2021/03/11 - 2021/03/11
22位(同エリア69件中)
ケロケロマニアさん
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2021年春のダイヤ改正まで残り二日。
今回は地元民として敢えて18きっぷや北東パスなどのフリー切符を使わずに、通常の乗車券で沿線を旅します。
この日は勿論、宗谷北線エリアを目指す訳ですが、下車したのは敢えて、二つの廃止予定駅に挟まれた南幌延駅です。
まっ、マニアの考えることは同じなので、密を避けつつの駅探訪という意味で色々と思案した結果です。
という訳で、結局、この旅路では、今回の改編における最北の二つの廃駅(徳満駅・上幌延駅)には立ち寄っておりません。この二駅に関しては、過去に降り立ったことがあり、その思い出を上書きしないまま、お別れすることにしました。
因みにこの二つの廃駅のうち、前者に関しては、最後の訪問が2015年7月、
https://4travel.jp/travelogue/11062070
後者に関しては、2020年7月
https://4travel.jp/travelogue/11639127
が、最後の乗降、ということになってしまいました。
この場をお借りしまして、まずは、さようなら、そして、ありがとう、徳満駅・上幌延駅…。
尚、本旅に関しては、ここからの本文は暫く思索モード(?)にて綴らせて頂きます。
(表紙:2021年3月13日より、両側の隣駅表記が変わってしまう(しまった)、南幌延駅駅名標)
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 高速・路線バス JRローカル 徒歩 バイク
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
2021年3月11日。
この日は、東日本大震災から10年の節目の一日でもあった。
地震は違うけれど、2年半前の胆振東部地震の際に一緒に旅したケロアスちゃんに跨り、まずは和寒駅を目指す。
14時46分にアラームをセットして、18秒後から黙祷を捧げることにしよう…。 -
和寒駅に到着。
この時期は正直自転車の置き場に困る…。
通常なら奥に見えている雪山の辺りが駐輪場となっているが、冬は雪捨て場。
屋根のある比布駅の駐輪場が羨ましい…。和寒駅 駅
-
6時53分発の子で出発。
このダイヤも13日からは6時52分となる。 -
で、この子がやって来た。
この朝一の稚内行き、先頭が54系、後方が40系の二両編成で長らく運行されてきたが、後方の40さんは、もうすぐいなくなってしまう…。 -
この日はこちらの普通乗車券で移動。
行先は上幌延、となっているが、これは、途中下車扱いにしないと、JR北海道の多くの運転士様は記念持ち帰りの依頼に対して嫌そうな顔をされる方が多いので、後味の悪さを防ぐため、という目的もある。(切符自体は前月末に旭川で購入。) -
和寒から朝一の下りに乗車すると、最初に停まるのは東六線駅。
この当たり前の光景も、もうすぐ見られなくなってしまう…。東六線駅 駅
-
東六線駅最後の冬。
豪雪に見舞われて、さぞかし辛い日々だったことだろう…。
こういう風景を見て、共感の思いで眺めてしまうのは、この過酷な環境に暮らす地元民ならではなのだと思う。
本来よそ者の筈なのにね。自分も随分、上から目線になったものだ…。 -
この冬、東六線駅付近の樹木は特に東側が一斉に皆伐されてしまったので、北剣淵駅とは対照的に、以前の森のような風情は薄れ、明るく柔らかな早春の朝の風情に包まれていた。
これはこれで、逆に暗い気持ちになってしまうよ…。 -
名残惜し気に何度もパチリ。
勿論、地元の駅なので、最後のお見送りはここで行うことは決めているけれど…。 -
剣淵駅前の雪山。
雪山がとても夏には何もないところとは思えない高さに達している。
これはこれで神々しい風情。剣淵駅 駅
-
その次は、昨日訪れたばかりの北剣淵駅。
朝一の列車はこの駅でも停車してくれる。北剣淵駅 駅
-
車内のマニアさん達もぞろぞろと同じような怪しい行動を繰り広げる。
因みにこの朝一の列車は、士別や名寄の高校に通う和寒・剣淵町民の高校生も多く乗車されているので、その多くが何だか不思議そうな、迷惑そうな顔をしているようにも見受けられる。 -
車窓から眺めるこの日の剣淵川の景観。
前日、十二線橋から眺めたのと同様、まだまだ冬の風情が続いていた。 -
で、士別駅にて多くの高校生達が下車し、今度は名寄方面に通う士別市民の高校生達が乗車してきた。
マニア&高校生達で賑わいを見せる朝一の列車の風景は続く。
そしてその次に登場するのが下士別駅である。 -
既にこんな横断幕も掲げられてお別れモードの下士別駅。
ここの名物の”しもしべつ”の平仮名木製駅名標も少しずらされている。
盗難されないよう、くれぐれもご注意を…。下士別駅 駅
-
因みに車内では、54系名物のほぼ真ん中にあるテーブル付きボックスシートに座っていたのだが、向かいにいらした初老の紳士と、それなりの廃駅談議に花を咲かせていた。
沿線住民でありながら、普段の車内ではスマホをいじっている人ばかりだし、こういったご時世でなくても、あまり会話することはなかったなと、マニア会話ではありつつも、ちょっと新鮮に感じた朝でもあった。
そんなこんなで名寄に到着。
ここで勿論、車両切り離しが行われる。名寄駅 駅
-
で、混雑する車内なので、後方車両への移動は控えていたが、ここで初めてどんな子が連結されていたか確認すると…。
おおっ、名寄駅でのナヨロちゃんではないか! -
本当は、快速なよろ号のサボが現役中に、この子に入っているアングルで撮りたかったんだけどね。いつでも撮れるなんて思っていたら、そのうちサボのデザインがこんなんになっちゃって、それも叶わず…。
でも最後の最後で、名寄で40のナヨロちゃんに会えて良かったよ…。 -
勿論、マニアの注目点は同じな訳でして…。
この先皆様方は、どのような旅路を紡がれていくのだろう…。 -
ここから先は、54さんの一両運転となる。
普段なら閑散とした車内風景が始まる瞬間でもあるのだが、この日は流石に混雑していた。てか、名寄に投宿されていたマニアの方も多かったのだろう、名寄から乗車された方もかなり多く見受けられた。
まあ、タイムスケジュール的には、旭川発はほぼ6時頃、名寄発は8時前なので、やはりフリー切符で旅するなら、名寄からの方が宿でゆっくり出来て良いよね。 -
で、普段の朝一の稚内行きでは有り得ない光景が、この北星駅で見られた。
北星駅 駅
-
この駅で多くの方が下車されて行かれたのだ。
この駅に訪問するためには、この朝一の下りで下車し、折り返しの上りに乗車する、というのが一番無駄がないから…。
向かいに座っていた大阪・茨木からいらしたという紳士も、ここで下車されていった…。 -
北星駅ホームの様子。
鉄子さんもいらっしゃるようだ。
下りの北星着は8時8分、上りの北星発は8時33分なので、彼(彼女)等の北星駅滞在時間は25分程度、ということになるのだろう。
因みに、この折り返しの8時33分発を逃すと、この駅に停車する次の列車は14時台となる訳で、普通の旅人なら、ルートはワンパターンになりそうだ。
但し、実は北星から別の廃駅である南美深までは歩ける距離(約7キロ)、なので、ここで降りて南美深を目指して歩いた、なんて旅人もきっといらしたに違いない。
因みに自分は、後程逆ルートを歩くことになるのだが…。 -
その次にあるのが智恵文駅。
ここも後程立ち寄ることになるのだが、廃駅マニアさん達の関心はどうも薄いようでして…。智恵文駅 駅
-
それは、その隣の智北駅に関しても同じ。
でも、これらの駅だって、存続は危ういんだよ。
もっと包括的に最北の鉄道の悲劇的現実を眺めてはもらえないものだろうか…。智北駅 駅
-
で、その次が南美深駅。
-
駅ホームにはこのような横断幕も掲げられていて、名残を惜しんでいる風情。
後程、ここから歩かせて頂くことにしよう。南美深駅 駅
-
で、予想通り、普段では有り得ない数の旅人達が南美深で下車されていった。
恐らくこの後は美深駅まで歩かれる(或いはバス)方が殆どなのだろうし、ピーチやエアドゥのフリー切符利用の方は、美深から後続の特急に乗って、最北の廃駅三つを目指す、なんて方も多かったのかもしれない。
豊富から徳満だとまあ5キロくらい、幌延から上幌延経由で安牛なら10キロ弱。
お天気も良さそうだし、まあ歩けないこともない距離だろう。 -
で、思った以上に南美深駅にてひっそりとしてしまった車内。
廃駅特需の二日前で54ちゃんのテーブル席が独り占めできるとは思ってもみなかった。これもコロナ禍の影響なのか…。 -
で、本日は完全に脇役扱いの美深駅を通過し…。
美深駅 駅
-
紋穂内駅に到着。
この鰐にも蛇にも見えるワイルドな模様(?)が好きだったな。
ここも最後は乗降することなく、お別れすることになってしまった。
美深の道の駅&温泉まで歩いて行った旅路はいつのことだったか、調べてみたら、9年も前のことだった…。あの頃はまだ、4トラ上での旅行記作成もまだまだいい加減だったので、訪問時の旅行記は作成していないようだ。
駅を出てすぐに渡る橋から眺める天塩川の景観が素晴らしく、びふか温泉に立ち寄った後にほろ酔い加減で眺めた日のことを、昨日のことのように思い出す。(因みに駅としてのクチコミはその時に作成しているようなので、宜しければリンクよりご覧頂けましたら幸いです。)紋穂内駅 駅
-
今回の改編にあたり、こちらも一時期は廃駅候補にリストアップされていた恩根内駅。両側が廃駅、になるとのこともあってか、辛うじて生き残ることが出来た…。
ここもそのうち、綿密な調査をしないといけないと思っている駅の一つであるが、この日は素通り、ごめんなさい…。恩根内駅 駅
-
で、その次が豊清水駅。
ここの廃駅はやっぱりショックだよな…。 -
ここは音威子府=美深間における唯一の列車交換可能駅だったこともあり、廃駅後も信号場や保線基地としての機能は維持されるのだろうが、こうして、待ち時間に車外に出て写真を撮る、なんてことはもうできなくなってしまうのだ…。
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この名前も素敵だったし、宗谷本線らしさも感じられた駅だったな…。
いまだに廃駅は信じられないよ…。豊清水駅 駅
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この駅に関しては、恐らく多くの廃駅マニアの方は、この朝一の下りに乗車して、サロベツ2号との交換時間を利用して、の訪問という選択肢を取られた方が多かったのではないだろうか。
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歴史を感じるこの木製駅名標も、もうすぐお役御免となってしまうのだ…。
郷土資料館行き、なのかな…。 -
で、悪い意味で見慣れてしまったこちらのお知らせ。
勿論、豊清水駅でも。 -
車外に出てこそ撮れる風景。
こうしたアングルで撮る機会も、もう最後となってしまうのだ…。 -
勿論、この駅名標ともお別れ…。
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最期の時を迎えた運賃表。
今回の宗谷本線沿線廃駅にあたり、市町村レベルでは最も多い三つの廃駅が生じてしまった美深町。
”美の深い町の豊かな清水”、そんな素敵な駅がなくなってしまうんだな。
更に寂しくなり、涙ぐんでしまった…。 -
駅としては最後の発車時刻表。
駅はステーション、つまりステイする場所なのであり、ステイがあってこそ、乗降があり、多種多様なドラマが生まれるのだ。なくなってしまえば、その可能性も消失してしまう…。
駅がなくなることの意義、もっと多くの方に感じて欲しい。特に駅がなくなることすら知らない、身の回りの大多数の地元民に捧げたい言葉である。
便利さばかりを追求して、日常生活においても効率しか考えないロボットのような人間ばかりが増えてしまったこの時代においては、不便の中から生まれる情緒というものに、一生気づかないまま生を終えていく、それが当たり前の時代になっていくのだろう…。 -
通学バス、はどうなってしまうのだろう。
-
保線関係者にとっては、変なマニアが来なくなる分、案外生活しやすくなるかもね。
てか、勿論、お仕事されている業務内容に対しては敬意を表している一方で、こうした保線人員の多くは、あくまでも”ビジネス”としてであり、プライベートで鉄道を利用している風景を殆ど見かけないのは何とも寂しい…。
3年前の夏、ロシアのとある駅で見かけた保線員達は、鉄道で通勤していたし、それが当たり前だろ、という口調でもあった。
一体、何が言いたいんだろうか…。
保線員達がマニアの陰口を叩く光景は、地元民としては案外多く見かけるのだが、口悪く言えば、貴方方に対する人件費も、会社から見れば”負債”な訳で、どうしてもっと、お世話になっている会社に対して、少しでも財政的な貢献を、という謙虚な気持ちになれないのか、とも悲しくなってしまうのである…。 -
で、朝一の下り列車のこの”駅”の恒例行事であった、上りサロベツさんのお見送り儀式に立ち会う。
あれっ、いつもとは違う子だぞ??? -
何か、一昔前の豊清水駅にタイムスリップしたような、そんな錯覚に包まれた朝でもあった…。
-
こうして、最後の”豊清水駅ホーム時間”を満喫した後、更に54系での北上旅を続ける。
さようなら、豊清水駅。
今まで有難うございました。 -
豊清水駅を過ぎると、しばらくは”廃駅”がない。
ここでようやく一息つきながら、地図や時刻表を眺めつつ、前日に購入した怪しげな半額食材を頂きながらの朝食。 -
音威子府駅に到着。
この日も”単に眺めるだけ”、で通過。
そういえば、ここの駅そばも店主の方がお亡くなりになられて、2021年2月、惜しまれつつも80年余の歴史に幕を下ろしてしまったのだ…。音威子府駅 駅
-
筬島駅。
ここは住民の利用有無、以上に、駅から2キロほどのところに、北海道命名之地がある、という観光の側面からもなくしてはならない駅だと思う。
しかし、2021年4月からは音威子府村の維持管理に移行することになる。
決して潤沢ではない村財政の中で、どこまで維持できるのか、この駅の運命は音威子府村に託されたのである…。筬島駅 駅
-
同じく、運命を自治体に託されたという意味での駅が続く。
民俗資料館のテイストで立派な駅舎を有する南側の佐久駅と並び、中川町域の北側に位置する歌内駅。
ここも正直、今回の改編でよく生き残ることが出来たな、というのが正直な感想の駅であるし、本当なら、一旅人としてこういう駅を応援しないといけないのであるが、本日立ち寄れないのは、本当に申し訳なく思う…。せめて、後続列車がもっと使える時間に運行されていれば…。
同じように、4月からは中川町の維持管理駅となる。中川町民の方々には佐久駅と共に、町内に存続する駅としての誇りを持って、是非利用を前提として、日々駅に触れ合って頂きたいと願う。歌内駅 駅
-
で、問寒別からはいよいよ幌延町域、ということになる。
今回の改編においては、12の廃駅ばかりが注目された宗谷本線沿線上で、未来を見据えた観点からもっと重視すべきは、自治体への維持管理へと移行する17駅の方だと思う。
和寒町民としては、やはり塩狩駅のことを第一に考えている訳であるが、この17駅のうち、実に5駅も抱えることになるのが幌延町であり、この町の各”秘境駅”達に関しては、今後も多くの観光客の方々のお力が必要になる駅だということを、ここではまず述べさせて頂きたいと思う。
ある意味、観光資源としての秘境駅というものに価値をおいていたからこそ、沢山の廃駅候補がある中で、今回の改編では2駅のみの廃止で持ちこたえた感のある幌延町。
4月から町の維持管理となる問寒別・糠南・雄信内・南幌延・下沼、何れの駅も他にない個性を有する、十分に観光地としての価値が評価できる駅達なので、是非、駅間ウォークなどのテイストも踏まえながら、多くの方に足を運んで頂きたいと願っている…。問寒別駅 駅
-
そして、秘境駅マニアの中では、宗谷本線上では”横綱級”といえるのが…。
-
勿論、こちらの糠南駅。
ここに関しては、多くを語るまでもないだろう。
この特異な駅の風情は、絶対になくしてはならないと思うし、そう願うファンも多い駅といえるだろう。
ただ、道南の秘境駅の代表、豊浦の小幌駅と比較すると、実はウォーキング旅としてのアクセスは比較的容易な駅でもある。是非、駅の風情を満喫後(?)は、比較的近距離な隣駅、問寒別との絡みで徒歩やサイクリングでの付近散策をお勧めしたい。糠南駅 駅
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で、次なる駅が、こちらの立派な木造駅舎を有する…。
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雄信内駅。
こちらの駅名標の隣駅箇所、何故か糠南の側も剥がせるようになってるな…。
糠南も廃止ありきで議論していた歴史が感じられるよ、悪い意味で…。 -
それに反して、新しい方の駅名標は、安牛の側だけ剥がせる感じになっていた…。
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で、この駅にて、ラッセルさんとの交換。
この時期のラッセルさんは、何となくシーズンのメインの一仕事を終えて、ゆったりと余韻を楽しんでいる、といった雰囲気を感じる、なんて言ったら不謹慎か? -
ラッセルさんは速度が遅いので、割と長くその光景を車両最後尾から楽しむことが出来る。これも冬の宗谷本線旅の醍醐味の一つ、といえるだろう。
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では、またどこかで会いましょう。
さようなら~。 -
で、次がいよいよ、廃駅となる安牛。
-
和寒(10番)からの運賃は3630円。
実際に購入した上幌延までの乗車券とは同運賃である。
そもそも、今回の旅に際しては、2021年が丑年ということもあり、私自身が丑年生まれで4回目の年男の年、ということもあり、で、出発地を妹背牛(函館本線)、伊香牛(石北本線)、美馬牛(富良野線)の何れかにして、途中下車可能なタイプの”モーモー乗車券”(?)として、安牛までの発券も考えたのである。
妹背牛発券だと伊納、伊香牛発券だと将軍山や北日ノ出など、今回の改編における宗谷本線以外の廃駅にも立ち寄れるな、とも悩んだのであるが、やはり今回は、沿線住民として純粋に宗谷本線だけに特化した旅を敢行したくて、こうした発券は諦めてしまったのだ。
そもそも到着地を安牛にしてしまうと、切符は回収されてしまう可能性が高い(まあ、廃駅ということでお願いすれば持ち帰ることはできたのだろうが、こういう際に、特に無人駅における運転士対応の際は、渋い顔をされることが多いので、その嫌な思い出を残したくなかった)ので、途中下車扱いでスマートに下車できる旅路としての上幌延発券を選ぶことにした。 -
最前方にて待機しつつ、安牛の接近標識を激写。
-
で、到着。
廃駅マニアの方々が数名下車していかれた。
まあ、それを想定していたので、私はここでは敢えて下車をせず…。安牛駅 駅
-
まずは車窓からの眺めとしての安牛駅との惜別を…。
-
で、その次が南幌延駅。
廃駅に挟まれたこの駅にて、本日は下車させて頂くことにする。
勿論、和寒からの運賃としては、上幌延までと同額であるので、切符を途中下車扱いで、南幌延=上幌延間を乗らなかったとしても、経済的な損失は皆無である。 -
最後に、こちらはまだ現役が続く南幌延駅の接近標識を激写した後…。
-
南幌延駅で下車。
ここで下車したのは流石に私一人だけ。
既存のマニア風の方は一人いらしたけど…。
車内では恐らく、なんでここで降りたの?間違ったんじゃね?みたいな風に私を見送るマニアの方々も多かったことだろう…。
でも、マニア行動の裏をかく、というのが、真のマニア道なのである。
何のこっちゃ…。南幌延駅 駅
-
南幌延駅からの北側の鉄路は、丁度いい感じでカーブしているので、駅で列車を撮影する、という観点からもお勧めできる駅である。
ま、私の安物デジカメと稚拙な腕では、こんな写真しか撮れんけど…。 -
で、こちらの待合室へ。
-
この入口の新しい風情のプレートに、未来への希望を感じるよ!
-
で、実際に扉を開けてみると…。
こんな感じで還暦のお祝いが…。
なんか、涙が出てきた…。 -
最後に両サイドの廃駅絡みの運賃表を撮ろうとしたら…。
うへっ、もう新しいバージョンに貼り替えられてやんの…。 -
因みにこの駅の開業は昭和34(1959)年11月のこと。
ということは還暦を迎えたのは2019年、ということになるわな。
一年以上も経過していても尚、還暦を祝い続けている風情がまた素晴らしいな! -
発車時刻表の様子。
上下3本のみの停車。
お世辞にも地元の方に利用しやすいタイムテーブルとは言えないけれど…。 -
で、この駅の特徴として挙げられるのは…。
実は、廃駅として注目されている安牛駅以上に”牛テイスト”の駅、なのだ。
だからこそ、丑年にこの駅に訪問したかった、という訳。 -
そもそも幌延は酪農の街だしね。
-
今後も多くの方々に立ち寄って欲しい。
そして、色々な思い出を綴っていって欲しいな…。 -
この待合所。
裏側の牛さんデザインは、列車内からもお馴染みという方が多いだろう。 -
色んな所に牛さんが…。
うーん、可愛いっ!!!
カエルさんには負けるけど…。 -
ここでは軽めのコメントだけ残しておこう。
皆様も是非、お立ち寄りのご検討を! -
既に新しい時刻表が貼られているな、等と眺めているうちに…。
-
この駅の”主”の方がご登場。
これが貴重な出会いでもあった。 -
色々な話をしたけれど…。
まずはどうしても見て欲しい、と仰られていたのがこちらの木製スコップ。
この駅の歴史を見続けてきた生き証人だそう。
雪がねっぱらない(張り付かない)ように、ここに蝋を塗って滑りやすいようにしてから使用したのだそうな…。 -
で、次に教えてくれたのがこちらの待合室内のベンチについて。
これは先代の待合室時代から受け継がれているそうでして…。 -
なんと、グリーン座席指定となっているではないか!
有難く、貴賓席に座らせて頂くザマス!!! -
元々この方は、安牛出身だそうで、この駅のみならず、安牛駅のことに関しても色々と懐かし気に話して下さった。
駅ノートが盗難されたこともあったそうで、その在りし日の姿を写真に撮って残して下さっていた方から、写真の提供もあったそうな…。
でも、盗難する輩とか、どういう神経の持ち主なんだろう。
ほんま、おかしな時代やな。 -
で、昔の待合所内の様子も飾られていたりする。
上述の木製スコップの姿も…。 -
さて、この方とは、色々な話で盛り上がったのであるが、一沿線住民として一番嬉しかったのは、”田舎の悪口”を共感しながら話せたことである。
大体にして、北海道に憧れを抱いて、移住を志してやって来る若者も多いのだが、残念ながら、繊細な神経をお持ちの方には、田舎暮らしはお勧めできない。それだけ陰湿な部分があるのだ。
だからこそ、田舎暮らしを目指す方に第一に申し上げたいのは、陰湿な対応に耐えうる精神力を身に着けろ、ということである。坂東眞砂子氏の世界観などを身に着けておかれると心強いかもしれないし、穿った見方をすれば、そういう精神力を鍛錬するための田舎暮らしのチョイス、というのもアリなのかもしれない。何れにせよ、田舎暮らしに明るい幻想を抱いてはいけない、まずは悲観的見解から入れ、ということである。
この方も、色々と胡散臭い取材の依頼を受けているらしいのだが、すべて断っているとのこと。それが正しい対応だと、一沿線住民として強く共感させて頂いた。
3年ほど前の春に、今回は地元の方々のご尽力により延命することができた抜海駅に数時間籠城して、この駅に保管されている駅ノートをずっと読み耽っていたことがあるのだが、その時に刺さった言葉が今も尚忘れられない…。
”駅が見世物になっている”
この一人の旅人がさりげなく書き残していた短い言葉に、現状の最北鉄路の悲しみが集約されているように感じるが、更に悲観的な物言いをするならば、”見世物”になっている間が花、だと換言できるのかもしれない…。
そんな思索に耽っているうちに、時間が迫って来た。
おっさんと長々と話した時間はとても貴重であった…。
ありがとう、おっさん。
そしてこれからも、この駅の主として、いつまでも頑張って下さい。 -
時刻は11時過ぎ。
ここから12時発の上り列車乗車を目指しつつ、安牛駅を目指すウォーキングの開始となる…。
という訳で、今回の宗谷北線往路旅は終了となりましたので、本旅行記もこれにて終了となります。
最後までご閲覧下さり、どうも有り難うございました。
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この旅行記へのコメント (2)
-
- ちぽろさん 2021/03/18 22:44:06
- こんばんは
- エゾモンママはママを卒業して、ちぽろになりました。
よろしくお願いします。
鉄道のことは詳しくないけど、両親が学生時代に使っていた鉄道ですので、実家にある古いアルバムの風景を重ねて見ていました。団塊の世代なので、当時は中学や高校は5クラスくらいあったというので活気もあったのでしょうね。
確か20年くらい前に「日進駅」に立ち寄ったのですが、こちらは存続しているんでしょうか。両親が元気なうちにまた行きたいと思っています。
コロナ騒動からすっかり旅行の計画も立てなくなり、何だか日々に張り合いなく過ごしています。雪が解けて春になると少しは気分も上がるんでしょうかね。
まだまだ寒くて、春は遠いですね。
- ケロケロマニアさん からの返信 2021/03/19 09:02:56
- RE: こんばんは
- ちぽろさん、おはようございます。
ご改名されてたんですね。
思わず、どういう意味なんだろ、って検索してみました( ´∀` )。
(←でも結局わかりませんでした。ごめんなさい…(-_-;)。)
ご両親は若い頃こちらの方にお住まいだったんですね。確かに、沿線には今の状況を考えるとなんで?と思ってしまう程(失礼っ)、立派な駅舎を有する駅もありますので、往時の活況を偲ぶことが出来ますね。
日進駅、まだありますよ〜。実はここ、駅傍にゲストハウスがあって、私も大分前に泊まったことがある(その名もゲストハウス日進)というのですが、韓国系の女性オーナーさんがやっていらして、カフェも併設でとても居心地良かったです。私のクチコミはもう随分古いものになってしまいましたが、宜しければ是非ご参照下さい。
https://4travel.jp/dm_hotel-11288562
娘さんはBTSファン(でしたっけ?)ということで、韓国にご興味がありそうな方なので、是非将来的にはお勧めしてみてあげて下さいね。(因みに、もう7〜8年前の話なんですが、ここに泊まった際に、韓国では日進駅付近の鉄道の行き交う様子が人気を博して、一時、同国内にて”日進駅ブーム”が起こったそうです(上述のオーナーさん談)。
今気になって、久しぶりにゲストハウス日進を検索してみたんですが、今は休んでおられるのかな、予約可能日程が出てきません。でも、予約フォーム
http://nisshincafe.com/apply
は生きているみたいなので、夏だけの営業、なのかもしれませんね。
コロナは一進一退を繰り返していますね。首都圏での緊急事態宣言解除で、また花見シーズン後に激増したりしないかが心配ですが、行動をわきまえつつ、少しずつ動いてまいりたいと思います。ホント、今年の冬は辛かった…(;´Д`)。
それでは、また!
ケロケロマニア
> エゾモンママはママを卒業して、ちぽろになりました。
> よろしくお願いします。
>
> 鉄道のことは詳しくないけど、両親が学生時代に使っていた鉄道ですので、実家にある古いアルバムの風景を重ねて見ていました。団塊の世代なので、当時は中学や高校は5クラスくらいあったというので活気もあったのでしょうね。
>
> 確か20年くらい前に「日進駅」に立ち寄ったのですが、こちらは存続しているんでしょうか。両親が元気なうちにまた行きたいと思っています。
>
> コロナ騒動からすっかり旅行の計画も立てなくなり、何だか日々に張り合いなく過ごしています。雪が解けて春になると少しは気分も上がるんでしょうかね。
>
> まだまだ寒くて、春は遠いですね。
>
>
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