2019/07/16 - 2019/07/16
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たびたびさん
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今日は、佐渡の最終日。小木の宿を出発して、一路両津を目指すだけのつもりでしたが、ふと目についた鶴子銀山跡入り口の標識に気が付いて。そう言えば、鶴子銀山って。。なら、やっぱり行ってみないと収まらない。佐渡鉱山の遺跡群は、相川金銀山、西三川砂金山、鶴子銀山の三つですからね。交通量もほとんどないようなくねくねと細い道を辿って、行った先にひっそりと眠る遺跡。佐渡に勢力を伸ばした上杉景勝の時代は、ここに奉行所があったという場所で。鶴子銀山の山師が相川金銀山を発見し、中心が相川に移ったのは、徳川政権になってから。佐渡の金銀山の歴史では、かなり重要な場所の一つになるでしょう。
ほか、坂根のスイーツや佐渡版画村美術館、両津郷土博物館に、予定にはなかったドンデン高原。ぎりぎりまで車を走らせて、なんとか無事に終了です。
それにしても、佐渡の歴史は多面的。もともとあった流人の島の歴史を一変させた金銀山ですが、そこにまた北前船の影響が加わって、独特の佐渡の歴史と文化が育まれる。言ってみれば壮大な物語なんですが、それぞれの遺産の影響がそれなりにバランスよく伝わっているというのは、やはり、日本的なことなのかも。今まである文化に新しい文化が加わって、ほどよく熟成されていく。ブレンド感みたいなものは、日本の歴史と文化の多様性も言ってみればそういうこと。我々はそれが豊かさということであって当たり前のように考えていますが、例えば、韓国では違います。高麗時代の仏教崇拝は、後を受けた李氏朝鮮では強く否定されて、儒教が大いに幅を利かす。日本でも徳川政権になって、儒教、特に朱子学が奨励されましたが、その徹底度ははるかに弱い。韓国のようにはなりませんでした。日本的なものって、当たり前のようなところにふとあるのですが、残念ながら、それに気がついている日本人は少ないような気がします。
さて、いずれにしても、佐渡島はこれで完結。司馬遼太郎が興味をもって語っていた水替無宿の墓がもれていて、そこがちょっと心残りでしたが、まあそれくらいは仕方ないでしょう。
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小木から両津に向けて出発。最初の峠道の途中で、ふと目に入ったのがこれ。
倉谷の大わらじは、集落の安寧を願うはりきり行事に使われるもの。正月にこの巨大わらじを作り、集落の両端に吊るします。「この村にはこんな大男がいるぞ」と威嚇して禍や悪人除けのだそうですが、国道沿いにぽつんと掛けられていて、気を付けているとけっこう見落とさないと思います。 -
佐和田まで帰ってきて、見落としていたスポットを拾いましょう。
本光寺は、黒木御所の近くにあって、順徳上皇の守り本尊を祀る古刹。 -
その本尊は、順徳上皇が京都から持ち込んだ4体の仏像のひとつ、木造聖観音立像。
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本堂の横に
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国宝殿という建物があって、そこをのぞくとそれらしい仏像が見えました。
ただ、そんな簡単に見えるものではないと思うし、御前立ちかも。ちょっと真偽のほどはよくわかりません。 -
ここからちょっとスイーツチェック。
みるく・ぽっとは、佐渡乳業本社の敷地内。小さなブースのお店です。 -
ここでしか食べられないというチーズのソフトクリームをいただきました。チーズの香りが確かにしますね。悪くはないんですが、まあほどほどかな。ベンチに座って、ちょっと寛ぎました。
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しまや本舗は、沢根の市街。沢根は相川につながる場所で、昔から茶店とかがあった場所なんだそうです。
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いただいたのは、金山石臼最中。小豆餡と白餡の二層構造になっていて、ちょっと豪華な最中を演出。しっかりとした存在感もあると思います。
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そしてもう一軒は池田菓子舗。
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名物「沢根だんご」のお店ですが、このだんごはいわゆるしんこのおだんごですね。
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イチオシ
持ち帰る時に、冷凍のにすると帰るとちょうどいい感じで食べられます。日保ちは翌日ですと丁寧な説明もありました。
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小さなサイズなので、小さい箱だと一気に食べれます。癖のない味が長く愛される理由かなと思いました。
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と、途中で鶴子銀山への入り口が目にとまりました。
鶴子銀山は、佐渡の金銀山遺跡の中でも重要な位置づけ。観光地っぽい情報は一切ありませんが、やっぱり気になります。もう機会はないし、訪ねてみる価値はあるでしょう。
そう思って目指したのですが、なかなかの山道。遠いし、心細くなりながら、やっと辿り着きました。 -
道端に簡単な案内板。ここまでは遠かったし、確かに観光客がくるような場所ではないですが、やっぱりそれなりの扱いはされています。
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案内板から森の中へ。
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山道を、これもしばらく歩くと
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視界が開けてきて、
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ここに奉行所があったという場所です。
ちなみに、鶴子銀山は天文11年(1542年)から採掘が始まり、相川金銀山より歴史は古い。相川金銀山は慶長6年(1601年)、鶴子銀山の山師が発見したという関係。相川金銀山と鶴子銀山は1㎞ほどしか離れていません。
なので、越後の上杉景勝が佐渡を支配した頃は、鶴子銀山に代官を置いていました。鶴子銀山の発見が本格的な佐渡の鉱山開発のきっかけになったのですが、その後の主力は圧倒的な相川金銀山。代官所も相川に移されることになりました。 -
鶴子銀山跡から、相川の方に抜けまして。
佐渡版画村美術館は、佐渡奉行所からすぐの場所。 -
建物はなんか昔の学校みたいな感じですね。
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通りに面した美術館の塀には、美術館が所蔵する版画作品のモニュメントがずらりと掲げられていて、それ自体が面白く鑑賞できます。夕日の沈む海や
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海女さんのたらい舟に、
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イチオシ
朱鷺。
白黒の作品や少し色彩を加えたもの。それぞれに趣があって、佐渡の思い出を深めてくれるような気がしました。 -
ここで昼飯は、佐和田のすしや まるいし。ロードサイドショップの集まる一角。広い駐車場もあって便利です。
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回転すしのお店なんですが、大人気。満席だったので少し待って席に着きました。ネタは意外に新鮮。質はいいですね。当たり前ですが、自分の好きなものだけを取って食べられるし、久しぶりの回転すしも意外に経済的かなと思いました。
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両津港の方にぐっと戻って、これも楽しみにしていた両津郷土博物館へ。
細かくは分かりませんが、閉館中だったのかな。ただ、この日は、たまたま近くの小学生が団体で絵を描きに来ていて、係の人がいたので頼んで館内を見せてもらいました。 -
展示は、海に生きる佐渡の人々といった感じ。
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漁をする中型のろかい舟も
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人間が乗り込んだ姿を再現して
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イチオシ
けっこうリアルな迫力。
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イチオシ
塩田風景のジオラマや
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実際に使われた道具類も悪くないですね。
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ほか、山仕事の道具や
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日常生活の
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道具類。
佐渡島の人間の生業にかかる広範な展示内容です。 -
イチオシ
ここからは、祭り関係。
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これだけ多彩だと両津地区だけではないような気もしますが、
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どういうことなんでしょうかね。
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赤泊の郷土資料館も充実してましたが、こちらも負けていない感じです。
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ほか、土人形や
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奉行船。
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直径・高さがともに3mという日本一の桶もさりげなく置いてあったり。
いろんなところに意外な見どころがある博物館だと思いました。少し駆け足っぽくなってしまったのが、今でもちょっと心残りです -
続いての天領盃酒造は、加茂湖の北側。両津港にも比較的近い場所ですが、ここも歩いては無理ですね。
ところで、ここの社長は、24歳の若さでこの酒蔵を買収したという変わり種。ちょっと話題性がありますね。 -
酒蔵の見学も積極的に行っているのですが、案内の時間は限られる。時間を確認していかないと待ち時間が長くなってしまいます。私も訪ねた時は見学の出発時間がちょうど過ぎたところ。売り場をちょろっと見るだけで終わりました。なお、駐車場は広いし、通りからはよく見えます。
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見学がなくなったこともあって、まだ時間に余裕がある。
それではと向かったのがドンデン高原。ドンデン高原というのは、900m級の3つの山を合わせた高原一帯の総称。上ってしまえば牧場とかがあったりなだらかな地形なんですが、登るまでの道のりがすごい。 -
何度も何度もつづら折りの道が連続して現れて、それを根気よく越えていく必要があります。カーナビに曲がりくねった道路が映し出されるたびに気が遠くなるような気持ちになりました。
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かなり覚悟をしていった方がいい場所だと思います。
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そして、最後に立ち寄ったのは、こちら。
佐渡に流された日蓮ゆかりの場所はいくつかあるのですが、単純にスカッとしたいなら、この日蓮聖人佐渡銅像でしょう。小高い丘の上の公園のように整備された一角。その正面真ん中に金色のきらきら光るこの像が建っていました。 -
イチオシ
高さ約13m、台座を含むと26m。像はインドの方をみているのだそうです。
日蓮の像は、太い眉毛が特徴。あちこちに像があるので、私にとっては見慣れた風貌になりました。手に持っているのは法華経。塚原問答でも他宗をことごとく異教と切り捨てる。ただ、それは法華経の説く世界であり、日蓮はそれに忠実なだけ。他宗が太刀打ちできるはずはありません。 -
さて、レンタカーを返して、両津ターミナルへ。
両津港ターミナルの二階に並ぶ佐渡汽船両津ターミナル売店。 -
いくつもお店があって、どこもすごい品ぞろえを競っている感じなんですが、一番勢いのあるのはこのエビス商事かなあ。海藻類の乾物もとっても種類が豊富です。
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ターミナルの二階には観光案内所もあるので、そっちにもちょこっと寄ったりしましたが、お勧めなのはむしろこちらの観光案内。
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売店の間にあって、佐渡金山の概要について、改めて、整理ができました。
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相川金銀山、西三川砂金山、鶴子銀山。それぞれにその特徴があって歴史がある。鶴子銀山を訪ねたこともやっぱり無駄ではなかったなと思いました。
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さて、帰りもフェリー。
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二時間半の船旅です。
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新潟港から新潟駅まで帰ってきて。久しぶりにへぎそばでも食べますか。
新潟駅前店といっても、ちょっと歩く須坂屋そばです。 -
シンプルに手振りそば860円をいただきました。もうへぎそばは慣れてしまっているので、初めて食べた時の感動は薄れてしまいましたが、それでも、ここは正統派のへぎそば。すごいというほどではないですが、へぎそばを普通に味わえるお店かなと思います。
さて、これで佐渡四日間の旅は無事終了。新幹線で東京に戻ります。お疲れさまでした。
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