2020/07/18 - 2020/07/25
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2020年夏、北海道を周遊しました。
鉄道編3回目は、「三笠鉄道村」です。
道央道三笠ICから東に約8km。山間部に切れ込んで行く道道を進んだ先にあります。
左側にある大きな駐車場には、国鉄色の客車や貨車が並んでいます。
鉄道村の敷地の道路沿いにはSLの走る線路があり、
その隣には、トロッコ列車もやって来ます。
レンガ造り風の博物館と、併設する機関庫。
扉が開いていれば、中に機関車たちの顔も見えます。
屋外展示には、北海道ならではの珍しい車輛がいっぱい。
この場所は、幌内鉄道の走っていた場所なので、博物館の中も展示品がいっぱい。
興味深い説明文をじっくり読んでいたら、見学時間が足りなくなってしまいました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通手段
- 自家用車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
三笠市立博物館から来たので、道道917号線から1129号線に
曲がります。
その交差点に、この看板がありました。「三笠トロッコ乗り場」
このすぐそばにあるクロフォード公園で受付をしています。
クロフォード公園は、旧三笠駅周辺に平成2年に造られた公園で、
幌内太(ほろないふと)駅舎(後の三笠駅)を再現したり、
DLや貨車、客車たちがずらっと並んでいます。
「特急おおぞら」編成で、キハ82100、キハ80150、キロ8052、
キシ8027、キハ80145、キハ8287が連なり、
その手前には、DD51548、ホキ2341、ホキ746、ヨ8006がいます。
三笠鉄道村は、三笠鉄道記念館のある「幌内ゾーン」と
クロフォード公園のある「三笠ゾーン」の2ゾーンで構成されています。
今回は、そのうちの「幌内ゾーン」に行きました。 -
「三笠鉄道記念館」に向かっていると、
真横をトロッコ列車が通過して行きました。
先頭の無蓋車に乗客が乗っています。
その後ろにも水色のトロッコがあり、 -
その後ろがなんとも珍妙な国鉄色っぽい機関車風?の車輛。
なんだかボートみたい。
最後が展望付き客車です。
滅茶苦茶な編成だなあ。もう、おもしろければ何でもいいよね! -
三笠鉄道村の「幌内ゾーン」に来ました。
大きな駐車場の縁には、客車たちが並んでいます。
長方形をしている車体の一部がボコッと出っ張っている客車があります。
まさか後付けのトイレじゃないよね?近寄って見れば良かった。
右端の貨車はトラ72568です。 -
こんな妙な形の作業車もあります。
排雪モーターカー510、ロータリー排雪車DL7Lと思われます。
炭鉱線だからというより、独自開発の雪対策の作業車なのでしょう。
鉄道記念館側にも雪かき車などがあります。 -
そして、小さな坑外用8t電気機関車2両が置かれています。
これらは以前は記念館の前の線路上にありました。 -
道路を挟んで向こう側が鉄道記念館の敷地です。
うわあ、いっぱい車輛が並んでいるぞ。これはたいへん。三笠鉄道記念館 美術館・博物館
-
道路に沿って線路があり、いきなりSLの登場です。
この線路はかつての幌内鉄道のものです。
明治15年、幌内鉄道(幌内~小樽手宮間)は、石炭輸送のために、
アメリカから招いた鉄道技師クロフォードの協力により完成しました。
新橋~横浜、大阪~神戸間に次いで日本で3番目の開通でした。 -
「暖房はコークス」って何?石炭を使いましょうという宣伝なのかな?
まさか幌内鉄道で走っていた時から、書かれていた??? -
今この時も、自力で走っているので、あちこちに布が見られます。
それにしても、出入り口の下の方を板で仕切って、中に石炭が見えます。
そんな風に使ってたっけ?
タンク車だからすぐ後ろに石炭は積んでると思うんだけど。
なぜ、足元に置かれているんだろう?聞いてみれば良かった。 -
機関庫の扉が開いています。
レンガ造り風の機関庫。ここに展示されている機関車たちは、
そこから出て来ることはありません。 -
手前が「59609」で、奥が「ED76505」です。
ああいう姿も、往時をしのばせていいですね。 -
SLの後ろにある踏切を渡ると、三笠鉄道記念館があります。
1987(昭和62)年にオープンしました。
最後の北炭幌内炭鉱が閉山したのは1989(平成元)年です。
炭鉱が完全に閉山してしまう直前の1987(昭和62)年に
国鉄分割民営化に伴い廃線となりました。
開館時間は、9:00~17:00。
休館日は、毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は翌平日)
冬期間休館が、10月16日~4月15日となります。三笠鉄道記念館 美術館・博物館
-
「SL乗り場」は、記念館の目の前です。
土曜は 12~16時に運転します。
日曜・祝日は 10~16時に運転。
※30分毎の発車です。(12:30発の便のみありません)
※7月下旬~8月中旬までは休館日(月曜)を除き毎日運行しています。 -
あらら、こちら側は「テツゲン」だ。
「カツゲン」だったら、知ってるけどなあ。
「ソフトカツゲン」は、北海道でポピュラーな乳酸飲料です。 -
一際高く汽笛が鳴りました。SLの出発時間が近いようです。
呼び込みの声を聞いて、突然乗ることにしてしまいました。
動態保存されている蒸気機関車は貴重です。
「乗り鉄」ではないけれど、撮らせてもらう以上、
礼を持って先ずは乗車しなくちゃ。
S-304。
1939(昭和14)年日本車輌製造。最高速度38km/h。
1986(昭和61)年廃車。 -
運転士が席について準備万端です。
釜に、チロチロと赤い火が見えます。
こちら側には、もちろん足元に石炭はありません。 -
客車は、コトラ149456、コトラ153095の2輌です。
各車両の前半分にアクリル板のような窓が付いています。
石炭の粉などが飛んで来るのを避けるため?というよりは、
単純に雨除けと思われます。
座席は、客車というより、貨物の片隅に座らせてもらっている感じです。
動態保存されている車輛には、「鉄」たる者は、
お金を払って乗るのが礼儀だと思います。
その機関車が動くためには、ものすごい費用と労力が必要なんです。
それを「撮る」だけというのは、
機関車を大事に思っていないと思います。
いつまでも走っていて欲しいと思うなら、せめて乗車してください。 -
発車しました。機関車が動き出すと客車が引っ張られて、
ガクンと動きます。
そういう、一つ一つの刺激が、蒸気機関車に乗っているなあと
感じさせてくれます。
敷地内に置かれている様々な車輛の脇をかすめるように走って行きます。
あまりに近すぎて、写真を撮るのが難しいです。
これはDD141。その手前にDD1517がいました。 -
次が黄色い「ソ81」。まるでクレーン車のようです。
-
振り返ると、車輛は3列に並んでいることがわかります。
後で、また来ます。因みに右端はDD1615です。 -
左がDD51610で、右の客車がキハ2252です。
-
ブレました。国鉄色の客車と荷物車です。
この先の道路から少しそれた木立の中で機関車は停車します。
そして、バックで元来た道を戻って行くのです。
三笠には、転車台が無いので、前進・後進での運用となります。 -
SL乗り場のすぐ後ろの線路上には、キッチン「ポロナイ」があります。
土日祝日のみの営業で、セルフで軽食が食べられます。
食堂車として使われているのはキシ8031で、
その後ろは、DE101702、セキ6657、
ワム66172のようです。
「DE101702は、DE10 形ディーゼル機関車です。
DD13に代わる 中型・万能タイプの機関車として、
昭和41年(1966)より、全国各地で活躍。
軸重は 抑える一方、機関車重量を増やすことで、
入換え+支線区での列車けん引を実現。
動輪は 5軸(3軸+2軸台車)で、一方を1軸ずつ独立した
特殊な構造になっています。
駆動用機関の搭載は 1台、進行方向により 運転台を左右に変えられ、
DE10同士はもちろん、DD51とも重連が可能です。
旧幌内線の晩年、SLにかわり長編成の石炭車けん引を担ったのが、
このDE10でした。
このDE101702は、昭和49年(1974) 川崎重工製で、
旭川機関区で活躍。」 -
園内には、ミニ新幹線が走っています。1回300円です。
後ろに写っている茶色の客車は、「スエ30 救援車」です。
「三笠鉄道村」のHPには、
2011年の1~8月だけ「鉄道村便り」というブログがあり、
なかなかおもしろい記事が満載です。「スエ30」の部分を転記します。
救援車は、踏切障害や脱線、車両故障等の事故・災害時に際し、
あらかじめ 復旧資材を搭載し、常時出動態勢を整えた 車両です。
搭載品は、ジャッキや ガス切断器一式をはじめ、枕木・鋼材各種に
照明機具など、実にさまざま。
資材 積載スペースのほかに、車内に 作業員の休憩スペースや
厨房設備を 備えた車両も。
スエ3041は、オハニ30形(三等荷物合造車)を改造した車両で、
昭和5年(1930) 日本車輌製造。往年は 札幌客貨車区の配属でした。
当村の中では、SL59609の 大正11年(1922)に次ぐ、
2番目に製造年が古い 貴重な車両で、
ダブルルーフ(二重屋根)が特徴です。
スエ3041に加え、スエ321・DD1615の 3両編成で
展示保存中です。 -
機関庫に来ました。鉄道記念館と機関庫は、中で繋がっていないので、
中に入る前に機関庫に来たのです。 -
ED76505。
「北海道用のED76形は、1966(昭和41)年
北海道での運行試験のために試作されたED75形500番台で
得た資料を基に、耐寒設備などを北海道に適するよう改良され、
1968(昭和43)年から量産された
北海道を代表する電気機関車です。」
1968(昭和43)年三菱重工製造。
最高速度100km/h。走行距離1,940,400km。
函館本線の電化区間で活躍した(配属は岩見沢第2機関区)。
岩見沢は北海道の中でも豪雪地帯ですから、
EDにも雪除けが付いています。 -
運転室には入れませんが、窓から覗き込みました。
残念ながら、蒸気機関車の運転室と違い、
機械ばかりで興味が湧きません。
SLの運転室にも機械がたくさんあった筈なのに、
どうしてこうも印象が違うのか・・・
さすがは三菱製、しっかり三菱マークが付いています。 -
ED76505の向こう側には、
小振りなDD13353が隠れています。 -
DD13353。
DD13形は、1958(昭和33)年から製造された、
入れ換え用の中形ディーゼル機関車です。
昭和30年代後半から様々な使い道に目覚ましい発展を続けた
液体式ディーゼル機関車の先行モデル的な機関車です。
1967(昭和42)年日本車輛製造。最高速度70km/h。
苫小牧・小樽築港機関区配属。
ドアは開いているけれど、入れるわけではありません。
手前の鉄柵がキッチリあるので、これ以上近寄ることも出来ません。 -
さて、本命の59609です。
「9600形は、1913年から1926年までに770両製造された
国産では初めての本格的な貨物牽引機です。
牽引力の割に軸重が軽いという特長を持っていたため、
なかなか代替の機関車が登場せず、蒸気機関車末期まで活躍しました。
特に幌内線では、長大編成の石炭列車を牽引するなど
主力として活躍しました。」
1922(大正11)年川崎造船所(現在の川崎重工業)製造。
最高速度65km/h。廃車1976(昭和51)年 -
9600形は、ボイラー中心の高い独特の型が大きな特徴です。
四国以外の各線で使用されました。
岩見沢第1機関区所属。幌内線・室蘭本線に登用。昭和51年3月廃車。 -
普段なら、足回りをじっくり見るのですが、
立入禁止のポールが車体の先頭部分にあって、
横から見ることが出来ません。
勘ぐってみると、これは「見せない」ということなのでしょう。
「59609」は、「取り違えられた機関車」として有名です。
新潟県立自然科学館に保存されている「29622」と、保存される時に
取り違えられてナンバープレートが付けられてしまったそうです。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~makoto_w/SL/29622/29622_1.htm
そうでなくとも、しっかり塗装されて、
個体番号が見えなくなっているようです。 -
隣に小柄なC122がいます。
「C12形は、1932年から1947年までに293両製造された
ローカル線および入換用機関車です。
一度の燃料積み込みで走行できる距離が短いものの、
バック運転がしやすいため広く全国で使用されました。
C122は晩年、苗穂工場で入換用に使用され、
その後、円山動物園で屋外保存されていました。
1932(昭和7年)汽車製造会社製造。最高速度75km/h
1969(昭和44)年廃車。」 -
「C12形蒸気機関車は、1932(昭和7)年から1947
(昭和22)年までに293輌が製造された軽量のタンク機関車です。
軸量が軽く、しかも強力で、運転・修繕・保守も安価のため、
地方路線で使用されていました。」
配属:会津若松機関庫・仙台機関庫・一関機関庫・小牛田機関区・
中津川機関区・新潟機関庫・函館機関区・追分機関区・苗穂工場入換専用 -
「C122は、1932(昭和7)年製造で、1969(昭和44)年に廃車になるまで、客貨両用に使用されました。」
北は北海道から、南は岐阜県中津川まで、幅広く活躍した機関車でした。
この機関車の手前に階段はあっても、その先は鉄柵なので、
運転室などは見られません。
つまらないので、機関庫はこれで終わりです。 -
機関庫の外に出ると、S-304がそろそろ出発するようです。
今度は撮らせてもらいます。これが今日、最後の運行です。
2010年冬、S-304号のボイラーの修繕が大阪の工場で実施され、
翌年3月に戻って来ました。
本体との接続後は、ボイラー筒を覆う 多数の部品を、ひとつひとつ
組立てていきます。組み立て作業は8日間。
解体から搬出は3日間だったので、組立て作業の大変さが伺えます。 -
ボイラーの圧力が最高潮に達し、勢いよく蒸気が上がります。
-
蒸気が消えると、今度は脇から横に吐き出します。
出発進行! -
運転士は後方を確認して、発車オーライ!
-
だんだんと機関車が近付いて来ます。
-
ここからは、3枚続けて見てください。
-
おお、来た!
-
イチオシ
蒸気機関車と間近ですれ違える幸せ。
この至近距離で、バッチリ画面に収まるのが
小型機関車S-304のいいところ。
まったく修正等なしで、この画角です。
D51なんかだと、はみ出してしまいますよね。 -
機関車に曳かれた貨車兼客車が行きます。
-
脇に、来る時に見たトロッコが止まっていました。
あの交差点の向こうにあるクロフォード公園から、ここまで来たんだ。
結構長い道のりです。 -
鉄道村は、鉄道記念館に入らなければ無料で楽しめます。
そのためか、子供たちが結構ここで遊んでいます。
ミニ新幹線の乗り場は「幌内太駅」になっていますね。 -
突き当りまで行った機関車が帰って来ました。
後進なので、先頭になった客車の後尾に緑の旗を持った係員がいます。 -
イチオシ
今度のすれ違いざまには、運転士の目線を頂戴しました。
-
S-304は、ブシュウブシュウと蒸気を下に吐き出しながら、
ホームに戻って行きます。 -
最後の蒸気が上がります。横の蒸気も盛大に吐き出されます。
-
機関車が停止し、運転士の他にもう一人乗っていた人が降りて来ました。
普通、機関士または機関助士なんだろうけど、
この格好で「カマタキ」はしないだろうから、
今風に言うと運行管理者かな?
いや、待てよ?軍手が真っ黒だから、やっぱりカマタキかな? -
やがて、機関車は切り離されて、単独で車庫に帰って行きました。
これで、今日の営業は終わりです。
「S-304は、1939年に日本製鉄輪西製鉄所
(後の新日本製鐵室蘭製作所)向けに作られた産業用機関車です。
同僚のS-205とともに国内では最後まで現役で働いた
蒸気機関車です。
S-205は、室蘭市内で静態保存されています。」 -
これが2014年に撮影した室蘭のS-205です。
動かないけれど、割と綺麗です。
巨大な工場の一隅にポツンと佇んでいます。 -
D51603の動輪が記念館の前に置かれています。
それでは鉄道記念館の中に入りましょう。三笠鉄道記念館 美術館・博物館
-
大人530円で、小中学生は210円です。
300円と書かれた切符は、SLの乗車券です。 -
この乗車券に刻印機で日付を入れることが出来ます。
自分で刻印できるなんて、わお!嬉しい。 -
先ずは2階に上がります。
見下ろすとメモリアルホールにあるシンボルモニュメント
「スチーム・パワー」が見えます。
蒸気の力を動力に変換する様子を表しています。 -
2階の目玉は、巨大なジオラマです。プラレールコーナーもあります。
-
タブレット閉塞機です。ちゃんとセットになっています。
タブレットをセットすれば、単線区間の占有権が得られるのかと
思ったら、ちゃんと先方の駅長に電話して、
上のベルがチンとなって、OKにならないと
セットしても意味がないそうです。
こういう完全な形で置かれていないとわからないですね。 -
ジョセフ・U・クロフォード(1842~1924年)
アメリカのペンシルバニア州で生まれ、明治11年(1878)
開拓使に招かれて、鉄道建築兼土木顧問に就任し、
幌内鉄道の建設を指導しました。(中略)
明治13年(1880)1月にクロフォードを鉄道建築技師長に任命し、
工事を始めました。
在任期間はわずかでしたが、北海道にアメリカ型の鉄道の技術を
伝えるのに貢献しました。
クロフォード公園は、この人の名前をもらっています。 -
「北海道最初の鉄道である幌内鉄道は、運炭を主な目的として
開拓使、工部省によって建設された官営鉄道です。
北海道開拓の規範はアメリカとしていたため、
他府県がイギリス型やドイツ型の鉄道を敷設して行ったのに対し、
幌内鉄道はアメリカ人技師クロフォードを先頭に
アメリカ型鉄道が敷設されていくこととなりました。
明治13年(1880)に輸入された機関車1号「義経」、
2号「弁慶」をはじめ、明治22年(1889)の10号機関車迄、
すべてアメリカ製のモーガル形機関車を使用しました。」
「前面には牛馬を跳ね飛ばすカウキャッチャーという
排障器がついていました。」 -
愛称が付けられた北海道初の蒸気機関車たち
1.義経・・2014年から京都鉄道博物館に移設。
2.弁慶・・埼玉の鉄道博物館で保存
3.比羅夫・・阿倍比羅夫(7世紀の将軍・蝦夷を服属させた)
4.光圀・・徳川光圀(みつくに)。石狩国を探検・調査
5.信広・・武田信広(松前家始祖)
6.しづか・・静御前。小樽市総合博物館に保存。
7.および8.は無名。 -
雪払車と村田号
明治14(1881)年12月、線路の除雪を行うため
前年の試作車で得た経験を基に製造されたのが
この雪払車です。(中略)
1.5mぐらいの雪は排除する能力がありましたが、
木造で軽かったため、岩見沢周辺の豪雪地帯では、
よく脱線し使用できないため、明治21(1888)年頃までは
冬の間はほとんど列車を運休していました。 -
「大勝号と客車編成」
北海道炭礦鉄道株式会社では、(中略)
客車はこれまでアメリカ製を輸入して使用していましたが、
輸入車輛を参考にして小樽の同社手宮工場でも製造を始めました。 -
函館~札幌間に鉄道が全通するまでの経過が書かれています。
こうした鉄道の歴史のパネルが多数あります。
どれもとてもおもしろくて、全部掲載したいのですが、
枚数ばかり食ってしまうので割愛します。
ただ、こうした路線の説明では、地名を見て位置がわからなければ、
興味もわかないと思います。
隣に地図を付けて、赤線が〇年~〇年、緑線が〇年~〇年に開通
といったように、目に見えて延伸する様子がわかるようにしてあると、
意味のある展示になると思います。 -
失われた蒸気機関車たちのナンバープレートです。
「1884」や「2387」「7210」など、
知らない形式のプレートがあります。
9600形は使い勝手が大変良かったので、
長期に亘って生産が続けられたというように、
数の多い形式が保存される機会も多いので、9600・8620・C~Dの各機種が殆どになってしまったのでしょう。
「1884」って、どんな機関車だったのかなぁ。 -
弁慶号とC622の模型。
弁慶は埼玉の鉄道博物館、C622は京都の鉄道博物館に
保存されています。 -
C62形の説明と図式です。
このようにC57・D51・8620形などの説明もあります。 -
それだけでなく、各形式の代表的な車輛の大型模型が
ずらっと並んでいます。
とても、すべてを掲載する余裕はありません。
内容は濃くて、北海道ならではの興味深い展示も多く、
埼玉や京都のように混んでもいません。
ここは、鉄道好きには、宝物のような場所です。
三笠は札幌にも近くて、十分に日帰りが可能ですから、
1日目は三笠、2日目は小樽という鉄博巡りも可能ですよ。 -
SLの記号については、説明をよく見ますが、
ディーゼル機関車・電気機関車のものは少ないです。
あまり自分が興味が無いので、目に入らないだけかもしれませんが。
DD51は北斗星の牽引機だったので、好きです。
青いDD51は素敵です。 -
「鉄」の常識かもしれませんが、
知っていると便利な記号シリーズがあります。
ディーゼルカーや客車・貨車の記号が解説されています。 -
カラフルなサボたち。北海道ではまだよく見掛けますが、
全国的には減る一方の貴重な鉄道グッズです。
2011年にSLニセコ号に乗車した時に、記念のサボを買いました。
最近、販売されているサボを見掛けませんね。
「青森ー函館」のサボは、「快速海峡」の物です。
1988年の津軽海峡線開業に伴って運行を開始しました。
「青函トンネル」を往来する快速列車で、
1日7往復が運行されていました。
1998年からは「ドラえもん海底列車」が運行され、
これは、2002年に「海峡」が廃止された後も
2006年まで運行されました。 -
DD1517(単線用ラッセル式雪カキ装置付)
HPのブログからの抜粋です。
「 除雪車の近代化を目的に、昭和36年(1961)に登場。
入換用のDD13を母体とした、ラッセル式 雪かき車です。
DD14と同様、雪かき装置(ラッセルヘッド)は着脱可能で、
夏期は ラッセルヘッドを外し、入換用としても活躍。
運転室を 車両中央に配し、ラッセルヘッドは 車両両端にあるため、
方向転換が不要、機動力のある除雪が 可能となりました。
全部で 50両製造され、そのうち 48両が複線用、
残り2両は単線用(単線形ラッセルヘッド)へと改造されました。
当村のDD1517は、後者の単線用です。
単線用のため、V字形のラッセルヘッドで、雪を線路の両側に
はねのけます。そして、前方車輪の前にある アイスカッター
( ‘くさび’のような部分 )が、レールの内側に付着した
氷を かき落とします。
当村のDD1517は、昭和38年(1963) 日本車輌 製造で、
旭川機関区の配属、主に 宗谷本線を 活躍の場としました。」 -
DD141(ロータリー式雪カキ装置付)
「自走ができず、人手が かかっていた除雪車を近代化するため、
昭和35年(1960)に登場。入換用のDD13を母体とした、
ロータリー式 雪かき車です。(DD13も当村に展示保存)
単線・複線の両用で、大きく広げた翼で かき寄せた雪を、
回転式の羽根と 投雪筒で 遠方へ飛ばす構造。
運転室・機関室の前に、着脱可能な ロータリーヘッドを装着、
夏期は、除雪装置を外して 入換作業用にも運用されました。
500馬力の機関を2基搭載し、1基は投雪用、もう1基は走行用に、
また積雪の多い時は、2基とも投雪用とし、後押し機関車(DD13 orDD14) を 連結して重連としました。
運転室が一方に寄り、機関室の背も高い形態は、DD51やDE10などの 凸形ディーゼル機関車を見慣れていると、かなり特異と感じますね
当村のDD141は、昭和35年(1960) 汽車会社製造の、
貴重な形式1号機・トップナンバー
往年は 旭川機関区の配属、石北本線で主に活躍しました。」 -
DD141を前から見るとこうです。
名寄(なよろ)の北国博物館にあるキマロキ編成は、
蒸気機関車の編成なので、同じロータリー車でも、
昭和14年製のキ604号機でした。 -
黄色いクレーン車のような「ソ81」は、
「操重車(ディーゼル電気式)」です。
形式は「ソ80」で、昭和33年国鉄浜松工場製造。
函館本線で活用されました。
「長万部(おしゃまんべ)運転区」と車体に書かれています。
「突放禁止」とは、どういうことでしょう?
「ソ80」形式の操重車は、TOMIXによると、
以下のように書かれています。
「脱線や転覆事故などが発生したときに現場に急行し、
事故復旧にあたる特殊車両がソ80形です。
「大型操重車」と呼ばれ、ディーゼルエンジン駆動の
回転式キャブとクレーンを装備しています。」
三笠鉄道村では、チキ6147が付属しています。
また、外部塗装は当初は全車淡緑色でしたが、1968(昭和43)年に
高速化不適格車とされて最高速度65km/hの指定車となり、
識別のため記号に「ロ」が追加され「ロソ」となりました。
最後まで在籍した盛岡運転所配置の「ソ91」が
2001(平成13)年に廃車になったことにより
この形式は消滅しました。
そして、静岡県浜松市天竜区の佐久間レールパークに
「ソ180(淡緑色)とチキ6132が保存されていましたが、
同館閉館後の2010(平成22)年に解体されたので、
この「ソ81」が、おそらく「ソ80形」現存最後の車輛になります。 -
キ756(広巾雪カキ車ジョルダン)
「キ700(750番台) 雪カキ車
線路両脇を 幅広く除雪できる キ700は、除雪用貨車で
自走はできず、機関車が後押しして使用します。
車体側面・両側に翼を持ち、油圧(キ700形は圧縮空気)により
その翼を開閉し、7m幅まで 左右除雪が可能。
ただ、深い雪には 対応できず、速度も遅いため、
主に 駅構内・操車場で 活躍していました。
実際の現場では、“ジョルダン車” とも呼ばれ、これは
アメリカ人・ジョルダン氏が 発明したことに 由来。」
(HPブログ抜粋)
昭和57年国鉄苗穂工場改造。函館本線所属。 -
キ274(ラッセル雪カキ車・単線用)
昭和34年国鉄長野工場製造。石北本線で運用。形式は「キ100」
雪カキ用事業用貨車(機関車後押) -
前から見ると、この顔です。一目瞭然、すぐにわかりますね。
北海道の廃線跡などで、時折出会います。
単線用なので、両側に雪を除けるようになっています。
運転席の窓のヒーターが目玉のようで、とてもユーモラスで好きです。 -
もう「蛍の光」も鳴り止んでしまいました。
駆け足でしたが、屋外展示もほぼ見終わりました。
客車は、ちゃんと見られなかったので、どれがどれやらという状態です。
一応、HPで屋外展示とされている車輛を載せておきます。
オハフ33451、スハフ4412、 スユニ50505、
キハ2723、キロ26104、キハ5616、
スハフ4520、オハフ46504 -
DD1517です。
北海道の除雪車は鉄道開通時からの長い歴史があります。
ここでは、その変遷を見ることが出来ます。
HPのブログにも、
「三笠のある地域は特に豪雪地帯なので、展示されている車両上には、
身長175cmほどある職員の、腰の高さまで積もっている状態なのを
除雪する所から、春の開館(4/15)の準備に掛かります。」
と書かれていました。 -
三笠鉄道村の最後は、S-304に締めてもらいましょう。
この蒸気機関車は、実は運転体験が出来ます。
「SL機関士体験クラブ」という制度があり、
1時間半の学科講習のあと、運転体験をすることが出来ます。
学科講習は1万円、運転体験は30回目までが5千円です。
11回目から「機関士見習」、31回目以上で「補助機関士」、
51回以上で「機関士」の腕章を交付されます。
101回以上になると主任機関士の査定試験を受ける資格が出来、
合格すればランクアップです。
「機関庫への入出庫作業」などが出来るようになります。
※「SL機関士体験クラブ」2020年はコロナ対策で、
体験運転は中止しています。
http://www.s-304.com/main/club/index.shtml
次回は、小樽市総合博物館です。
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この旅行記へのコメント (2)
-
- minaMicazeさん 2020/09/01 21:18:03
- 初めまして
- 初めまして、minaMicazeと申します。
今日、何気なく、旅行記をザッピングしていて、ミズ旅撮る人さんの旅行記に出会いました。かゆいところに手が届き、しかも、やさしく掻いてくれる様な写真と説明文に、惹かれました。全国の保存車両が朽ちつつある今、今更見に行けるわけでもなく、ミズ旅撮る人さんの旅行記に出会って、今、癒やされています。
フォローさせていただき、今後の旅行記を楽しみにしています。
尚、突放禁止は、無動力の車両を入れ替えるとき、初めだけ動力車で押して初速を与え、あとは惰行させていって連結させること(突放)を、禁止するということです。連結するまで、動力車を連結して速度制御しなさい、ということです。突放OKの車両は、その車両に乗った人が、貨車などでは車両の外側につかまりながら足でブレーキレバーを操作して速度制御し、実にうまく連結させていました。(個人的記憶なので、違っていたら、ご容赦下さい)
突然のコメントで、余計なことを書きすぎました。今後とも、よろしくお願いします。あと、もし機会があれば、江別市(だと記憶してます)の山田コレクション、今どうなっているのか等、訪れてみて下さい。長々と失礼しました。
- ミズ旅撮る人さん からの返信 2020/09/02 21:53:00
- RE: 初めまして
- minaMicazeさん、こんにちは。
書き込み、ありがとうございます。
私の旅行記がお目に留まり、光栄です。
> かゆいところに手が届き、しかも、やさしく掻いてくれる様な写真と説明文に、惹かれました。
いやいやいや、そこまで言われると恥ずかしくて、次が書けません。
気になった部分はとことん調べたくなり、調べたらおもしろいので、誰かに教えたくなる。
この繰り返しで、中身の重い旅行記をひたすら書く羽目になっています。
> フォローさせていただき、今後の旅行記を楽しみにしています。
ありがとうございます。ただ、見て来たものを書き連ねているだけですので、あまり期待しないでくださいね。
取り敢えず、次は北海道鉄道編の最後、小樽市総合博物館になります。
> 尚、突放禁止は・・・
私の疑問に回答をくださって、ありがとうございます。
「突き放す」って、文字通りの意味なんですね。
丁寧な説明のおかげで、状況が目に浮かぶようです。
SLの場合、静態保存がほとんどなので、展示物を撮ることになりますが、やはり実際に動いている鉄道の様子を見ることが一番好きです。
勇壮に走る姿ではなく、機械が動いている様を感じること・・かな?
そして、かつての鉄道マンたちが働いていた様子も好きです。
とても、すっきりと気持ちよく鉄道を愛する人たちに郷愁のようなものを感じます。昭和ノルタルジックかな?
彼らとは年代が違いますが、保存会の方にお会いすると、心から誇りに思っているのが伝わって、気持ちがいいです。
> 江別市(だと記憶してます)の山田コレクション、今どうなっているのか等、訪れてみて下さい。
「山田コレクション」、全然知りませんでした。
私はまったく鉄道情報には疎いので、早速調べてみました。
こんなすごい人がいたんですね。まだたくさん保管されているのですね。
江別市には友人がいるので、毎年のように行っていたのですが、まさかこんな場所があったなんて。
今年も江別市は通りました。コロナの為に友人を訪れることは自粛したのですが。ああ、近くを通っていたかもしれません。
また来年、北海道に行くようでしたら、是非とも様子を見に行って来ます。
貴重な情報をありがとうございました。
(C111が東武鉄道に来るという話は、青梅鉄道公園のとは別物という記事で読んでいました)
いろんな方が、読んで下さり、時には愚かな勘違いをしているかもしれませんが、こうして教えて頂けるのが、ありがたいです。
どうぞ、よろしくお願いします。
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