2020/10/24 - 2020/10/24
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たびたびさん
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北海道でまだ行ってなくて、ずっと気になっているところ。それは二つあって、積丹半島と釧路だったんですね。積丹半島は積丹ブルーと呼ばれる海の青とウニ。釧路は釧路湿原ですよね。
どっちにするか悩みますけど、東京からだと釧路の方が空港から近いし、街歩きもできるなら、その分、気が楽かな。積丹半島だとたぶんレンタカーオンリーになりますからね。
だいたいこんな風に考えて釧路に決定。その後、根室の情報も集めて、しっかり釧路と根室3日間の旅の計画ができました。
さて、初日は体を慣らす意味もあって、釧路の街歩きから。到着してすぐに、炉端焼きや和商市場の勝手丼と北海道の新鮮な海の幸を味わいます。
そして、釧路川周辺の絶景に啄木の足跡を感じつつ、米町公園経由で春採湖そばの釧路市立博物館まで。地方都市は、シャッター通りが目立つとか寂れていく姿が痛々しいことも少なくないのですが、釧路フィッシャーマンズワーフの立派さとか釧路川の河口いっぱいに停泊している漁船の雄姿はそんな心配を感じさせないもの。もちろん、サケ・マスやスケトウダラなど北洋漁業が盛況だった往時はもっとすごくてこんなもんじゃないというというのはあるかもしれませんが、それでもこれならまずまず。釧路で街歩きをしてももしかしたら外れになるんじゃないかという心配も杞憂に終わりました。
また、石川啄木も印象的。76日と短い滞在期間であるにもかかわらず、また妻帯の身の上であるにもかかわらず、しっかり青春を楽しんだよう。そして、それが啄木と釧路の関係の深さとなり、文化的な遺産として今も色濃く残っている。地元の思いが強かったということなんでしょうが、まずは啄木の魅力がやっぱりそれだけすさまじかったということでしょうか。出身地、岩手では啄木は当然ヒーローなんですが、釧路でもそれと同じくらいの位置付けであることはちょっと意外だったし驚きました。
釧路・根室旅の初日。悪くない滑り出しだったかなと思います。
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羽田空港から釧路空港に到着。至って普通のローカル空港という感じかな。釧路湿原や丹頂鶴というのが観光としては目玉なんですが、アピール力には限界があるんでしょうか。
ちなみに、道東の観光として見れば、やっぱり摩周湖や阿寒湖がビッグネーム。釧路空港からでも女満別空港からでもだいたい同じくらいの距離なんですが、女満別空港はこれに知床半島が加わるんですよね。そうなるとちょっと女満別の方に軍配が上がってしまう。かく言う私も道東観光は女満別空港からしか入ったことはありません。
入り口横には記念撮影用かな。丹頂鶴のモニュメントもありましたけど、それくらい。本当にアピールが少ない空港です。 -
釧路空港連絡バスでJR釧路駅へ向かいます。20キロくらい離れているので、1時間弱。釧路市内からはけっこう離れているなという印象です。
しかし、一方で、釧路市湿原展望台や阿寒国際ツルセンターに向かってだと釧路市内へ行くよりよほど近い。純粋に観光を考えるなら、空港からレンタカーの方が便利なんでしょうね。
まあ、私は最終日がレンタカー。その日は直接空港に帰って来る予定なんですけどね。 -
釧路空港に到着です。
釧路は根室本線と釧網本線の駅なんですが、なんか大きいですね。まあ、よくある商業ビルではないし、実際に観光客が利用するのは一階の一部なんですけどね。 -
取りあえず向かった釧路市観光案内所は、改札を出てすぐの右手側。おじさんが一人で対応しているだけなので、先客がいるとちょっと待つことになります。
軽く位置関係を確認してOK。
それと釧路食応援フェスの飲食券を取り扱っていてちょっと迷いましたが、参加店が少し少ないかな。もう少しちゃんと事前に下調べしておけばよかったかなと思いました。 -
構内をもう少し。
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JR釧路駅の一階のレフボン。いくつかのお店が集まる賑やかな一角です。
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朝飯代わりにふわとろクリームパンをいただきましたが、柔らかい生地に本当にふわとろの優しいクリーム。名前のままなので、逆にびっくりしました。
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もう一軒は、ばんばんというおにぎり屋さん。
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どれにしようかなっと。。
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で、選んだのは昆布のおにぎり。包装もいい感じですね。
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普通にコンビニの昆布のおにぎりを想像していましたが、ここの昆布は昆布にもろみみそをアレンジしたのかな。それがすんごくうまい。昆布のおいしさを120%引き出しているような感じ。このうまさには、ちょっとしびれます。
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元気が出たところで、釧路漁港を訪ねます。ただ、釧路駅からはなかなか距離があります。まあ、まだ歩き始めなのでいいでしょう。
人影はほとんどなくて、賑わいも活気もありませんでしたが、港には集魚灯を積んだ漁船が何隻も停泊。釧路では漁業が重要な産業であることは伝わってきますね。 -
ここから、今朝一番のお楽しみ、炉端焼きの人気店の喰処 鮭番屋に向かいます。
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こちらは、炉端焼き発祥の地と言われる釧路でも大人気のお店。
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始めに自分の好きな食材を選んで買った後、別棟で炭火の炉端焼きを楽しみます。
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種類が多いけど、そんなには食べれないですよ~
後も予定がありますからね。 -
今度は席について自分で焼くのですが、焼き加減とかは係の人が見てくれるので心配はいりません。
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イチオシ
で、選んだメニューは、一番人気のサーモンのハラスといくら丼の組み合わせ。脂がしっかりのったハラスはジューシーで確かにしびれるうまさ。たまりませんね。
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ただ、うまいのはうまいんですが、今までの炉端焼きのうまさから想像できた範囲を越えているかというとそうでもない。つまり、冷静に考えれば期待の範囲内ですから、逆に、これで炉端焼きというものの限界を知らされたという感じもしなくはない。なんか誉めているのか貶しているのか分からないコメントになってしまいましたが、どっちにしても炉端焼きは炉端焼き。当たり前のことですけど、どこまで行っても素材のうまさ以上のうまさは望めないということかなと思います。
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いくら丼は、まあ定番のうまさですよね。北海道に来たなという感じです。
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再び、釧路駅の方に戻ってきて、今度は釧路和商市場の勝手丼にもチャレンジしてみます。
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外観はおとなしい感じでしたが、中はそれなりに賑わいがありますね。
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しかし、勝手丼というのはどこなんでしょう。
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あ、ラーメン邦紀というのがあって。なるほどね。勝手丼のご飯をここで調達しました。
サイズは、大・中・小。それに寿司飯もあります。 -
慣れているので、お盆に乗せて、お箸もささっとつけてくれます。それに、食べ終わると、今度は勝手丼のネタを買ったお店が片づけてくれます。
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さて、勝手丼のお店はいくつもあるのですが、この佐藤商店は一番活気を感じます。ネタの数も飛びぬけて多いし、おばちゃんが元気よく声をかけてきて、注文すると手際よくそれを丼に乗っけてくれます。
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なにがなんだか分からないけど、ここは取りあえずというか適当に注文するしかないですよね。
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イチオシ
ただ、さんまの刺身がピカピカに光っていて、とってもおいしそう。これは外せないかな~
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勝手丼は中央に設置されたテーブルとイスのスペースでいただきます。
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イチオシ
うーん。和商市場って道外からくる観光客向けのものだと思っていましたが、そんなことはないですね。道内からでも地元の人でも。新鮮なネタは多くの人が訪れるここだからこそ提供できるもの。
特に、旬のさんまとか。勝手丼でいただいたさんまの味は結局、今回の釧路・根室の旅を通しても最高の味わい。旬のさんまの刺身は脂がのって、こんなにおいしいものだということを初めて知りました。しばらくは忘れられない味になりそうです。 -
大満足となったところで、和商市場の隣りにあるくしろ丹頂市場へも。
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ただ、同じ市場でもこちらは野菜が中心。海産物中心の和商市場だとその場でいろいろ食べたりできますが、こちらはそういうわけにはいかないですね。
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ビーツとか北海道の野菜の珍らしさもあって見るだけでもそれなりに面白いですが、観光としての楽しみは限界があるように思います。
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では、いよいよ釧路の市街中心部に向かいましょう。歩き始めてみると、釧路は区画が碁盤の目のように整備されていているんですが、目印になる建物があまりないのでどこでどう曲がったらいいかとかが分かりにくい。意外な限界があることに気が付きました。
ちょっと右往左往して。なつかし館 蔵は、釧路駅の南側の町歩きをして目に留まりました。白壁の蔵をデフォルメしたレトロでちょっとメルヘンチックな店構え。面白いのでおやきというのを買ってみましたが、今川のことを釧路ではこう呼ぶんですね。ちょっと分厚い皮は温かいのが冷めないようにかなあ。落ち着いた味わいのおやきでした。 -
で、これも右往左往している時に見つけたフォグ ベーカーズというパン屋さん。釧路駅のすぐ南側エリア。ネットでも評判のパン屋さんのようですが、店の前にちょっとした行列ができていて、気が付いた次第。釧路ではちょっとない光景ですけどね。
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あんぱんとシュガーレーズンを買いましたが、こういうのを小麦の味わいがするっていうのかな。じわりとおいしくて、評判は間違っていないなと感じました。
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少しづつ、釧路川の方に向かいつつ。。
栄町平和公園は、戦災復興土地区画整理事業により昭和24年に開設された公園です。 -
一番奥に戦災記念碑が建っていて、これは昭和20年7月に米軍機による空襲に見舞われ、多くの犠牲者が出たことを祈念するもののよう。北海道のこんな地方都市でも空襲を受けていたんですが、それは日本の全土が本当にあちこちやられていたということですよね。今さらながら、胸が痛みます。
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どんどん歩いて。
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もう釧路川に近づいたかな。
これは、釧路市観光国際交流センター。平成5年に開催されたラムサール会議の際に建てられたコンベンション機能を中心とした施設です。釧路川を望む広い敷地に堂々とした構えで建っています。 -
ただ、この時期はコロナ過もあって閑散としていて、ロビーの悠々とした雰囲気を確認したりするだけでおしまい。しかし、これだけ立派な施設なら、釧路のイメージアップにも貢献しているように思います。
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釧路市観光国際交流センターの並びにあるのは、北海道立釧路芸術館。この辺りは釧路市の文化ゾーンといったエリアです。
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レンガ作りの雰囲気ある建物で、本来は「ビーズの華やぎ展」をやっているはずでしたが、コロナ禍で休止中。小さな展示室の方で地元の市民団体の絵画展をやっているだけでした。
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さて、目の前は釧路川。釧路市の中心を流れていて、河口もこんなに広い。
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釧路市は釧路川の河口に位置する都市。河口付近は釧路港の延長部といった感じでしょうか。広い釧路川の両岸には大きな漁船が何隻も係留されていて、けっこう壮観。これほどとは思いませんでしたね。北洋漁業漁船団の基地として栄えた釧路の栄光の歴史を今でも十分にとどめているように感じました。
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ここから幣舞橋の方に向かいますが、すぐに見えてくるのは釧路フィッシャーマンズワーフMOO。なんとも巨大な建物で、釧路のまさにランドマーク的な建物でしょう。
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内部は、海産物に成果物の生鮮品の市場から、レストランやパン屋、観光案内所もあって、完全に観光客向けですよね。空間が大きいのでゆったり感はあるのですが、反面、市場にあるごちゃごちゃ感が少し弱い。ストレートに言えば寂しい感じも否めなくて、和商市場と比べるとちょっと微妙かなと思います。
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中ほどにある小さなパン屋は、ベーカリー&カフェ パ・パン。フィッシャーマンズワーフでは、パン屋さんはここだけです。
私は食べ歩きのワッフルをいただきました。柔らかくて、クリームも素直な味わい。さりげなく正統派のワッフルです。 -
あと、ここの名物店は、このさんまんま魚政。さんまんまというサンマのかば焼きをつかった料理が看板商品で、自動販売機で食券を買っていただくスタイルです。まあ、お味の方は想定内かな。その他、さんまつみれ汁やぶっかけ丼もありました。
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ショッピングモールのMOOを幣舞橋に抜けると続きには、全面ガラス張りの丸いドーム型の建物があって、それがEGG。
EGGというのは、エバー・グリーン・ガーデンの略だそうですが、巨大な温室のような空間。ドームの中では1年中、花と緑を楽しめるという設定です。今はコロナ禍で休止していましたが、コンサートのできるステージなんかもありました。 -
フィッシャーマンズワーフを出て。幣舞橋との間には魚河岸発祥の地碑。幣舞橋のほぼたもとです。
釧路は漁業基地で栄えた町なので、魚の市場があったのは当然なんでしょうが、近代的なフィッシャーマンズワーフに生まれ変わっても、この地がそのルーツだというアピールをしています。 -
振り返るとこんな感じ。
さて、まだまだ先は長い。先を急ぎましょう。 -
幣舞橋のたもとにひょっこり幣舞橋観光ガイドステーション。フッシャーマンズワーフからだと、いったん幣舞橋の下を抜けて橋に上がったところです。ちゃんとした観光案内所なんですが、場所はどうなんでしょう。観光客はフッシャーマンズワーフを訪ねてもここは通らないかも。気が付かない人も多いかもしれませんね。
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ここから幣舞橋を渡ります。何度か架け替えられて、現在の橋は昭和51年のもの。アーチ型の大橋は、四隅に柱のようなオベリスク。
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橋脚上に人物の彫刻象もあって、芸術性の高いデザインが印象的です。
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対岸のホテルかな。対岸の整備もしっかりしています。
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幣舞橋を渡る先に見えているのは、ぬさまい公園 花時計。ロータリーの上の斜面に見えてくる花時計です。斜面の緑も濃いので、それと合わせて美しい姿。一方で、雪が降ったりすると冬場はどうなるんでしょうね。ちょっと気になります。
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イチオシ
幣舞橋を渡って、対岸から見るフッシャーマンズワーフです。
日が照ってきて美しいですね。 -
そして、漁船方も。
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ずらりと係留されて、隙間がない。
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イチオシ
これなら、今でも大船団が組めそうですけどね。
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イチオシ
そして、やってきたのは石川啄木ゆかりの港文館。釧路川を挟んだフッシャーマンズワーフの向かい側です。
まずは港文館の敷地内の石川啄木像。釧路川をバックにすっくと立っています。また、傍らの歌碑「さいはての駅に下り立ち雪あかり さびしき町に あゆみ入りにき」は、啄木が釧路に降り立った際の歌です。
肩をいからし、腕を組んで遠くを見ているマント姿の石川啄木は、釧路駅にたどり着いた23歳の青年です。本郷新という彫刻家の作品ですが、傍らに氏の啄木に寄せる言葉が刻まれていて、碑文は以下の通り。啄木に対する熱い思いがじわりと伝わってきて、ちょっと感動的な気持ちになりました。
啄木は思うことの多い人間であった
啄木は自己の感情をいつも人間の真実の中に通わせ、そこからあの底辺のひろい文学が生まれた
啄木はいつも世俗に抗し、精神の高揚を求めつづけた。そこからあの厳しい芸術の世界が展開された
円い人格ではなく、角だらけの人間であった。そういう啄木を好まぬ人でも、その作品の中に見える自負と謙虚という矛盾を一つの塊として受けとることが出来るのではないだろうか
詩人石川啄木は明治41年1月21日雪の釧路にひとり降り立った。 -
なお、建物は明治41年に建てられた旧釧路新聞社を復元したもの。比較的小さな建物ですが、石川啄木は釧路時代にここに勤めていたんですね。
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二階に啄木の資料館があって、釧路時代の啄木の生活ぶりを伝えていました。
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啄木の北海道との縁で言えば、函館を皮切りに札幌、小樽を経て、最後が釧路。
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釧路は76日と短い期間でしたが、
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妻子がありながらも米町地区の料亭や遊郭に出入りし、豪遊というのかどうかは分かりませんが、
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なかなかの女性関係も。
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「小奴といひし女のやはらかき耳たぶなども忘れがたかり」の歌も恋仲になった芸妓に残したもの。釧路と啄木の浅からぬ関係を感じました。
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港文館から、米町公園に向かいますが、その途中には啄木の歌碑がいくつか。
これは先ほど触れた小奴の碑です。港文館で碑の詳しい地図をもらいましたが、そんなのを全部回っていたら、先には進めない。この碑だけにしておきました。 -
少し歩いて、成田餅菓子店。大通り沿いのしっかりした構えのお菓子屋さんです。
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いただいたのは、豆大福。お餅がしっかり、もっちり。餡子の甘さも、さりげないけどちゃんと老舗の個性を感じます。これはいい。北海道のお餅って、札幌でも小樽でも意外においしいんですよね。釧路もそうでしたか。北海道のお餅のおいしさを再認識させられたような気持になりました。
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またしばらく歩きまして。
米町公園に到着。最後にだらだらと坂を上った先でした。 -
一番高いところに建つ歌碑は啄木の「しらしらと氷かがやき千鳥なく釧路の海の冬の月かな」これは、明治41年、釧路でまだ単身赴任していたころのことを詠った歌。
啄木生誕50周年を記念して昭和9年に建立された歌碑で、釧路の啄木歌碑の中では一番古いものです。 -
イチオシ
歌碑の少し下手には灯台を模した展望台があって、上ってみます。
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イチオシ
ここからだと釧路川の河口部が眼下に見えて、釧路川の向こうは釧路湿原なんでしょうが、その先はるかに雄阿寒岳、雌阿寒岳がちゃんと見えていますね。もしかしたら釧路市内では一番の絶景かもしれません。
ところで、啄木は、この眼下に見える釧路港から函館経由で東京に去りましたが、借金をそのままにして夜逃げ同然だったとも言われます。そうやって生活はハチャメチャなんですが、それと歌の才能や人間的な魅力は別のもの。まあ、それを認めてくれた時代だったことには感謝しないといけないかもしれませんけどね。
中ほどには日本製紙釧路工場も見えています。新釧路川の河口にあって、釧路漁港からも見えましたが、ここからでもよく見えますね。水が豊富という条件もあってだと思いますが、ルーツをたどると明治34年まで遡る歴史がある。釧路の経済を支えたもう一つの顔だと思います。 -
こちらの米町ふるさと館は、米町公園のすぐ目の前。
白い漆喰のなんか倉庫みたいな建物ですが、これは明治33年、当時の海産物商が店舗兼住宅として建てた木造建物。釧路に現存する最古の木造建物です。
米町にゆかりのある石川啄木の資料などが展示されているはずでしたが、現在はコロナ禍で休館中のようでした。 -
少し離れた場所ですが、今度は佐野碑園。春採湖の方に少し進んだところです。
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ちょっとした公園なんですが、奥に江戸時代、釧路の漁場開発に尽力した新潟出身の佐野孫右衛門を顕彰するこの佐野碑が建っているので佐野碑園です。
この場所はかつて、石川啄木がしばしば訪れた釧路第一の料亭「喜望楼」があった跡。啄木が初めて酒と芸子を知った場所ということになります。 -
佐野碑園から春採湖を目指しますが、少し進むとまた啄木の歌碑。
よりそひて
深夜の雪の中に立つ
女の右手(めて)のあたたかさかな
これも小奴を歌ったもの。少し調べると、啄木は函館で小樽に残していた家族と再会しますが、経済的な自立のめどが立つまでと単身東京に帰る。金田一京助の支援で住処は確保しますが、身一つでもなかなか生活はおぼつかない。なんと、その啄木のもとに小奴が訪ねてきて。本郷三丁目から上野、浅草を一緒に歩いたり。小奴への懐かしい思いと自らの不甲斐なさ。それでも短い命を懸命に燃やし続けた啄木だからこその率直さが、今の我々にも訴えかけてくる何かを残したのではないかと思います。 -
少し進んで、これはなかじま。地酒ケーキの「福司」の評判がいいので途中に寄ってみました。
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芳醇なタイプと辛口のキレのいいタイプの二種類があって、私は後者の方にしてみました。ほんのりとした酒の香りがして、むしろ酒が入っていることをあまり感じさせない上品な仕上がり。ただ、ブランデーケーキとか酒のカステラだとかギンギンに酒を強調しているタイプに慣れているせいか、これではちょっと物足りなさも否めないような気がします。やっぱり日本酒だとこれが限界なんでしょうかね。
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さて、再び出発。
ところで、今は秋のまっただ中。釧路市内でも真っ赤な紅葉があちこちで見られて美しい。私もそれに元気をもらって歩きます。 -
これで米町公園と春採湖の中間辺りかな。というか、フッシャーマンズワーフ側から幣舞橋を渡って、そのまま正面の丘を上った辺りなので、いったん戻ってきたということかもしれませんが。
これは、釧路市生涯学習センター。展望台があるんですよね。 -
これが展望台からの眺め。
釧路川やその背後の釧路市街を眼下に眺めるんですが、 -
ゆったりと蛇行しながら流れる釧路川の鮮やかな青がとても印象的。なんかこれも北海道ならではの色なんでしょうかね。
この後、釧路市生涯学習センターの3階にある釧路市立美術館へもお邪魔して「秋山あや子 みずゑ展」を拝見。淡い色調のメルヘンチックな水彩画は、ちょっと心が和むものでした。 -
釧路市生涯学習センターから再び歩いて、釧路市立博物館へ。もう、春採湖のほとり。
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その春採湖を見下ろす丘の上にあるなかなか立派な建物の博物館です。
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玄関入るとすぐにナウマンゾウの標本がお出迎え。
人類が日本に初めてやってきたのは氷河期。海面が低下していた3万8千年前のことなんですが、それはもしかしたら狩りの対象だったナウマンゾウを追ってきたのかも。そう考えるとナウマンゾウももっと違った目で見ることができるような気がします。 -
イチオシ
その奥に展示室があって、一階から三階まで。
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一階の北海道の豊かな自然に生息する動物や鳥類の見事なはく製は、
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生き生きとしていて
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見事な迫力。
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二階は
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漁業や
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林業、
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生活民具の展示に
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縄文時代の土器類。
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縄文時代だと本州の発掘品とあんまり違いはないような。土器から受ける印象はほとんど同じです。
北海道は、この後、奈良時代や平安時代だとオホーツク文化とか独自の時代を迎えることになる。ただ、その辺りとアイヌ文化の関係はなかなか理解できてませんけどね。 -
そして、三階がこの博物館自慢のアイヌ関係。
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コレクションはかなり充実していて、
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豊富な展示品が近代的な室内に美しく並んでいます。
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ここまで来ると、トータルとして地方都市の博物館のレベルを超えた内容のようにも感じました。
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もう一つあるのは釧路市埋蔵文化財調査センター。釧路市立博物館の建物なんですが、入口は釧路市立博物館に入る手前の右側。釧路市立博物館とは違うので注意が必要です。
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展示室は一つですが、大きな展示室なので、土器類や石器類はおびただしい数ですね。
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すすけた土器類の迫力や
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打製石器の生々しさもちょっといけてます。
ただ、展示品の説明はほとんどありませんので、その辺りはよろしくお願いします。 -
博物館を出て、春採湖も見てみましょう。
この湖は、海面下降の際に取り残された海跡湖であり、春採川を通じて海水が入りこむ汽水湖でもあるということ。 -
周囲4.7km、水深5.2m。釧路市立博物館の隣地に整備された春採公園から見下ろしましたが、周囲は山に囲まれて一方が海に臨む地形。少し荒涼とした眺めでした。
春採公園という公園が整備されていますが、範囲はどこまでだったのかなあ。ちょっと曖昧でしたが、ベンチが何か所か設置されていて、春採湖を見下ろすビューポイントがいくつもありました。公園としてはきちんと整備されていると思います。 -
帰りは、さすがにバスにします。くしろバスですが、釧路駅までですから迷うことはないですね。利用者は少ないですが、本数もそこそこあって使えるバスだと思いました。
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晩飯の関係で、幣舞橋の辺りで途中下車しました。
日が暮れた釧路川にライトアップされた赤い幣舞橋が浮かんで、ちょっと幻想的。 -
イチオシ
啄木がこんな眺めを見たなら、何か歌わないではすまないでしょう。
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昼間見たフィッシャーマンズワーフや
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漁船団もこれから夜の眠りにつくところ。
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まあ、この眺めも釧路に来たなら見るべき眺めのひとつかな。夜の釧路もなかなかロマンチックです。
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で、晩飯に予定していたのは、釧路市民のソウルフード、レストラン泉屋のスパかつです。これも楽しみにしていたんですよね。
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二階の店内は、ちょっとバタ臭くて、地元のお客さんとかも含めてやっぱり大賑わい。スタッフが忙しく動き回って活気がありますね。
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さて、スパかつの方ですが、ソースは上品な薄味で、それはまあよかったのですが、鉄板で焼いたパスタは当然パリパリ。それがかつと合っているかというとどうなんでしょうねえ。量が多くて、半分くらい食べたところで飽きてくる。楽しみにはしていたんですが、正直言えばこれはきつい。なんだかなあというのが印象です。
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ちょっと期待が不発に終わったところで、リベンジしたいなあ。
ということで訪ねたつぶ焼かど屋は、釧路の末広町では名物店の一つ。つぶ焼きとラーメンのお店なんですが、もうお腹いっぱいだし、つぶ焼き900円だけをいただきます。 -
まな板の上に載ったつぶ焼きは五つ。初めてですか?とか言いながら、おばちゃんが食べ方とかを丁寧に教えてくれました。
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貝はつぶ貝という貝。要領が分かると尻尾の方までうまく取れますし、甘がらい汁も貝から飲み干して楽勝かな。ただ、そこまでうまいかといわれれば、そこはまずまず。観光客にとっては、釧路の人が懐かしさもあって食べるのとはちょっと違うような気もしました。まあ、一応締めにはなりました。
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今日の宿はクラウンヒルズ。駅前のホテルです。明日は朝一番の列車で根室へ移動します。根室はレンタカーの旅だし、体力を回復させねば。あとはとにかくゆっくり休みます。
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