中学生とご褒美UK旅行 part 7 - ローガンエアー マンチェスター→インバネス

2019/10/08 - 2019/10/18

「いつになったら旅行に連れて行ってくれるの？」　

2019年1月頃、義弟から質問を投げかけられたSalaam。実は数年前に「勉強頑張ったら海外旅行に連れて行ってあげる」と約束し、おっさんは忘れるも義弟はしっかり覚えていたのです。
聞けば義弟、学年600人もいるマンモス中学校で学年1位に輝き、今こそ義兄に約束を果たしてもらおう、と約束の念押しをされた次第。600人中1位になって約束を果たさないと大和男子の名折れは必至、義弟を旅行に連れて行く事にしました。

当初のご褒美旅行は香港を考えておりましたが
義弟→サッカーのプレミアリーグファン
ワイフ様→ハリーポッターファン
私→学生時代の旧友がいる
と、三者三様の利害関係や一致したので、行き先をイギリスに決定！

さぁ久々のヨーロッパ、最大限楽しみましょう！

【旅程表】
10月08日　成田→仁川
10月09日　仁川→ドーハ→ロンドン→マンチェスター
10月10日★マンチェスター→インバネス
10月11日　ハイランド地方
10月12日　エジンバラ→ロンドン
10月13日　ロンドン
10月14日　ロンドン
10月15日　ロンドン
10月16日　ロンドン→ドーハ
10月17日　ドーハ→仁川
10月18日　仁川→成田

エリア マンチェスター(イギリス)

マンチェスター滞在は24時間もなく、慌ただしく空港に戻ってまいりました。
本日我々が乗る飛行機は第3ターミナル出発。
イマイチどんな基準でターミナル分別をしているのか解らないマンチェスター空港。

マンチェスター国際空港 (MAN) 空港

我々が乗るのはこちら、ローガンエアー。
チェックイン時間的にはちょうど良い時間ですが、ガラガラ。
大丈夫かな？

切るとを履いたテディベアがカウンターでお出迎え。
そして足の裏にはスコットランドの国旗が！

そう、ローガンエアーはスコットランドの航空会社なのです。
公式キャッチフレーズも「Scotland's Airline」とスコットランド色を全面に出しています。

ちなみに正装としてキルトを着用する際、男性はパンツ履いていないそうですが、このテディベアを見る限り噂は本当のようですネ(/ω＼) ハジカシー

マンチェスター在住の友人と会えるかな？と期待しましたが、残念ながら会えず。
そのままセキュリティー検査に進みましょう。

X線に通したところ、係員の顔が曇り、荷物が隔離。
神妙な顔で「何が入ってる？」「爆弾は入っている？」
いやいやいやいや！！ないないないないない！！と必死で否定。
どうやらカメラのスペアバッテリーの隣に充電ケーブルが並んでいたのが爆弾に見えたみたいで、「異国の地で逮捕されるかと思った」と係員さんと皆で笑ってさいなら。

マンチェスター空港は1930年代からあるけど、第3ターミナルは20世紀ギリギリ終わりに建設さらたので、設備も古く変な拡張を続けたのか正直解り難い構造。
学友がマンチェスター空港の構造改革計画に噛んでいたので、混雑や案内不足にむちゃな構造等不便さを片っ端から指摘したら「だよねぇ…」と反応。やっぱり思った通りなのね（笑）

ちなみに第3ターミナル除幕式を実施したのは故ダイアナ妃。
彼女がオープンした際にはモダンだったんだろうけど、正直、今は利用客に対してキャパオーバーが明らかでもうごっちゃごちゃ(´・ω・｀)

「あ！免税店！40%オフって書いてあるー♪」

Σ(ﾟдﾟ;) ﾇｵｫ!
ワイフ様、今から乗るのはUK国内線だから免税じゃないよ。
…こんな所にまで、宿敵免税店が現れるとは、油断も隙もあったもんじゃない。

世界最大の航空会社（国際線旅客数）のライアンエアーだ！
空の自由化が著しいヨーロッパなので、EU圏内であれば自国発着じゃなくても自由に飛ばせるルールの恩恵で急成長したアイルランドのLCC。乗った事ないけど、実際はどうなんだろうね。

で、我々が乗る飛行機がこちら！
ローガンエアーのエンブラエルRJ145。
日系航空会社では運航しているところはなく、韓国のLCCコリアエクスプレスエアーが北九州～ヤンヤンと言うめっちゃニッチな路線に運航していたけど日韓関係悪化の煽りを受けて運休。現在日本国内では見る事ができない飛行機です。

お、あれは！

なんか見慣れない飛行機のシルエット…と思いきや、あちらは空港消防隊の訓練用飛行機の模型ですね。
前方が747型、後方がMD11と言う、旧世代大型機好きにはたまらんコンビネーションo(*ﾟ▽ﾟ)o

特にする事もなく、時間となったので搭乗口へ向かいましょう。
本日の搭乗口は148。先ほどの出発階には見当たらず、飛行機の目の前だったので48番搭乗口にいたら明らかに違う様子。なんと出発階の下にも搭乗口があって、48番の真下が148。解り難いわ！！

始めまして、エンブラエルRJ145さん！

エンブラエル社の飛行機は何回か乗った事がありますが、RJ145は初めて。
見た目、鼻の長い小型MD90（笑）

本日の機体G-SAJF号。
2000年に当時イギリス第2の航空会社だったブリティッシュミッドランド航空に納機され、その後子会社のbmiリージョナルに移管。同社倒産に基づき、同グループだったローガンエアーに鞍替え。約20年選手ですね！

ローガンエアー LM596
16:25 マンチェスター発
17:35 インバネス着

最北までは行かずとも、UKでもかなりの北部であるハイランド地方までひとッ飛び。エジンバラ上空を通過せずグラスゴー上空を通過する「く」の字型の飛行ルートですね。

搭乗しましょう。
水色の座席がbmi時代を思い出させてくれます（同社は水色がコーポレートカラー）ね。
でもここで特筆すべきは座席の色ではなく、座席のヘッドレストに掛けられているカバーにご注目！！！
スコットランドの伝統的毛織物でチェック柄が主流のタータンでできているんです。さすがスコットランドの航空会社を自負するだけあって、このような所にもスコットランド色を織り込むのは素晴らしいなぁ。こうゆうの大好き。

お、空いた扉の隙間からコクピットが見えました。
残念ながらエンブラエル特有のM字型操縦かんはここからでは見れず。

そうそう、チェックイン時には「飛行機のバランスの関係で当便では提供できない」と言われた最前列席1Aに別な方が着席されていました。
え…バランスに影響する程、重量ありそうだったのかしら…私…。

定刻から少し遅れる事16:26に出発し、16:33にR/W23Lから南西に向かって離陸。
眼下には昨晩堪能する事ができなかったイギリスの田舎の風景が一瞬広がるも、直ぐにぶ厚い雲に阻まれてしまいました。

雲の上に出るとイギリスに来てから初対面となる青い空と太陽（笑）

ところで今回の旅行記はイングランドとスコットランド、両方に行くので「イギリス」と言う単語の使用に違和感を覚え「UK」と表記しております。
細かい事なのですが、イギリスはポルトガル語（オランダ語説もあり）のイングランド人を指すInglêsが訛って日本で定着した単語。すると、スコットランドはイギリスには含まれない事になります。
だからと言って毎度「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」と表記するのも現実的ではない。ので、連合王国の略称であるUKを使用しております。まぁ今回北アイルランドには行かないのでグレートブリテンの略称GBでも良いのですが、一般的な方を選んだんです。

2016年にスコットランド独立の是非を問う独立運動も話題になる程、スコットランド人としての誇りを重んじる彼らの心を考えると、軽々しく「イギリス」旅行とは言い辛いですね。

座席前方のポケットをあさってみました。
シンプルに安全のしおりと機内誌のペア。
機内誌の名前が「Flight LOG」、パイロットがつけている飛行日誌を名前に撮っているとはマニア心をくすぐるネーミング。そして安全のしおりも縁がタータン柄！

機内誌で一番すばらしいと思ったのが社長のあいさつ文。
なんと英語とゲール語の並記！

ゲール語はスコットランドの独自言語で、英語がゲルマン系言語なのに対してケルト系言語なので、分類的には英語よりアイルランド語に近い言語なんですね。
で、何が素晴らしいかと言うと、現在ゲール語話者は6万人にも満たず、絶滅の危機にある言語（ゲール語の一部方言は既に絶滅）なのでスコットランド総力を挙げてゲール語保護に乗り出しているので、スコットランドの航空会社を名乗る為にもわざわざゲール語でのご挨拶を併記しているんです。
日本で言えば、日本トランスオーシャン航空がうちなーぐちで社長のあいさつを書いかちょーん感じやいびんさー。

スコットランドの航空会社と言う事でUK北部を中心に運航しておりますが、イングランドとアイルランド島へも路線展開しているんですね。
ちなみに世界最短の商業路線であるウェストレイ～パパウェストレイ線もローガンエアーが運航しています。その距離なんと2.7km！

路線図と並んで好きなのが保有機材のページ。
小さい航空会社の割には色んな種類の航空機を保有しているんですね。

マニア的に特筆したい保有機材がバイキング・ツインオッター。
スコットランド西部にあるアウターヘブリディーズ諸島にあるバラ空港へ運航する為にあると言っても過言ではなく、理由としてはバラ空港は砂浜が滑走路なので機体の重量を軽くする必要があるから！
最短路線といい、砂浜空港といい、なんとも胸熱な航空会社です(*°∀°)=3

恒例の足元チェック！
手のひら＋親指。
ゆったりなのですが、小型機で足元には機体の円形下部が湾曲して入り来るので窓側席は狭めなので要注意。

バルクヘッド席に着席しているワイフ様と義弟クンはご覧の通り。
二人とも時差ボケからか、フライトの大半は寝ていた模様。

頭上には読書灯と通風孔。
ボタン筆頭に全体的にレトロな印象がする内装ですね。

そしてマニア的に「おお！」となったのが収納棚。
通常上から下に閉まる棚ですが、なんとこちらの蓋は下から上に持ち上げるタイプ。
初めて見るタイプなので興奮して写真を撮ってしまいましたが、他の方からしたら「は？」となる行動。

離陸から10分もしない内に軽食サービスが開始されました。
軽食、と言うか飲み物とお茶菓子ですね。
こんな1時間の短距離で小型機なのに実施するのは嬉しいヾ(*ﾟ∀ﾟ*)ﾉ

茶菓のチョイスは
・チョコバー（ウエハースとキャラメル）
・ショートブレッド
・オーツ麦のスナック菓子

英国紳士を気取る私としてはやはり紅茶を頂くべきですね。
ミルクは植物油由来のフレッシュではなくちゃんと牛乳を使用しているのがさすが紅茶王国。

前述の通り、ヘッドレストカバーは全部タータン柄。
なんとこのヘッドレストカバーはハリスツイード社製なんです。
こんな所にまでスコットランドに対するこだわりをもっているなんて…。
（*ハリスツイードはスコットランドの会社です）

雲の上だから晴天！と思いきや、時折雲と雲の間を飛んだりと安定しない天候。さすが悪天候で有名なイングランドからも悪評判のスコットランド天気。
短距離なのに36000ftとかなり高い空域を飛行しております。

インバネスはネス湖とマリー湾の間にある町。
乗務員さんに「ネス湖はどっち側に見える？」と聞きましたが、残念ながら今日は終始曇りでネス湖は見えないだろうとの事。
高度もだいぶ下がり、3000ftを切ったあたりでやっと地上が見えてきました。

長閑な空気と共に、見るからに寒そうな雰囲気が伝わってきますね…。
緯度的には北海道のはるか北、オホーツク海北岸くらいなのですが、UKは南から流れ込む北大西洋海流のお陰で意外と寒くないんですよね。

マリー湾に面した湿地海岸を越えたら左旋回しながらインバネス空港を目指します。

眼下に広がる牧草地。点々と見える白い粒はタータン生地の原料、羊の皆さまかな？

お隣はSAAB340B。
同じ340を名乗るけどエアバスの大型機と違ってこちらは小型機です(笑)
機内誌の機材紹介では「日本の海上保安庁で捜索・救難に使用されています」との紹介文。我が国の海上保安庁を例に出すのは嬉しいですが、ずいぶんマニアックな説明内容ですね！

インバネス空港 (INV) 空港

お前はミグ25かよ！と突っ込みたくなる尖った長い鼻。
解りにくい突っ込みはご容赦ください。

初めてのエンブラエルRJ145は古さこそ否めないものの快適でした。ガラガラで搭乗率3割くらいだった事も影響しているかな？

ようこそインバネスへ

ハイランド地方、空の玄関口であるインバネス空港はエジンバラ、グラスゴー、アバディーンに次いでスコットランド4番目に利用者が多く、UK全体だと24位、6.4万人程度の人口の割りには約90万人の利用と県営小牧空港と匹敵する利用者数はなかなかゴイスー。

何故か到着は「International arrivals」のプレハブターミナルへ誘導されます。マンチェスター(イングランド)からの便は国際線扱い？
ハイランド地方は比較的スコットランド独立派が多い地域と聞いておりましたが、「我々はUKの一部ではない！」と言う強い決意を感じます(笑)

一応入国審査ブースがありましたが、無人。
独立派からしたら密入国扱いなのかしら？と心配(してません)しながらスコットランド独立国へ足を踏み入れるのでした。

国際線ターミナルはマンチェスター便以外にもロンドン・ヒースロー便も利用しているようですね。
一部スコットランド国内線もありますが、全体的にはイングランド筆頭UK他地、ヨーロッパ諸国への便がメインな様子。

小型機なのにだいぶ待たされましたが、無事荷物を引き取り、税関審査もなく(しつこい・笑)イングランドからスコットランドへ到着したのでした。
空港はなんだか薄暗く、いつもどんよりとしていると評判のスコットランドを体現しているかの如く。

ここからはレンタカーですが、ターミナル内にはAVISとBudgetのカウンターのみ。我々が利用するHertzがない！
Hertz予約センターに確認すると送迎バスがある、との事ですが外に出るとちょうどHertzの送迎バスが去って行く…そしてHertzの営業時間は終了。予約センターも営業終了で電話は自動音声。

Salaam一行の運命は私の手中。どうなるSalaam！
ってな事でまた次回。乞うご期待。

この旅行記へのコメント （3）

• eahawkさん 2020/01/10 22:18:35

  かなりのマニアックさ！！

  salaamさん
  
  こんにちは！
  凄いですね、ローガンエア!!
  使用機材がマニアックすぎる！！！
  保有機紹介右ページのアイランダーは遊びでですが、
  操縦したことがあるので懐かしいです(^^♪
  こういうスタイルやポリシーに一貫した航空会社乗りたくなります♪
  
  eahawk

  Salaamさん からの返信 2020/01/16 03:18:33

  RE: かなりのマニアックさ！！

  eahawkさん、再びこんばんはです！
  
  旅行記を半分以上執筆したのにいつの間にかタイムアウトしていた為、3時間の執筆が吹っ飛び不貞腐れていました（笑）
  
  ポリシーには一貫性があるけど使用機材には一貫性がないローガンエア（笑）
  でも乗って楽しい航空会社でしたよ！結構ファンになりました。
  最近はダル〜キリマンジャロ辺りのサファリまで行く飛行機を調べていますが、オススメありますか？
  本当は草原に直接着陸するようなフライトを楽しみたいのですが、どうも高そうなので泣く泣く断念か…迷う所ですね。
  
  それにしても回転翼機だけではなく固定翼機まで操縦するとは奥深い！
  私が遊びで操縦した事あるのはflight simulatorが精いっぱいです（笑）
  
  Salaam

  eahawkさん からの返信 2020/01/16 13:45:15

  RE: RE: かなりのマニアックさ！！

  salaamさん
  
  おはようございます！
  
  
  > 旅行記を半分以上執筆したのにいつの間にかタイムアウトしていた為、3時間の執筆が吹っ飛び不貞腐れていました（笑）
  
  これはキツイ！！！
  私もおそらく自制心を失うと思います・・・
  
  > 最近はダル〜キリマンジャロ辺りのサファリまで行く飛行機を調べていますが、オススメありますか？
  > 本当は草原に直接着陸するようなフライトを楽しみたいのですが、どうも高そうなので泣く泣く断念か…迷う所ですね。
  
  そーですね、レジデンス運賃だと大体半額なんですが通常料金は確かに少し高いですね。
  でも下記の2つの航空会社はどちらも国立公園へのフライトを持っていて、時期によっては宿泊、ゲームドライブ、フライトをセットにしたパッケージが販売されるのでたまに確認してみるとよいと思います。
  国立公園内は宿泊費が高いので、うまくパッケージがあればベストですね。
  
  航空会社名：フライトリンク
  https://www.flightlink.co.tz/
  
  航空会社名：オーリックエア
  https://www.auricair.com/
  
  
  > それにしても回転翼機だけではなく固定翼機まで操縦するとは奥深い！
  > 私が遊びで操縦した事あるのはflight simulatorが精いっぱいです（笑）
  
  操縦自体は固定翼の方が簡単です(^^♪
  salaamさんも是非実機を！！！
  楽しいですよ♪
  
  eahawk