ある日突然のお遍路 その５　　65番から67番＋観音寺駅　50㎞チャレンジ

2019/04/08 - 2019/04/24

突然始まってしまった「なんちゃってお遍路」。
信仰心に欠ける私にとっては、毎日が「何やってんだか・・・」みたいな生活。

18番から始めたお遍路だが、既に12泊。昨日64番にお参りしたし、今さら引っ込みがつかなくなってきた。

伊予三島で泊まった宿の女将さんに「少しは歩いたら～・・」みたいなことを言われてしまい、そうか～振り返ってみるとほとんど歩いてないじゃん…ってことに気が付いた。

エリア 観音寺市(香川)

• 旅行の満足度: 4.0

明日も天気は良さそう。


一杯やりながら考えた。ここまで確かに、普通のお遍路さんより早く出発して、より遅くまで歩いた、バスに乗った！

カッコばかりのお遍路は道を譲る・・・なんちゃって。しかし地図を見てみれば、歩いたのは20％以下。口だけのお遍路は道を譲る・・・なのだ。

さっき、女将さんに言われて気が付いたのだが「まだ本気を出してない」っていうか、お遍路らしい困難な歩きをしてない。

これはいいチャンスだ。明日、三角寺・雲辺寺を縦走し、更に観音寺まで歩いたら、今回のお遍路の最高の思い出になるかも。

お遍路地図で、ざっと調べてみると、その距離48㎞。しかも88寺の中でも標高が一番高い（911m）のが雲辺寺だ。ここは海の傍だから標高10m。 つまり900m上るってこと。もちろん峠を幾つか越えるのでアップダウンがあるから、雲辺寺までの山道だけでも富士登山並みかもしれない。

何年か前に、三島から小田原の鴨宮辺りまで歩いたことがある。約40㎞、途中の箱根峠が標高850mだから、今回はそれに＋8㎞、＋60m・・・ということになるが、歳も＋６くらいなので、状況はもっと厳しいかも。

この頃の体力が残っていれば、余裕だけどね。
https://4travel.jp/travelogue/11136987

まぁ、難しいことを考えてもしょうがないので、朝5時半、宿を出発、コンビニで食料を仕入れて、三角寺に向かった。

三角寺の標高は355mとある。ここから見えてる山のどれかだよね。

ナメクジも「頑張れよ～」って、見送ってくれた。

1時間ちょっと歩いて、伊予三島を見下ろせるところまで。
左の星印の辺りから歩いて来た。

2時間掛からずに三角寺に到着。

これって、四国遍路を108回、周ったってこと・・・・？

？？？？　なんで？

おお、あの自転車父ちゃんも着いたみたいだ。

ここから次の雲辺寺までは約24㎞の山道を行く・・・といっても途中で国道のアスファルトも歩くことになる。

駐車場にいた地元の方に道を尋ねたら「とりあえずはあの白い建物を目指していけば、あの辺りに道案内があるよ」

48㎞歩くってことは、時速4㎞で歩き続けても12時間は掛かるから、道を間違えることは致命的。人に出会ったら、必ず道を聞いて確かめる。

八十八ヵ所霊場の「二番煎じ」的なこんな看板が多くて、私の様に「数字でしかお寺を認識できない」ヤツには面倒臭い。

こういうのって、とっても興味があるんだけど、無駄なエネルギーは使いたくない。

88の寺以外に立ち寄る意欲が無くなってしまう・・・ということで、四国お遍路は旅というよりは、仕事に近いものがある。

ん～・・微妙な案内。

自動車道路のヘアピンカーブをショートカットってことかな。

お、また逢ったぞ！

集落に出た。

何気に撮った写真だが、ここに写っている自販機が最後の自販機だったことは、数時間後に気が付く。

案内シール破壊工作か？

いろんな協会？があるんだろうね。

雲辺寺まであと20㎞を切ったかな・・・って時にこの看板？
29㎞・・・って何？

椿堂…有名らしいけど、道路から覗いただけ…セレクト88じゃないからね。

雲辺寺までの途中で唯一の集落がここ。

宿の女将が、ここに唯一の商店があって、水やお菓子やパンくらいは買える・・・って言ってたのに「やってないじゃん?」　もしかしたら10時になれば開くかな、とも思ったが、ここで30分のロスはヤバ過ぎ。先に進む。

家はあっても人気は無い・・・この看板の浮き具合はどうよ。

この方だけには何処でも会う。

この日は日差しが強烈で、炎天下の徒歩はより疲れる。
国道沿いに立派なバス亭があったのでひと休み。

ここ泊まれるね。

バスは１日１本。
町に出掛けた方のために、下りは夕方1本あるのかなぁ？

自転車のくせに、何もたもたしてんだ？

と思ったら、「休憩所にミカンがたくさんあるよ」って教えてくれた。

おお、水分補給だ！

小さいナイフは危ない…っていつも思っているのだが、今回は荷物を軽くするために「オモチャ」的なナイフを持っていた・・・足の水膨れをつぶすのに大活躍。

落ちた？ミカンなのか、皮がやたら厚く硬いのでナイフで剥いた。こういう時小さいナイフは刃が隠れちゃうから危ないんだよね～・・・なんて言い聞かせながら、5-6個目に掛かったところで、刃が滑って自分の親指をスパッと！　

表？爪側？だったら、けっこうヤバイ事態だった。それでも出血は酷くテーピング用のテープを巻いたが、あれ、これって血が浸み通っちゃうじゃん。この後、輪ゴムで止血して歩き始める。

左手が使い難いので、地図見たりスマホ使ったりするが凄く不便。よりによって、たくさん歩かなきゃならないときに、とんでもないハンデを背負ってしまった。

そうそう、私は怪我をして放っておいても膿まない体質？なので、消毒薬や傷薬は持ってない。お腹も丈夫なので胃腸薬も要らないのに、なぜかコレステロールの薬は飲まされている。

のコース上、唯一の民宿が岡田さん。一般的にはここで1泊する…そうはいかないだろう！　50㎞チャレンジ。

それっぽいお遍路道に入った。

見え難いけど、時々犬が放し飼いされててビビる。

踏んでいいのか？

一番標高が高い雲辺寺を、あと8.6㎞にまで追い詰めたぞ。

このコースは愛媛県・徳島県・香川県の境界線が微妙に交わる辺りを行く。

ヘビが横切って藪に入ったので、追い掛けて写真を撮ろうと思ったら「撮って～・・」とばかり飛び出してきた。

目立ちたがりなヤツだ。

正午に県境を越えられれば大丈夫って計画だったが、どうよこの正確さ！

だそうです。

ここで最後のおにぎりを食べる・・・いいのか？食べちゃって？？

雲辺寺は、たぶん向こうに見えてる山の上辺り・・・近いだろ～！

山道に入ってから、まったく人に出会わない。
こんなクルマが停まってたが、中を覗くのが恐ろしい・・・もしかしたらねぇ。

雲辺寺はあの鉄塔の辺りだろうね・・・完全射程距離。

最後の長い上り坂が、マジ辛かった・・・思ったより長いんだもの。
クルマが軽々と追い越して行くし。

14時過ぎに、雲辺寺に到着。
目的地までは、まだ20㎞近くあるから油断しない様に。

日陰でひと休み。

私は運よく、厄年を意識しないまま年金受給者になった。

20分ほど、お参り休憩をして出発。
自販機があったので、アクエリアスを１本飲む。

麓までのロープウェーがあるが、ここは勢いで歩く…下りだし。

よく分かんないものが並ぶ。

ここって、夜は気味悪いだろうなぁ。

分かり易いじゃん。

分かり易いじゃん。

17時、67番・大興寺に到着。
ここから残業時間に突入。

観音寺までは、後10㎞・・・ただし～、延々とアスファルトが続くはず。
せめて歩道があればいいのだが。

こんな道が続く。歩道なし側溝近し。常に足元が斜めってるので膝や足首に妙な負担が掛かる。

疲れているので、クルマを確認しようと後ろを振り返ると、リュックの反動でふらついてしまう。これは危険というか、クルマの運転手にとっても非常に迷惑な話。

でも、どうにもなんないじゃんね。

しかも、最後に来て道を間違える。
大興寺の辺りに新しい道が出来てたから、あれれ・・？　とは思ってたんだけど。
これで2－3㎞は余分に歩いたから、50㎞になったかな。

20時近くになって、観音寺駅に到着。

駅から更に2㎞も行けば、68・69番のお寺があって、その周辺は栄えているらしいが、さすがに今日はここでお終い。

伊予三島を出てから14時間が経っていた。

食料を仕入れて、駅近くのビジネスホテルに泊まる。

ここ重要だけど、本当は軽く読み飛ばして欲しいところ。

先日、ヒマラヤトレッキングに行っていて、友人が滑落死してしまった。ニュースで知っている方もいるかもしれない。

そのためのお遍路なのだが、遺族から、彼が履いていたトレッキングシューズを頂いて、左右に私とその親友の名前を書いて、お遍路を歩くことにした。「その１」に書いたけど、彼が17番まで歩いてるから、その続きを「一緒に」歩こうってことだ。

しかもこの日は事故からちょうど1ヶ月（月命日ってヤツ？）・・・このタイミングで、このコースに辿り着いてしまったのは「確かめられてる？」という気がした。だから歩き続けなくてはらなかったのだ。

宿の女将もグルだったのか？

悪天候なのに登った・・・ニュースにはそんな風に書かれていた。
一瞬で情報が拡散してしまう時代、間違った報道は訂正され難い。

ここを見ている方だけにでも、当日の事故直前の写真を見て頂きたい。

雲ひとつない快晴、無風、滅多に無い好天・・・この30分後に事故が起こってしまった。

なんで、悪天候の中の登山、って報道されちゃったんだろ。記事的にはそれの方が面白い…ってことなのか？

それにしても、この手のラベルの酒って、なんで美味くないんだ・・・？

この旅行記へのコメント （6）

• gontaraさん 2019/05/14 20:19:38

  最後のコメント読んで

  メッセージ入れられなくなっちゃいました。
  
  途中感じてたのは、流石ほいみさん、50km歩きとおせるんだって！
  毎年、慰霊登山になりそうですね。
  ご冥福をお祈りいたします。

  ほいみさん からの返信 2019/05/14 22:27:15

  Re: 最後のコメント読んで

  ナイショにしておこうかと思ったけど、報道があまりにいい加減なんで、事実をアップしてみました。いつか、全編をアップ出来る心境になれるかも。
  
  50㎞は、けっこうきついです。景色が良いところや、田舎道を歩くならいいのですが。体力が～‥とかいう前に飽きます。自動運転にしたいです。
  
  そのうち、事故現場にはお線香を上げに行きます。

• らびたんさん 2019/05/14 20:02:18

  マチャプチャレがきれい

  ほいみさん、こんばんは。
  
  マチャプチャレがきれいに見えてますね。
  
  観音寺駅懐かしいです。
  妊娠中に行き、その日の夜に高松の風呂場で倒れました（貧血）。
  
  番号がないとわからないとかもうほいみさんらしくって。
  300名山目指してるとそんな感じ＝仕事みたいになってくるらしいですが、
  全部登った後に気に入った山とか悪天候だった山をじっくり歩いてみたいという気持ちにはならないでしょうね、お遍路ですと。。
  
  まさかのゴールが見えてきました。
  期待しています、いろいろと。
  
  らびたん

  ほいみさん からの返信 2019/05/14 22:21:43

  Re: マチャプチャレがきれい

  こんばんは。
  
  ここまで上って来ちゃうと、アンナプルナ山群の高峰が目立っちゃいますが、ホント、マチャプチャレは綺麗な山です。
  
  観音寺の思い出が凄いですね！
  私はスーパーに行ったら、20時の閉店準備をしていて、慌てて食料を買ったのが思い出です。そのせいで、メニューに統一感が無いんですよ。
  
  お遍路さんにもタクシーの運ちゃんにも、宿の女将さん・通行人にまで「何番のお寺・・・」って言ってしまいます。いまだに読めないお寺があるかも。
  
  私の友人にも300名山を制した方がいますが、どうやって感心したフリをしたらいいのか、何時も困ってしまいます。私はまだ100名山だって12－13しか登ってません。山仲間で飲むと、意外にも私の記録の方が「意外だね～！」ってウケますよ。
  
  お遍路も300名山も、単純に本人の気持ちの問題かと。500世界遺産とか流行ったらどうするんだ？　そんなことが流行ると、行きたい場所じゃなくて「行かなきゃならない場所」が増えてしまって、本来の旅の楽しみが無くなってしまう様な。
  
  あ、ゴールの88番・大窪寺は、一番「自分らしい」結果になって、空海さんもやるじゃん…って思いました。お楽しみに。
  
  ほいみ

• くろねこだりゅんさん 2019/05/14 14:18:45

  観音寺

  砂のお金があるところ！
  車で回ったときに見ました～
  あの辺りもお寺が一杯あったのでセレクト８８だったのでしょうね（笑）
  お遍路108回は煩悩を改める意味でしょうか？
  そこまでいくと空海さんの域に達して悟りを開けるのかも？
  山の中の方が案内がしっかりしているような？
  街中は看板出せないから道路に書かざるをえないのかちょっと考えちゃいました。
  
  
  
  
  …神々しいマチャプチャレ、山の神様は見ていると思います。
  
  
  
  

  ほいみさん からの返信 2019/05/14 15:21:02

  RE: 観音寺

  > 砂のお金があるところ！
  
  あったあった・・光の加減で良く見えなかったけど。
  
  あそこの67・68番のお寺は隣同士なので、マジで混乱した。二寺をひとセットにして、新たにお寺を入札で募集したら、協会の利権が絡んで凄いことになるだろうなぁ・・・見てみたい。
  
  108回って、1年に3回周っても36年掛かる・・・他にやることなかったのかなぁ。107回周っても悟りは開けなかった…ってことかもしれませんね。
  
  そうそう、山の中は案内看板やシールが少ないけど、目立つってことでしょうね。街中はややこしい看板があって間違えたりして。
  
  
  そうか〜・・マチャプチャレは見ていた、っていいですね！
  ありがとうございます。
  マチャプチャレとは40年の付き合いです。