竹藪の奥の棚田

2019/03/20 - 2019/03/20

　北鎌倉の通称で呼ばれる山ノ内では小袋谷川に架かる十王橋から、南西の谷戸を瓜ヶ谷と呼び、その谷戸の中央を通る道路を瓜ヶ谷通りと呼んでいる。しかし、バスが通れるほどの幅がある道路ではない。この通りの先にある峠からS字坂を下るとようやくバス通りになる。
　この峠の手前にある小さな谷戸の入口には竹が藪になっており、この小さな谷戸の奥にある棚田は坂道の道路からは見えない。瓜ヶ谷には３ヶ所に田圃が残っている（https://4travel.jp/travelogue/11295814）が、その一つがここである。
　しかし、ここからの峠道やS字坂は戦後の住宅開発で付けられた道路であろう。この小さな谷戸から奥の杉林にあった「蛇居ヶ谷の大堀切」と呼ばれる切通（「蛇居ヶ谷切通」）（https://4travel.jp/travelogue/11471695）を通って海蔵寺裏（蛇居ヶ谷）に抜けたのであろう。いつしか、「蛇居ヶ谷切通」も峠部分が土盛りされ、通れなくなった。おそらくはその前に蛇居ヶ谷が鎌倉石の採掘場として石切場になって「蛇居ヶ谷切通」への道が掘削されて消滅してしまったのだろう。その「蛇居ヶ谷切通」の瓜ヶ谷側の入口に棚田が残っている。そして「蛇居ヶ谷切通」跡はこの山に降った雨水を集めて、この棚田の水源になっている。現在でも棚田が耕作されているのは、湧水が多くて住宅化には向かないことが大きな理由であろう。この棚田の下の向こうには団地が見える。この小さな谷戸が宅地開発されなかったににはこのような理由があったのだろう。
（表紙写真は小さな谷戸の棚田）

エリア 鎌倉(神奈川)

上り坂の左に竹藪。

竹藪の先に棚田。

小さな谷戸の棚田。

棚田。

谷戸の棚田の先は林だ。しかし、ここには切通跡が。

切通跡。山に降った雨水を集めてこの切通跡を流れてこの棚田の水源になっている。

棚田の畦道。直ぐ奥に瓜ヶ谷やぐら群がある。右側には蛇居ヶ谷切通。