イエズス会アジア最後の布教地ー長崎　中通島編

2018/05/03 - 2018/05/06

日本にキリスト教を布教したカトリック・イエズス会宣教師、フランシスコ・ザビエルがポルトガル国王の命によりアジアの布教を目指し、インドのゴア、マレーシアのマラッカ、中国マカオを経て1549年についにアジアの極東である日本の地を踏み布教活動が行われた。その結果信者が着実に増え、一時はセミナリヨ（初等、中等学校）やコレジョ（大学）があちらこちらに出来た程受容された。これらの教育文化がそのまま残っていたなら、もっと早くに日本は文明開花をしていたのでは？と思ったりもする。
ところが今でも長く言われている「キリスト教布教は宣教師を送り住民を信者とし懐柔し、その後軍隊を送って来る」この考え方が危惧されてか、1587年に「切支丹禁制」が発布された。その後も信者の信仰は続いていたが様々な抑圧の中、ついに1637年「島原の乱」が起こる。この出来事が起こった後の弾圧は、遠藤周作の「沈黙」にも出てくる以上に残忍な方法でなされた。そしてやっと1873年にキリシタン禁制が解かれたが、その250年以上もの間キリストを信じ、祈り続けられたのは奇跡に等しい。
今回の旅の途中でこの地域を含む「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連資産」がほぼ世界文化遺産として決定された。世界遺産になる前にこの地を訪ねておこうと決めていた。4年前にポルトガルを旅して以来キリスト教、特にイエズス会に興味を抱き、イエズス会の痕跡を訪ねてマカオへ、昨年の夏はフランシスコ・ザビエルやイエズス会の創始者ロヨラが育ったバスク地方、そしてイエズス会を旗揚げしたパリのモンマルトルにも行った。今回の旅はイエズス会の布教の最終地として訪ねたかった。
この世界文化遺産の中の潜伏キリシタンがこれほどまで深く長い間信仰出来たのは、おそらくカトリックでも他の会派であったならば、ここまで続けられたか疑問である。それには先駆者であるフランシスコ・ザビエルの人格やそれに続くイエズス会の宣教師達の神に対する絶対の服従と異郷で死ぬことさえ恐れない精神性が人々に受け入れられ、さらには当時の住民の抑圧された社会的背景にあいまって潜伏キリシタンは存続出来たのであろう。

日中レンタカーを借りて教会をまわり、夜には地元の居酒屋でご当地の焼酎「五島灘」などをのんだ。福江島では地元の方と話が盛り上がり他のお店に連れて行ってもらったり、中通島の居酒屋では他の観光客とお店の人と会話を楽しんだりと良い旅の思い出になった。そしてついに6月30日（https://www.msn.com/ja-jp/news/national/守った信仰、世界が評価%ef%bc%9d「先祖の苦労報われた」%ef%bc%8d喜びに沸く長崎、熊本・世界遺産/ar-AAznjlB?ocid=spartandhp#page=2）に世界文化遺産が登録されて、今後観光客や巡礼者がどっと押し寄せた場合、中通島などの飲食施設、宿泊施設などは今の状況では受け入れられないのではないかと心配になったのも事実である。

5/3日　JAL605便　羽田7:40発～長崎9:35着
　　オリエンタルエアブリッジ 075便　長崎10:40発～五島福江11:10着
ニッポンレンタカーで観光ー堂崎天主堂ー井持浦教会ー玉之浦教会ー楠原教会ー楠原牢屋敷跡ー水ノ浦教会ー三井楽教会ー空海記念碑ーカトリック墓地群

島の宿　ごとう屋　泊
夕食　居酒屋一菜

5/4日　AMレンタカーで大瀬崎へ。レンタカー返却後は徒歩、タクシーで福江城ー明星院ー武家屋敷通りー五島観光歴史資料館
九州商船ジェットフォイル　福江16:30発～奈良尾17:00着

有川ビーチホテル　泊
夕食　寄り処　満

5/5日　トヨタレンタカーで観光ー頭ヶ島教会堂ー坂本竜馬ゆかりの広場ー大曽教会ー冷水教会ー・青砂ヶ浦天主堂ー江袋教会ー中ノ浦教会ー若松大浦教会ー桐教会ー福見教会

有川ビーチホテル　泊

5/6日　九州商船ジェットフォイル　奈良尾9:55発～長崎11:10着
長崎市内巡礼ー浦上天主堂ー大浦教会ー二十六聖人殉教地

ANA670便　長崎19:15発～羽田21:00着　　　　　総予算￥85,000-

エリア 五島列島(長崎)

• 旅行の満足度: 4.0
• 観光: 4.5
• ホテル: 3.0
• グルメ: 3.5

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 5万円 - 10万円
• 交通手段: 高速・路線バス 船 レンタカー ANAグループ 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

今回の登録の教会の一つとされる、頭ヶ島教会堂。

頭ヶ島教会堂

頭ヶ島教会堂裏

頭ヶ島教会堂裏のマリア像

教会堂近くにある墓地

教会堂近くの墓地

墓地の近くには透き通る海が・・

坂本竜馬が営んでいた亀山社中の船が難破し、多くの犠牲者が出た場所に坂本竜馬が慰霊碑を立てた、ゆかりの場所。

大曽教会

大曽教会

大曽教会

大曽教会内

大曽教会内

イエズス会の紋章

冷水教会

冷水教会

冷水教会のマリア像

青砂ヶ浦天主堂を遠くに臨む

青砂ヶ浦天主堂

青砂ヶ浦天主堂

青砂ヶ浦天主堂内

かなり山の中を走り、こんな場所にと驚いた「江袋教会」

江袋教会

江袋教会内

江袋教会内

中ノ浦教会

中ノ浦教会内

中ノ浦教会内

見過ごしてしまいそうだった「若松大浦教会」

桐教会を遠くに臨む

桐教会を遠くに臨む

桐教会

桐教会

桐教会の裏手の入り江

桐教会の裏手の入り江

福見教会を遠くに望む

福見教会を遠くに望む

福見教会

旧鯛ノ浦教会

旧鯛ノ浦教会

旧鯛ノ浦教会内

長崎市内にある「浦上天主堂」

浦上天主堂

長崎市内にある「信徒発見」の舞台である「大浦天主堂」

＊信徒発見とは、1865年に浦上村から決しの覚悟で当時の神父であるプティジャン神父に信仰を続けてきた事を打ち明けた。耳元で「ワタシノムネ、アナタノムネトオナジ」この250年間の時を経た歴史的瞬間である。

二十六聖人殉教地

日本とポルトガルの交流の歴史を残した「ルイス・フロイス」の碑