2017/11/21 - 2017/11/21
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ウェンディさん
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木枯らしが吹き荒ぶ晩秋。
木々は葉を散らし、長い冬を乗り切るため樹皮を引き締め、冬支度を始めます。
野に生える草も、次世代への望みを託したその種子を地面に落とし、静かに枯れて地球へと還っていきます。
齢150年を迎える藤の貴婦人も、大きく張り巡らした枝をしならせ、これからやって来るであろう雪の重みに耐える準備を始めます。
そんな貴婦人が見る夢は、うららかな春の光景。
大きく伸ばされた彼女の腕からは薄紫色の藤の花が零れ落ち、紫のカーテンが揺れる幸せなひと時。
しかしそれは夢の中のお話で、冬に向かう今、彼女の手には花房は無く、伸ばした指先にあるものは虚空だけ。
でも、不思議なことが起きるのが、木々の世界。
150年を生きた藤の貴婦人は、人知では説明の出来ない力を秘めています。
夜の帳が降りてくる頃。
貴婦人が瞳を閉じると大地のパワーが彼女に宿り、張り巡らしたその腕に輝きが走り、その指先に一斉に光の花を咲かせます。
貴婦人の幹は闇の中に浮かび上がり、藤の花房も輝きを放ち、その姿はまるで数百万もの蝶が一斉に舞うかのよう。
あしかがフラワーパークの400万球の電球が彩る幻想世界を旅してきました。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
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この日、あしかがフラワーパークへと到着したのは16:30。
平日だから空いているはず・・・と思って来園日時を決めたのだが、私の予想は大外れで、西ゲート傍の駐車場は既に半分以上が埋まり、とても平日とは思えないような混雑状況だった。
まさかのこの大入り満員の状況を作り出したのはどうやら昨日のニュースの様で、来園者の話を小耳にはさんだところ、【夜景鑑定士が選ぶ2017年イルミネーション】の 第1位に選ばれたらしい。
でも、混雑と言ってもTDLの様な状況ではないので、イルミネーションを見る分には支障はない程度だった。
入場券800円(正規入場券は900円だが、インターネット経由でフラワーパークの会員になると100円割引券を入手できる)を支払い、園内へと入る。 -
あしかがフラワーパークの園内は22のエリアに分かれていて、それぞれのテーマを持つイルミネーションで彩られている。
主催者が来園者のターゲットとしているのは、乳幼児から大人までとその対象年齢は幅広く、全てのイルミネーションがオトナ向きではない。
子供向きの可愛らしい装飾も多く、アダルトなイルミネーションというよりは、家族連れを対象としている感じだ。
我が家にはかつては子供がいたが、今はもう奴はオトナの領域に片足を突っ込んでいるので、残念ながら子供対象のイルミを見てもあまり喜んではくれないので、今回のイルミの見学はアダルトな雰囲気の部分に絞り、園内を廻ることにした。
11月の下旬では花の園(フラワーパーク)と言えども、なかなか本物の花は咲いていなく、花壇の中で咲く花の姿はほんの少しだけで日中はかなり寂しい花園なのだが、夜になるとその景色は一変する。 -
イチオシ
本物の赤い薔薇の周りに植えられているのは、光り輝く薔薇の花。
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花壇に咲く光の花は白、黄色、ピンクとその色を変え、闇夜の庭を光の園へと変える。
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蔓薔薇のアーチの中に枝を広げているのは純白の樹で、その名も【恋人たちの聖地】。
樹の枝からぶら下がるティア・ドロップ型のクリスタルが揺れ、キラキラと輝いていた。
女の子たちは、輝くものには目ざとく、この木は写真撮影に大人気。
(この写真は人が少なくなった瞬間に奇跡的に撮れたもので、よく見ると中に一人だけ人がいるのが分かる)
確かに光を反射して揺れるクリスタルは可愛かったが、ちょっと女子受けを狙いすぎている感があるのは否めないかな。
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個人的にはSNS受けを狙ったイルミよりも自然の花とコラボした、こちらの装飾の方が好みかな。
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イチオシ
今の時期に咲く花と電飾を上手く組み合わせていると思う。
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このエリア【花のフラワーステージ】には写真撮影用の高台があって、その上から眺めるとこんな感じ。
遠目に見ると青色が基調となっていて、落ち着いたオトナの雰囲気を醸し出していた。 -
園内の奥へと足を向けると、奥は少しだけ丘陵地帯となっていて、ブロックごとにテーマが分かれていた。
この写真のテーマは【レインボー・マジック】だ。 -
丘陵地帯のテーマは4つあったのだが、私がいいなと思ったのは【銀河鉄道】。
すすき野原停留所を汽笛を鳴らしながら出発した銀河鉄道は、月に向けて走りだし、 -
どんどんとその高度を挙げて星空の世界を旅して行く・・・というストーリーを演出していた。
星座が夏の星座と冬の星座が同居しているのは、ご愛嬌だろう。 -
【スノーワールド】のイルミは、クリスマスの雰囲気だ。
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園内の花園には水中花も有り、水連の花が水面に顔を覗かしていた。
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このスイレンもその花の色が時間と共に変化し、水面に映るリフレインがカラフルに変わって綺麗だな…と思っていたのだが、リフレインに見えるこの鏡像の花は、よく見ると、水面に映る反射ではなかった。
リフレインっぽく見えるのだが、水の中を覗き込むと茎の両端に花が付けられているのが分かり、水の中の花部分は、花びらを下にした形でそのまま台座の役割を果たしているようだ。
水の中に設置することを前提に作られたイルミネーションのデザインで、目の錯覚を利用してリフレインの様に見せるとは、なかなか考えられている。 -
スイレン池には丘陵地帯の虹も写りこんで、コレは本物の見事なリフレイン。
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水を利用したイルミは他にも有り、こちらは【光のピラミッド】。
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この日は風もなかったので、静かな水面にシンメトリーな光景が作り出されていた。
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シンメトリーなのはピラミッドだけではなく、八重の大藤もその鏡像を水面に映し出していた。
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白藤のトンネルを潜り、この日の一番の目的である【奇跡の大藤】の元へと向かう。
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奇跡の大藤はもともと別の土地にあった大藤が土地開発のために1997年にこの地に移植されたもので、その樹齢は150歳とも言われている藤で、ゴールデンウィークの頃には1000平方mに及ぶその枝に藤房をたわわにつけることでその名を知られている。
勿論11月下旬の今は花の時期ではないのだが、本物の花の代わりに光の花房がその藤棚からは下がっていた。 -
光の花房をただの電飾と言ってしまえばそれまでなのだが、よく見ると一つ一つの電飾が蝶の形をした藤の花の形を模してあり、その花房が揺れる光景は、本物の藤と遜色はない。
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電飾の光量は時間と共に変化し、それはまるで藤の貴婦人が見せる幻想世界・・・。
まるで藤の花の貴婦人が作りだす夢の世界の様だった。
夜、人々が眠りにつく頃、貴婦人が立つ大地が輝きだし、青く輝く光が地面を覆い尽くす。あしかがフラワーパーク 公園・植物園
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貴婦人は大地が伝えるパワーを四方八方に巡らせたその腕へと伝達させ、眠れる花芽を呼び起こす。
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眠りから目覚めた花は、芽吹く喜びに満ち溢れ、花房の上から順に花開いていく。
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イチオシ
全ての花房が咲いた時、藤の貴婦人は歓喜にその幹を震わせ、彼女の世界は薄紫色に彩られる。
あしかがフラワーパーク 公園・植物園
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でも、夢はいつか、醒めてしまうもの。
貴婦人の指先から枝垂れるその花房はゆっくりとその輝きを失い、彼女は漆黒の闇の中、冬の眠りの中へと引き戻されていく。 -
私が、藤の花を演出するイルミネーションの光の動きをみて感じたのは、藤の貴婦人が見る夢の世界。
イルミネーションに解説がある訳ではないので、その意味の受け取り方は人それぞれ。
他の方は、どんなメッセージをこのイルミから受け取っているのだろうか。 -
園内には四季をあしらったトンネルも有り、この写真のトンネルは春。
春のトンネルをくぐり、この日の最後のイルミを見に行く。 -
最後のイルミは【フラワーキャッスル】。
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一面のお花畑の中に、ちいさな白いお城がある。
花畑の色は時間と共に変わり、城の背景には花柄の打ち上げ花火が次々と上がる。 -
お城は立体構造で、そのモチーフは花。
城の上には登ることもでき、フォトスポットにもなっていた。 -
お城の中はちょっとチャペル風かな。
だから、カップルには大人気の様だった。 -
イチオシ
あしかがフラワーパークでの滞在時間は、約1時間半。
この日はこの冬一番の冷え込みということで、外気温は5℃を切っていて、防寒対策をシッカリしていた私でも体の芯まで冷え切ってしまい、ここでイルミネーション観光はギブアップ。
これからの寒くなる時期に行かれる方は、防寒対策を十分に! -
旅行記の最後に、これから行かれる方向けに、あしかがフラワーパークのイルミネーション情報を少しだけのせておく。
2017年のイルミの見所は、今年新しくなった【奇跡の大藤】と【フラワーキャッスル】。
どんなに寒くてもこの2カ所は必見だろう。
イルミ期間の入場料は大人900円だが裏技があり、フラワーパークの会員登録をすれば、100円割引券を入手でき、スマホの画面を発券窓口で見せるだけで800円で入場できる。
足利は関東平野の一部だがその空気は刺すように鋭く、都心部と比べると体感気温は5℃位低い場合が多いので、防寒はしっかりと。
これからの時期、クリスマスを控えて女性はスカートでかわいく♪なんて考えるかもしれないが、あしかがフラワーパークのイルミにスカートは不向き。
女性でもパンツスタイルの方が賢明だと思う。
2016年・2017年と2年連続で夜景鑑定士が選ぶ☆2017年イルミネーション 第1位に選ばれた【あしかがフラワーパーク】。
これからクリスマスシーズンに向けて混むのは必須だろう。
イルミをゆっくり見たいのならば、12月に入る前、早めの時期がおすすめかな。
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この旅行記へのコメント (4)
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- たらよろさん 2017/11/25 12:58:38
- ふぅ~
- こんにちは、ウェンディさん
最後まで見せてもらったあと、
思わず、ふぅってため息が出ちゃうほどの美しさ☆
知らず知らずのうちに、息を詰めて見ていたんだなぁって。
さすが、2017年イルミ・ランキング 第1位に選ばれただけのことはあると納得。
22ものエリアに分かれているのも素晴らしい。
広くて飽きずに見応えありそう♪
藤の花にスポットを当てたイルミも珍しいですねー
関東圏に住んでいたら、是非是非行ってみたいなぁと思いました。
いや、関東圏に旅に行ったら行ってみたいです。
たらよろ
- ウェンディさん からの返信 2017/11/25 18:49:52
- RE: ふぅ?
- たらよろさん こんばんは。
あしかがフラワーパーク、2016年の日本一のイルミネーションの栄冠を手にしたのは知っていたのですが2017年も再びその王冠を手に入れたとは、やはりすごいですよね。
日本全国に様々なイルミの有名どころがある中で、スタッフの方々がとても頑張っているのだと思います。
ここがイルミ日本一位となった理由は、22もの手の込んだイルミネーションがあり、そのバリエーションが小さな子供からシックなイルミを好む大人までの広範囲をターゲットとしているからではないかと推測しています。
オトナを対象としてしまうと美しさだけに特化してしまいがちですが、子どもでも理解できる単純でかつ動きのあるイルミネーションが評価されたのだと思います。
そして、天然の藤の木を利用したイルミネーションというのも画期的ですね。
春にしか咲かない藤の木。
その藤に電飾で花をつけ、その花の命のはかなさを表現したイルミネーション。
物語性のある美しい藤の舞に身体が冷えるのも忘れて魅了されてしまいました。
あしかがフラワーパークのイルミは2月まで行われていて、1月からはクリスマス風の雰囲気からボタンをあしらった和風なイルミに変わるようです。
クリスマス前は激混みとなるそうですが、年が明けると多少空くのではないのかな。
栃木の真冬には氷瀑もあり、寒さは厳しい時期ですが、心も体も温める温泉と絡めての旅もお勧めですよ。
ウェンディ
-
- らびたんさん 2017/11/22 06:36:55
- 5度!
- ウェンディさん、おはようございます(^^)
あしかが行かれましたね。
月曜日でも混んでましたか。
今週は一気に冷え込みましたね。
会員登録すると入場料800円になること、
気づきませんでした。さすがですね!
次行くときはチェックします_φ(・_・
鉄道のツッコミどころ、ほんとその通りですよ。
この時期にサソリやハクチョウかい!と私も思わず口元が緩んでしまいました。
双子はいいのですがね…子どもウケ狙いのエリアで双子座ってチョイスがイマイチのような。
同じダブル一等星ならオリオンにしたほうが…ああそうするとサソリと並んでしまう!なんて妄想しました。
フラワーパークだけをやっていると、
冬はどうしても寂しくなりますし、
イルミネーションで集客するってよいアイディアですよね。
ここは丘になっている地形をうまく利用できているし、
都心からアクセスもまあまあ(?移動を苦にしない我々だけでしょうか)なので、
今後も遊びにいくこと確実です。
今年ももう年末が近づいてきましたね。
お体に気をつけてよいお年をお迎えください( ´ ▽ ` )
らびたん
- ウェンディさん からの返信 2017/11/22 07:31:26
- RE: 5度!
- らびたんさん おはようございます。
らびたんさんのフラワーパーク旅行記が素敵だったので私も平日に・・・と思い出かけましたが、間が悪いことにその予定していた日が2017年のイルミネーション日本一の発表の翌日となってしまい、平日なのに…大入り満員のフラワーパークとなりました。
銀河鉄道のイルミは単純な演出ですが、野原を出発した列車が宇宙へと登っていく様子が良く表れていましたよね。
蠍と白鳥とふたご座、あの子たちが地球から一緒に見えるとしたら、完全に宇宙の構成が変わってしまいます。
でも、あそこまでやるならば、蠍座、射手座、オリオン座の3つを揃えて三つ巴の三すくみの関係でも作ってくれたら、星好きな人は「企画者はやるな…」とニヤリとしてくれるかもしれません。
蠍と列車のコラボのイルミを眺めながら私が思いだしたのは、宮澤賢治さんの本の挿入童話「蠍の火」です。
もしイルミをデザインした人がそこまで考えて作ったのならば、きっとその方もかなりの星好きな方なんかもしれません。
こんな風に横道に逸れて楽しむイルミ鑑賞も面白いですね。
年末は高い山に修行に行ってきます。
どんな光景が目の前に広がるのか、今から楽しみなんです♪
寒くなってきたので、らびたんさんも躰に気を付けてくださいね。
お母さんが元気なのが、一番大事ですから。
ウェンディ
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