化粧坂七曲

2018/09/01 - 2018/09/01

　鎌倉七口の化粧坂切通（https://4travel.jp/travelogue/10452607、https://4travel.jp/travelogue/11290405）を上り切ったら山道の旧道「七曲」がある。比較的急な谷をつづら折りで下りる。下りた先にはやぐらが1基だけあり、その前は畑である。畑に奥さんがいたので、「昔は道が畑の中にありませんでしたか？」と尋ねると、「そうです。」ということだ。化粧坂切通にも扇川沿いにはやぐらがあるが、ここ七曲では1基だけではあるがやぐらがある。この七曲は鎌倉時代から南北朝の頃には既にあった山道であることが分かる。もっともこの七曲は「吾妻鏡」に出てくる旧道であるとされている。
　鎌倉七口では特異な切通である。葛原岡（源氏山）から壽福寺に下りる旧道と交差しているが、一方（扇ヶ谷から上る山道）は切通で、他方（佐助に下りる山道）は谷を下るつつら折りの山道であるのには驚いた。化粧坂上（葛原岡）に街道が集まっていて、おそらくは鎌倉時代には、今の銭洗弁財天の表参道になる以前には裏参道と呼ばれた街道が切通で通されたのだろう。それが戦時中に葛原岡に高射砲陣地を設営するために掘削されて道路になったが、路面からはるか上にはやぐらが並んでいる。
（表紙写真は佐助側にあるやぐら）

エリア 鎌倉(神奈川)

化粧坂切通（https://4travel.jp/travelogue/10452607、https://4travel.jp/travelogue/11290405）。

源氏山公園へ上る道。岩の横に七曲。

古代の街道でも壽福寺に下りる尾根道とここで（尾根で）化粧坂切通と七曲がほぼ直角に交差していることが分かる。

その横に七曲。

七曲。

七曲。

七曲。

七曲。

七曲。

七曲。

無造作に捨てられたペットボトル。

七曲。

七曲。

七曲。

七曲。

七曲。

七曲。

七曲。

七曲。

七曲。

七曲。

七曲。

七曲。

七曲。

七曲。

七曲。

七曲。

丸竹。化粧坂切通を下りると四方竹の竹藪が続くが、ここの丸竹は戦後になって住宅の裏に植えたのが殖えたもののようだ。四方竹の場合には鎌倉時代まで遡る可能性があるが、ここの丸竹は平成の終わりになって殖えたものだろう。

七曲下口。

七曲下口。

七曲下口。

七曲下口。下に幅の狭い道路。

七曲下口。

道路を少し下る。

旧道は畑の中へ。

やぐら。

やぐら。

道路。突き当りを右に入ると七曲だ。

畑。

畑の反対側の崖。やぐらはない。

　「とわずがたり」に「あくれば鎌倉へいるに　極楽寺といふ寺へまゐりてみれば　僧のふるまひ都にたがはず　なつかしくおぼえて見つつ　化粧坂（けはひざか）といふ山をこえて鎌倉のかたを見れば　東山（ひんがしやま）にて京を見るにはひきたがへて　きざはしなどのやうに　重々（ぢうぢう）に　ふくろの中に物を入れたるやうにすまひたる　あな物わびしと　やうやうみえて　心とどまりぬべき心ちもせず　
　由比（ゆひ）の浜といふ所へ出でてみれば　大きなる鳥居あり　若宮の御やしろ　はるかに見え給へば　他（た）の氏（うぢ）よりはとかや　ちかひ給ふなるに　ちぎりありてこそ　さるべき家にと生れけめに　いかなるむくいならんと思ふほどに　まことや　父の生所（しやうじよ）を祈誓（きせい）申したりしをり　今生（こんじやう）の果報（くわはう）にかゆると　うけたまはりしかば　うらみ申すにてはなけれども　そでをひろげんをも　なげくべからず　またをののこまちも　そとほりひめがながれといへども　あじかをひじにかけ　みのをこしにまきても　身のはてはありしかども　我ばかり物おもふ　とや書き置きしなど思ひつづけても　まづ御やしろへまゐりぬ　所のさまは男山のけしきよりも　海見はるかしたるは見どころありともいひぬべし　大名ども浄衣などにはあらで　いろいろのひたたれにてまゐりつるもやう変りたり」とあるが、極楽寺から今の大仏ハイキングコースを辿り、葛原岡から七曲を下りたのを「化粧坂といふ山をこえて」と解釈できよう。