2017/01/01 - 2017/01/01
860位(同エリア11763件中)
キートンさん
アンコール遺跡群がメインの今回の旅。
中国東方航空を利用したことで組み込んだ上海と蘇州観光。
蘇州で新年を迎えて、元旦の今日は上海に戻り昼過ぎまで観光、夕方にはいよいよカンボジアのシェムリアップに向けて飛び立ちます。
では上海で何をしようか・・・
故宮博物館、南京博物館と並ぶ中国三大博物館のひとつ、所蔵品数12万点を誇る中国屈指の博物館、「上海博物館」。
そんなビッグな博物館がなんと入場無料!
こりゃ、行かなきゃ損でしょ。
- 旅行の満足度
- 3.5
- 観光
- 3.5
- グルメ
- 3.0
- 交通
- 3.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- 鉄道
- 航空会社
- 中国東方航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
元旦の朝、蘇州は薄らと霧がかかっていた。
8:00前にホテルをチェックアウトして蘇州駅に向かった。 -
蘇州駅の南には外城河を挟んで「平門」がある。
河の中の駅側にデッキ状になっていて、どうも蘇州の外城河に囲まれた範囲の地図になっているように見える。 -
蘇州駅の2階から見た駅前広場。
だだっ広いとしか言いようがない。 -
9:13発の新幹線で上海駅へ向かう。
ただ今、277km/h、外の気温が12℃と表示している。 -
席は車両の一番前で窓側だった。
通路側の男性客が透明の水筒に何かの植物を漬けた謎の飲み物を窓のところに置いていた。
別に迷惑なことではないが、妙に気になる。 -
9:40頃、上海駅に着いてこれから地下鉄1号線で人民広場駅へと向かう。
-
人民広場駅から徒歩約10分、「上海博物館」に到着。
入場口は長蛇の列になってるかもと思っていたが、幸い列と言うほどは並んでいなかった。 -
上海博物館前に並ぶ珍獣たち。
入場するのに手荷物検査があるので5分程度並んだ。 -
上海博物館の展示室は次のようになっている。
1階:中国古代青銅館、中国古代彫刻館
2階:中国古代陶磁器館、第二特別企画展会場
3階:中国歴代絵画館、中国歴代印章館、中国歴代書蹟館
4階:中国少数民族工芸館、中国古代玉器館、中国明朝家具館、中国歴代貨幣館
それぞれの展示室から1~3点ピックアップしてご紹介。
では、1階の中国古代彫刻館から攻めていきましょうか。 -
中国古代彫刻館には、戦国時代(前403~221)から明時代(1368~1644)までの彫刻で仏教に関するものが多く展示されている。
その中から1点。
「千佛石碑」
西暦557~581年。
南北朝時代の北周という国のもの。 -
イチオシ
7~8cm角の枠に彫られた像が並ぶ様は壮観である。
-
1階の中国古代青銅館には、紀元前2000年前後から紀元前5世紀の春秋・戦国時代までの青銅器が展示されている。
その中から2点。
「子仲姜盤」
紀元前770~前7世紀上半期の春秋早期の水器。
「水器」とは手を清める時に水を受ける盤だという。
盤の中に魚や水鳥がいるのがユニークだ。 -
「犠尊」
紀元前6世紀上半期~前476年の春秋晩期の酒器。
牛?の形をした中型盛酒器。 -
2階の中国古代陶磁器館には、新石器時代から清朝(1616~1912)の陶磁器が展示されている。
その中から2点。
「景徳鎮窯粉彩楼空旋釣瓶」
西暦1736~1795年の清の時代の瓶。
龍の部分が立体的で美しい瓶だが、瓶として用をなしたか不明。 -
「白釉楼雕殿宇人物枕」
西暦907~1127年、五代~北宋時代の枕。
枕が陶磁器だというのがユニークだが、支える部分が家屋をかたどっているのも面白い。
枕を高くして寝れる時に使用したのだろうか。 -
陶磁器を作成する村のジオラマ。
-
陶磁器を焼く窯の模型。
西暦960~1127年の北宋時代の窯で、焼成温度は1300℃にも達したという。 -
3階の中国歴代絵画館には、唐時代(618~907)から清朝までの絵画が展示されている。
「絵画」と言っても額縁に入ったものではなく、掛け軸が多い。
その中から1点。
「清 沈銓 封候萌伯図軸」
清の時代の画家、沈銓(1682~1759年)の作品。
沈銓は江戸中期の日本の画家にも大きな影響を与えたという。
父猿がハチの巣をつついて取ろうとしているのを母猿と子猿が見守っているように見える。 -
3階の中国歴代印章館には、西周(前1046~770)から清末までの印章が展示されている。
その中から2点。
「提督広東水師悦兵官印」
西暦1811年のもの。
印の下に鏡が設置してあり、押印した時の文字がわかるようにしてある。 -
透明の印章は珍しい。
-
4階の中国歴代貨幣館では、中国貨幣の変遷をたどることができる。
その中から2点。
「天策府宝」
五代十国時代の楚(907~951)の国の貨幣。 -
「北洋天津銀号一百元」
清の時代の100元紙幣。
「百元」というわりには、なぜか「100ドル」との表示がある。
イギリス・アメリカ租界が関係しているのだろうか。
この紙幣の表示からすると、当時は1元=1ドルだったのかもしれない。 -
4階の中国少数民族工芸館には、多民族国家である中国の多岐多彩な各民族の伝統工芸の品々が展示されている。
「中華人民共和国民族分布図」
56の民族の分布を示している。
民族の分布とはおよそ関係なさそうな右下の別図に、南シナ海について中国の主張が見えてくる。 -
「蒙古族嬢銀飾嵌珊瑚珠斗面」(上)
20世紀上期の内モンゴル自治区の装飾品。
「蒙古族銅象棋」
清代のチェス。 -
民族衣装の数々。
-
「木彫り色絵漁船」
台湾と福建省に分布する高山族のもの。 -
「蔵族面具」
「蔵族」とはチベット族のこと。 -
4階の中国古代玉器館には、紅山・良渚文化期から明、清時代の玉器が展示されている。
その中から2点。
「幎目綴玉」
西周晩期(紀元前9世紀~前771年)のもの。
葬儀の時に人の顔に見える並べ方で衣装に縫い付けられたようだ。 -
「戈」(ほこ)
商代晩期(紀元前13世紀~11世紀)のもの。
長柄の先端に取付けて使用する武器のようだ。 -
4階の中国明清家具館には、明、清時代の古典家具が展示されている。
その中から2点。 -
「紫壇木雕云犮紋崁玉石座屏風」
清代中期の豪華な屏風と机。
両側の鶴がロウソク台をくわえているのがユニーク。 -
「剔紅花奔紋方桌、凳」
西暦1644~1911年、清代のテーブルと椅子。
実に細かい彫刻は凄いというほかないが、管理が大変そうで実用性には疑問である。 -
4階から見下ろした、上海博物館の中央吹抜け。
10:30頃に入場して13:00頃見学終えた。
さらっと流して見ても、ひと通り見学しようと思えば2時間はみておいた方が良いだろう。
出る時に気付いたのだが、1階に手荷物預り所があるようだったので、預ければ良かった。
全荷物を背負っていたのでかなり肩が凝った。 -
13:00過ぎに北側から外に出ると、入場待ちの長蛇の列ができていた。
振り返れば良い時間帯に入場したようだ。 -
夕方のフライトを考慮すると人民広場駅を15:00に出れば余裕で間に合う。
残り2時間弱をどう過ごすか・・・
ちょうど良さそうな施設が近くにある。
人民広場駅の1番出口から一旦地下に入り2番出口に向かった。 -
2番出口はなんだかレトロな雰囲気が漂っていた。
-
そこは1930年代を再現した商店街のようだ。
しかし目的の施設の入場口は地下にはなかったので、地上に上がってみた。1930風情街 散歩・街歩き
-
そこに目指していた「上海都市計画展示館」(上海城市企画展示館)があった。
入場料は30元。 -
2階の展示。
上海には12の歴史文化風貌保護区があり、その区域内は建築物などに規制があるようだ。 -
南京西路と外灘の歴史文化風貌区のパネル。
全12の歴史文化風貌区のパネルが掲示されている。 -
上海を代表する庭園、「豫園」の模型。
1559年に着工された江南様式の名園で、上海屈指の観光スポット。 -
「上海音楽庁」とその周辺のジオラマ。
上海音楽庁(上海コンにサートホール)は1930年に南京大戯院としてオープンし、その後1950年に北京電影院と改名、さらに1959年に上海音楽庁となった。
上海クラシック音楽の殿堂としてその地位を維持している。 -
そのジオラマの一角。
-
2階から見た1階の黄浦江の展示。
-
3階には「上海都市計画展示館」の目玉ともいうべき、大都会上海の巨大ジオラマがある。
1/500スケールで600㎡(約20m×30m)、上海の約10km×15kmのエリアがミニチュア化されているのである。
これだけの規模のジオラマは他ではなかなか見られない。上海城市規劃展示館 博物館・美術館・ギャラリー
-
イチオシ
最も目立つのは陸家嘴の超高層ビル群。
この地区だけで高さ400mを越える建物が4つある。
高さランキングでは、
1位:上海中心(上海タワー)、632m(世界2位、中国1位)、2016年完成
2位:上海ワールド・フィナンシャル・センター、492m、2008年完成
3位:東方明珠塔、467.9m、1994年完成
4位:ジンマオタワー(金茂大厦)、420.5m、1998年完成 -
外灘(バンド)は歴史的な欧風建築のビルが建ち並ぶエリアだが、周りに近代的高層ビルに囲まれている様子がわかる。
左側に特徴的な東方明珠塔があるが、ライトアップが弱くて意外と目立っていない。 -
北部から反時計回りに進んで行くと、まずは魯迅公園と上海虹口足球場が現れる。
魯迅は「阿Q正伝」などで知られる小説家、翻訳家で、40代後半からの生涯をこの地で暮らした。 -
上海駅と南へと延びる南北高架路。
-
上海西部に位置する中山公園駅付近。
最も高いビルは5つ星ホテル「ルネッサンス上海中山パークホテル」。 -
上海南西部に位置する徐家匯付近。
最も高いビルはまだ建設中のものだと思われる。
その次に高いツインのビルは、「グランドゲートウェイ上海」(2棟)262m。
それらの南にある教会は「聖イグナチオ大聖堂」。
1851年ここに、おそらく中国初となる西洋式の聖堂が建設された。
1904~1910年にかけて建て替えられ、当時は極東一のカトリック聖堂となった。
ゴシック様式で塔の高さは56m、1920年以前は上海で最も高い建築物であったという。 -
上海中心部に位置する人民広場付近。
最も高いのが「上海世茂国際広場」333.3m。
左の鉛筆形のビルが5つ星ホテル「JWマリオット上海」。 -
上海南部に位置する上海万博跡地。
「上海国際博覧会」は、2010年5月1日~同年10月31日の期間開催され、参加国、国際機関は万博史上最多の246となった。 -
上海国際博覧会の中国館。
この建物はよく記憶に残っているが、思い出すのはどうしても岡本真夜のイメージ。
理由はあえて言うまでもないだろう。 -
イチオシ
大都会上海を二分する黄浦江。
上海の中心部に近いエリアの住居はマンションなどの集合住宅がほとんどのようだ。
今回上海やその近郊のマンションで気付いたことがある。
日本のマンションには必ずあるはずのベランダがほとんどのマンションにないのである。
洗濯ものを窓の外に窓と平行に干している場合もあるが、窓に対して直角方向に突き出して干しているのをよく見かける。
そういえば店舗などの看板も道路側にはみ出して設置されているのも見かける。
中国の土地の所有権は基本的に国にあって、国民は家を持っていても土地に関しては使用権しか与えられないという。
そのせいか越境に対してあまり気にしないのかもしれない。 -
上海西部に位置する「世紀公園」東側に珍しく戸建てらしき住宅地がある。
富裕層たちの高級住宅地なのかと想像される。
博物館などのジオラマに自分の家があったりしたら凄いことだろうな。
この規模の大阪のジオラマがあったとしたら我が家は入るのだろうか・・・ -
巨大ジオラマの上部の4階5階は吹き抜けとなっていて、より上空から上海市街地を俯瞰することができる。
-
上空から見た上海の中心部となる人民広場(左下)と南京東路(右やや上)。
上海博物館が下やや左に、その上やや中央寄りにここ上海都市計画展示館(四角い建物)が見える。 -
上空から見た陸家嘴(川の右側)と外灘(バンド)(川の左)。
-
上海都市計画展示館の最大の見どころは巨大ジオラマではあるが、上海の都市や交通等の発展の展示物を見ることができる。
解説は主に中国語と英語。 -
5階には古地図の展示。
「新絵上海城廂租界全図」1898年。
外灘(バンド)にイギリス・アメリカの共同租界が行われていた頃、その南側、豫園を含むエリアは楕円形の堀で囲まれた「上海城」と呼ばれる中国人居住区だったようだ。
その堀はすでになくなっているが、現在の道路の線形が当時の堀の面影を感じさせる。 -
「上海市市区図」1956年。
超高層ビルがなかった頃、黄浦江の南東側は道路も少なく未開発で田舎だったようだ。 -
5階には南方向の景色を見ながらお茶するスペースがある。
-
1948年、1979年、2015年の年代別、人民広場付近の航空写真。
1948年は競馬場だったようだ。
中国共産党によって賭博と競馬が禁止されると、半分が公園として整備され、パレードで使う広い道路と観客席が設けられたという。 -
1948年、1979年、2015年の年代別、陸家嘴付近の航空写真。
今や超高層ビルが林立する陸家嘴付近は、近年になって急速に発展したことがわかる。 -
「淞滬付近洋図」1932年。
淞滬鉄道は清朝時代に上海から呉淞鎮までを結んだ鉄道。
1877年に廃線になった呉淞鉄道を再建し、1898年に開通。
1988年に廃線となり、そこに高架鉄道が建設され、上海軌道交通3号線(地下鉄3号線)として2000年に営業開始された。 -
上海都市計画展示館の見学を終えたのは14:45頃。
約1時間10分ほどの見学時間だった。 -
昼食がまだだったので、上海都市計画展示館の近くの「順心・美食坊」というファーストフード店で済ますことにした。
焼きビーフン20元。
見た目より結構ボリュームがあった。 -
人民広場を少しぶらぶらしようとも思ったが、15:00を少し過ぎていたので地下鉄2号線で浦東国際空港に向かうことにした。
昨日の蘇州といい今日の上海といい、内容の濃い観光ができた。
混み具合が気になっていた年末年始なのでなおさら満足いく内容だった。
欲を言うと蘇州の留園に行けなかったことと、上海・蘇州独自のの食があまりできなかったことが残念だが、それは良しとしよう。 -
ちょこっと寄り道はここまで。
浦東国際空港18:40発シェムリアップ行き中国東方航空MU513便でこの旅メインの目的地へと向かう。
定刻なら22:00にシェムリアップ着なのだが、そこは中国の航空会社だけにここで遅延にあってしまった。
到着時刻が遅いだけに一番遅れて欲しくないフライトだったが、結局1時間30分の遅延となった。
はたしてこの先どんな旅となるのやら・・・
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