2016/11/06 - 2016/11/06
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PHOPHOCHANGさん
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美術館巡りで素晴らしい作品に出会えるのは勿論楽しい事ですが、雲一つ無い空を見上げるたびに、何処かへ行きたいとついつい贅沢な思いに駆られます(正確に言ってしまえば、出かけないとイライラが溜まっちゃう)。
とは言え、月半ばにまたまたまたまた中国へ出かける予定も有り、そうそう遠出は出来ません。
久々の土日休みとなったこの週、近場の関東地方でイベントは無いかと検索したところ、見つけたのがこれでした。
前日の5日にはシンポジウムも開催されていましたが、2日にわたって出かけて行く程の時間とお金はかけられません。
金曜日の夕刻、小田原市役所の閉所時間間際、遺跡見学会のみの参加をダメもとで問い合わせしてみるとOKとの返事をいただき、急遽予定決定。
午前中いっぱいの見学会の後は、海鮮モノでも食べ、6日限りの文化財建造物秋の観覧会にも足を運んで、小田原城も見ておこうと例によって盛り沢山な計画となりました。
最寄り駅6時4分発の東京メトロ千代田線に乗りました。箱根へ行くならこの方法が一番お得な上に便利です。駅の乗り換えも階段を上り下りする事無く、2度同じホームに来る電車に乗り換えるだけ。
ところが、その便利さの後に待っていたのは‥。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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平日なら地獄の通勤ラッシュとなる千代田線も、日曜日の午前6時はとても静かです。ホームに人気も有りません
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代々木上原で小田急線に乗り換えます。始発じゃないけど、10両編成だし、今なら座れるでしょ
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小田原駅到着。箱根登山鉄道に乗り換えですが、此処でもホームの移動は無く、楽チン♪
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標高が記されてるのが登山鉄道らしさ☆正確には登山電車って言うんですね。
公式サイトはこちら
http://hakone-tozan.co.jp/ -
これに乗ります。結構車両数多いね。つか、小田急の車両だよ(これの意味するところが後に判明します)
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登山鉄道らしさを全く感じない景色、ホーム狭いけど
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小田原から既に40m上がってます。
小田原、箱根板橋、風祭、そして入生田で3つ目、次が箱根湯本(もう終点って感じ) -
あれこれ写真撮ってるうちに誰も居なくなっちゃった。そのお蔭で不思議な事発見
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レールが3本!
いわゆる三線軌条ってヤツだよね。これって狭軌を採用してる小田急の電車が標準軌の本路線に乗り入れする為に敷かれたモノなんだけど、今は箱根湯本まで全部小田急の車両が走ってるから、残ってるのは、車庫の在るこの入生田~箱根湯本間だけなんだって -
とっても丁寧な案内板。でもこれが無いとあまりに何も無い駅周辺なので、どうして良いのか判んなくなっちゃう
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ちっちゃな駅舎
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国道1号線を越えて、堂々の神奈川県立生命の星・地球博物館。
勿論息子連れて来た事有りますよ、元旦那も一緒だったから、かなり昔。とっても楽しい博物館でした -
8:45集合のはずでしたが、9時近くまで待たされ、挨拶やら班分けやら、出発までに色々と・・
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早川を渡ります
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距離もそんなに長くないのに、時間はたっぷり。楽勝ジャン♪と思ったPHOが甘かった事を知るのは間も無くです(^-^;
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しばらく舗装された農道を登っていくと(これがかなり急で、歩き始めて大して時間が経っていないにもかかわらず息切れしちゃいました★寒さに強い脂肪の鎧を纏ったままでしたから)右側に段々畑が見えてきます。段々畑には取り残された巨大な石垣用石材が残されています。この辺りの林の中にはこのような石がゴロゴロしているそうです
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段々畑を進みしばらくすると右側にいわゆる残念石が残されています。残念石は石垣用の石材として整形されながら何らかの理由で途中で運搬を止めた石で、この辺りだと伊豆半島の各所に残されているものが有名です。この残念石は整形の様子から17世紀前半の江戸城修築時のもので、なんらかの理由でこの沢(関白沢)に落としてしまったため縁起が悪い(落ちる=落城)ために放置されたものと考えられています
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教育委員会の説明板有り
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小田原市のマンホールの蓋に描かれているのは、江戸時代の「酒匂川の渡し(輦台渡しに着物姿の女性が乗っている様子)」とその背景に、市のシンボル「小田原城天守閣」と「鐘楼(または隅櫓。ひょっとして石垣山一夜城?)」、市の木「クロマツ」、これらの上に 「箱根の山並み」、その山越しに望んだ「富士山」と盛り沢山
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残念石からしばらく行った先の左側には斜面から突き出た大岩があります。昔の石工はこのような岩を目ざとく見つけて石垣用の石材に整形していきました。この岩は安山岩で固く大きくなる傾向があるため石垣に適しています
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もう1㎞以上歩いて来たよ
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途中で車道と別れ林道を進むと階段があります。この階段の脇に2005年から2006年の発掘調査で「石曳道」が発見されました。長さ175mに渡って斜面を切り通し状に掘り込んで、南から北東に緩やかなカーブを絵が描きなら続いています。彫り込みの幅は約3.5~4.5m、路面の幅は約1.2~1.5mあります。路面は傾斜角約12度~15度、平均約14度となっており石材の運搬を考慮した一定の角度となっています。
路面には轍が残されており、石材を運ぶための「地車」と呼ばれる荷車のものと考えられています。この地車を牛に牽かせて石を運搬していた様子が屏風に残されています。当時はこのような石曳道が延々と早川まで続いていたと考えられています -
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言われなきゃ絶対注意を払わないであろう道(?)。此処をデカい石運んでったの。マジご苦労様m(_ _)m
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斜面に残された石垣用石材群
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石曳道の先、舗装路のヘアピンカーブの先には未舗装の林道が続いています。此処から先は民有地で通常立ち入り出来ませんが、今回は見学会という事で特別に立ち入り許可をいただいており、奥に進む事が出来ます。民有地なので、まだ史跡整備等がされていないため案内板は無いのですが、この辺りが今回の見学会で一番の見どころになります。と言うのもこの一帯には加工途中で放置された石材が木々の間に多数転がっているからです
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こんなの残されても邪魔なだけ・・
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石垣用石材とそこに根を張った木
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矢穴アップで。アンコール遺跡を思い出したよ
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石垣用石材の刻印
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この石にも矢穴。せっかく手間かけたのにね
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悠長に写真撮ってたら、最後尾になってしまいました。ただでさえ足元覚束ないのに(実際上らない方もいらっしゃったのです)
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皆さん軽く上ってらっしゃいますが、PHOにはか~な~り厳しい斜面でした。だって酷い泥濘なんだもん。何故滑らずに上れるの?
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中でも目算になりますが、幅5m以上、高さ5m以上はあろう巨石は見応えが有ります。縦に矢穴を彫り石を四等分しようとして、真ん中の矢穴から想定外の割れ方をしたので放置されたようです。
或いはこの辺り一帯の石材が矢穴を彫られ、かなりの行程まで切り出しが進んでいるようなので、もしかしたら場所的な問題で運び出しを断念したのかもしれません。
市職員の方から矢穴の有無で石垣の修築時期を知る事が出来るとの解説が有り、なるほどと思いました。確かに織豊期の古い石垣には矢穴は見られず(石材の大きさも原因でしょうが)矢穴が有ると言う事は石材加工技術の発達した慶長期移行の石垣と見る事が出来るのだそうです -
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上って来た証拠に新しい(でも快適)トレッキングシューズを入れて写してみましたw
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見難いですが、〇の中に線が入ってるのは判るでしょ
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先程のヘアピンカーブに戻り、先の舗装路を進むと車の走る開けた場所に出ます。此処には車道の橋の下に続く細い階段が在り、橋の下の石丁場に続いています。
車道は広域農道小田原湯河原線で、建設に伴う発掘調査によってこの辺りで最大規模、保存状態も良好なこの石丁場が発見されました。車道建設のため失われるところでしたが、その価値から橋を架ける設計に変更され、現地保存されています。そのためちょうど橋が屋根の代わりにもなっており、なかなかユニークな史跡となっています -
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ほらね、屋根は橋なの。新旧の人工的な景観
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興味無い人には意味不明の空間だけど、PHOはワクワクなのでした♪
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此処では石材の加工がつい先程まで行われていたかのような生々しい状況が残されてます。これって何百年も前の石丁場を理解する上で極めて重要な場所となってるんですよね
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1. 安山岩の転石を割るために「矢穴」を一列に彫る
2. 目的とする大きさに割る
3. 形を整える
4. 整形が完了した石材を集める
細かく説明していただきました -
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普通に車道走ってたら気付く由も無いところ、小田原市の決断には敬意を表します☆
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おおっ、ゴールは遠からじ!
まあ、好きな石の塊見られたんで元気っちゃ元気☆ -
箱根の山。周囲の山々(外輪山)の成り立ちや名前も教わったけど、見事に忘れました(+_;)
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向こうに見えるのが小田原市街
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此処から石垣山一夜城歴史公園へと下ります♪
そんな一夜城なんて全く知りませんでした(一夜城と言えば墨俣でしょ)が、そっちもなかなかPHO好みの見所が多く、別の旅行記になりました(のつもり)
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