ある日突然のお遍路　その２　24番から38番まで　薬王寺から足摺岬へ そして高知市で遍路放棄

2019/04/08 - 2019/04/24

室戸岬付近を歩く。

歩き遍路、私にとっては「バカバカしさとの戦い」であった。4日目には早くも半分リタイア気分。

鉄道で高知市入りして「もう家に帰る・・」

エリア 足摺岬周辺(高知)

• 旅行の満足度: 4.0

テントや善根宿の無料宿泊が３泊続いたので、この日は安旅館に泊まった。女将が「100年続いてる」って言うだけのことはあってボロボロ。素泊まりで3800円。

だだっ広い部屋に一人…っていうか、この旅館にひとりだけ。

眺めは悪くない。

左が私の部屋のベランダ？だが、便座カバーを干してあるのが楽し過ぎる！

ここって、そうなんだ～・・・って、見たことなかったけど。

ここから見ると、空海さんが飛び出して見える・・・のかな。
信心が足りないのか、平べったかった。

そういえば、お酒の自販機って、野外では見なくなったなぁ。いざって時に心強いぞ！

ここの道の駅ではビールのお接待を受けたが、寒かったので熱燗にして欲しかった。

この写真は2016年に愛犬と、薬王寺から室戸まで「くるま」で走った時のもの。

途中、興味を持ったのは、この岩だけだった。
2016年撮影。

元々、全部歩いて回ろうとは思ってなかったが、ここから「次のお寺までの75㎞」の現実に、「電車に乗る日」は直ぐにキタ～！

実はシフォンとこの辺りを走ったときに、海沿いの国道をガードレールに張り付くように歩いているお遍路さんの姿を何人か見た。
これは絶対無理だ。だったら最初から潔く電車に乗ろう・・・ってわけだ！

I青年にはそのことを話し、ここまでいろいろ教わったので、お礼にトンカツ定食をプレゼントした。彼は2ヶ月以上休みがあるので全部歩くんだそうだ。

令和になってからも「今ここだよ～」ってメールが来る。

歩き始めて5日目。
早くも交通機関を使う日が来た。

朝からお接待受けた・・・コーヒー牛乳。

列車の本数は少ないけど、歩くよりは早い！

こうやって見ると、四国って鉄道網が発達してるように思える・・・？

それにしても、この駅前でキリスト教の勧誘をするのは偉い！？

そういう理由で、「空海様、今日は二人で鉄道旅です」
女学生と一緒だからいいでしょ～！

よく分からないが、ここで降りて電車を乗りかえる。

それにしてもこの電車どうよ。
夜間は天井のLEDが点灯するってこと・・・？

ここでお遍路さんと会った。
どちらからですか～？　「静岡県です」
「へ～私も静岡なんですよ」
「へ～・・どちら？」

な～んだ、隣町じゃないですか！
帰ったら一杯やりましょうよ！！

暫くは公共交通機関を使うか・・・ってことで時刻表を見たが知らない地名ばかりで理解不能。

そうそう、お遍路の旅では「スマホは連絡やFB意外には使わない」と誓った。宿泊・交通機関は行き当たりばったり。

グーグルマップの類は使わずに「分からないことは地元民に尋ねる」ことがドラマを作るのだ・・・決して「スマホを使えない」わけではないのだ！　←ここ強調！！

こんな豪華なお接待もあるが、やっぱ人間を介さないと貰い難い・・・←最初のうちだけ。

海岸の道の駅でバス待ち。

ここはキャンプ場が併設されていた。

室戸岬行のバスも二人だ・・・内緒だよ。

24番　最御岬寺。

室戸岬灯台。

ここで一緒になったお遍路さんと、暫くは太平洋を眺めながら国道を歩く。

難しいと思う。

空海さんってイケメンだったんだね。

遍路道には、いろんなサインがあって分かり易いのだが、ボーっと歩いてると・・・

たとえば、これ。
不動岩の目立つサインが一緒にあって、快調に歩いてると・・

二股に分かれるところで、左に「不動岩」のサインが目立ち、何となくそちらに行ってしまう。

残念でした、正解は右！

こんなの、捨ててあるのかお接待なのか分からない。
お接待は四国民の「お遍路さんへの気持ち」である。

あったら有難く頂くのも、お遍路のマナーかな。

高知まで70㎞・・・？
どうやってゴマかそうか。

途中ちょっとだけバスに乗って、田野の道の駅へ。
歩いても行けそうだったが、夜遅くになってしまうと道の駅のスタッフが居なくなってしまい、無断でテントを張ることになってしまうから。

そう「正しいお遍路さん」は、そんなことにも気を遣うのさ。

この夜は近くにスーパーがあったので、豪華な夕飯。

暑さを心配していたが、朝は連日、5－7℃と寒くて参った。

微かに太平洋。

この日も6時前から歩き始めて、無駄に高いところにある（標高430m）神峰寺を往復して再び海岸沿いを高知市に向かう。

27番、神峰寺。

道の駅からほとんど休まず３時間。

ありがたや～、ありがたや～・・・？

昨晩買った、ソーセージ？を腐らないうちに食べなくっちゃ。

道端ランチ。

再び海岸線に降りて、アスファルトを行く。

アスファルトに咲く花を想う…お互いに、ほんと疲れるよな。

国道と鉄道が走ってる間を歩くんだぜ・・・あ～バカバカしい。
空海さんだって、バスがあったら乗ったと思うけどなぁ。

何て思ってたら駅発見！

こんなところを通って駅へ。
正面にホームに上る階段が見える。

お～・・ここで「モネの庭」　？？

ほのぼのとした景色の中を１両編成のワンマン車両が行く。

車内はもっと、ほのぼのしちゃってるけどね。

ここで急に、こんなことしてる自分がバカバカしくなって、高知市まで電車に乗る・・・っていうか、もう帰るぞ！　高知市からは東京行の高速バスも出てるし、飛行機だってある。

私は諦めがいいし、その後の気分の切り替え・行動も早い。
途中のお寺を通り越して、高知駅前のちょっと良いホテルにアーリーチェックイン！　もう帰るからお金は十分にあるしね。

左の「高知パシフィックホテル」

はりまや橋も近い。

で、ホテルで落ち着いて考えてみたら、市内のお寺だけでも回っとくか・・・面倒臭いけど。

って気分になった。

で、タイガース電車で28番の大日寺に向かったさ。
そしたら電車を間違えて（2種類しかないのに！）違うところに着いちゃった！

そうか～・・お大師様・空海様（本名は知らない）は、私の様な信仰心の無いヤツが嫌いなんだ！　分かったよ、元バックパッカー年金受給者の実力を見せてやろうじゃんか。

知らない駅前に停まっていたタクシーの運ちゃんに「高知周辺の８つのお寺、全部回ったら幾ら？」

メーターなら3万は超すかな・・・　「じゃ、25000円で頼むよ。最後はホテルまで送ってね！」この時、14時20分。私は納経とか御朱印コレクションもしないので、各お寺での所要時間は３分間。お賽銭を上げて手を合せるだけ。

目指せ！　3時間で８寺！！

本堂と太子堂に「カッコだけの」お参りとお賽銭を繰り返す。

環境に優しい・・・自動水道栓。

立派なお寺もあったけど、みんな忘れた。

運ちゃん、今日は最後に稼いだね！
4時間、掛かっちゃったけど。

四国最後の夜は、なにか名物を・・・と思ったが、ひとりだとなかなか難しい。

店の選択を誤り、居酒屋に入ってしまった。
ウツボの揚げ物と焼き鳥でご飯。
もちろんビールも飲んだけどね。

こんな贅沢な午後を過ごしたら、またまた気分が変わってしまった。
イヤになったからって帰ることもないよね・・・帰っても引き籠るだけだし。

天気予報は、明日は終日雨。
よ～し、雨だから電車とバスで足摺岬まで行っちゃうぞ！　絶対歩かないからな～！

何事につけ、自分を限界まで追い詰めちゃいけないよね。
直前で諦めればいいこともあるさ。

天気予報通り、冷たい雨。

乗り間違えない様に、何度も確認して電車で37番の岩本寺。

近くに食堂があったので入ってみた。

こりゃ、「四万十丼」以外に無いでしょ！

ところがこれ、豚のショウガ焼きが「てんこ盛り」になってるだけ？？　妙に甘ったるいし。

まぁ、お陰でエネルギー充填90％。

中村駅まで鉄道。
駅前では子供がアユを獲っていた・・・さすがは四万十川！

ここで15時41分のバスに乗って、足摺岬に向かう。
天気予報では夕方には晴れるということだったので、テント泊を予定。

ところが17時半に足摺岬に着くと、大雨！　しかも風も吹いて来た。

以前シフォンとここに来た時に、展望台の下が暗渠になっていて「なぜ～？」って思ったことがあった。そこで、記憶を辿りながら荷物を担いで大雨の中、そこへ向かう。

空間はそのままあった・・・が、ヘビが死んでんじゃん。

風邪と波の音が喧しかったが、耳栓をして熟睡。

金剛福寺の門は、昨夜着いた時も、今朝も閉まっていた。
早寝・遅起きらしい。

門前で手を合せ、OKとした。

6時10分発のバスに乗りたいんだよね。

夜明けだ～。
あ、バーニー・・・？
と思ったら、ボーダーコリーだった。

それにしても奇遇？

ここが足摺岬の展望台。
この下に空間があったのを覚えていたってわけ。

これは2016年にシフォンと来た時の写真。
上の写真とほぼ同じ位置だね。

そういえば、この時はここの駐車場で車中泊したっけなぁ。
https://4travel.jp/travelogue/11199161

この旅行記へのコメント （10）

• ねもさん 2019/05/10 16:12:11

  意外なような、やはり予想どおり(笑)の展開

  ほいみさん　お久しぶりです。
  「１」で若者より歩くのが速い、はさすがです！
  そうなんです、私も車道を坦々と歩くのはちょっと～です。運転免許ない私ですが、旅行や山歩きで、マイカー族を羨ましいと思うことはあまりありません。でも長い車道歩きのときだけは、少しだけ車があったらなぁと思います。
  続きも読ませてもらいます。

  ほいみさん からの返信 2019/05/10 17:40:23

  RE: 意外なような、やはり予想どおり(笑)の展開

  お久しぶりです。
  長距離歩行で一番大切なのは「自分のペースを守る」ですよね。私は平坦な道だと、写真を撮る以外は立ち止まらないので、スマホ族と歩くのは面倒臭いです。
  
  車道歩きは拷問ですよね。アスファルトを歩くと、足の裏になぜ水膨れが出来るのか？　いずれにしても人間の体には良くないことをやってる証拠だと思います。
  
  アスファルトはタイヤで走るものみたいですね。
  
  私のお遍路日記は「バチが当たりそうな内容」ですが、適当に流し読みしてやって下さい。

• くろねこだりゅんさん 2019/05/07 16:19:12

  ほいみ節復活♪

  おかえりなさい～
  もうお戻りにならないかと思っていましたのでまたこうしてほいみ節を読めるのは嬉しいです。
  
  お遍路、世界遺産か…そのうちに日本国中世界遺産だらけにしたら自治体は気が済むのかな？まずはお遍路さんの安全から図らないと難しそうです。
  「道の駅」はキャンプ行為禁止の所が多いですけどお遍路さんだときっと土地柄的にＯＫなんでしょうね～
  
  

  ほいみさん からの返信 2019/05/07 19:54:36

  RE: ほいみ節復活♪

  いろいろあったけど元気です。
  
  お遍路と言えば「歩きお遍路」がそのイメージ（あくまでもイメージね）を盛り上げていると思うのですが、その「歩き」の環境が悪過ぎます。なのにお寺は超ビジネスライク。ここを突っ込まれたら、その是正は困難。特にお寺が反対するんじゃないかなぁ。
  
  お辺のお陰で四国は野宿に寛大です。無料宿泊所も多いです。毎日では大変ですが、そんな旅こそ価値があると思います。それでテントを持ちました。他の地域では困難な旅が出来ます。そういう意味で「お遍路の旅」は面白いです。これで信仰心があればなぁ・・・

• 猫大好きさん 2019/05/06 19:31:25

  ときどきシフォンが嬉しいな～

  問題いろいろ有りとしながらも
  ほいみさんらしい旅だと。。。
  遍路をもう止めようかとちょっと良いホテルに入って
  思いなおしての、揺れ動くこころが　わかるワ
  帰っちゃったら　また静岡から出てくることに～！
  
  ヘビのいる暗渠ヤダ！！
  
  テントを背負っての旅
  重くないですか？

  ほいみさん からの返信 2019/05/06 22:47:45

  RE: ときどきシフォンが嬉しいな?

  そ〜なんです。
  私がテント担いでお遍路するのは、費用の節約でないことは猫さんなら分かってくれるはず。
  
  担いでるリュックの重さは11kg ですが、夕方は水1リットルと食材が加わるので、＋2kg
  になることも。テント泊を前提としてる割には軽いと思います。あと「お接待」でいろいろ貰っちゃうんですよね。お遍路バッグはデジカメ・スマホ・地図・財布・ペットボトルなんかで2kg くらいあるし。
  
  普通の「歩き遍路」だったら、3日目で帰ってました。アスファルトの道をひたすら歩くのが偉いんだ！　って思ってる方が多いうちは、衰退していく文化だと思います。

• jamokaさん 2019/05/06 13:45:23

  お帰りなさ～い！

  もう無事に帰宅されたのですね～
  山人がアスファルトを歩く辛さ…
  わかり過ぎて日記を読んでるだけでもほいみさんの当時の気持ちと全く同じで辛くなりましたよ(TT)
  空海様の時代にはアスファルトも車も無いし景色も違う。こんな状況なら空海様も違う手段をとったに違いないのでは…。
  近年では車で行くお遍路四国八十八箇所が主流になっていて、そちら系の本が売れているようです。
  
  接待がこんなふうに行われているんですね！
  イタドリは皮を剥いで食べればクエン酸効果？で乳酸解消！オバちゃん
  地味に援護射撃してくれてる（笑）
  焼肉はコンロも車も無いからこの旅路では登場しないのだろうな…なんて思いながら拝読させて頂いてま～す。

  ほいみさん からの返信 2019/05/06 15:01:12

  RE: お帰りなさ?い！

  GWまでには帰ると妻に言ってあったので「歩いて行けるところまで行く」か「交通機関を使って全部回るか」の後者を選択しました。
  
  そうなんですよね〜・・筋肉痛にはならないのに、足裏が水膨れで熱を持っちゃう。これって絶対に体に悪いって思いました。更に「お遍路の裏」みたいなことを感じてしまい、今イチ、力が入りませんでした。
  
  最終回でいろいろ「問題発言」を書こうかと思っているのですが、クルマで楽しく回るのが正解です。駐車料金が88×300円掛かりますが。
  
  もちろん焼肉をやりたかったのですが、タイミングよくスーパーが無いんですよね。やっぱ車中泊の旅がいいなぁ・・・と思える旅でした。

• gontaraさん 2019/05/04 20:49:10

  お接待は素晴らしいけど・・

  今回の記事では
  「元バックパッカー年金受給者の実力を見せてやろうじゃんか」！
  
  なるほど、現在の年金受給者はお金持って事ね。
  タクシーチャーターしてご利益有るのかなぁ～～
  そんな事考えるなら、タクシーでは行かんわなぁ！
  
  お接待受けてるより、テント泊してる姿が違和感無く見られるけど・・・
  

  ほいみさん からの返信 2019/05/04 23:16:58

  RE: お接待は素晴らしいけど・・

  コメントありがとうございます。
  
  少なくとも、タクシーの運ちゃんはご利益があったあったわけです。
  海外旅行と違って、長期間？の国内旅行は変化が少ないので、旅の形態に変化を付けるのがいいかも。そういう意味では「たまには、パ〜っと」ってヤツですね。
  
  今回のなんちゃってお遍路の旅ではタクシーを何回か使っていますが、適材適所というか、タクシーを使うことで大幅な時間節約と「楽」が出来ました。時は金なり・・・って言うし。
  
  後半は街中を歩くことが多く、行き当たりばったりのテント泊は難しかったです。