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カラオ川(Rio Carrao)の幸せの滝壺(Paradise/Happiness Pool)を2時20分頃出発。これからアウヤンテプイ(Auyan Tepui)を回り込んでいくのだが、アウヤンテプイとは、南アメリカ大陸の北部、オリノコ川(Rio Orinoco)とアマゾン川(Rio Amazonas)などに囲まれ、コロンビア(Colombia)、ベネズエラ(Venezuela)、ガイアナ(Guyana)、スリナム(Suriname)、フランス領ギアナ(Guyane)、ブラジル(Brasil)の6か国と地域にまたがるギアナ高地(Escudo Guayanes)の中心、日本の中国地方に匹敵する約3万平方㎞の広さを持つベネズエラのカナイマ国立公園(Parque Nacional Canaima)にあるテーブルマウンテン(Table Mountain)。<br /><br />テーブルマウンテンは地球上で最も古い時代の岩石からなっており、そのほぼ垂直に切り立った姿は先カンブリア紀から17億年以上かかって侵食作用により出来上がったもの。山頂が平らで筒状という、まるでテーブルのような独特の景観を呈しており、その数は100を超えるといわれている。先住民の言葉では「神の住む場所」を意味する「テプイ(Tepui)」と呼ばれている。テプイを西洋人として初めて世間に紹介したのはイギリス、エリザベス朝時代の大探検家サー・ウォルター・ローリー(Sir Walter Raleigh)。自分のマントを女王のために水溜りに広げた話、確か中学校の英語の教科書で読んだ(New Crownだったが、50年前のことよく覚えてるよな、私)。1595年、エルドラド(El Dorado=黄金郷)を求めてオリノコ河口から支流のカロニ川(Rio Caroni)を遡りこの大奇観を目にした。ただ、残念ながら黄金郷は見つからなかったのだが。<br /><br />アウヤンテプイは彼が見たものであろうと云われ、数あるテプイの中で最大のもの。標高は2,535m、周囲約650km。頂上のテーブル状の地形は、総面積約700平方kmで東京23区を上回る。この中には小さな山もあれば川もあり、それ自体で一個の生態系を形作っている。上から見ると北に開いた馬蹄形をしている。アウヤンとは先住民ペモン族の言葉で悪霊を意味し、英語ではDevil&#39;s Mountain、日本語で「悪魔の山」とも云われる。ここへ来たのはこのテプイにある世界最大の落差979mを誇るエンジェルフォール(Salto Angel)を見るためだが、この滝だけが特別高所にあるわけではなく、テーブルトップマウンテンの特徴として、頂上台地の切り立った断崖はほとんどが同等程度の高度を持っている。<br /><br />カラオ川はこのアウヤンテプイの北側を流れており、馬蹄形の開いた側を横切っている。ランチ休憩したのが北西部におまけ的に突き出した部分の先端近くで、ここからテプイに沿って南東に進む。次々と変わるテプイの眺めは飽きない。30分ほどで馬蹄形の北西部の先端辺り、カラオ川の支流のチュルン川(Rio Churun)との合流点。ここから馬蹄形の間の悪魔の谷(Canon del Diablo)と呼ばれる谷を形成したチュルン川を遡る。水の色はコーラ色になるが、濁っている訳ではなく、樹木の根のタンニン色素(tannin)が染み出して、染まったもの。川幅は少しずつ狭くなり、テプイの断崖はますます近くなる。チュルン川に入って1時間余り、4時20分頃ついに人が乗ったままでは舟が登れない浅瀬に差し掛かる。我々は降りて浅瀬を歩き、船頭2人でなんとか浅瀬を乗り切る。5時前、チュルン川に入ってからテプイに雲が結構掛かっていたのだが、本格的に雨が降り始める。これじゃエンジェルフォールを見るのは無理。私はこの辺りから眠りに落ちて、よく落ちずに眠れると彼女たちに感心された。<br />https://www.facebook.com/media/set/?set=a.1873817929354889&amp;type=1&amp;l=150968d96e<br /><br />すっかり日が暮れて6時前くらいだったかな、もう真っ暗で雨も結構降ってたので、写真も取らず、正確な時間は覚えていないが、エンジェルフォールのキャンプ地に到着。今晩はここで泊まる。ここはエンジェルフォールから流れて来たガウヤ川(Rio Gauja)もしくはケレパクパイメル川(Rio Kerepacupai Meru)がチュルン川に合流する地点。ちなみに、ガウヤ川と云う名前で正式に登録されているが、これは1955年にエンジェルフォールを初登攀したアレキサンドロス・ライメ(Aleksandrs Laime)が彼の故郷のラトビア(Latvia)の川の名前から付けたもの。この辺りは先住民は悪霊の山と呼んでる地域で、立ち入らなかったところなので、元々付けられた名前はないそうだが、エンジェルフォールの先住民の呼び名からケレパクパイメル川と近年は呼ばれることもある。この地点はラトン島(La Isla Raton=鼠の島と云う意味)と呼ばれているが、実際には島ではない。山塊がニ手に分かれた川に挟まれてるので島と呼んでいると云うことだが、よく意味が分からない。チュルン川とガウヤ川とアウヤンテプイに囲まれた山塊ってことか? さらに付け加えれば、何故か日本ではラトンシート島とも書かれている。これもなぜかは不明。<br /><br />それはさておき、荷物を宿泊所となる建物に運び込むとまずはみんなでハンモックのセッティング。半分終わると、残りのスペースは夕食を食べる準備をして、ガイド達が調理してくれるのを待つ。合間にツアーメンバーといろいろお話も。日本人の2人の看護師さんのことは書いたが、あとはベルギー人とカナダ人のカップル、コロンビア人の男性と地元ベネズエラの女性だった。ベルギー人の彼はフランス語だけでなく英語もスペイン語も達者で、若くていい男だった。カナイマに戻ったら、最終日セスナで離れる前の早朝に遊覧飛行に乗らないかとみんなを誘ってて、私はこの時点ではどうしようかなと思ってたのだが、その話は改めてにする。<br /><br />で、7時半前、夕食。温かい肉も出てきて、まあこんなところで食べさせてもらえるものとしては十分だった。食後はテーブルを片付け、残りのハンモックのセッティング。8時半頃には完了。あとは寝るだけ。初めてハンモックの夜を迎えた。<br />https://www.facebook.com/media/set/?set=a.1873832142686801&amp;type=1&amp;l=fd8c4d9108<br /><br /><br />エンジェルフォールに続く

ベネズエラ アウヤンテプイ (Auyan Tepui, Parque Nacional Canaima, Venezuela)

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2017/11/11 - 2017/11/11

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ちふゆ

ちふゆさん

カラオ川(Rio Carrao)の幸せの滝壺(Paradise/Happiness Pool)を2時20分頃出発。これからアウヤンテプイ(Auyan Tepui)を回り込んでいくのだが、アウヤンテプイとは、南アメリカ大陸の北部、オリノコ川(Rio Orinoco)とアマゾン川(Rio Amazonas)などに囲まれ、コロンビア(Colombia)、ベネズエラ(Venezuela)、ガイアナ(Guyana)、スリナム(Suriname)、フランス領ギアナ(Guyane)、ブラジル(Brasil)の6か国と地域にまたがるギアナ高地(Escudo Guayanes)の中心、日本の中国地方に匹敵する約3万平方㎞の広さを持つベネズエラのカナイマ国立公園(Parque Nacional Canaima)にあるテーブルマウンテン(Table Mountain)。

テーブルマウンテンは地球上で最も古い時代の岩石からなっており、そのほぼ垂直に切り立った姿は先カンブリア紀から17億年以上かかって侵食作用により出来上がったもの。山頂が平らで筒状という、まるでテーブルのような独特の景観を呈しており、その数は100を超えるといわれている。先住民の言葉では「神の住む場所」を意味する「テプイ(Tepui)」と呼ばれている。テプイを西洋人として初めて世間に紹介したのはイギリス、エリザベス朝時代の大探検家サー・ウォルター・ローリー(Sir Walter Raleigh)。自分のマントを女王のために水溜りに広げた話、確か中学校の英語の教科書で読んだ(New Crownだったが、50年前のことよく覚えてるよな、私)。1595年、エルドラド(El Dorado=黄金郷)を求めてオリノコ河口から支流のカロニ川(Rio Caroni)を遡りこの大奇観を目にした。ただ、残念ながら黄金郷は見つからなかったのだが。

アウヤンテプイは彼が見たものであろうと云われ、数あるテプイの中で最大のもの。標高は2,535m、周囲約650km。頂上のテーブル状の地形は、総面積約700平方kmで東京23区を上回る。この中には小さな山もあれば川もあり、それ自体で一個の生態系を形作っている。上から見ると北に開いた馬蹄形をしている。アウヤンとは先住民ペモン族の言葉で悪霊を意味し、英語ではDevil's Mountain、日本語で「悪魔の山」とも云われる。ここへ来たのはこのテプイにある世界最大の落差979mを誇るエンジェルフォール(Salto Angel)を見るためだが、この滝だけが特別高所にあるわけではなく、テーブルトップマウンテンの特徴として、頂上台地の切り立った断崖はほとんどが同等程度の高度を持っている。

カラオ川はこのアウヤンテプイの北側を流れており、馬蹄形の開いた側を横切っている。ランチ休憩したのが北西部におまけ的に突き出した部分の先端近くで、ここからテプイに沿って南東に進む。次々と変わるテプイの眺めは飽きない。30分ほどで馬蹄形の北西部の先端辺り、カラオ川の支流のチュルン川(Rio Churun)との合流点。ここから馬蹄形の間の悪魔の谷(Canon del Diablo)と呼ばれる谷を形成したチュルン川を遡る。水の色はコーラ色になるが、濁っている訳ではなく、樹木の根のタンニン色素(tannin)が染み出して、染まったもの。川幅は少しずつ狭くなり、テプイの断崖はますます近くなる。チュルン川に入って1時間余り、4時20分頃ついに人が乗ったままでは舟が登れない浅瀬に差し掛かる。我々は降りて浅瀬を歩き、船頭2人でなんとか浅瀬を乗り切る。5時前、チュルン川に入ってからテプイに雲が結構掛かっていたのだが、本格的に雨が降り始める。これじゃエンジェルフォールを見るのは無理。私はこの辺りから眠りに落ちて、よく落ちずに眠れると彼女たちに感心された。
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.1873817929354889&type=1&l=150968d96e

すっかり日が暮れて6時前くらいだったかな、もう真っ暗で雨も結構降ってたので、写真も取らず、正確な時間は覚えていないが、エンジェルフォールのキャンプ地に到着。今晩はここで泊まる。ここはエンジェルフォールから流れて来たガウヤ川(Rio Gauja)もしくはケレパクパイメル川(Rio Kerepacupai Meru)がチュルン川に合流する地点。ちなみに、ガウヤ川と云う名前で正式に登録されているが、これは1955年にエンジェルフォールを初登攀したアレキサンドロス・ライメ(Aleksandrs Laime)が彼の故郷のラトビア(Latvia)の川の名前から付けたもの。この辺りは先住民は悪霊の山と呼んでる地域で、立ち入らなかったところなので、元々付けられた名前はないそうだが、エンジェルフォールの先住民の呼び名からケレパクパイメル川と近年は呼ばれることもある。この地点はラトン島(La Isla Raton=鼠の島と云う意味)と呼ばれているが、実際には島ではない。山塊がニ手に分かれた川に挟まれてるので島と呼んでいると云うことだが、よく意味が分からない。チュルン川とガウヤ川とアウヤンテプイに囲まれた山塊ってことか? さらに付け加えれば、何故か日本ではラトンシート島とも書かれている。これもなぜかは不明。

それはさておき、荷物を宿泊所となる建物に運び込むとまずはみんなでハンモックのセッティング。半分終わると、残りのスペースは夕食を食べる準備をして、ガイド達が調理してくれるのを待つ。合間にツアーメンバーといろいろお話も。日本人の2人の看護師さんのことは書いたが、あとはベルギー人とカナダ人のカップル、コロンビア人の男性と地元ベネズエラの女性だった。ベルギー人の彼はフランス語だけでなく英語もスペイン語も達者で、若くていい男だった。カナイマに戻ったら、最終日セスナで離れる前の早朝に遊覧飛行に乗らないかとみんなを誘ってて、私はこの時点ではどうしようかなと思ってたのだが、その話は改めてにする。

で、7時半前、夕食。温かい肉も出てきて、まあこんなところで食べさせてもらえるものとしては十分だった。食後はテーブルを片付け、残りのハンモックのセッティング。8時半頃には完了。あとは寝るだけ。初めてハンモックの夜を迎えた。
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エンジェルフォールに続く

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