2017/01/04 - 2017/01/04
368位(同エリア8871件中)
キートンさん
年末年始を利用してやって来たシェムリアップ。
今日3日目は早くも観光最終日。
今日はツアーに頼らずレンタサイクルを駆使して自力で観光する計画です。
小回りコースのルートをレンタサイクルで巡った後、後編ではいよいよクメール建築の最高傑作「アンコール・ワット」を観光します。
そしてこの旅を締めくくるのは夕日の名所「プノン・バケン」。
アンコール遺跡群紀行の最終章です。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- ホテル
- 4.0
- 交通
- 3.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- 自転車 徒歩
- 航空会社
- 中国東方航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
12:40前、いよいよアンコール・ワットの観光開始。
外堀を渡る西参道の入口には、両側に七つ首のナーガと首のない謎の動物が門番のように立っている。 -
I氏の話ではプノン・バケンの遺跡に上れるのは300人の人数制限があり、良い場所で夕日を見るなら15:00くらいに山を上り始めるのが良いということだ。
ここからプノン・バケンの山の麓までは約1kmで、移動時間も考慮するとアンコール・ワットの見学時間は2時間ちょっとになる。 -
西参道は整った3本の塔がへ真っすぐに延びている。
この時間帯は入場する人と退場する人が入れ替わり立ち替わりといった状況だ。 -
「十字テラス」から見たアンコール・ワットの中心部は完璧なシンメトリーだ。
-
第一回廊の西面。
「アンコール・ワット」は12世紀初頭、スールヤヴァルマン二世により創建されたヒンズー教の寺院である。
「アンコール」はサンスクリット語で王都、「ワット」はクメール語で寺院を意味する。 -
アンコール・ワットのみどころのひとつは第一回廊の壮大なレリーフである。
1周700mを越える一大絵巻である。
西面南側から反時計回りに見て行こう。 -
西面南側は古代インドの大叙事詩「マハーバーラタ」のクライマックスが描かれている。
-
進軍していた兵士が激しく交戦する場面。
「マハーバーラタ」は、バーンダヴァ軍とカウラヴァ軍との王位をめぐる悲劇的な物語で、18日間の死闘はクリシュナ(ヴィヌシュ神の化身)の力を借りたカウラヴァ軍の勝利で幕を閉じる。 -
南面西側はスールヤヴァルマン二世軍隊の行進が描かれている。
-
南面東側は死後の世界を表した「天国と地獄」が三段分割で描かれている。
上段が極楽界、中段が裁定を待つ者の世界、下段が地獄界だという。 -
南面東側は天井に4列の花状紋が並んでいる。
-
東面南側は「乳海攪拌」が描かれている。
アンコール遺跡群のレリーフによく登場する「乳海攪拌」とは、ヒンズー教における天地創造神話である。
大マンダラ山の上で指揮を執るのはヴィシュヌ神である。 -
両側から神々と阿修羅(神に対する悪神)が大蛇(ヴァースチ)の胴体を綱として引き合う場面が50mにわたって描かれている。
-
東面北側は「ヴィシュヌ神と阿修羅の戦い」が描かれている。
-
北面東側は後世中国人によって描かれたという「クリシュナとバーナ(阿修羅)の戦い」。
クリシュナはガルーダにのって戦っている。 -
第一回廊の西面北側から見た西参道と聖池。
上空には雲が多くなってきた。 -
西面北側は古代インドの叙事詩「ラーマーヤナ」の場面が描かれている。
獅子を足蹴りにしたサル軍ニーラが悪魔軍プラハスタに噛みついている場面らしい。 -
ハヌマーン軍に対する20の腕と10の頭を持つ魔王ラーヴァナ。
-
西側の第一回廊と第二回廊の間には十字回廊があり、沐浴場と考えられる4つの聖なる池がある。
単に王の水浴びのためだけでなく、農業を支える治水技術を示す宗教施設だったといわれる。 -
北西側第二回廊から見た第三回廊と中央塔。
このあたりでお腹の具合が悪くなってきた。
おそらくココナツジュースを一気飲みした影響がここにきて出たようだ。
トイレは第一回廊南西角の外側まで行かなければならなかった。(「地球の歩き方」にも記載あり) -
15分ちょっとのトイレ休憩の後、すっきりしたところで見学再開できたのは13:40前。
南側から見学再開。 -
第二回廊南側から見た第一回廊と経蔵。
-
イチオシ
南西側第二回廊から見た第三回廊と中央祠堂。
第三回廊と第二回廊の高低差は約13mあるという。
中央祠堂は世界の中心山で神々がすむメール山(須弥山)の象徴である。
その周囲の回廊は雄大なヒマラヤ連峰を象徴しているという。 -
第三回廊へは東側の階段のみ上ることができるが、100名の入場制限がある。
よって混んでいる時は退出者の人数だけ入れ替わりで入場できるというシステム。
並んだ時には前に20人もいなかったので3分程度で上ることができた。 -
第三回廊は反時計回りに見学することになる。
柱の根本が洗掘されているのが気になる。 -
第三回廊内側には、4つの沐浴場がある。
-
イチオシ
第三回廊には、多くのデバター(女神)像が彫られている。
ただその多くは足が欠損している。 -
デバター(女神)像と連子状窓。
-
第三回廊内から見た西塔門と参道。
アンコール・バルーンも上がっている。
そのバルーンは上空に200m上るだけで移動はしないようである。 -
第三回廊から見た中央祠堂。
中央祠堂は高さは地上65mである。 -
中央祠堂の外壁にもデバター像のレリーフがある。
-
南西側第三回廊から見た第二回廊。
第一回廊越しに南側の聖池が見える。 -
中央祠堂に祀られた仏陀像。
中央祠堂はヒンズー教三大神のなかのヴィシュヌ神が降臨し、王と神が一体化する場と考えられる。
しかし後年仏教寺院に改修され、ヴィシュヌ神は仏像に置き換えられたという。 -
第三回廊と沐浴場。
たまにはモノクロで。 -
20分程度第三回廊を見学して、急な階段を下りて退出した。
-
第二回廊に彫られたデバター像と連子状窓。
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連子状窓の陰影。
-
十字回廊の南側の回廊には仏像が並ぶ。
-
その先の立仏像は装飾がきらびやかだった。
-
西側の第一回廊。
まだ14:30前だったのでもう少し見学する時間はあったが、風邪気味の影響もあるのかことのほか疲れていた。
少し早いがぼちぼち「プノン・バケン」に向かうように歩いた。 -
アンコール・ワットはその完成度と規模からアンコール遺跡群の中でも最も優れた遺跡であることは間違いないだろう。
ただ整備が行き届き整然としていることが、見ようによっては面白味にやや欠ける気もする。
感じ方は人それぞれではあるが、個人的にはバイヨンやタ・プロームやベン・メリアのように荒削りで意外性のある構造や荒廃した遺構に神秘さや面白味を感じる。 -
帰る時に気付いたが聖池の向こうに食物や土産の出店が並んでいた。
-
アンコール・ワットの西参道の入口からレンタサイクルでプノン・バケンの山麓に移動。
ミネラルウォーターを1本買って、15:00前にプノン・バケンへの坂道を上り始めた。 -
坂道を上り始めてしばらくするとちょっとした休憩場所があり、そこからちらっと遺跡が見えた。
「バクセイ・チャムクロン」。
10世紀初頭に創建されたヒンズー教の寺院である。 -
さらに上って行くと二つ目の休憩所から遠方に湖のようなものが見えた。
東西約8km、南北約2kmの大貯水池「西バライ」である。
11世紀末に造られたというから、その時代にどういう方法で造成したのかとても気になる。 -
15:20頃に遺跡の下に到着した。
「プノン・バケン」は丘上ピラミッド式のヒンズー教の寺院である。
ここまでは人数制限はないが、この先は300人までの人数制限がある。
今はまだ入場者は少なく余裕で入場できた。
遺跡の一部は工事中でクレーンが稼働している。 -
最上段の中央に主祠堂がある。
プノン・バケンは遺跡自体には特に見どころがあるわけではない。 -
遺跡からの景色が見どころと言ってよい。
アンコール・ワットが見えるが、中央祠堂までは2km近くの距離があり迫力には欠ける。 -
最上段には主祠堂を含めて5つの祠堂がある。
気になるのは上空に広がった雲だ。 -
15:40前には最上段の南西角に陣取った。
プノン・バケンは夕日観賞の名所として知られる。
ここは夕日観賞には特等席というべき場所だ。
日没までまだ2時間以上ある。
肝心の空模様は「暗雲垂れ込める」状況になっていくのか・・・ -
遠くに民家らしき家屋が見える。
遺跡から一定の範囲内には建築物に規制がかかるらしく近くには建築物は見当たらない。 -
17:00過ぎ、太陽は見えず雲の隙間から差す光の筋がわずかに見える。
雨は降らないまでも、夕日の期待はどんどん薄らいできた。 -
17:40頃、今日は完全にハズレらしい。
2時間前から場所を確保して待った結果がこれである。
労せずしてタイミング良くきれいな夕日が見れる時もあれば、どんなに待ってもダメなこともある。 -
あまりにも地味なので撮影モードを「夕焼け」で撮ってみた。
やはりダメな日はダメだ。 -
この旅を締めくくるシーンがこれじゃいささか残念だが17:45頃、このあたりで下山することにした。
-
それから10分くらい経っても遺跡の上では夕日観賞が続いていた。
-
18:10頃、自転車を置いている麓に到着。
I氏とともに宿へと帰ろうとしていたが・・・ -
しきりとトゥクトゥクに乗ってけとの勧誘が。
いくらか聞けば8ドルだという。
話にならないので4ドルでないと乗らないというと、5ドルと言ってきた。
宿まで4km弱なので空気の抜けた自転車でも帰れなくはないが、5ドルで手を打った。
自転車はどうするかというと、なるほどそう載せるのか。 -
復路のフライトはシェムリアップ22:00発だったはずだ。
I氏にシェムリアップの街中でカンボジア料理を食べないかと誘われたが、それほど時間に余裕はないので、例によってマントラ・レストランで簡単に夕食を済ませた。 -
3泊したマントラ・アンコール・ブティツク・ヴィラともこれでお別れ。
レンタサイクルはハズレだったが、トータルで考えるとリーズナブルでとても良い宿だった。
最後に空港までのトゥクトゥクを手配してもらった。 -
19:40頃、シェムリアップ国際空港に向けてマントラ・アンコール・ブティツク・ヴィラを後にした。
-
シェムリアップ国際空港のフライトの案内はわけのわからない表示をしていた。
Eチケットを確認してみると出発時刻は22:55だった。
何を勘違いしていたのか、その時刻なら街中に出てカンボジア料理を食べる時間もあったなと少し後悔した。 -
シェムリアップ国際空港の搭乗口付近は結構混雑していた。
意外にも中国東方航空MU514便は定刻で出発した。 -
翌朝4:00前頃、上海浦東国際空港に到着した。
関空行きMU515便は10:05発なので6時間以上の乗り継ぎ時間があった。
早朝の上海浦東国際空港の待合室は椅子に横になって寝ている人も多く、空いている椅子はほとんどなかった。 -
空港内のレストランで軽食を摂ったが、これで35元とやはり割高だった。
旅費は、カンボジアビザ取得費用や土産代を含めるとトータルで11万円程度になってしまったが、年末年始であったことを考慮すると安く抑えられた方だろう。 -
シェムリアップは3日間あれば十分かと思っていたが、
終ってみればまだ見たい遺跡や博物館が残ってしまった。
特にレリーフが美しいという「バンテアイ・スレイ」は行った人の評価も高く、見ておきたかった。
遺跡ごとに特色があって見あきることはなかく、せめてもう1日あればと思うしだいである。
アンコール王朝の遺跡群は遺跡の規模もさることながら、その数と分布の密度や広さに圧倒される。
「アジアの至宝」と呼ぶにふさわしい文化遺産であった。
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