2020/02/07 - 2020/03/24
182位(同エリア687件中)
menhir(メンヒル)さん
- menhir(メンヒル)さんTOP
- 旅行記186冊
- クチコミ53件
- Q&A回答27件
- 249,458アクセス
- フォロワー22人
お腹がいっぱいだと思いますが、もう少しほかのジャンルの石も伝えましょう。まだまだ、いろいろな種類の石の遺跡がスコットランドにはあるのです。
-
まず初めに紹介するのはアースハウス(Earth House)です。鉄器時代なので今から4000年前、青銅器時代の次に来る時代に建てられた住居跡です。
-
石を側面に並べたこの遺跡は、この上に屋根を乗せ、半地下になる住居として使われていました。
-
ダンディー(Dundee)の東側に密集して発見されています。
-
入り口の穴だけ見える遺跡も残っています。当然ですが中に潜り込むことができます。天井に穴がある訳ではないので、中に入るには懐中電灯が必須です。当時は明かりの取り方はどうなっていたのでしょうね。
-
こちらはケルン(Cairn)と呼ばれる石の山。どこからともなく集めてきた石が山のように積み上げられています。
日本でケルンといえば、山頂に高く積み上げられた石の塔を思い浮かべますが、こちらでは規模が異なります。 -
乱雑に積み上げられたケルンは、中に潜り込むことのできるタイプと、、、、
-
単純に山状に積み上げたものが有ります。
-
紀元前1700年頃の鉄器時代に建てられた、と言うより積み上げられた考えられています。
-
基本的には山のように積み上げられているのですが、、、、
-
スパっと横に切られているものもあります。初めからこのような形状のようです。真ん中の空間は何かの祭事に用いられたと考えられています。
-
続いてはピクト人が彫った石(pictish stone)です。6~7世紀頃にこの地に住んでいたスコットランドの原住民ピクト人が信仰のために彫ったとされています。
-
描かれて図絵は、星や山、魚や鳥などが多く、どの石も同じような図案が多いです。
-
こちらもストーンサークルの一部に彫刻がなされています。彫刻のデザインはやはり似ていますね。この同じ、ということが非常に大切で、一つの信仰や概念がその時代に大切にされ、皆がそれを真似た、のだと考えられています。不思議です。
-
何かの理由で壊れた石。彫刻面が復元されています。左側にある直線の図案はオガム(Ogham)文字。アイルランドでよく見かけましたが、スコットランドで見るのは初めてです。直線の並び方で文字を表現しています。
-
表面が雨などでぬれると凹凸が良く分かるようになります。
-
こちらの図案も特徴的なデザインです。丸に十字架の図案は、ケルト文化にキリスト文化が融合した結果生み出されたものです。
-
こちらも象徴的なデザインが見られます。
-
一方、この付近の石は蛇など怪物を表しているものが多いです。
-
上の石と、距離にして50kmは離れた場所にある石ですが、同じような蛇の図案が施されていますね。やはり同じ概念で作られたものと推測されます。
-
こちらの石は民家の敷地内にあったため、近づくことができませんでした。が、歴史的に重要な彫刻がなされています。
-
これらの石には様々な図案が施されていますが、なんとなく共通している部分が分かりますね。
-
スコットランドの原住民ピクト人は、石に文様を刻むことから、ピクトと名づけられました。
-
このような石が現在も大切の保管され、自由に触れることができることは、素敵です
-
中には破損が激しく、本物に代わってレプリカが展示されているものものあります。
-
というのも、多くの石は砂岩で作られているため、長い年月の中で彫刻部分が風化してしまったものが多いです。破損の激しい石は、冬の間、風化防止のためバリケートで囲まれてしまいます。
-
中にはガラスの板で覆い、冬場でも見ることができる保管方法を用いている石もあります。
-
残念ながら何に入って石に触れることはできませんが、外側からその図晴らしい図案を見ることはできます。
-
続いては、すこしヘンテコな分類になる石達です。こちらの石はスタンディングストーン(Standing Stone)なのですが、長い年月の間に倒れてしまいました。多くの場合は、倒れたままの状態で保管されています。
-
こちらも倒れた状態で保管されている石。3Mほどもある長さは、立派な石です。側面が黒っぽいのは、牛たち家畜が体をこすりつけるためです。
本来の目的が忘れさられた石たちですが、今日的には家畜のために役立っています。 -
こちらは石に穴が開いているものです。何かの祭祀に用いられたのかもしれません。
-
ここからは自然石(natural stone)です。今まで紹介した石はすべて人工的に加工または移設されたものですが、これからの石は自然の石です。つまり氷河期にいずこからこの地に運ばれてきた石や、自然に土の中から露見した石たちです。
「the Boar stone」イノシシ石です。スコットランドにはイノシシの名がついた石が沢山あります。イノシシに似ているところから名がつけられました。 -
「Ossian's natural stone」。巨大な石で、まさに氷河期に運ばれてきた石です。
-
「Clochoderick Stone」はグラスゴーの南にある、孤高の石。何もない野原にポツンと置かれている様子は、あまりに非日常的で畏怖すら感じます。
-
「The Gowk Stane」怪物の石。まさにその名の通り、林道の一角に現れる異様な大きさの石です。
-
「The Hare stone」自然の石の多くには名前が与えられていることが多いです。この石も氷河期にこの地に運ばれてきた石で、道路工事の関係で公園の一角に移設されました。
-
「Devil's Blue Stane」民家の軒下に置かれた石は、悪魔の石と呼ばれ、この地に鎮座し続けています。日常生活の中では、ただ単に邪魔な石ですが、ずーっとこの場所に置かれています。
-
「Devil's Blue Stane」と対になって大切に保管されている石「The Blue Stane」。ゴルフで有名なセントアンドリュースの街角にあります。伝説の石は、すでに訪ねる人もいない忘れ去られた石でした。
-
「Devil's Stone」歴史あるホテルの裏庭にあります。ホテルにとっても重要な石なので、常時照明が灯されています。但し、その石の持つ恐怖の伝説は既に忘れ去られているようです。
-
「Macbeth's Natural Stone」地元の領主マクベスがここで斬首されたそうで、今でも大切に保管されています。
-
「Cumberland Stone」戦場カローデンのすぐ近くにある伝説の石。この石の上で、英雄カンバーランドは指揮を執り、ジャコバイトを葬りました。石自体は、氷河期に運ばれてきたものですが、スコットランド歴史を語る上で外せない石です。
-
ここからは古い十字架を紹介です。
その昔はここに教会や墓場などがあったのかもしれません。既にクロス部分の彫刻も薄れており、まさに忘れ去られた石になっています。 -
「ortingall church crosses」小さな村の一角に置かれたクロス。美しいです。
-
「Cross Slab」ピクト人が残した十字架ですが、砂岩のため損傷が激しいです。
-
同じような赤い砂岩で作られたクロス。こちらは厳重に屋根の付いた小部屋とともに保存されています
-
「Cross Slab」民家の脇に鎮座していました。古い時代に先端が折れてしまったようですが、ケルトの十字架を描いています。
-
この辺になると、すでに何なのか?良く分かりませんね。教会の裏側の壁に立てかけられている墓石跡と倒れた墓石。名のある人の墓石なのでしょうけど、情報は有りませんでした。
-
これも墓石の一種。頭頂部にはコインが沢山置かれていました。
-
「The maiden stone」巨大な石をくりぬいて作られた人型の墓石。酢でにどなたの墓か分かりませんが、とても大切な人だったのですね。
-
お墓と言えばこれを忘れてはいけない。「Betty Corrigall’s Grave」このお墓は集落からかなり離れた場所に単独で存在している。なぜこの地にこの墓があるのか?なぜ墓場から離れた場所にあるのか?これはホイ島(Hoy)の悲しい歴史をたどることになります。今も訪ねる人が多く、花やリボンが捧げられていました。
-
クロスの一つとしてこの遺構も重要。「CLACH A' PHLAIGH」14世紀に猛威を振るったペスト(Plague)で犠牲になった人々がここに祀られています。これも墓地ではなく、広い野原に単独で存在しています。墓地に埋葬できなかった事情があったのです。
-
「The Drum Stone」小高い丘の一角に鎮座しているこの石も、スコットランドの歴史を語る上で重要な石です。丁寧な保管がされており、石の周囲はブロックで覆われていました。このように保護しないと、羊たちが体をこすりつけて石が削れてしまうのです。但し鉄門が壊れているため、羊たちの出入りは自由でした。
-
最後は泉をご紹介。欧州では泉は聖なるものとして大切にされてきました。スコットランドでも同様で、「Holy Well」と呼ばれるものが沢山存在します。
この泉は「Sotlandwell」という名が付けられた小さな村の一角にあるHoly Wellです。 -
驚いたことに、自噴しており、その量は驚く量でした。
-
こちらは森の中にあるHoly Well。自噴までは行きませんが、チロチロと水が流れていました。
というように、スコットランドにはストーンサークルだけではなく、不思議な生い立ちの石が沢山あります。今回は2週間で200個近くの石を見ました。一日に約20個近くは見た計算になります。前回2010年にも同様の旅を行い、これでほとんどの石を見たことになります。が、まだまだ面白い石は沢山あるので、次回の楽しみにします。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
旅行記グループ
20年冬 スコットランド石巡り
-
前の旅行記
2020 Feb Scotland 7 まだまだ石は沢山あるのだよ!
2020/02/07~
スコットランド
-
次の旅行記
2020 Feb Scotland 9 この国の旅行で、蒸溜所見学は外せません!
2020/02/07~
スコットランド
-
2020 Feb Scotland 1 SIMカード入手はあっさり完了 入出国篇
2020/02/07~
スコットランド
-
2020 Feb Scotland 2 レンタカーでスコットランドを巡る
2020/02/07~
スコットランド
-
2020 Feb Scotland 3 B&Bやロードサイドホテルってどんな感じ
2020/02/07~
スコットランド
-
2020 Feb Scotland 4 Edinburgh飲み歩き
2020/02/07~
エジンバラ
-
2020 Feb Scotland 5 Edinburgh市内にも石はあるのだ!
2020/02/07~
エジンバラ
-
2020 Feb Scotland 6 この石を見るために!それこそが、この旅のテーマだ!
2020/02/07~
スコットランド
-
2020 Feb Scotland 7 まだまだ石は沢山あるのだよ!
2020/02/07~
スコットランド
-
2020 Feb Scotland 8 お腹いっぱい?石の特盛りお待ちっ!
2020/02/07~
スコットランド
-
2020 Feb Scotland 9 この国の旅行で、蒸溜所見学は外せません!
2020/02/07~
スコットランド
旅行記グループをもっと見る
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
イギリス の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
旅行記グループ 20年冬 スコットランド石巡り
0
54