ベルギー王立美術館古典美術館の旅行記【2】は、ブリューゲル一族の作品他です。<br />150年に渡り画家を輩出し続けたブリューゲル一族の創始者、ピーテル・ブリューゲル (父)の油絵は40点ほどが知られています。そのうち12点はウィーンの美術史美術館に収蔵されていますが、それに次ぐ数と内容のコレクションが、ベルギー王立美術館にあります。

ベルギー王立美術館・古典美術館【2】Brugel etc.

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2018/08/08 - 2018/08/08

115位(同エリア2810件中)

エリア

ブリュッセル(ベルギー)

旅行の満足度: 4.5

観光: 4.5

ピーテル・ブリューゲル (父)「鳥罠のある冬風景」1565年
ブリューゲル一族によるコピー・派生作が１２７点ものぼる（うち４５点はピーテル（子）によるもの）作品のオリジナル。国立西洋美術館にもピーテル・ブリューゲル（子）による作品があります。
ピーテル・ブリューゲル（父）「東方三賢王の礼拝」1556年頃
この作品は油絵ではなく、デトランプといってニカワで目止めした麻布の上にニカワでこねた顔料で描いた作品です。
「ベツレヘムの人口調査」
この作品はピーテル・ブリューゲル（父）が死の3年前に制作した作品で、ベルギー王立美術館にはピーテル・ブリューゲル（父）によるオリジナルと長男によって描かれたコピーが同じ部屋に展示されています。
ピーテル・ブリューゲル（父）「ベツレヘムの人口調査」1566年
こちらがオリジナルの「ベツレヘムの人口調査」です。
ピーテル・ブリューゲル（子）「ベツレヘムの人口調査」1610年
やや茶色っぽい作品の方が、長男のピーテル・ブリューゲル（子）によるコピーです。この作品のコピーは13点あるそうですが、最もオリジナルに忠実なのがこの作品だそうです。
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ブリューゲル（ピーテル・ブリューゲル）の絵が集まる部屋です。
こんな空間でじっくりブリューゲルの絵を鑑賞できる幸せ・・・

ベルギー王立美術館博物館・美術館・ギャラリー
ピーテル・ブリューゲル（父）「叛逆天使の墜落」1562年
ピーテル・ブリューゲル（父）がアントウェルペンを拠点に活動していた36歳頃の作品。キリスト教の世界観に基づく宗教画であり、高慢や嫉妬のために神に逆らい、天界を追放された叛逆天使（堕天使）達と、それを追い払う大天使ミカエルに率いられた天使の軍勢との戦いを描いた作品ですが、オリジナリティあふれる堕天使達の姿が見ていて飽きません。
ピーテル・ブリューゲル（父）「イカロスの墜落」の模写　1560年代
長年ピーテル・ブリューゲルの手になると考えられてきた絵画作品ですが、近年の調査で、作者をブリューゲルとすることは極めて疑わしいとされるようになり、今では、無名の画家が、ブリューゲルのオリジナルを早期に模写した良質な複製画であると考えられています。
ピーテル・ブリューゲル（子）「雪の中の東方三博士礼拝」
世界中に３６点あるといわれるコピーの1つで、ピーテル・ブリューゲル（父）が１５６３年に描いたオリジナルは、スイスのオスカー・ラインハルト美術館所蔵となっています。
ピーテル・ブリューゲル（子）「野外での婚礼の踊り」1607年
オリジナルはピーテル（父）によるデトロイト美術館所蔵の「野外での花嫁の踊り」1566年
ピーテル・ブリューゲル（子）「劇と聖人行列のあるケルメス」
ケルメスと呼ばれる村の守護聖人を祝う祭りが描かれていますが、森の中の村で繰り広げられる旅芸人による演劇、村人たちの宴会やダンス、聖人行列の様子が同時に表されています。
「劇と聖人行列のあるケルメス（部分拡大）」
旅芸人による演劇は、男女の絡みを喜劇風にアレンジしたものらしいですが、溢れた人が屋根や塀の外によじ登ってみる姿など楽しい。
ピーテル・ブリューゲル（父）「聖マルタン際のワイン」の模写　1569年
この作品のオリジナルは、2010年にスペインのプラド美術館で発見されています。
「聖マルタン際のワイン（部分拡大）」
新酒ワインに群がり大騒ぎする村人たち
ピーテル・ブリューゲル（子）「巡礼の帰り道」
この絵と構図や内容に類似点がある作品がベルギー王立美術館に収蔵されており、そのピーテル・アールツェン（ピーテル・ブリューゲル（父）と同時代の画家）の作品をひな型に制作されたものと推定されています。
※ピーテル・ブリューゲル（子）「巡礼の帰り道」のひな型になったと思われる作品
ピーテル・アールツェン「聖パトヴァのアントニオの巡礼の帰り道」1550年
リエージュの南のマンエーという村にある聖パトヴァのアントニオ教会で巡礼を終えた巡礼者たちの姿が描かれています。
ピーテル・ブリューゲル（子）「良い羊飼い」1616年
この作品がピーテル・ブリューゲル（子）のまったくのオリジナルか父親の失われた作品のコピーかは不明。
ヤン・ブリューゲル（父）「花輪とカップのある静物」1618年
ピーテル・ブリューゲル1世の次男で「花のブリューゲル」と呼ばれていたヤン・ブリューゲル１世の作品。
ヤン・ブリューゲル（父）、ヘンドリック・ファン・バーレン
「Marie-Madeleine penitente 」制作年不詳
マグダラのマリアが描かれています。
ヤン・ブリューゲル（父)、ヘンドリック・ファン・バーレン
「バッカスとアリアドネーの婚姻」制作年不詳
こちらもヤン・ブリューゲル（父）とヘンドリック・ファン・バーレンによる共作。バッカスは、ローマ神話のワインの神、アリアドネーはクレタ島の王女です。
ヘンドリック・ファン・バーレン「Les noces de Thetis et Pelee 」
こちらはヘンドリック・ファン・バーレン単独の作品。
ヤン・ファン・バーレン「De ontvoering van Europa」 1630-40年
ヤン・ファン・バーレン（Jan van Balen）はヘンドリック・ファン・バーレンの息子。
David Vinckboons I 「Bosgezicht met doortocht van een konvooi 」
ヤン・ブリューゲル（父）の作品の模写と思われます。
ヤン・ブリューゲル（子）「Aeneas in de onderwereld 」
ヤン・ブリューゲル（子)、セバスティアン・ヴランク「戦闘後の略奪の光景」1625-30年
ヤン・ブリューゲル（子)が田園風景をセバスティアン・ヴランクというアントワープの画家が戦闘のシーンを描いた共同作品。
「戦闘後の略奪の光景（部分拡大）」
戦死した敵兵たちの持ち物を剥ぎ取ろうとする兵士たちの姿が描かれています。
「戦闘後の略奪の光景（部分拡大2）」
Abraham Govaerts 「De herberg 」1626年
ヨース・ドゥ・モンペル2世「バベルの塔」
バベルの塔といえばピーテル・ブリューゲル (父)の作品が有名ですが、こちらはアントワープで16世紀末から17世紀にかけて活躍したヨース・ドゥ・モンペル2世の作品。
バロック期に活動したロレーヌ地方出身の版画家ジャック・カロ（Jacques Callot）の作品
ジャック・カロの作品の部分拡大
ジャック・カロの作品の部分拡大2
ヤン・ブリューゲル（子)「De Calvarieberg」
Anoniem Zuid-Nederlands meester, tweede helft 16de eeuw
「Antropomorf landschap. Vrouwenportret 」
だまし絵的なアルチンボルドの風景画版のような作品が展示されていました。
Zuid-Nederlandse school 「Antropomorf landschap. Mansportret」
同じようなだまし絵的作品。