂へ
その奥にしがいんがあります

裏口から入る谷川沿いの石積みの道は
私の最も好きな道で、いつもひっそりしています

石垣は苔むして苔むして

徳川家康や春日局ゆかりのおてらは、当節珍しく拝観料もなく、
観光客もまれにしかいません

ひたすら静か

さして広くない境内の片隅で、
おじさんがが静かにギターの練習をしていました

静かだし、涼しいし、拝観料は要らないし、練習には持って来いです、と、ちょっと笑って、コードを押さえます

志賀院に抜けると若い僧侶が、会釈をして通り過ぎました

石積みの道を通り抜け

参拝者宿などがならんでいた、古い街並みを見送って
老舗のお蕎麦屋に一直線。
ふだんなら大変混雑する店は、今日はどうだろうと
恐る恐る入ると

拍子ぬけするほどすいていて、やっと昼食にありつけました。

唯一のコロナのおかげかな？がいかんです

外観です。もう暖簾をしまっていました

駅に向かう道路わきで、市役所の発掘調査に出会いました。
ちょっとほっただけで、地下にはびっしりと石積みがあるのに驚きです。
近場の再発見散歩旅でした