東日本旅客鉄道大船工場引込み線跡

2021/03/04 - 2021/03/04

藤沢に用事があったので、以前より気になっていた大船工場引込み線の廃線跡に立ち寄ってきました。
2006年に廃線になってから15年も経っているので、線路や架線、架線中はすべて撤去されており、道床部分が残るのみです。

大船工場(鎌倉総合車両センター)：https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%97%85%E5%AE%A2%E9%89%84%E9%81%93%E5%A4%A7%E8%88%B9%E5%B7%A5%E5%A0%B4

エリア 鎌倉(神奈川)

• 旅行の満足度: 2.5
• 観光: 3.0
• 交通: 3.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

南部信号所

小袋谷歩道橋から北鎌倉駅側の眺めです。
左側２本が横須賀線、E217系が止まっている線路とその両側を合わせた3本が留置線(大船工場への引き上げ線だったり湘南貨物線のバイパスだったことも)、一番右側が大船工場への引き込み線です。
尚、この歩道橋は老朽化による腐食が激しく、応急対応の状態が続いています。


南部信号所：http://jigyourin.web.fc2.com/nannbusinngoujo.html
横須賀線：https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%AA%E9%A0%88%E8%B3%80%E7%B7%9A
E217系：https://ja.wikipedia.org/wiki/JR%E6%9D%B1%E6%97%A5%E6%9C%ACE217%E7%B3%BB%E9%9B%BB%E8%BB%8A
小袋谷歩道橋：http://www.city.kamakura.kanagawa.jp/douro/kobukuroya-tuukoudome.html

南部信号所

小袋谷歩道橋から大船駅側の眺めです。
一番左側が大船工場への引き込み線です。
その右側2本は、上の写真の右から2番目の線路が分岐したものですが、架線は張られていません。

南部信号所

留置線にE217系と置き換えが進められているE235系1000番台が止まっていました。

E235系1000番台：https://ja.wikipedia.org/wiki/JR%E6%9D%B1%E6%97%A5%E6%9C%ACE235%E7%B3%BB%E9%9B%BB%E8%BB%8A#1000%E7%95%AA%E5%8F%B0

１号踏切跡

横須賀線から分岐した引き込み線が県道302号線と交差していた地点です。
保線の人が作業をしていたため、ゲートが開いていました。

県道302号線：https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E5%A5%88%E5%B7%9D%E7%9C%8C%E9%81%93302%E5%8F%B7%E5%B0%8F%E8%A2%8B%E8%B0%B7%E8%97%A4%E6%B2%A2%E7%B7%9A

１号踏切跡

架線は撤去されているものの、こちら側はJRの敷地のためか、線路が残っています。

１号踏切跡

県道を挟んだ反対側です。
工場付近まで残っていた線路等は2018年に撤去されました。

https://www.townnews.co.jp/0602/2018/09/14/448753.html

１号踏切跡

廃線跡の先を湘南モノレールが走っているのが見えます。
5609編成「湘南パープルライン」をラッピングした「OJICOトレイン」が通過していきました。

湘南モノレール：https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B9%98%E5%8D%97%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%AB
5000系：https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B9%98%E5%8D%97%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%AB5000%E7%B3%BB%E9%9B%BB%E8%BB%8A
5000系：https://www.shonan-monorail.co.jp/fun/monorail5000.html
OJICOトレイン：https://www.shonan-monorail.co.jp/fun/ojico.html

２号踏切跡

市道大船西鎌倉線と交差していた地点です。
南部信号所側からは１号踏切跡が見えます。

市道大船西鎌倉線(京浜急行線)：https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%AC%E6%B5%9C%E6%80%A5%E8%A1%8C%E7%B7%9A

２号踏切跡

市道大船西鎌倉線の上を湘南モノレールが走っています。
5607編成「湘南イエローライン」の「コロナ終息祈願号」が直ぐ南側の富士見町駅に向けて通過していきます。

コロナ終息祈願号：https://www.shonan-monorail.co.jp/news/2021/01/123.html
富士見町駅：https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%8C%E5%A3%AB%E8%A6%8B%E7%94%BA%E9%A7%85_(%E7%A5%9E%E5%A5%88%E5%B7%9D%E7%9C%8C)

２号踏切跡

ここの踏切は乗務員が踏切動作を行っていたため、そのための乗降台や停止目標があったのですが、それらも撤去されています。

勝手踏切跡

県道304号線と並走し始める付近にある4種にもならない踏切の跡です。
警告の「大船工場長」と書かれていた箇所が消されています。

県道304号線：https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A5%9E%E5%A5%88%E5%B7%9D%E7%9C%8C%E9%81%93304%E5%8F%B7%E8%85%B0%E8%B6%8A%E5%A4%A7%E8%88%B9%E7%B7%9A

勝手踏切跡

２号踏切跡側の眺めです。

勝手踏切跡

5613編成「湘南ピンクライン」の「ピンクリボン号」が通過していきます。
https://www.shonan-monorail.co.jp/fun/pinkribbon.html

鉄橋跡

鎌倉武道館東側交差点手前の水路に線路の幅に合わせた鉄橋が架かっています。

３号踏切跡

南部信号場側の眺めです。

３号踏切跡

工場側の眺めです。
単線だったにしてはかなりの幅があります。

５号踏切跡と６号踏切跡

ここは二つの踏切跡の間隔があまりに狭いためか、敷地を囲むフェンスがありません。

５号踏切跡と６号踏切跡

この2か所の踏切跡には踏切注意柵が唯一残っています。

６号踏切跡

この先しばらく県道304号線を離れ、三菱電機の敷地内を通ります。
尚、横須賀海軍工廠造兵部深澤分工場引込線として線路が敷設されたのが1943年10月21日、三菱電機鎌倉製作所の操業開始はそれよりかなり後の1962年4月ですので、工場が線路を跨いで両側に設けられたというのが正しい表現でしょう。

８号踏切跡

町屋橋交差点を南東側に入ったところにある踏切跡です。
他の場所のように線路撤去後の再舗装を行っていないため、痕跡がはっきりと分かります。

大船工場跡地

再び県道304号線に隣接します。
この辺りから工場側の線路等は2012年頃に撤去されたようです。

大船工場跡地

この付近に引き込み線のゲートが設置されていたからでしょうか。奥のフェンスに「停止位置」と書かれたプレートが掛かっています。

大船工場跡地

「大船工場長」の上から「鎌倉総合車両所長」或いは「鎌倉総合車両センター長」と貼っていたのでしょうか。

正門跡

工事用車両は見えませんでしたが、ゲートが開いていました。
「立ち入り禁止」とは書いてありませんが、禁止のはずです。

正門跡

ここに「鎌倉総合車両センター」のプレートがありました。
ゲートは工事用車両用に改めて設置されたものです。

大船工場バス停(南行)

古舘橋を左折し、敷地の反対側に出ました。
市道大船西鎌倉線のバス停は「大船工場」のままです。

大船工場バス停(北行)

バス停に隠れている辺りに湘南深沢駅があります。
駅最寄りのバス停はこの大船工場になります。
バス停上を通過するのは、5611編成「湘南ブラックライン」です。

湘南深沢駅：https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B9%98%E5%8D%97%E6%B7%B1%E6%B2%A2%E9%A7%85

深沢多目的スポーツ広場

この部分は旧大船工場がまだ存在している時に、旧国鉄清算事業団用地を鎌倉市が取得した土地のため、「JR跡地」ではなく、「国鉄跡地」と書かれています。
現在、旧大船工場と市有地との境には高いフェンスが設けられています。


https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/kyoten/documents/teigen02.pdf

深沢多目的スポーツ広場：https://www.city.kamakura.kanagawa.jp/sports/fukasawa_20160325.html

境界杭

道沿いに工部省を由来とする旧国鉄の境界標が残っていました。



境界標(境界石)：https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A2%83%E7%95%8C%E6%A8%99

泣塔

工場敷地に隣接する市有地に建つ宝篋印塔です。

泣塔：https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%A3%E5%A1%94
宝篋印塔：https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%9D%E7%AF%8B%E5%8D%B0%E5%A1%94

泣塔 名所・史跡

泣塔

2019年に崖崩れがあったため、現在フェンスで囲われて近くで見学することはできません。
また見学の際には、深沢多目的スポーツ広場の入り口から入る必要があります。

泣塔 名所・史跡

泣塔

鎌倉市による説明板です。
日本帝国海軍が、横須賀海軍工廠深沢分工場造営の際に撤去しようとしたところ、事故が相次いだため、そのまま保存することになったそうです。


横須賀海軍工廠深沢分工場：https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%AA%E9%A0%88%E8%B3%80%E6%B5%B7%E8%BB%8D%E5%B7%A5%E5%BB%A0%E6%B7%B1%E6%B2%A2%E5%88%86%E5%B7%A5%E5%A0%B4

泣塔 名所・史跡

この旅行記へのコメント （2）

• 横浜臨海公園さん 2021/03/07 20:56:27

  大船工場跡地

  Takahideさま、こんばんは。
  
  旅行記を拝見させて頂きました。
  工場跡地が更地化されて久しいですね。
  小生、非公式ながら大船工場現役時代に当局の許可を得て２度入らせて頂いております。
  １度目は昭和６２年（１９８７年）で旧型電空カム軸器MC5型が山積み状態で放置されており、２度目は翌年で、御召旧２号編成用供奉車解体途中で、旧１等車用回転椅子が放り出され、TR７３型台車が真っ二つに切断されておりました。
  当時ですら１１３系電車検修用工場の印象だけが残っております。
  
  
  横浜臨海公園

  Takahideさん からの返信 2021/03/08 01:30:54

  Re: 大船工場跡地

  横浜臨海公園さま、
  
  コメントありがとうございます。
  引き込み線が何年に作られたのかを調べている時に、横浜臨海公園さまの旅行記を拝見させていただきました。
  また、内部を見学されたこともあるとのこと。うらやましい限りです。
  大船工場は一般公開等で見に行く機会はあったはずですが、行かないまま閉鎖され、廃線跡も行かないうちに線路などが撤去されてしまいました。
  何事も思い立った時に行わないとダメですね。