2010/09/01 - 2010/09/04
380位(同エリア530件中)
まさとしさん
ボツワナからジンバブエに入りました。
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フランシスタウンからのバスはボツワナを出国したあとも2キロ先にあるジンバブエ側の国境まで連れて行ってくれた。
ジンバブエ側の入国審査場は立派な建物でかつての繁栄を感じる。ここで30ドルを払いビザを発給してもらった。手続はいたってスムーズだ。
ジンバブエは初めての国ではないが、もはやかつてのジンバブエではない。かつてはアフリカ有数の穀物輸出国だったにもかかわらず、白人農場の土地接収に始まる国内経済の崩壊と海外からの経済制裁。そして空前のハイパーインフレ。この国のすべてが崩壊してしまった。とにかく日本に入ってくるジンバブエのニュースは悲惨な状況以外のなにものでもなかった。それにもかかわらず独立以来大統領はずっとその地位に居座っているのがまたすごい。
ロバート・ムガベ大統領。まさにアフリカ最強の独裁者といってもいい。アフリカ独立運動の英雄でもあり周辺諸国は表だって彼を批判できない背景がある。イギリス領南ローデンシアの独立とその後の白人との融合によるジンバブエの経済発展。この国がもっとも輝いていた時期に僕は訪問している。あの当時は観光資源にも恵まれたこの国は旅行者とって天国だった。
それから15年。いったいこの国はどうなってしまったのか。ハイパーインフレなどはなくなり、今では周辺の外国通貨が流通し、表面上は安定を取り戻したかに見える。とりあえずどのような状態か行ってみないとわからない。苦難があったとはいえ、ジンバブエ人の親切な国民性が簡単に失われることはないはずだ。それ希望を持ちたい。 -
さてブラワヨまでの交通機関だが、昔からジンバブエでは公共のバスはあまり便利ではないのでブラワヨへ向かうトラックの荷台に乗せてもらうことになった。ブラワヨまでの距離は180キロで約1時間強で到着する。荷台の上で100キロ以上で走るので風がすごいがすこしの我慢だ。ブラワヨまでは5ドルで乗せてもらえたのでなにもいうことはない。感謝感謝。
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午後2時前にブラワヨの中心部に到着した。フランシスタウンからの直行バスがちょうど今出ようとしている頃だ。スムーズに安くブラワヨに入れてよかった。
ブラワヨでは数少ないバックパッカーの宿に向かった。しかし20ドルと高く、場所がすこし不便だ。中心部にも20ドルくらいで泊まれる宿があることをあとで知って少し後悔した。
ブラワヨで滞在したパッカーズ・パラダイス・ロッジ。
とりあえずヴィクトリア・フォールズへ行く列車の切符を買うためブラワヨ駅に行かなくてはならない。明日の夜の列車で向かいたい。
駅へ向かいながらブラワヨを見ていると中心部は空テナントになった商店も多く、荒廃した雰囲気はあるがそれは他のアフリカにもある風景でジンバブエだから特別だというわけではない。また商店の経営者に白人の姿もちらほら見られる。都市部の白人は住み続けることができたのだろう。 -
町のどこかられも見える火力発電所は操業を停止し廃墟になっている。その横に駅がある。しかし駅に行くと窓口は閉まっていた。別の場所にいた駅員に聞くと切符の前売りはやっておらず当日8時に売り出すとのこと。以前は事前に発券してくれたのだがシステムが変わってしまったようだ。また列車は毎日運行されておらずヴィクトリアフォールは週5便でハラレは3便しか運行されてない。混乱のすえ鉄道システムも後退してしまったようだ。明日の朝8時に出直すことにした。
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ブラワヨの町は今では物がないということはなく、ショッピングセンターでは物があふれている。通貨はアメリカ・ドル立てで表示されている。南アフリカランドもかなり流通しているようで釣り銭などはランドのコインが返ってくる。だいたい1ドル=7.5ランドという感じで計算される。
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シティーホール前では土産物が売られていた。観光客の姿はほとんど見あたらないのだが。
夕食は昼間に見つけた中華料理店に行ってみた。しかし閉まっているのか真っ暗だ。どうやら営業しているようだが停電のようで自家発電をつけるの待ってくれといわれた。一見普通の町の中心部だがほとんど停電しているので町は真っ暗だ。しばらくして電気は復旧した。昔は停電などなかったはずだ。一見安定を取り戻した国に思えても停電にあうとまだまだ前途多難な気にさせる。
とりあえずチャーハンを注文することにした。ハンバーガーなどと同じ値段で食べられるので満足度は高い。店内は町中でほとんど見かけない白人客が続々と来店してくる。アフリカでは中華料理店はありがたい存在だ。
食後歩いて宿に戻らなくてはならず、少し怖い。手ぶらなので強盗にあっても被害は何もないのだが。 -
【9月2日(木)】
朝8時には駅に行かなくてはならない。駅までは遠いので7時に朝食を作ってもらうことにした。ハムやソーセージに目玉焼きとなかなか豪華な朝食に満足。
食後、歩いて駅へ向かった。駅までは30分かかる。駅に到着したらすでに予約事務所前には100人くらい並んでいた。 -
でも全員が同じ列車に乗るわけではないので大丈夫だろう。8時になると列が動き出した。しかし遅い。10時にチェックアウトなので早くしてもらいたいのだが、結局2時間待ってヴィクトリアフォールまでの寝台車の切符を手に入れることができた。
10時チェックアウトというのは目安なので遅れても問題はない。夕方まで荷物を預かってもらうことにした。ゲストハウスのよいところは出発前にシャワーを浴びれることだ。
午後ブラワヨ散策。この町は15年前に来たときヨハネスブルグで知り合ったゲーリーという貿易商と一緒にブラワヨに来て家に泊めてもらったことがある。しかし彼の家は今思い出せない。アパートのような感じだったので引っ越しをしている可能性もあり、今となっては探し出すのは不可能だ。 -
青空マーケット。出発まで時間があるのでブラワヨ市内を見て回ることにした。中心部には高層ビル。碁盤の目に整備された町は迷うこともなく歩きやすい。
中心部のコロニアル調の美しい建物が建ち並ぶ場所で写真を撮ったら警官に捕まった。どうやら写真の中に銀行の建物が写っているのが気に入らないらしい。
20ドルの罰金を払えという。どうやら金がほしかったようだ。
そんな金ない。ごねていたら解放してくれた。単におちょくっているだけなのだろう。あわよくば小遣い稼ぎができるとでも思っているのか?アフリカの警官などどこもこんな感じだ。それほどしつこくなかったのが幸いだ。
日中のブラワヨは蒸し暑さはないが照りつける日差しがきついので体力を消耗してしまう。昨日の中華料理を食べて宿に戻ることにした。 -
夕暮れのブラワヨの火力発電所跡地。午後6時。出発までまだ時間があるが駅へ向かいたい。しかしホテルの前をタクシーは通らないし、ホテルで頼むと20ドルと法外な値段なので歩いて町の中心部までタクシーを探しに行った。するとメータータクシーを発見した。いったん宿まで行ってもらったあと駅まで行って4ドルだ。ジンバブエにメータータクシーがあったのは驚きだ。ローカルプライスが把握できてありがたい。
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2時間前の午後6時に駅に到着した。とりあえず軽く食事を食べることにした。ソーセージとトウモロコシの粉を水でこねた東アフリカでウガリと呼ばれる食べ物だ。
1ドル。
ヴィクトリアフォール行きの列車はすでに停まっているようでホームへ向かった。しかし駅構内は真っ暗で列車がどこに止まっているのかも把握しづらい。足下も真っ暗で障害物がないか不安だ。
何とか列車にたどり着いたが、僕が乗る寝台車がどの車両かがわからない。一応予約はされているが、座席定員制で空いている場所に行けばいいのだが何も見えないので探すのは至難の業だ。
ホームにいた人の助けを借りて何とか空いている寝台を確保できたが本当にここでいいのか不安だ。
20時ちょうどに列車は動き出した。すぐに車掌がきて予約リストに僕の名前を見つけ検札は終了し一安心だ。それにしてもジンバブエの国鉄職員はみんな親切で友好的で日本語で挨拶されたり実に気分がいい。仕事にやりがいを持っているのと、日本でかつてのジンバブエの列車が評判がよかった由縁だろう。
しかしその評判のよかったジンバブエの列車もこの有様だ。車内はおろかホームにもライトひとつない。車内は暗くてよくわからないが、水のでない水道や点灯しない電灯。
まさに世界最悪レベルの車両設備だ。今までこれよりひどい車両には乗った記憶がない。
とにかく暗いので何もできない。携帯電話が懐中電灯代わりだが電池がもったいないので寝るしかない。 -
【9月3日(金)】
翌朝、夜明けと共に車内設備を把握することができた。とにかくひどい車両だったが横になって寝れたのでよしとしよう。水も電気もない車両はトイレが悲惨としかいいようがない。
列車は途中で貨車を連結したり停車時間が長い。
沿線にはほとんど町がないのだがなかなか目的地に着いてくれない。 -
ジンバブエ国鉄の車両
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列車にいた少年
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寝台車の車内はこんな感じだ。
ブラワヨからヴィクトリアフォールズまでは10USドル。 -
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列車は目的地を目指す。
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結局ヴィクトリアフォールに到着したのは10時30分。
距離はたいしたことないのにブラワヨから14時間半かかったことになる。 -
ヴィクトリアフォールズの駅に降り立つとツアーの客引きが声をかけてきた。ラフティングやボツワナのサファリツアーに誘いみたいだが僕は興味ない。
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ヴィクトリアフォールズではバックパッカーズ向けの宿に向かった。町の中心に近いシューストリングという宿に向かった。ドミトリーで11ドル。15年前ヴィクトリアフォールズの町はこのような安宿は全く存在しておらずテントを張る以外安く滞在できなかった。
それがこの15年で様変わりし、至る所に安い宿が営業している。シューストリングは敷地内にプールもあり、白人客が優雅に過ごしていた。
ヴィクトリアフォールズの町は滝の観光で成り立っている町だ。ここ最近のジンバブエの混乱と苦難の時代にもこの町だけは観光客を受け入れ続けた。しかし観光客はこの町をしだいに離れだし、ヴィクトリアフォールズの観光の拠点は対岸のザンビアのリビングストンに移ってしまった。
町はシンプルで見所は何もない。滝以外なにもないのであちこち行かないで済むので落ちつける町だ。だ。 -
セブンイレブン。
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町の中心部は小ぎれいだ。
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駅前にある最高級ホテル「ヴィクトリアフォールズホテル」へ行ってみた。
正規レートでは1泊500ドルくらいするらしいが、予約サイトを使えばけっこう安く泊まれるようだ。
外国人なので敷地内へ入るのは自由だ。 -
ホテルのテラスは観光客が優雅に過ごせるようになっている。
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ホテルのテラスからは滝の水しぶきとリビングストン橋を眺めることができた。
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夕方徒歩で滝に向かった。
入場料は30ドル。公園敷地内は遊歩道になっていている。いろんな角度から滝を眺めることができる。 -
滝を発見したリビングストンの銅像。
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乾期の今、水しぶきは思ったほどではなく、カッパを買うほどでもない。
水量は多くない方がこの滝は見学しやすい。ちょうどこの時期がベストシーズンなのではと思う。 -
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また夕方は光の加減で虹が鮮やかに見えるのでいっそう滝壺が美しく見える。
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ヴィクトリアフォールズがすごいのはこの谷底だ。
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この渓谷の対岸はザンビア側になる。
明日ザンビアに移動するのでまた対岸からの滝も眺めたいと思う。 -
【9月3日(土)】
暑くなる前にザンビア側に移動した。そんなわけで9時にはビクトリアフォールズの町を出発した。徒歩で国境へ向かい、国立公園ゲート先のジンバブエのイミグレーションで出国、国境の渓谷に架かるリビングストン橋へ向かう。 -
この先がリビングストン橋。
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橋には鉄道の線路もあるが現在は運休中。
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橋の上からの眺め。
橋の中央ではバンジージャンプが行われていた。1回115ドルとのこと。 -
橋の上からは唯一滝を無料で見られる場所となる。
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橋の中央にここからザンビアだという表示が出ていた。
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