2017乗熱大陸！韓国中国香港を鉄道で巡る旅！vol.9（京九線寝台特急「直達特快Ｚ１８１次」に乗る広東省深セン市編！）

2017/08/11 - 2017/08/15

中国と香港を結ぶ高速鉄道の建設が延期を繰り返し、どうやら２０１８年開業のよう。となれば中国の車両が香港に乗り入れるのも最後となるでしょうから、今年のお盆休みは香港に行こうと（実は去年から）考えていました。香港には福岡からＬＣＣが飛んでいるのですが、往路が極めて高い。となれば鹿児島出発は見なかったことにして、安上がりルートを考えたときに韓国中国経由を思いつきました。肝心の香港は実働７時間半です。中国の予約サイトc-tripで寝台が予約ができたのも、このわけのわからない旅程を組んだきっかけとりなりました。「サマーバーゲンきっぷ」を使いたいがために（福岡空港８：５０に間に合わせるのも少し怖かったため）ゼロ泊して毎晩夜行列車で０泊５日一本勝負！長江沿いの九江から寝台特急で１３時間、一気に香港の入口の深セン（土へんに川）を目指し、香港に入国します。

きっぷ：サマーバーゲンきっぷ＆ＬＣＣ＆普通乗車券
旅程概要
08.11：川尻～熊本～博多
08.12：博多～箱崎～貝塚～福岡空港～大邱空港～峨洋橋～東大邱～天安～ソウル首都圏～益山～
08.13：益山～水原～仁川～ソウル首都圏～仁川空港～青島空港～青島～
08.14：麻城～九江～
08.15：深セン（土へんに川）～香港～福岡空港～博多～熊本～川尻

エリア 深セン(中国)

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 5万円 - 10万円
• 交通手段: 鉄道 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

2017.08.14　九江
ビールの缶に穴が開いて応急処置（ほぼ一気飲み）の後、無事に九江駅に到着。

九江駅 駅

2017.08.14　九江
広告が腹立たしい…（笑）。すぐ穴開きますよ！

2017.08.14　九江
行くぜ、改札。まずはＸ線検査を通らなければならないのだ。調達したのはＺ＝直達特快の３段寝台上段。“めっちゃ速いやつ”のはず…

2017.08.14　九江
待合室はここのようだ。

2017.08.14　九江
ところで、この車両は臨河という聞きなれないところからやってくる。そして、何番線に着くかわからない。

2017.09.04　自宅
この列車も約３６時間で３２５５キロを走りぬく長距離列車だったのだ！パオトウ、フフホト…内蒙古からやってくる列車なのであった。

2017.08.14　九江
３時のおやつは（車内でも食べるが…）龍眼とひまわりの種だ。私の旅行記でおなじみであるが、この龍眼は見切り品で半額。ウォルマートではオレンジ色のシールだった。定価１斤（５００グラム）９．８元、４００グラムくらいなので半額で４元（約６４円）ほど。これはいい買い物だった。

2017.08.14　九江
身はこのようにライチを小さくしたもので味も似ている。皮をむいて食べて、中の種を袋の中に吐き捨てる。数えてみたら４８粒あった。ロンガンなのでＬＮＧ４８かと思ったが、ＬＮＧは液化天然ガスの略だ。

2017.08.14　九江
食後のコーヒータイム。タンブラー大活躍。水分ばかりなのでだいぶ腹いっぱい…

2017.08.14　九江
何番線かも無事決まり、いよいよ“開始検票”を待つ。

2017.08.14　九江
４番線だ！入線を撮りたいので急いで行くが…

2017.08.14　九江
列車はすでに入線していた。

2017.08.14　九江
私が乗るのはこの車両。Ｙ＝硬、Ｗ＝臥（硬い３段寝台）、１６０キロ対応の２５Ｔ型だ。

2017.08.14　九江
サボもにぎやかだ。

2017.08.14　深セン東ゆき直達特快Ｚ１８１次車内
おぉ、車内にコンセントが…早速充電！

2017.08.14　深セン東ゆき直達特快Ｚ１８１次車内
３段寝台の上段は窓無なのだ。

2017.08.14　深セン東ゆき直達特快Ｚ１８１次車内
寝台券は列車係の人に預け、代わりに引換証をもらう。大陸のど真ん中で、情熱大陸。

2017.08.14　深セン東ゆき直達特快Ｚ１８１次車内
相変わらず水滴がジャマになる天候だ。

2017.08.14　深セン東ゆき直達特快Ｚ１８１次車内
１００円でない古本。

2017.08.14　深セン東ゆき直達特快Ｚ１８１次車内
相変わらず大陸らしい風景が広がっている。

2017.08.14　深セン東ゆき直達特快Ｚ１８１次車内
たぶん最新型で、ベッドと通路の間が壁になっており、壁に梯子（というか足置き）が埋め込まれている。

2017.08.14　深セン東ゆき直達特快Ｚ１８１次車内
高速列車が走る路線が平行する。

2017.08.14　深セン東ゆき直達特快Ｚ１８１次車内
在来線最強の“直達”のはずだが、不思議と抜いて行きやがる列車が…まぁ、赤い機関車だから向こうも特快か直達だ。

2017.08.14　深セン東ゆき直達特快Ｚ１８１次車内
少しだけ青空が広がった。

2017.08.14　深セン東ゆき直達特快Ｚ１８１次車内
大陸らしいのどかな風景が広がる。

2017.08.14　深セン東ゆき直達特快Ｚ１８１次車内
大きな都市が現れる。沿線の主要都市である南昌は西側をバイパスして直達らしく通過する。

2017.08.14　深セン東ゆき直達特快Ｚ１８１次車内
なかなか大きな川だった。

2017.08.14　深セン東ゆき直達特快Ｚ１８１次車内
遠くに都市を見ながら…

2017.08.14　深セン東ゆき直達特快Ｚ１８１次車内
高速列車網が想像を絶するペースで大陸中に張り巡らされている。

2017.08.14　深セン東ゆき直達特快Ｚ１８１次車内
向塘に停車。直達なのだが、暗くなるまでずっと止まっていた。

2017.08.14　深セン東ゆき直達特快Ｚ１８１次車内
ここで酒なしの“宴”（泣）。青島ビールは缶に穴が開いたためロング缶を路上で飲み干さざるえなかった。総額２３元（４００円弱）にも及ぶ、高級中華料理の定番北京ダックだ。

2017.08.14　深セン東ゆき直達特快Ｚ１８１次車内
寝台の上段で体を曲げながら食べる。身まで…というかぶつ切りで食べるのが本場流。

2017.08.14　深セン東ゆき直達特快Ｚ１８１次車内
このように餅状の皮に適量盛って味噌をつけて食べる。一生分の北京ダックを食べたかもしれない。

2017.08.14　深セン東ゆき直達特快Ｚ１８１次車内
ところで、寝台の幅は文庫本３冊ちょっとだ。

2017.08.14　深セン東ゆき直達特快Ｚ１８１次車内
あり金全て。１元札以上は毛沢東だが、１枚もない。地下鉄の自動券売機対策で１元硬貨を集めておいた。総額７元（約１１５円）程度しかない。

2017.08.14　深セン東ゆき直達特快Ｚ１８１次車内
吉安駅を発車。もう寝る。

2017.08.15　深セン東ゆき直達特快Ｚ１８１次車内
未明の寝台の様子。

2017.08.15　深セン東ゆき直達特快Ｚ１８１次車内
たぶん４～５元（６０～８０円）程度のカップラーメンだが、小ぶりな味玉が丸ごと入って２．８元（約４５円）は安かった。腹いっぱいで食べなかったので家に帰って食べたが、おそろしく辛く、汁だけ再利用してもやしとしめじを煮た。

2017.08.15　深セン東ゆき直達特快Ｚ１８１次車内
向塘に派手に止まった割には１０分早着。

2017.08.15　深セン東
はるか内蒙古の臨河という町からやってきた列車であった。

2017.08.15　深セン東
フフホト管理局の包頭客車区といったところか。

2017.08.15　深セン東
私が乗っていた寝台。

2017.08.15　深セン東
朝５時の終着駅。客車の風格十分！

2017.08.15　深セン東
８年前に深センから列車に乗ったことがあるので、今回は東駅到着とした。

2017.08.15　深セン東
改札へ向かう。地下鉄を乗り継げば香港との国境だ。

2017.08.15　深セン東
国境の町とはいえ、駅の作りは中国。

2017.08.15　深セン東
駅前に地下鉄の布吉駅がある。

布吉駅 駅

2017.08.15　深セン東
空が明るくなってきた。うれしいことに南部は晴れのようだ。

2017.08.15　深セン東
香港と近いからか、二階建てバスが活躍している。

2017.08.15　深セン東
すっかり明るくなった。朝食を食べたいところだか…

2017.08.15　深セン東
おぉ、潤餅の屋台だ。ためしに値段聞くと５元（約８０円）とのこと。香港よりは絶対に安いだろうと思ったのだが…

所持金７元－地下鉄４元＝朝食に使えるお金３元（約５０円）

かっ、買えない…

2017.08.15　布吉
明かり区間を走るので地下鉄を撮影できる貴重な駅のようだ。

布吉駅 駅

2017.08.15　布吉
行くぜ、国境。きっぷはトークンだ。

2017.08.15　布吉
逆光で見えなかったのでトークン拡大。

2017.08.15　布吉
朝日を浴びて列車がやってきた。３号線に乗る。

2017.08.15　益田ゆき普通列車車内
３号線の終点は益田という地名らしい。中国の他の都市とは少し趣が異なる街並みだ。

2017.08.15　益田ゆき普通列車車内
とはいえ、このへん中国。

2017.08.15　老街
当駅から地下に潜り、１号線に乗り換える。

老街駅 駅

2017.08.15　羅湖ゆき普通列車車内
不燃化対策で座席は金属だ。

2017.08.15　羅湖ゆき普通列車車内
科学技術展の宣伝のような車内ラッピング編成だった。

2017.08.15　羅湖
ついに“中国辺検”の文字が！青島から約２５００キロ、寝台列車２本と鈍行列車１本を乗り継ぎ、２晩かけて走り抜いた。簡体中文の世界もここで終わりだ。行くぜ、香港。

羅湖駅 (深セン市) 駅

この旅行記へのコメント （6）

• Akrさん 2017/09/14 21:58:08

  日本では絶滅したと思われる寝台客車ですね。

  とのっちさま
  
  こんばんは。Akrでございます。
  
  いいですね。寝台列車。
  もう日本じゃ客車自体が絶滅危惧種に指定されていますね。それに、寝台「客車」なんていまや、超高額課金しないと乗れない存在になりましたね。
  開放式３段寝台。通路側の折りたたみ椅子といい、日本の寝台列車と雰囲気が似ていますね。客車もどこか20系を彷彿させる素敵なデザイン。
  
  それにしてもどうして缶ビールの底に穴が空くのでしょうか？(笑)
  チャイナクオリティなのかしら…
  
  ああ、庶民はパスポートで国外脱出しないともう寝台列車には乗れないんですね。
  死ぬ前に１度は乗りたい…
  
  　-Akr-

  とのっちさん からの返信 2017/09/14 22:36:21

  RE: 日本では絶滅したと思われる寝台客車ですね。

  Ａｋｒさま
  
  こんばんは。やっとこさ中国脱出です。
  
  最近超高額課金が日曜午後に我が家のすぐ近くを走るようになり、時間を工面できた先週日曜眺めに行ってきましたが、やはり乗る気がおきません。開放３段寝台のように人民を詰め込める列車が中国では縦横無尽に走っております。２晩で累計２５００キロ、３列車乗り継いで予約決済手数料まで含めて１万円ほどでした。さすがに鈍行のきっぷは現地調達です。お茶飲んで、ひまわりの種食って、景色見て…久しぶりクルージング気分を楽しむことができました。ビール缶の穴はいまだに許せません。
  
  ハイコストキャリアーで東京１泊２日するより、佐賀から上海に飛んで寝台乗った方がたぶん安いので（笑）、あんなに簡単にきっぷが帰るのならクセになっちゃうな〜と困ってしまいます。海外に目が向くのは国内に魅力が少なくなったからであり、寂しい気持ちです。
  
  とのっち

• オーヤシクタンさん 2017/09/10 21:47:13

  特快。

  とのっち様、こんばんは。
  オーヤシクタンでございます。
  
  特快と聞くと、我々関東人民は中央線特快を想像するのですが、そこは中華人民共和国‥
  在来線の特急列車ですね。
  私が以前、シンセン→上海で乗った列車も特快でした。
  中国の在来線も線路改良が進み、思ったより静かな乗り心地だったのを記憶しています。
  
  スーパーのお総菜で北京ダックとは‥
  なんて、豪華なんでしょう。
  3段式寝台だと、体を曲げないとたべられませんよね。
  
  シンセンには夜明け前に到着。
  とても、その日のうちに帰国するようにはみえませんが、飛行機乗るまで取材に励んだ事と思います。
  次は、塩分も少し摂取するのでしょうか？
  楽しみにしています。
  
  オーヤシクタン。

  とのっちさん からの返信 2017/09/11 22:11:58

  RE: 特快。

  オーヤシクタンさま
  
  こんばんは。中国の鉄道の感覚を思い出していただけましたでしょうか。
  
  中国も列車種別のインフレが進み、特快の価値が低下しておりますが、我が国と違って様々な所得層に対応できるように運賃水準を低く抑えてくれています。だからあんだけ人民で混んでいるんですが…
  
  前の日の弁当とあまり変わらない値段で買えたので、思い切って北京ダック買っちゃいました（笑）。“フォートラ映え”するかなと思ったのもあります。ただ、中国の経済は発展しており、ビッグマックが２０元くらいするらしいです。冷房つきのこぎれいなレストランなら２０元で何も食べられないかもしれません。
  
  飛行機の出発は１５時５０分。空港に１４時に着いておくことを考えると７時間１本勝負です。香港といえば乗りもの天国。観光客に紛れてベタなアレやアレに乗ったのがvol.10、香港に行った目的はvol.11で完結です。
  
  とのっち

• BTSさん 2017/09/10 09:32:16

  直達特快、いかにも早そうな…

  
  とのっちさまへ
  
  おはようございます。
  
  中国語を見る限り、いかにも早そうな「直達特快」、日本で言えば京急の「快速特急」でしょうか〜とのっちさんが乗った列車は内蒙古から来ているんですね。相当な距離を走っていることでしょう。
  
  でも、ふたを開けて見ると向塘駅で長時間停車、暗くなるまで停車していたと書いてありますが時間にするとどのくらい停車したのでしょうか〜
  
  とのっちさんが乗られた車両は新しいですね。ただ、3段式の最上段なので小窓が付いていないのが残念ですね。
  
  北京ダック美味しそうですね〜思わず唾を呑み込みました。
  皮パリパリで中はジューシでしょうか〜包む皮やタレまで付いて400円は安いですね。
  オジサンも食べてみたいです。
  
  シンセン市は経済特区に指定されているので、建物を見る限りでは中国のイメージをさせるような感じではありませんね。（別世界ですね）
  
  「中国辺検」、いよいよ香港へ出国でしょうか〜所持金3元とは…心細いのではないでしょうか？続きを楽しみにしています。
  
  BTS

  とのっちさん からの返信 2017/09/10 13:52:19

  RE: 直達特快、いかにも早そうな…

  ＢＴＳさま
  
  こんにちは。先ほどうちの近くの例の踏切を下り「ななつ星」が通過しました。貨物列車の５分続行です。あと１時間後に上りが通過しますので行こうと思います。
  
  Ｄ動車組、Ｃ城際特快が最も速く（高速鉄道用の車両）、次いでＺ直達、Ｔ特快、Ｋ快速、数字のみの普快と続きます。ＺとＴは１６０キロ対応の機関車と客車で組んであるようです。
  
  ９年前初めて乗ったのは「直達」でした。上海から北京までノンストップで１１時間ほど、５〜６分おきに数本が続行する凄まじい輸送力で、当時は「直達は高いので当日でも買えるだろう」という気持ちでした。「特快」も速いのですが、蘇州かどこかで３０分くらい止まって、Ｅ２系のような高速列車に５〜６本まとめてぶち抜かれました。無理して２晩夜行にするための運転停車でしょうか？向塘には３０分以上止まっていたような気がします。中国の鉄道は在来線も確実に高速化しています。
  
  三段寝台は安くて快適です。窓がなくても通路の椅子に座って（日本のＢ寝台のようなつくりです）窓の外を眺めることができます。写真を見て、もう少しおいしそうに撮れないものかと頭を抱えました。スーパーで買った代物なのでパリパリジューシーか甚だ疑わしいのですが、少ない予算で何とか買えました。冷房の効いた中流くらいのお店なら、同じ値段では安めのものしか食べられないかもしれません。スーパーは偉大です。
  
  深センは大陸と香港を折衷しているような町です。あまり検査で並ぶこともなく、渡り廊下を歩いて気付いたら香港でした（笑）。あと２作です。次のvol.10は「いかにも香港！」な内容で、vol.11は“撮り鉄”になります。
  
  とのっち