2020/08/08 - 2020/08/09
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RAINDANCEさん
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新潟県中央部で隣り合う市である、燕と三条を訪れました。訪れたのは、金物の町として知られる、いわゆる”燕三条”と呼ばれる市の中心部です。町の観光の後は、燕市から新潟市に入り岩室温泉に泊まりました。
★金物の町、燕三条で、伝統の技をつむぐ工房を訪問。
★背脂チャッチャの元祖「杭州飯店」で燕三条ラーメンを食す。
★岩室温泉の老舗旅館に泊まり、温泉街を散策。
[いただいた郷土料理/ご当地グルメ]
◎「杭州飯店」の、燕三条系ラーメン
◎きりあえ
◎シソ味噌
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- バイク
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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2020年夏休み、狭い空間に閉じこもる公共交通機関は避け、バイクで佐渡島を訪れることにしました。その途上で越後湯沢温泉に一泊したのち、新潟港に向かう道すがら燕三条に立ち寄り。
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燕三条と言えばやはり“刃物”、あいにくの雨の中、まずは三条市に入ってすぐの場所にある「スワダ オープンファクトリー」へ。
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ニッパー型刃物製造会社である「諏訪田製作所」のオープンファクトリーです。
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エントランス。
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大正15年(1926年)に、クイキリ(ニッパーのような工具)の鍛冶屋として創業した歴史ある会社です。
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オープンファクトリーなので、“見せる工場”となっています。
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ズラリと並んだ金属加工機で、手作業により製品が造られていきます。
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これは研磨工程ですね。
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職人さんによる手づくり。
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ここで造られるニッパー型の爪切りが人気の製品の一つです。
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ショップも併設。
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クイキリ(喰切り)。
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ナイフ。
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剪定ハサミ。
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高級爪切り。
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色々と試し切りをして、爪切りを買っていきます。
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製造過程で僅かに傷がついてしまったもの(素人の私が見てもどこに付いているか分からない程のレベル)がアウトレット品として安く売られてます。私にはこれで充分、自分用と家族のお土産に2つお買い上げ。
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SUWADA OPEN FACTORY...”金物の町”燕三条の最初を飾るには格好の場所でした。
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続いて向かったのは、燕市の中心近くにある「玉川堂(ぎょくせんどう)」。
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「鎚起(ついき)銅器」の伝統技術を継承する金属加工の老舗です。燕本店の建物は登録有形文化財。
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工場見学は一日5回。
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所定の工場見学の時間とはずれていたような気がしますが、こういうご時世でかつ天気も悪くお客さんが少なかったからか、すぐに案内してくれました。「打つ。時を打つ。」
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夏休み中でもあり、職人さんは少な目でした。若手の方々が鍛錬のために出てきて従事してる…みたいなご説明だったかと。若手は勉強熱心だし、このために工房を開放していることも素晴らしい。
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昔ながらの製法を受け継ぐ作業場。
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表面処理など、経験と伝統のノウハウがあるようです。
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江戸時代の初期、信濃川の支流である五十嵐川の度重なる氾濫で被害を受けた農民を救済するため、当時の代官が江戸の鍛冶職人を派遣し、和釘の製作を奨励したことが燕三条の金属加工の始まりだそうです。
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江戸の大火や地震の復興のため和釘の需要は増し、燕三条は日本一の和釘の産地となった、とのこと。
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17世紀の半ばには藩の指示により、燕地域は神社の金具などの銅細工が盛んとなったらしい。
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明和5年(1768年)、仙台の職人が「鎚起(ついき)銅器」の技法を燕地域に伝え、文化13年(1816年)にこの玉川堂の初代が継承して庶民の銅釜などの生活用具の商売を始めたのだそうな。
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平成22年(2010年)に玉川宣夫氏(玉川堂第5代当主玉川覚平次男)が重要無形文化財「鍛金」の保持者(人間国宝)に認定されました。氏の作品である花瓶...お値段を見て目ん玉が飛び出します。
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金属の特性を巧みに操り重ね合わせ、こういう”木目金”という色模様を叩き出すそうです。すごい。
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「水注」。
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そして、私たちがここに来たお目当てはこれです。「急須」。
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二つとして同じものはない美しい鎚目の柄。
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どれも高価ですが、なんとか手が届くこちらの品物を購入。妻がすごく喜んでくれたので立ち寄って良かったです。
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応接間から望む庭園。
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入口から庭園を眺め、玉川堂をあとにします。
200年を越える歴史の中で、博覧会に出品する作品を載せた船が沈没したり、昭和恐慌で銅器をつくる余裕がなく職人が土木作業員になったり、戦時中の金属没収で銅を打てなかったり職人も出兵したり、そんな苦難を単なる伝承ではなく革新で乗り越えて伝統をつむいできた...このコロナ渦の合間でも活気ある工房でした。 -
金物の街、三条と燕でそれぞれの名物ファクトリーを巡ったところで、少し早めの夕食です。
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背脂チャッチャ系、燕三条系ラーメンの人気店「杭州飯店」にて。
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燕三条に来たからには、このラーメンをいただかない訳にはいきません。燕三条背脂ラーメンは、昭和7年(1934年)に浙江省出身の徐昌星氏が屋台を開業したのが発祥なのだそうです。
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徐氏はその後まず店舗「福来亭」を創業し、2号店としてこの「杭州飯店」を開き、こちらに本店を移したのだとか。
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洋食器産業の工員のリクエストに応え、濃い目の醬油スープが冷めないように脂で覆い、出前でも伸びにくい強力粉の極太麺にしたのが燕背脂ラーメンの始まりだそう。スープと麵は好みだが、このチャーシューはあまり好みではなかったな~。夏のバイクは汗をかくので塩分補給になりました!
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洋食器といえばカトラリー...そうすると、燕三条の金属加工業の拡がりがこのラーメンを創り出したとも言えそうです。餃子も注文、大きめサイズに具は野菜多めでぎっしり。腹いっぱいで満足!
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燕市をあとにし、隣の弥彦村を抜けます。雨の水滴でウェアラブルカメラの画像が霞んでしまってますが...「弥彦神社の大鳥居」。日程に余裕があれば弥彦山にも寄りたかったのですが今回はパス。
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新潟市に入り西蒲区の岩室温泉へ。燕三条からそう遠くなく、新潟市への途上にある良質な温泉地なので選びました。こちらの「割烹旅館 松屋」がこの日の宿です。
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雨でしたので、屋根下の駐輪は有難い。
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格式ある門構え。江戸時代からの老舗だそうです。
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1日3組のみの小さな宿、風呂は貸し切りで落ち着いて過ごせそうなことからココをチョイス。
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囲炉裏のあるエントランス横の広間。
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トイレは無しですが、すっきり清潔な客室。
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冷蔵庫付きです。
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共同の洗面台とトイレ(温水洗浄付き)は客室のすぐ横でした。
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夕食はラーメンと決めていたので、朝食付きのプランです。布団はすでに敷いてありました。
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まだ外は明るいので、茶菓子で少し休んだ後、温泉街周辺の散策へ。
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私たちが泊まる松屋の向かいにも、良い雰囲気の旅館がありました。
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築260年以上の庄屋屋敷を持つ、「高志(こし)の宿 高島屋」、国の有形文化財に登録された建物だそうです。すごく良さそうですが、高そうです。
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こちらにも小さいながら雰囲気がよさそうな旅館が。
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江戸末期に旅籠として創業したという「小松屋」、こちらも国登録有形文化財。
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大型旅館もあります。明治元年創業の「富士屋」。ここは江戸時代には高札場だったとのこと。
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裏手の「天神山」には「岩室神社」。
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道路脇の何か所かに猫の石絵がありました。なんの趣向だろう?
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岩室温泉の開湯は江戸時代で、昭和38年(1963年)にお隣の弥彦温泉とともに国民保養温泉地に指定されました。岩室交差点の角にあるのは、見た目は古民家ですがイタリアンレストランの「灯りの食邸 KOKAJIYA」、いい雰囲気です。
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その向かいには創業80年の和菓子屋「角屋悦堂」。
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江戸時代から続く純和風建築の「濱松屋旅館」。ここも魅力的でしたがちょっとお値段が...。
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こちらは明治初期創業の宿。大きな旅館です。
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温泉街の散策から、わが宿の松屋に戻ってきました。
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夕食の前に、もちろん温泉へ。「霊雁(れいがん)の湯」、貸切です。
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先述の様に1日3組なので、空くまで長々と待つということはありません。
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ちょっと変わった形の脱衣所を経て...
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...風呂へ。和風かと思ってたら、洋風テイストを感じるちょっと意外な円形の風呂。
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循環なしの源泉かけ流しは、熱めで硫黄臭がする風呂でした。黒い温泉成分が析出する濃い目の温泉です。
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家族風呂もありました。
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夏に熱々の温泉に入りましたので、冷えた生ビールでクールダウン。
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夕食は済ませてますので、あとは寝るだけです。
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翌朝...
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朝食です。
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主役は土鍋のコシヒカリ、岩室産だそうです。
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つやつや!
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美味しいコメに様々なごはんのお供...もう言うことはないですね。豆腐は新潟の翡翠豆腐。
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大根の味噌漬けや柚子の皮などをみじん切りにし甘くした漬物「きりあえ」、地元の宝山酒造の酒粕を使った「しそ味噌」...などなど、お米文化で育まれた郷土のごはんのお供を楽しむことができました。
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デザートのスイカ。
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コーヒーで締め。
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チェックアウトし、今回のツーリングの目玉である佐渡島へ向かいます。
燕市と三条市、五十嵐川の氾濫がもたらした金物産業と、そこで働く人たちが求めた食文化が産んだラーメン...似たような構図は他の地にもあるのでしょうが、これだけ歴史をつむいだところはそうはないでしょう。そして、ちょっと新潟市に入っての岩室温泉、新潟の奥座敷として古くからの宿が佇み、良質の湯で癒される場所でした。
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