２０１６夏長野湯めぐり旅（１）　渋温泉・歴史の宿金具屋

2016/07/16 - 2016/07/17

妻が７月の３連休に長野に行くと言い出しました。そう、妻はいい年して某アーティストの追っかけをしていて、コンサートがあると日本中どこへでも出かけていきます。それでも多少の後ろめたさはあるのか、地方で泊まりを余儀なくされる場合は、恐る恐るといった感じでお伺いをたててきます。私には禁止する権限も、ましてや力もありませんからいつも快く送り出しています。今回はまさしくそのような状況です。ただ、長野というのは魅力的で、せっかくの３連休で私自身予定もないので、３泊４日の長野旅行をすることとなりました。梅雨の末期で天候だけが心配ですが、長野といえば温泉です。温泉でまったりすることを主な目的として旅程を組みました。おおまかな旅程は以下の通りです。

７月１６日　金沢経由北陸新幹線で長野へ。レンタカーにて渋温泉へ。歴史の宿金具屋泊。
７月１７日　涼を求めて志賀高原へ。散策後、山岳ドライブを楽しみ、真田の里の隠し湯・角間温泉へ。岩屋館泊。
７月１８日　上田城など真田ゆかりの地を巡る。夕刻までに長野市へ。レンタカー返却。ホテルメポロポリタン長野泊。
７月１９日　善光寺参りなど長野市内散策。中央本線、名古屋経由で帰宅。

長野旅行を決めてまず最初に取り掛かったのが、渋温泉の金具屋の予約を入れることでした。３連休で無理かもと思いましたが無事予約が取れました。極論を言えば、私としてはこれで後の日程はどうでもよいわけです。山奥の秘湯の一軒宿やレトロな温泉街のある温泉、文化財になるような建物の宿が好きな私にとって、渋温泉はその条件に当てはまり、その中でも金具屋はどストライクです。以前より泊まってみたいという願望を持っていました。金具屋の中でも、木造四階建ての「斉月楼」は国の登録有形文化財に認定されており、ジブリ映画「千と千尋の神隠し」に出てくる油屋のモデルではないかとされているのです。

渋温泉の秘湯度：★★★☆☆

エリア 湯田中渋温泉郷・志賀高原(長野)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.0
• ホテル: 4.0
• グルメ: 4.0

• 同行者: カップル・夫婦
• 一人あたり費用: 5万円 - 10万円
• 交通手段: レンタカー 新幹線 JR特急
• 旅行の手配内容: 個別手配

姫路から新幹線で新大阪へ。新大阪でサンダーバード9号に乗り換え金沢へ向かいました。ところで今回の旅の切符の手配は6月17日（発売開始は6月16日）にしたのですが、サンダーバードの指定席はほぼ売り切れ。並んで座れる席はなく、グリーン車で何とか席を確保することができました。北陸新幹線の開業以来、金沢ブームで、3連休ということもあり団体のツアーでほとんどの座席が埋まっている様子でした。

新大阪駅 駅

金沢で北陸新幹線かがやき526号に乗り換え長野に到着しました。北陸新幹線金沢・長野間は初乗車です。長野新幹線の時代に東京・長野間は乗車したことがあり、これで北陸新幹線完乗です。それにしても金沢・長野間はほとんどトンネルでした。

金沢駅 駅

長野に到着後、少し遅めの昼食です。長野駅ビルのそば処みよ田で季節限定メニュー「もろこし天と枝豆豆乳せいろ」をいただきました。

食楽彩々 そば処 みよ田 グルメ・レストラン

長野駅前でレンタカーを借り、今宵のお宿「歴史の宿金具屋」に到着。渋温泉街は道路が狭く、車で入ることができますが、宿には駐車場はほとんどなく、少し離れた場所に宿の専用駐車場があります。その駐車場には宿の送迎車が待機しており、宿まで送迎していただきました。

渋温泉 歴史の宿 金具屋 宿・ホテル

今回の旅では、金具屋に宿泊することを一番の楽しみにしていました。金具屋の斉月楼は、昭和11年に完成した木造四層の建物で登録有形文化財です。この最上階の大広間も登録有形文化財で、食事は大広間でとることになります。斉月楼は、映画「千と千尋の神隠し」の油屋のモデルではないかとされています。

渋温泉 歴史の宿 金具屋 宿・ホテル

中の廊下は歴史を感じさせるものです。

渋温泉 歴史の宿 金具屋 宿・ホテル

部屋に入って寛ぐこともなくすぐに温泉街の散策に出かけました。渋温泉を発見したという行基の記念碑があり、その足元にはお湯掛け和合道祖神がいらっしゃいます。正面の社には立像の萬福和合道祖神が祀られています。

渋温泉 温泉

そのそばには無料の足湯があります。

渋温泉 温泉

行基の碑を向かい側には渋薬師庵へと続く石段があります。渋薬師庵は、行基が温泉の効能があることを知らしめるために薬師如来を祀ったところです。

渋温泉 温泉

石畳の情緒あふれる温泉街を歩きます。

渋温泉 温泉

ぶらぶら歩いているうちに山門のところに来ました。横湯山温泉寺の山門で、武田信玄ゆかりのお寺とされています。ゆっくりと見学したいですが、きりがないので次の機会にとっておこうと思います。

渋温泉 温泉

温泉街で見かけたデザインマンホール。渋温泉の近くには、地獄谷野猿公苑がありここに住む猿は温泉に入ることで有名で、世界中から観光客が訪れます。

渋温泉 温泉

山門のところは行き止まりのようになっているのですが、来た道を引き返すのではなく、路地のような道を進みました。

渋温泉 温泉

温泉街のメインストリートに戻った地点は、金具屋を過ぎた場所でした。このあたりもレトロな町並みです。「まんぢう」がいいですね～

渋温泉 温泉

こういうレトロな温泉街に最も似合うのが射的場ですね。

渋温泉 温泉

温泉街の散策は半時間程度でした。金具屋に戻り、お風呂に入ります。部屋からお風呂までは展示室となった廊下を歩きます。

渋温泉 歴史の宿 金具屋 宿・ホテル

建物の中は迷路のようになっており、どこにいるのかよくわかりません。この階段もいい雰囲気を醸し出していますね。

渋温泉 歴史の宿 金具屋 宿・ホテル

まず岩窟風呂に入りました。貸切のお風呂です。

渋温泉 歴史の宿 金具屋 宿・ホテル

廊下にかかっていたかるた。

渋温泉 歴史の宿 金具屋 宿・ホテル

次は龍瑞露天風呂です。ここも独り占め。

渋温泉 歴史の宿 金具屋 宿・ホテル

龍瑞露天風呂の手書きの説明です。

渋温泉 歴史の宿 金具屋 宿・ホテル

金具屋は4つの自家源泉があり、共同源泉とあわせて館内8つのお風呂に使われています。そのため、お風呂ごとに泉質が異なる場合もあります。岩窟風呂と龍瑞露天風呂は同じお湯ということになります。

渋温泉 歴史の宿 金具屋 宿・ホテル

次は鎌倉風呂です。ここでも独り占めでした。鎌倉風呂は共同源泉からの引湯です。

渋温泉 歴史の宿 金具屋 宿・ホテル

夕食の時間です。斉月楼の最上階の大広間でいただきます。登録有形文化財で食事をするというのも貴重な体験かもしれません。

渋温泉 歴史の宿 金具屋 宿・ホテル

エレベーターはありますが、せっかくなので階段を上っていきました。

渋温泉 歴史の宿 金具屋 宿・ホテル

大広間「飛天の間」に到達。割ときついです。

渋温泉 歴史の宿 金具屋 宿・ホテル

大広間での食事風景。今のコロナ禍でも通用する？

渋温泉 歴史の宿 金具屋 宿・ホテル

食事はこんな感じでした。

渋温泉 歴史の宿 金具屋 宿・ホテル

渋温泉での楽しみは9箇所ある外湯巡りです。うち8箇所の外湯は渋温泉の宿泊者のみが利用でき、宿で鍵を貸していただけます。

渋温泉九湯めぐり 温泉

夕食後、外湯巡りをするため出かけました。夜には、金具屋の斉月楼はライトアップされます。

渋温泉 歴史の宿 金具屋 宿・ホテル

金具屋の向かい側の宿は古久屋。この宿も自家源泉を持ち、金具屋とはまた異なるお湯を楽しむことができます。次回があればここも捨てがたいです。古久屋の玄関口では温泉卵が売られていました。

渋温泉 温泉

外湯巡りの第一弾は一番湯・初湯です。

渋温泉九湯めぐり 温泉

次いで八番湯・神明滝の湯でした。しかしあっけなく2箇所で撃沈。湯あたりしたようです。祈願手ぬぐいにスタンプを押しながら、すべての外湯を巡り、 最後に渋高薬師へ参詣して印受すれば満願成就です。修行が足りません。

渋温泉九湯めぐり 温泉

金具屋に帰ってきて部屋に戻る途中に見つけました。純和風のお洒落な灯です。

渋温泉 歴史の宿 金具屋 宿・ホテル

こんなのも。かわいいですね。

渋温泉 歴史の宿 金具屋 宿・ホテル

翌日は早朝に起きて、前日男女入替制で入ることができなかった浪漫風呂に入りました（鎌倉風呂も入替制で前日は男専用でした）。ここでも独り占め。湯気でうまく撮影できてません。

渋温泉 歴史の宿 金具屋 宿・ホテル

浴室扉のステンドグラスです。

渋温泉 歴史の宿 金具屋 宿・ホテル

朝食です。ヘルシーなご飯でした。

渋温泉 歴史の宿 金具屋 宿・ホテル

浮世絵師・笠松紫浪による作品です。朝食も飛天の間ですが、前日も通ったはずの階段の壁に掛けられていました。朝になって気づくとは、しかも階段を下りる時に。なんて観察力がないのでしょう…

金具屋に宿泊できて本当によかったです。そして渋温泉には再訪し、外湯巡り制覇で満願成就といきたいものです。

渋温泉 歴史の宿 金具屋 宿・ホテル