2020/02/07 - 2020/03/24
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私の旅の目的は、あくまでも「石」なのですが、飲兵衛の血筋の為に酒も大好きです。そして、スコットランドはウィスキーの生まれ故郷です。蒸留所の見学は、試飲だけではなくピートやキルンといったスコッチウィスキー独特のアイテムも体験する事ができる素敵な旅になります。
今回はエディンバラからスコットランドを左回りに旅をします。従ってウィスキーの産地としては、一大拠点スペイサイド付近を通過することになります。面白い蒸溜所に出会えそうな予感です。
とはいえ、旅のメインはあくまでも「石」。蒸溜所巡りは二の次なのです。結果的に立ち寄った蒸溜所は、普段では見学に行く人も少ない、珍しい場所ばかりになりました。
それではスコットランドの蒸溜所見学の始まりですよ。
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最初に訪ねた蒸溜所は、スコットランドの主要幹線道路であるA9沿いにあるこの蒸溜所。
タリバーダィン(Tullibardine)蒸溜所 -
スターリングからパースへ高速道路で移動する際に、いやでも目に飛び込んでくる蒸溜所です。日本でも最近良く見かけるようになったブランドですね。
一時期操業を中止していましたが、2000年代に入って復活を遂げました。 -
グラスゴーやエディンバラからも近い蒸溜所なので、観光客も非常に多いです。必然的にビジターセンターも充実しているので、楽しいです。
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ローランド地方独特の華やかで優しい味わいのモルトです。
蒸溜所見学ツアーも実施されていましたが、先を急ぐ旅なので今回はパスをしました。 -
続いては、センドアンドリュースの南にあるこの蒸溜所。
キングスバーンズ(kingsbarns)蒸溜所
あまり知られていない蒸溜所ですよね。 -
それもそのはず。2014年に蒸留を開始したとても新しい蒸溜所です。先日初のモルトウィスキーをリリースしました。
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ビジターセンターも充実しています。
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有名なボトラーズメーカーのWEMYSSファミリーが運営してる蒸溜所なので、現地での認知度は結構高いです。
ビジターツアーも実施していますが、時間がないので体験しませんでした。 -
これはおまけ。スコットランドといえば、ウィスキーもさることながらジンのふるさとでもあります。世界的なブランドの蒸溜所は巨大ですが、クラフトジンをリリースしてる小さな蒸溜所も沢山あります。
これは、石巡りの際に偶然見つけたクラフト蒸溜所です。
ダンディーの北側の小さな村の中にありました。 -
続いてはアードモア(Ardmore)蒸溜所。
ハイランドの外れにある小さな蒸溜所です。ブレンドウィスキーチーチャーズ(teacher's)の原酒となるモルトウィスキーです。サントリーの資本下になってとても元気になりました。 -
赤いブランドカラーが印象的です。
この蒸溜所は残念ながらビジターを受け入れていません。ですんで、外側のみ見学です。 -
アードモアといえば、蒸溜所の裏にある駅ですね。ウィスキーのラベルにも記載されている通りの小さな駅です。もちろん現役です。
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ティーチャーズのハート部分がこのアードモアで構成されています。ティーチャーズはスモーキーなスコッチウィスキーとして有名ですね。
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続いてはハイランド地方の外れ、Oldmeldrumという小さな街の一角にある蒸溜所。
グレンガリー(Glen Garioch)蒸溜所 -
車中泊した街の外れでこの蒸溜所を見つけました。というより、蒸留所がある街なので車中泊の場所に決めたのです。
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ポッドスチルがとても美しいですね。
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小さな蒸溜所ですが、夜中も稼働していました。24時間フル操業ですね。
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続いては、ハイランド地方とスペイサイドの中間地点にある蒸溜所
グレンドロナック(Glendronach)蒸溜所 -
山深い場所にある蒸溜所。ウィスキー好きの人や蒸溜所見学目的の旅人でも訪ねることがほとんど無い蒸溜所です。
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そんなグレンドロナック蒸溜所は、山奥にあるにも関わらずビジターセンターが充実しています。
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しかも蒸溜所限定のレアなモルトウィスキーを試飲できる。もちろん有料の試飲ですが、ラインナップが幅広く、ちょっと驚きの仕掛けです。運転していなければ、即頂くところですが、今回は諦めます。
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蒸溜所にとって大切なアイテム、それは水です。有名な蒸溜所の近くには必ず立派な川が流れています。この蒸溜所にも、小さいながらもハイランド地方の山から流れ出る川がありました。この水が美味しいウィスキーを生み出すのですね。
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ここでは時間が有ったので、蒸留所の見学のツアーに参加しました。
が、残念なことに、蒸留施設の見学は蒸留設備の撮影が禁止になっています。うーん残念。この辺の管理はスペイサイドの蒸留所と同じですね。充実した蒸留所の見学はやはりアイラ島しか望めないな。
ということで唯一撮影が許されたキルンの様子。 -
こちらはビジターセンターから見た貯蔵庫の様子。ここもガラス越しの見学でした。
正直残念なツアーになってしまいました。
終了後に三種類のモルトウィスキーの試飲ができます。ドライバーの方は+4ポンドで持ち帰り用小瓶を購入して、帰宅後に頂くことになります。数年前の訪問に比べると、管理が徹底していますね。
ツアー料金 10ポンド
小瓶代 4ポンド -
続いては、ツインのキルンが美しい蒸留所
ストラスアイラ(Strathisla)蒸留所
既に前回ツアーに参加済なのですが、再び参加しました。
https://4travel.jp/travelogue/10636312 -
双子のキルン塔が美しい、素敵な蒸留所です。
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この蒸留所では、独自のモルトウィスキーもリリースしていますが、原酒の主な利用先は、シーバスリーガル(Chivas Regal)です。
ストラスアイラはシーバスの主要モルトの一角をなしています。 -
この蒸留所も残念ながら蒸留設備は撮影できません。これらの写真は拝み倒して、建物の外から無理やり撮影させていただきました。
ストラスアイラ蒸留所も独特なポットスチルの形状をしていますね。 -
ツアーでは貯蔵施設も見学できます。
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日本でも話題のシーバスリーガルのミズナラウッドの樽が沢山眠っていました。わざわざミズナラ樽を日本から輸入して貯蔵しているのですね。
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シーバスリーガルの中で特別なラインナップが、この蒸留所でブレンドされ、最終的に厳選した樽に収められて出荷を待っています。とても美しい光景です。
ストラスアイラ蒸留所は、蒸留所施設の見学より、貯蔵庫の見学の方が楽しいです。 -
ツアー後に試飲できるのは、この三種類。残念ながらこの蒸留所が生み出すストラスアイラを飲むことはできません。
ここでも小瓶を購入して、これらのウィスキーを持ち帰りました。
ツアー代:10ポンド
小瓶代:4ポンド -
ビジターセンターでは、シーバスリーガルを構成する各種モルトの原酒が沢山販売されています。
シーバスの複雑な味わいを生み出すためには、様々なモルトが使われている事が、これで分かりますね。 -
ストラスアイラ蒸留所に来たならば、この蒸留所を外してはだめですね。
グレンキース(Glen Keith)蒸留所
看板の通り、このモルトもシーバスリーガルを構成するモルトの一種です。 -
十数年前までグレンキースをいうウィスキーも生み出していましたが、しばらく操業を止めていました。十年前に訪ねた時には、蒸留施設といては閉鎖されていました。
今回何気なく立ち寄りましたが、施設も新しくなり、フル操業中でした。 -
メジャーな蒸溜所では有りませんが、その規模はストラスアイラ蒸留所より巨大です。建物正面にガラスの扉を設置し、屋外から蒸留施設が眺められるようになっています。
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美しい蒸留設備です。この蒸溜所も残念ながらツアーを行っていません。
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続いての蒸溜所はこちら。
グレンモーレンジィ(Glenmorangie)蒸溜所です。 -
訪問日は2月の土曜日だったので見学はできませんでした。この時期、施設は冬場運営なので、土曜日の受け入れは中止しています。
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ただし、土曜日ではありますが蒸溜所は操業しているので、設備は覗くことができます。偶然居合わせたスタッフに頼み込んで、蒸溜設備を屋外から見させて頂きました。
グレンモーレンジィ蒸溜所は、ポットスチルのネック部分がとても高いことで有名です。その高さはまるで塔のごとくです。
できればちゃんと見学したかったですね。 -
グレンモーレンジィ蒸溜所に来たならば、この蒸溜所も一緒に見学しましょう。ちょうど目的の石も近くに有ったので、都合が良かったです。
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その蒸溜所はこちら
バルブレイア(Balblair)蒸溜所
今回は事前予約もしていないため、この蒸溜所も屋外のみ見学しました。 -
続いての蒸溜所はこちら。スコットランドの北の果てウィックにある蒸溜所です。
オールドプルトニー(Old Pulteney)蒸溜所 -
この蒸溜所も冬シーズンのため、土曜日はビジターセンターも閉鎖されています。今回は蒸溜所訪問が目的ではないため、ちょっと立ち寄って次へ移動します。
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スコットランドの本島からフェリーで北に渡ります。オークニー島は、石巡りにとって外せない島ですが、ウィスキー好きにとっても同じこと。この島には、例の蒸溜所が有ります。
ハイランドパーク(Highland park)蒸溜所 -
蒸溜所のシンボルであるキルン塔。すでに多くの蒸留所では蒸留所でのピート利用を中止しています。そのため多くのキルン塔は飾りになっていります。
ただし、ハイランドパーク蒸溜所はこのキルン塔が実際に利用されている珍しい蒸溜所です。ツアーが催されているので参加しました。
ツアー代:10ポンド
内容:12年試飲、試飲グラスのプレゼント。 -
ここでは大麦を発芽させるためのフロアモルティングを毎日丁寧に実施しています。昔ながらの製法を体験できる貴重な蒸溜所です。
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フロアモルティングされた麦芽たち。テニスコート2面分の広さに広がっています。
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大麦が発芽しています。全体的にしっとりした感じになっています。当然、フロアモルティングも体験できます。
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発芽した麦芽を燻しながら乾燥させる場所です。ピートを燃やして燻しています。
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乾燥した発芽麦芽を糖化槽に入れお粥状にし、更に醗酵槽に移して醗酵させます。糖化槽は巨大な槽で大抵金属でできていますが、醗酵槽は木桶です。
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こんな場所に何故か子ども用のサッカーボールがあります。聞けば糖化槽から醗酵槽への送管内を清掃するために利用している、とのこと。サイズがちょうど良いのですね。
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醗酵した発酵液を蒸溜器に移して蒸留します。通常2回の蒸溜を経てウィスキーのもとが出来上がります。
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出来上がった蒸溜液を樽に詰めて熟成させます。この蒸溜所では、最初に縦置きして樽を整理し、その後横置きして長期の熟成に入ります。
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貯蔵のための建物は、蒸溜所の周囲に沢山あります。
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熟成期間に入った樽は横置きされて、最低で5年間、普通で10年間はこのまま放置されます。樽が置かれている場所はコンクリートではなく地面が露出しています。
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また、多くの貯蔵棟は地面に没しています。樽内の温度を保つための工夫ですね。
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蒸溜所の見学ツアーは1時間程度で終了しますが、ウィスキー好きには至極の時間になります。
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今回の旅の蒸溜所訪問の最終地は、エディンバラの北西にあるこの蒸溜所です
グレンタレット(Glenturret)蒸溜所です -
もともとこの蒸溜所は、グレンタレット蒸溜所だったのですが、私が10年前に訪ねた時には、ブレンドウィスキー ファイマスグラウス(famous Grouse)のビジターセンターになっていました。
https://4travel.jp/travelogue/10439447
フェイマスグラウスの主モルトはグレンタレットだったので、都合が良かったのかもしれません。
現在は昔の姿のグレンタレット蒸溜所に戻っていました。 -
グレンタレット蒸溜所にはウィスキーの原料の大麦を鳥獣から守るために飼われていた猫の銅像が置かれています。この猫はタウザー(Towser)と呼ばれ、捕獲したネズミの多さからギネスブックにも登録されています。
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驚くことに、この習慣は今でも続いており、蒸溜器の脇に本物の猫が鎮座していました。訪ねた2月は寒い時期なので、蒸溜機の周りのあたたかさに誘われているのでしょうね。
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今回の旅では、「石」がメインの旅行でしたが、その合間を縫って運良く数カ所の蒸溜所を見学することができました。
ウィスキーの国に来たならば、やはり蒸溜所の見学は外せません。多くの蒸溜所では試飲を含めたツアーになっていますが、試飲せずとも十分楽しむことが出来ます。
みなさんもぜひ訪ねて下さいね。
20年2月のスコットランド石見学記はこれで完結です。新型コロナ直前の旅なので十分楽しむことが出来ましたが、しばらくは石見学も叶いそうも有りませんね。
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