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 天園峠に上ると尾根道や瑞泉寺方面は杉の木が折れたり倒れたりして折り重なった状態だ。とても通れそうにない感じだ。横浜方面からは横浜自然観察の森から入って、市境広場経由で鎌倉市内域を通って天園まで来たシニアの大勢のグループがいた。おそらくは、Webなどで、台風被害後でも閉鎖中のハイキングコースを踏破する旨で参加者を募集していたハイキング連中であろう。<br /> 天園休憩所からも多くの声が聞こえてくる。台風被害者支援の気持ちもあって人が集まっているのであろうか?<br /> 峠の茶屋跡には大きな看板が立てられている。横浜市栄区とあり、鎌倉市が設置した看板ではなく、実際に市境の横浜市側に立てられている。ゴルフ場と天園ハイキングコースの合流点にあるトイレを利用するためにここまで来ていたのであるが、この看板を肴にしてまた油を売ってしまった。一般には天園は鎌倉市にあると思われているのだが、市境があり、複雑になっている。<br /> トイレで用を足し、その先には「通行禁止」の看板があり、明月谷に下りるのは止めて、獅子舞谷に戻ることにした。帰る途中でこの看板の前でボランティアの人と出会った。例の「天園ハイキングコース」の案内地図に「獅子舞(紅葉谷)」と記載した張本人である。私が、「「紅葉谷(もみじがやつ)」は瑞泉寺がある辺りをいい、鎌倉時代からある地名なのに、それを戦後になって名が付いた「獅子舞谷(ししまいがやつ)」ではないでしょう。」「いや皆が獅子舞の谷を紅葉谷(もみじだに)とか紅葉の谷(たに)と呼んでいますから。」「それは鎌倉に詳しくない人の話でしょう。」「いや、鎌倉の人でもそう言っています。」と通り掛かりの知り合いの鎌倉の人を捕まえて、確認している。確かに鎌倉の住民でも鎌倉に詳しという人がどれだけいようか?本来ならば、その谷は「獅子舞谷(ししまいがやつ)」ですと教えてやるのがボランティアの仕事であろうと思う。これでは古都保存法の趣旨と同じで、昔からある文化的な地名を蔑ろにし、戦後に生まれた新しい場所の方が相応しいとその由緒ある地名をそんな場所に持って行くことは断じて行ってはならないだろう。文化的資産の破壊である。話をしていてボランティアの本質が見えて来た。このボランティアの人は自分の思ったことだけをやり、それで良いのかは考察したり、検証したりはしないものなのだ。<br /> 迷惑この上ない。<br /> 「通行禁止」の看板がある鎌倉市内のハイキングコースを自己責任で通っている人が多くいたが、こうしたボランティアが勝手に由緒ある地名を高々8、900mしか離れてはいない場所に持って来て看板にしたのでは影響が大きく広がり過ぎよう。全く筋の通らないこうしたことでもボランティアが勝手にやったことは自己責任で、という訳にはいかないのだ。<br /> なお、地名などの付け方は「新」を付けるとか、「天園下」を付けるとかの安易な方法で本家本元と区別できるようにしてきている。「新立」に「獅子舞谷」があることにさえ疑問を持っている私にはこの無法地帯だった天園周辺が一層無法地帯の権化になってしまいそうで恐ろしい。<br />(表紙写真は横浜市栄区が立てた「天園」看板)

天園-2019年初冬

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2019/12/04 - 2019/12/04

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ドクターキムル

ドクターキムルさん

 天園峠に上ると尾根道や瑞泉寺方面は杉の木が折れたり倒れたりして折り重なった状態だ。とても通れそうにない感じだ。横浜方面からは横浜自然観察の森から入って、市境広場経由で鎌倉市内域を通って天園まで来たシニアの大勢のグループがいた。おそらくは、Webなどで、台風被害後でも閉鎖中のハイキングコースを踏破する旨で参加者を募集していたハイキング連中であろう。
 天園休憩所からも多くの声が聞こえてくる。台風被害者支援の気持ちもあって人が集まっているのであろうか?
 峠の茶屋跡には大きな看板が立てられている。横浜市栄区とあり、鎌倉市が設置した看板ではなく、実際に市境の横浜市側に立てられている。ゴルフ場と天園ハイキングコースの合流点にあるトイレを利用するためにここまで来ていたのであるが、この看板を肴にしてまた油を売ってしまった。一般には天園は鎌倉市にあると思われているのだが、市境があり、複雑になっている。
 トイレで用を足し、その先には「通行禁止」の看板があり、明月谷に下りるのは止めて、獅子舞谷に戻ることにした。帰る途中でこの看板の前でボランティアの人と出会った。例の「天園ハイキングコース」の案内地図に「獅子舞(紅葉谷)」と記載した張本人である。私が、「「紅葉谷(もみじがやつ)」は瑞泉寺がある辺りをいい、鎌倉時代からある地名なのに、それを戦後になって名が付いた「獅子舞谷(ししまいがやつ)」ではないでしょう。」「いや皆が獅子舞の谷を紅葉谷(もみじだに)とか紅葉の谷(たに)と呼んでいますから。」「それは鎌倉に詳しくない人の話でしょう。」「いや、鎌倉の人でもそう言っています。」と通り掛かりの知り合いの鎌倉の人を捕まえて、確認している。確かに鎌倉の住民でも鎌倉に詳しという人がどれだけいようか?本来ならば、その谷は「獅子舞谷(ししまいがやつ)」ですと教えてやるのがボランティアの仕事であろうと思う。これでは古都保存法の趣旨と同じで、昔からある文化的な地名を蔑ろにし、戦後に生まれた新しい場所の方が相応しいとその由緒ある地名をそんな場所に持って行くことは断じて行ってはならないだろう。文化的資産の破壊である。話をしていてボランティアの本質が見えて来た。このボランティアの人は自分の思ったことだけをやり、それで良いのかは考察したり、検証したりはしないものなのだ。
 迷惑この上ない。
 「通行禁止」の看板がある鎌倉市内のハイキングコースを自己責任で通っている人が多くいたが、こうしたボランティアが勝手に由緒ある地名を高々8、900mしか離れてはいない場所に持って来て看板にしたのでは影響が大きく広がり過ぎよう。全く筋の通らないこうしたことでもボランティアが勝手にやったことは自己責任で、という訳にはいかないのだ。
 なお、地名などの付け方は「新」を付けるとか、「天園下」を付けるとかの安易な方法で本家本元と区別できるようにしてきている。「新立」に「獅子舞谷」があることにさえ疑問を持っている私にはこの無法地帯だった天園周辺が一層無法地帯の権化になってしまいそうで恐ろしい。
(表紙写真は横浜市栄区が立てた「天園」看板)

  • 天園峠の五差路の尾根道。杉の倒木で通れない。

    天園峠の五差路の尾根道。杉の倒木で通れない。

  • 天園峠の五差路の瑞泉寺方面。杉の倒木が凄い。それでも倒木を潜ったり跨いだりして通れるという人がいた。しかし、瑞泉寺の裏山は一番凄いとも言っていた。

    天園峠の五差路の瑞泉寺方面。杉の倒木が凄い。それでも倒木を潜ったり跨いだりして通れるという人がいた。しかし、瑞泉寺の裏山は一番凄いとも言っていた。

  • 「日源荘」碑。横浜市の市境広場経由で天園にやってくる人も多い。勿論、市境広場から鎌倉天園方面が通行禁止になっている。

    「日源荘」碑。横浜市の市境広場経由で天園にやってくる人も多い。勿論、市境広場から鎌倉天園方面が通行禁止になっている。

  • 獅子舞谷の黄葉。

    獅子舞谷の黄葉。

  • 天園展望岩から見る富士山。午後2時前ということで少し雲が出て来ている。

    天園展望岩から見る富士山。午後2時前ということで少し雲が出て来ている。

  • 天園展望岩から見る富士山。<br /><br />天園展望岩から見る富士山が一番綺麗だというシニアの頑固者と出会ったことがあるが、このように木々の枝が邪魔し、落葉後でもこの程度で見られたものではない。

    天園展望岩から見る富士山。

    天園展望岩から見る富士山が一番綺麗だというシニアの頑固者と出会ったことがあるが、このように木々の枝が邪魔し、落葉後でもこの程度で見られたものではない。

  • 相模湾。

    相模湾。

  • 横浜市栄区が立てた「天園」看板。鎌倉市がハイキングコースに設置している看板と瓜二つだ。これを見た誰もが鎌倉市が設置した看板だと思うであろう。それもそのはずで、大部分は鎌倉市のことを説明している。この看板を製作する専門の業者があり、この看板は80万円したそうだ。なるほど、鉄筋の柱や枠は大嘗祭の鳥居のようなタモの木(https://4travel.jp/travelogue/11568756)に似せてあるし、「大嘗祭の鳥居のようにしましたから。」と言われたら、80万円が妥当な気がして来るであろう。しかし、公園の柵や山道の階段などにも大量に使用されている資材だ。

    横浜市栄区が立てた「天園」看板。鎌倉市がハイキングコースに設置している看板と瓜二つだ。これを見た誰もが鎌倉市が設置した看板だと思うであろう。それもそのはずで、大部分は鎌倉市のことを説明している。この看板を製作する専門の業者があり、この看板は80万円したそうだ。なるほど、鉄筋の柱や枠は大嘗祭の鳥居のようなタモの木(https://4travel.jp/travelogue/11568756)に似せてあるし、「大嘗祭の鳥居のようにしましたから。」と言われたら、80万円が妥当な気がして来るであろう。しかし、公園の柵や山道の階段などにも大量に使用されている資材だ。

  • 天園展望岩から見る日没前(4時過ぎ)の富士山のシルエット。<br />日没後は空がオレンジ色に染まったようだ。そうなりそうな雰囲気が確かにある。

    天園展望岩から見る日没前(4時過ぎ)の富士山のシルエット。
    日没後は空がオレンジ色に染まったようだ。そうなりそうな雰囲気が確かにある。

  • 天園峠から獅子舞谷に下る山道から見る日没前(4時過ぎ)の富士山のシルエット。

    天園峠から獅子舞谷に下る山道から見る日没前(4時過ぎ)の富士山のシルエット。

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