和歌山市から南紀白浜への途中下車旅(一日目)~漆器の町、黒江から琴ノ浦温山荘園経由で、和歌山マリーナシティまで。最後は熊野古道のエリアもちらり確認して、予定通り海南市をほぼフルカバーです~
2017/01/07 - 2017/01/07
3位(同エリア79件中)
たびたびさん
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4日間の旅は和歌山市から始める予定でしたが、2日目が雨の予報を受けて、予定変更。雨の日は歩きにくいので、そこは都市部である、やっぱり和歌山市内。初日は二日目の予定だった海南市を繰り上げることにしました。
さて、海南市の黒江の町並みは、漆器を中心に隆盛を誇った街並み。紀州漆器というのだそうですが、今でも街中には大小の漆器店があって、気軽に立ち寄って拝見することが可能です。高級感ある根来塗なんかも紀州漆器には含まれるようですが、総じて言えば、輪島塗のような高度な技法にあまりとらわれず、汎用的なものが多いのが特徴なのだとか。そして、歴史は400年以上。なかなかのものでしょう。
その後は、琴ノ浦温山荘園からマリーナシティに、南部の熊野古道エリア。今回もたっぷり歩く、いつものパターンです。
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関西空港から和歌山市を過ぎて、黒江駅に到着。今日はいい天気のはずですから、気持ちに余裕がありますね。
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黒江駅から黒江の市街までは歩いて10分くらいです。まずは、中言神社へ。
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ちょっとごちゃごちゃした路地を入って行った先の丘の上です。
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イチオシ
見どころは、
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境内にあるこの「黒牛の水」。
古来、この付近は黒牛潟と呼ばれる風光明媚な場所。黒牛潟は万葉集にも詠まれており、この湧水も、そういう意味では黒江の街の歴史そのものを語る遺構。小さな小屋の中に、今でも大事に保存されていました。 -
黒江の街並みの入口に戻って、とこれは温故傳承館。
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かつての酒蔵の酒造道具類のほか
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酒瓶、酒屋の帳場、米を運ぶ大八車など。
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イチオシ
けっこう雑多なので、
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展示の美しさはイマイチかなとは思います。
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この戦争中の勅諭など今ではどれだけ価値があるのか分かりませんが、そんなのもあれこれ保存してあります。
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温故伝承館の売店建物があって。
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その奥が黒牛茶屋。朝早かったので、営業はしていませんでしたが、自由に入って休憩とかもできる場所でした。黒江の街並みの入口だし、ここで気持ちを整えてからの街歩きも悪くない。売店で商品を眺めたり、ここで休憩したり。何の気兼ねもいりません。
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さて、さらに中心部の方に進みます。
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裏通りの方に入って。
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この黒江ぬりもの館は、町家建築を利用した施設。
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玄関で靴を脱いで上がったところが簡単な甘味処になっています。
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イチオシ
テーブル席は十分な広さもあるし、
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周囲には紀州塗の作品が飾られているので、日常を離れた雰囲気の中で寛ぐには最適の場所。
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玄関を入った途端に、誰でもその雰囲気の良さが伝わってくると思います。
ところで、こうしたものは、作品そのものもですが、展示していかに楽しく見せるかも大事な要素。そういう意味で、この町家の建物と工夫をした展示方法はちょっといい感じ。うっとりしながら、拝見しました。 -
お隣も漆器屋さん。
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こちらもついでにちょこっと寄らせてもらいます。薄い漆で春慶塗のような感じですね。写真撮影もOKです。
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そして、これが紀州漆器伝統産業会館。紀州漆器の街、黒江を代表する施設です。
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鉄筋コンクリートの大型施設で、一階にはショップがあって、ここはうるわし館という名前です。
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広い売り場には、紀州漆器で作られた賑わう黒江の風俗画や漆器の工法の種類を解説するコーナーなども。
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根来塗とかは知っていましたが、紀州漆器というのは聞いたことがない。始まった起源ははっきりしないのですが、400年以上の歴史もあるよう。
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イチオシ
ただ、いずれにしても、高度な技術にこだわらない汎用性のあるものが中心というのが特徴だそうです。
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二階は、資料館。
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紀州漆器の製作に使う道具類や製作方法の説明。代表的な紀州漆器の展示など、コンパクトな内容です。博物館ほど体系的ではないし、美術館ほど美しくもないというちょっと中途半端な感じもしなくはないですが、黒江の古い歴史は感じれると思います。
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紀州漆器を確認したところで、今度は琴ノ浦温山荘園の方に向かいます。
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途中ですが、生石庵すぎるは、国道沿いの和菓子屋さん。
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焼きもちの幟りが立っていたので、その焼き餅をいただきました。和歌山は高野山の関係でしょうか焼き餅が多いですよね。
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私もこれまで和歌山県内あちこちの焼き餅を食べてきていますが、ここの焼き餅はどうでしょうか。ふむふむ。結果としては、とってもいい。餡子の甘さに奥行きがあるし、お餅のふっくら加減もちょうどいい。これはレベルの高い焼き餅です。
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ちょっと歩きましたが、琴ノ浦温山荘園に到着。
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こちらは、産業用ベルトメーカー、ニッタの創業者、新田長次郎の別荘庭園です。
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イチオシ
大正初期から昭和初期の頃に作られた潮入式池泉回遊庭園というのですが、
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もう海辺に近い場所なので、周囲の川と庭の池を結べば、むしろ自然とそれが潮入式となってしまう。
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そこに特別な工夫はないような気もします。
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庭の大部分を占めるような浅い池を中心に、
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主屋側から延びる石垣で築かれた道が茶室まで一直線につながる。
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その単純な構成が、意外と期待以上に
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インパクトある景色を生んだのだと思います。
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イチオシ
紀州藩主が造った養翠園には、さすがに及ぶべくもありませんが、
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まあまあ、何とか
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体裁は整えたかなあという感じ。
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観光客の数は少なそうだし、
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やっぱり、維持費には限界もあるような。
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何とか荒れないように
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がんばっていくのが目標かなとも思います。
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温山荘園から紀三井寺緑道を進んだ先にあるトンネルが
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鵬雲洞です。
ここから紀三井寺まで繋がる遊歩道のようなことになっていますが、この大きさならかつては車が通っていたんでしょうね。トンネルの名前も特に書いてないので名前を知っている人はほとんどいないでしょうが、夏場だとちょっと涼しげなこの感じ。一度通っても、しっかり印象には残ると思います。 -
これも近くにある和歌山県立自然博物館です。
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名前の自然というのがちょっと漠としているのですが、中心は黒潮の洗う和歌山の海をテーマにした水族館。
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ロウニンアジなどの大型魚が悠々と群れを成して泳ぐ姿を眺めた後は、
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ミノカサゴやマツカサウオの小型水槽が続く。
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イソギンチャクやサンゴなどもちょっと南方の海の感じがするし、
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黒潮の海の豊かな自然を
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確認できると思います。
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さて、ここからもうひと踏ん張りして、今度は和歌山マリーナシティを目指します。
これは、さっきの琴ノ浦温山荘園の裏手。海と隣り合わせというロケーションが良く分かると思います。 -
湾内にはヨットが停泊して、のどかな景色が広がります。
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最後にこの大橋を渡れば、
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見えてきました。これが和歌山マリーナシティです。
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イチオシ
ただ、マリーナシティは海南駅からバスがあって、それが普通のアクセス方法なんですけどね。
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海辺には高層マンションが立ち並んでいかにもリゾートっぽい風景。
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黄色い壁のホテルも美しいし、ポルトヨーロッパだけではなくて、この地区全体がもしかしてテーマパークのような感じ。突然こんな風景が現れるとテンションあがります。
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ただ、正真正銘のテーマパークは、このポルトヨーロッパです。
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入場料金等はかからないのですが、南欧風の建物やその街並みの見応えは想像以上。
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写真好きの人なら、ベストアングルを探して思う存分に楽しめそうですね。
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こんなイルカショーまでやっています。
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建物は、まあ、細かく見れば壁の色とか故意に彩色してあったりもしなくはないのですが、
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そんなことは些細なこと。
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イチオシ
全体的な雰囲気が大事なことでしょう。
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どうでしょうか。
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ぶらぶらするだけでも、
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私は十分楽しめました。
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帰りのバス停と時刻も調べたし、
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気持にも余裕がありますよ~
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反対側の方に出ると、
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そこにあるのは、黒潮市場。鮮魚など海産物の市場です。
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規模も意外に大きいし、
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活気があって、
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楽しい施設ですね。
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マグロの握りを見たら、同じ大きさで部位によって、1000円、1500円、2000円。けっこう大ざっぱだなあと思いつつ、1000円のをいただきました。鮮やかな赤い切り身が乗っかって、これでもかなりのうまさ。十分満足いたしました。
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マリーナシティから海南駅まで向かうバスに乗って。海南駅周辺の散策もあるので途中下車します。
そのバス停近くにあったのは、ずぼら焼き。 -
きな粉とみたらし団子をいただきました。両方ともモチモチの団子がうまいです。ただ、みたらしの方ですが、甘辛いタレではなく、水飴のような甘いタレ。ちょっと焦げ目もあって、それが何ともいい感じの甘さになっています。ちょっと新境地のような味わいでした。
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そのまま、今度は伊勢部柿本神社へ。鉄道の高架下から入ります。
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ここは、元伊勢の伝承を持つ由緒正しい神社。
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イチオシ
ちなみに、元伊勢というのは現在の伊勢神宮に遷る前、90年の間、アマテラスオオミカミはあちこちで仮に祀られていたというのです。なるほどという感じですね。本殿は、けっこうな石段を登った先。唐様のゆったりした屋根がいい感じです。
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総本家駿河屋 海南店は、海南駅の並び。広い駐車場を備えたきれいな店舗です。
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ここの焼きもちはこれ。始めはちょっと餡子の甘さがきついかなと思いましたが、それでも伸びやかな甘さが小気味いい。なかなか思い切りのいい焼き餅かと思います。
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今度は海南駅からさらに南側を目指します。ここからは熊野古道の匂いがするエリアです。
これは長久邸。海南市の酒造メーカー、中野BCのオーナー宅。 -
現在も建物の一部には先代の奥方が住んでいらっしゃるようですが、海南市を代表する泉水庭園であるということで、案内付の無料公開を行っています。
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1時間毎に見学客を団体で引率するので、その時間を待って入りました。
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イチオシ
昭和33年に作られたという庭園は、いわば水屋敷。建物は池に半分架かるような感じで建っています。
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120畳の大広間から眺める景色がいいのですが、さすがメーカー。
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ここに至るまでには、
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梅酒の製造方法などをビデオでたっぷり見させられますので、
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心積りをしておいた方がいいと思います。
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続いては、藤白神社。熊野古道にある九十九王子の中でも別格とされた五体王子のひとつ、藤代王子の旧址です。
境内にはこんもりとした森のような楠木の大木に芭蕉の句碑もあって、清々しい雰囲気。 -
なお、この神社の境内を熊野古道が通っていて藤代王子があったんですね。
そして、藤代王子は、熊野古道にある九十九王子の中でも別格とされた五体王子のひとつなんです。 -
ただ、現在の藤白神社の中にあったということは分かっているのですが、ピンポイントでここというところまではもう分からないのだそう。
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それでも、少し絞ると本殿から南側の出口の間の辺りだそうで、神社の方が丁寧に教えてくれました。
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なお、藤代王子の次は藤白塔下王子ですが、古くから知られたかなりの登りの山道だそう。それを聞いて行くのを諦めました。
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ところで、奥に藤白王子権現の社があって、
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中をのぞくと黄金の仏座像が三体。これもお見逃しなく。
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また、近くには鈴木屋敷という面白い場所がありまして。こちらは、全国にいる鈴木さんのルーツにあたる鈴木さんが住んでいたという屋敷。その鈴木というのは熊野信仰を広めた神官の一族である藤白鈴木というのだそうです。
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しかし、屋敷は崩れかかっていて、かなりボロボロ。
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曲水の庭の方が少し趣を感じられるかなと思います。けっこう歩きましたが、これで海南市はおしまい。
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和歌山駅に戻ってきました。
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JR和歌山駅観光案内所は、駅の改札を出てすぐの正面。小さなボックスにスタッフが二人並んで座っていて、ちょっと窮屈そうですね。ここのすごいのは営業時間が夜7時までと長いこと。あちこちに観光案内所はありますが、こんなところはなかなかありません。とってもいいと思います。
まだ、日没までには少し時間があるので調べておいたスポットの位置をここで確認させてもらいました。 -
で、太田左近像は、JR和歌山駅の裏手。ロータリーの端っこです。像自体はあまり出来は良くなくて、残念な感じもしなくはないのですが、この太田左近はなかなかの勇者。6万とも10万とも言われた秀吉の大軍を太田城で迎え撃つ。激しい抵抗に、秀吉は水攻めに切り替え、自害に追い込んだということです。傍らの駒札には中世紀州の在地土豪の典型と紹介されています。
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そして、その太田城 水攻め遺構は、きのくに信用金庫の駐車場隣り。
一見すると雑木林の小山のようにしか見えませんが、裏から見ると確かに大規模な堤防の跡。これで水をせき止めたのがよく分かります。 -
さらに、小山塚は、お寺の脇に整備された大きな石碑。
秀吉の紀州攻めに抵抗した太田左近以下の太田一族、根来、雑賀等が水攻めされた太田城を明け渡し降伏する際に、降伏の条件として自害した武将の首塚の一つだそう。閑静な街中にあって、よく守られてきたものだと思います。
和歌山は、関西では珍しくアンチ秀吉。徳川紀州家をここに置いたのもよく考えてのことだったような。私は、関西では和歌山はちょっと仲間外れのようなところがあるように感じるのですが、それって私だけでしょうかね。 -
晩飯は、井出商店へ。和歌山ラーメンを代表する最強のお店です。
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和歌山駅から歩いて10分くらいの便利さもあって、行列を覚悟していたのですが、夕方も早い時間だったからでしょうか、すんなり入れました。白濁した煮干しも香るスープと細めの麺。ちょっと軽めの仕立ては悪くないんですが、驚きのうまさがあるかといえばそうでもなかったような。
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ただ、柿の葉寿司のような、早すしはちょっとした箸休め。お勧めです。
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和歌山市の玄関は、JR和歌山駅と南海電鉄の和歌山市駅の二つ。周辺の賑わいはJR和歌山駅が圧倒的ですが、その背景の一つがこの近鉄百貨店。JR和歌山駅を出て、右手に向かってすぐ。直結はしていませんが、便利な場所です。
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近鉄百貨店の地階食品売り場の日方庵です。日方って、海南ですよねと言うと社長がそっちの方の出身なんだそうです。いただいたのは、焼き餅。今日は三個目ですね。特徴はあんまりないんですが、その普通さがまた安心感なのかなと思います。
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これではまだお腹がいっぱいにならないので。
和歌山駅ビルの一階にある小さなお弁当屋さんですが、もう残りわずかになっているところで、目張り寿しをいただきました。 -
ちょっと、菜っ葉が固いかなあと思ったら、採れる時期によって固かったりするのでよろしくみたいなお断りが書いてありました。まあ、それも自然のことだから仕方ない。というかそれが自然な味わい。逆に自然の味わいだと思うとちょっと満足感も湧いてくるような気もしてきます。
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今日の宿泊は、ビジネスイン南海。和歌山市駅のそばだし、安かったので、たぶん、効率化・省力化のホテルなんだろうなと思っていたのですが、部屋や共同トイレの清潔感に、無料の朝食にサービスの茶がゆが添えられていたり。
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いろんなところに心遣いがあって、むしろアットホームな印象が心に残りました。これなら、リピーターも多いのではないかと思います。
さて、明日は雨の予報。和歌山市内を歩きます。
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