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 鎌倉市山ノ内と扇ガ谷3を結ぶのが亀ヶ谷坂切通である。長寿寺沿いに坂道を上り、六地蔵を過ぎると峠になり、この峠から左にカーブしているのがかつては馬が通った亀ヶ谷坂切通である。この亀ヶ谷坂切通は地元の人の話では、コートハウスの東側の谷戸(勝因寺跡)の東側のやぐらのある崖の下にある道(、現在は丸竹の藪になっている鎌倉市の所有地)を北上すると禅居院の裏山の尾根道に通じており、中腹に半円状の台地があり、それを迂回して北西に向かうと亀ヶ谷坂切通の峠へと通じているのだという。なるほど、これなら納得できる。なお、この半円状の台地は勝因寺の本堂跡ではないかともいう。また、峠から左にカーブしている先にはかつては家があり、大正天皇か皇太子だった頃にお出ましになり、その石碑もあるのだという。行幸碑が山中にあるというブログが写真付きで掲載されていて7年前頃にこの山中を探したことがあるが見付からなかった。その石碑であろう。<br /> 残念なことに10年前頃に半円状の台地に行く山道は崩れてしまい、峠にも尾根道にも上れなくなってしまったということだ。<br /> また、禅居院の裏山の尾根道には1mほど掘った堀割道(https://4travel.jp/travelogue/10616000)が残っているが、禅居院を過ぎた下り坂(、現在は階段になっている)辺りで堀割道が無くなるが、左折して谷を下っていたのだ。巨福呂坂切通と亀ヶ谷坂切通を結ぶバイパス道として尾根道は明治中期まで利用されていたが、その亀ヶ谷坂切通への下り口は峠よりは随分と東寄りにあったのだ。これは、現在の峠からの道路は延寿堂地蔵尊へと真っ直ぐに南下しているが、亀ヶ谷坂切通は峠から南東へと向かっていたことに因る。すなわち、巨福呂坂切通と亀ヶ谷坂切通を結ぶバイパス道は亀ヶ谷坂切通が終わり掛けるところで合流していたのだ。扇ガ谷方面は良いが、山ノ内方面ならもう一度上って峠を越えないとならないから不便だっただろう。おそらくは、山ノ内方面へ向かうには巨福呂坂切通を通ったということだろう。<br /> なお、延寿堂地蔵尊がある墓地は江戸時代からあるようで、扇ガ谷の岩船地蔵堂から延寿堂地蔵尊までは道が通じていたであろう。その先峠までの100m程度は山道で、道路面が今のように低かった訳ではなく、この墓地の面と同じ面に墓地の横を通って続いていたのではあるまいか?この山道は現在の道路よりも坂がきついところがあり、細かったはずだ。そのために馬では通れなかったのだろう。少なくても水戸黄門が鎌倉を漫遊した際には亀ヶ谷坂切通を通ったが、峠から南東へと下って霊梅社(天神さま)の前に出た。<br /> 道路がつけられた際には道幅が広げられ、坂を緩くするために掘削して坂道の斜度を平均化して今の道路になったのあろう。道路の勝縁寺ヶ谷側の崖には落石保護用の鉄の網(ネット)が峠下の石垣が切れる辺りから全面にあるが、途中に一か所、コートハウス入口にはつい最近の落石跡が見られる。多くの人(観光客)が通る道路で、中世からの切通の街道ではないのであるから一般道路になされるようなしっかりとした崖の落石防止工事が必要であるように思われる。<br />(表紙写真は亀ヶ谷坂切通の扇ガ谷側の入口)

鎌倉亀ヶ谷坂切通-2017年晩秋

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2017/11/24 - 2017/11/25

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ドクターキムル

ドクターキムルさん

 鎌倉市山ノ内と扇ガ谷3を結ぶのが亀ヶ谷坂切通である。長寿寺沿いに坂道を上り、六地蔵を過ぎると峠になり、この峠から左にカーブしているのがかつては馬が通った亀ヶ谷坂切通である。この亀ヶ谷坂切通は地元の人の話では、コートハウスの東側の谷戸(勝因寺跡)の東側のやぐらのある崖の下にある道(、現在は丸竹の藪になっている鎌倉市の所有地)を北上すると禅居院の裏山の尾根道に通じており、中腹に半円状の台地があり、それを迂回して北西に向かうと亀ヶ谷坂切通の峠へと通じているのだという。なるほど、これなら納得できる。なお、この半円状の台地は勝因寺の本堂跡ではないかともいう。また、峠から左にカーブしている先にはかつては家があり、大正天皇か皇太子だった頃にお出ましになり、その石碑もあるのだという。行幸碑が山中にあるというブログが写真付きで掲載されていて7年前頃にこの山中を探したことがあるが見付からなかった。その石碑であろう。
 残念なことに10年前頃に半円状の台地に行く山道は崩れてしまい、峠にも尾根道にも上れなくなってしまったということだ。
 また、禅居院の裏山の尾根道には1mほど掘った堀割道(https://4travel.jp/travelogue/10616000)が残っているが、禅居院を過ぎた下り坂(、現在は階段になっている)辺りで堀割道が無くなるが、左折して谷を下っていたのだ。巨福呂坂切通と亀ヶ谷坂切通を結ぶバイパス道として尾根道は明治中期まで利用されていたが、その亀ヶ谷坂切通への下り口は峠よりは随分と東寄りにあったのだ。これは、現在の峠からの道路は延寿堂地蔵尊へと真っ直ぐに南下しているが、亀ヶ谷坂切通は峠から南東へと向かっていたことに因る。すなわち、巨福呂坂切通と亀ヶ谷坂切通を結ぶバイパス道は亀ヶ谷坂切通が終わり掛けるところで合流していたのだ。扇ガ谷方面は良いが、山ノ内方面ならもう一度上って峠を越えないとならないから不便だっただろう。おそらくは、山ノ内方面へ向かうには巨福呂坂切通を通ったということだろう。
 なお、延寿堂地蔵尊がある墓地は江戸時代からあるようで、扇ガ谷の岩船地蔵堂から延寿堂地蔵尊までは道が通じていたであろう。その先峠までの100m程度は山道で、道路面が今のように低かった訳ではなく、この墓地の面と同じ面に墓地の横を通って続いていたのではあるまいか?この山道は現在の道路よりも坂がきついところがあり、細かったはずだ。そのために馬では通れなかったのだろう。少なくても水戸黄門が鎌倉を漫遊した際には亀ヶ谷坂切通を通ったが、峠から南東へと下って霊梅社(天神さま)の前に出た。
 道路がつけられた際には道幅が広げられ、坂を緩くするために掘削して坂道の斜度を平均化して今の道路になったのあろう。道路の勝縁寺ヶ谷側の崖には落石保護用の鉄の網(ネット)が峠下の石垣が切れる辺りから全面にあるが、途中に一か所、コートハウス入口にはつい最近の落石跡が見られる。多くの人(観光客)が通る道路で、中世からの切通の街道ではないのであるから一般道路になされるようなしっかりとした崖の落石防止工事が必要であるように思われる。
(表紙写真は亀ヶ谷坂切通の扇ガ谷側の入口)

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  • 扇ガ谷のやぐらの前の紅葉。扇ガ谷はやぐら発祥の地(相馬の家祖である相馬師常墓やぐらが始まり)で大型のやぐらが多くある。

    扇ガ谷のやぐらの前の紅葉。扇ガ谷はやぐら発祥の地(相馬の家祖である相馬師常墓やぐらが始まり)で大型のやぐらが多くある。

  • 霊梅社(天神さま)跡。

    霊梅社(天神さま)跡。

  • コートハウス裏奥の畑入口。亀ヶ谷坂切通の麓にある。

    コートハウス裏奥の畑入口。亀ヶ谷坂切通の麓にある。

  • コートハウス裏奥の畑。中央上辺りが峠か。

    コートハウス裏奥の畑。中央上辺りが峠か。

  • コートハウス裏奥の畑。

    コートハウス裏奥の畑。

  • 谷戸の一番奥の民家横から右折する道路。

    谷戸の一番奥の民家横から右折する道路。

  • 亀ヶ谷坂切通の扇ガ谷側の入口。舗装道路が切れると丸竹の藪でかつての街道跡だ。竹藪の脇の崖には3基のやぐらがある。中央のやぐらは中型だ。

    亀ヶ谷坂切通の扇ガ谷側の入口。舗装道路が切れると丸竹の藪でかつての街道跡だ。竹藪の脇の崖には3基のやぐらがある。中央のやぐらは中型だ。

  • 勝縁寺ヶ谷。この中腹に亀ヶ谷坂切通が通っていた。現在は崩れてしまい通れないという。

    勝縁寺ヶ谷。この中腹に亀ヶ谷坂切通が通っていた。現在は崩れてしまい通れないという。

  • 勝縁寺ヶ谷。奥の尾根を越えると禅居院を過ぎた辺りであろう。この尾根には掘割道が残っており、尾根道が巨福呂坂切通に下りる道もある。その尾根道は、青梅聖天社の裏山の尾根に至たる。また、尾根道の一段低い中腹には青梅聖天社下の庚申塚から円応寺門前に至る巨福呂坂切通が通っていた。現在では道路からでも円応寺の隣の巨福呂坂洞門寄りの山の中腹に巨福呂坂切通の掘削された崖が見られる。

    勝縁寺ヶ谷。奥の尾根を越えると禅居院を過ぎた辺りであろう。この尾根には掘割道が残っており、尾根道が巨福呂坂切通に下りる道もある。その尾根道は、青梅聖天社の裏山の尾根に至たる。また、尾根道の一段低い中腹には青梅聖天社下の庚申塚から円応寺門前に至る巨福呂坂切通が通っていた。現在では道路からでも円応寺の隣の巨福呂坂洞門寄りの山の中腹に巨福呂坂切通の掘削された崖が見られる。

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