バルトロ氷河の旅　４　

2005/08/19 - 2005/09/16

ヒマラヤでは天気さえ良ければ、朝夕の絶景は確実なのだが、カラコルムで凄い夕焼けや朝焼けに出会ったことが無い。
どうもカラコルムの地形に理由がありそうだが、本当の理由は分からない。

表紙の写真は唯一のチャンスだったが、景色が凄いわりに夕焼けは情けない。

エリア スカルドゥ(パキスタン)

トレッキング開始から13日目の早朝、ブロードピークBCのキャンプを撤収して帰路に着く。順調に行けば、ジープが待っているアスコーレまでは5日間。

氷河上や氷河が押しのけた？モレーンを行くので、下りと言っても常にアップダウンの連続。

4時間も歩くと、K2もブロードピークも見えなくなってしまった。
K2はバルトロ氷河の最奥にあって、コンコルディアまで歩いて来ないと全体像を拝むことは出来ない。

４人は、もう2度とK2に会うことは無いよね〜・・・と別れを惜しんだ。

氷河歩きが続く。

四つん這いになって行くようなところは無いが、氷が露出して、ツルっと行くこともあるから油断は出来ない。

「氷河の上を歩いてる」っぽい写真があった。

マッシャーブルム7821mも見納めかな。

おお、花が咲いてるよ！
ずいぶん下って来たんだなぁ・・・と写真を撮ってしまう。

下山3日目。
この辺りまで降りて来ると、るんるん気分で歩いてる。

ポーターも途中で拾った石（宝石の原石と主張）を、何とか日本人に売ろうとがんばる。

草が生えてる！
久しぶりに見る「まとまった緑」

隊全体に安ど感が広がると、我々も緊張感が緩む。

緊張感が緩むと、ここまで蓄積していた疲労が一気に出る。

日本の山でもそうなのだが、下りに掛かって最後の1時間くらいが、足が痛くなって、とてもきつかったりする。

標高3500ｍ位まで降りて来た。
日中は暑いくらいなので、久しぶりに顔と頭を洗う。

下り始めて3日目、バルトロ氷河の末端に到着。
写真の中央辺りで、氷河から「普通の川」になっているのが分かる。

そうそう、トレッキング中は、川の水か氷河が解けているところ水を煮沸してから飲むのだが、砂がたくさん入ってるので、気にする方は気になるかも。

崖っぷちの道も怖いが、この激流の横を行くときは、氷塊がゴンゴン音を立てて流れていて、音響効果付きの恐さだ。

往路で隊員Ｈが乗ったロープウェーとは別だが、時々こんなのを見掛ける。

日本の吊り橋って、どんなに貧弱でも「メイドインジャパン」の信頼性があるけど。

実はこの辺りは宝石の宝庫で、本格的に掘っているところもあるが、こんな岩肌に「フンザルビー」と呼ばれる赤っぽい石が露出してることもある。

氷河の末端から１日歩くと、こんなにデカい川になる。
インダス川の始まりだ。

右の崖に、先を行くガイドが写っているのが見えるかな？

最後の難所を越えて・・・

ジープが待っているアスコーレに到着！

実は帰路に着いて直ぐに、隊員ＵとＨが、「帰りのジープが辛すぎる、何とかならないのか？」との提案があった。予定では、アスコーレ到着後、そこでキャンプして翌日７-８時間かけてスカルドまでジープで行くことになっていたが、往路のジープで二人とも、かなり体調を崩したので気持ちは分かる。

で、アスコーレまで降りたら、その勢いで次の村までジープで走っちゃって、翌日スカルド入りしようってことになった。つまり８時間の道のりを、３時間と５時間に分けようってことだ・・・私の提案です。

小回りが利くパーティーだったしベテラン添乗員だったので、話は簡単に通って、アスコーレにお昼に着いて、ひと休みしてジープに分乗。

おお、コンビニがあるところまで下りて来たよ！

すっげ〜・・なんでも売ってるぜ！

どうせならってことで、添乗員が知ってる「秘密の場所」へ行くことになった。
それは楽しいが、更に酷い道を行くことになってしまった。

途中で、ニワトリ買った！

立派な温泉施設。

ここに泊まることになった。

ニワトリ、美味かった〜！

翌日は、今回のトレッキングの現場監督？の家に寄ってランチ。

9月13日、イスラマバードまで帰って乾杯！
減ってしまった体重と体脂肪を取り返すぞ！！

と書くと簡単なのだが、
例のジープで地方都市のスカルドに着いて、翌日は休養日。
翌々日にはミニバスで14時間、ペシャムという町で1泊。
次の日、8時間走ってイスラマバード着。

つまり、ブロードピークBCからイスラマバードまで、9日間も掛かったのだ！
すっげ〜ら、パキスタン！！

な〜んと、トレッキング終了後、イスラマバードまで30時間以上クルマに乗ったのだ・・・って往路も同じだったんだけど。

これで、バルトロ氷河の旅は終了。
次回は、例によって？　日記中に載せそこなった「面白写真」をアップさせて頂きます。

この旅行記へのコメント （10）

• ドロミティさん 2016/10/30 10:04:38

  バルトロ氷河☆☆

  ほいみさん、おはようございます。
  
  2005年バルトロ氷河の旅も何と表現したら良いのか分からないほど
  感動しました。
  
  どのお写真も息をを呑むほど素晴らしくて、軽妙で適切なコメントに
  １冊の紀行本、山岳本を読むような気持ちで拝見させていただきました。
  
  K2の勇姿もたっぷり堪能させていただき、ありがとうございました♪ﾄﾞﾛﾐﾃｨ
  
  　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

  ほいみさん からの返信 2016/10/30 20:04:09

  RE: バルトロ氷河☆☆

  こんばんは。
  2005年のバルトロの旅は、私の中でもベスト５に入る旅でした。
  とにかく天候に恵まれ、零の夜中のロバ洪水以外は、一度も雨に降られませんでした。
  当時はデジカメもちゃっちくて、バッテリーも心もとないので、ストレスが溜まりました。
  K２はかっこいいですよ！
  
  ちなみに表紙のちっちゃい写真。
  私の後ろに移っているのはへべレストです。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

• jamokaさん 2016/08/06 01:09:51

  何度見ても美しいパキの山

  見る度にため息でます〜
  
  でも人間界と同じように？^^美しさと危険は背中合わせだっていうから、きっとご苦労もおありなんでしょうか。
  
  よく不衛生な感じの物を食べたり飲んでるシーン見かけますが（笑）お腹にはすっかり免疫ができちゃってるんですか？？私の父がどんな物を食べても絶対おなかを壊しませんが、、ほいみさんもその域に到達かな。。
  そのお水なら飲めそうです(*^-^*)Ｖ

  ほいみさん からの返信 2016/08/06 10:29:00

  RE: 何度見ても美しいパキの山

  一日に歩く距離というか必要な体力は日本の山と同じくらいですが、4500ｍ以上のところに5泊6日っていうのは、知らない間に体力を消耗してる感じです。トレッキングツアーに関しては、バルトロ以外でも、そんなに危険なところを行くことは有り得ません。事故を起こせば旅行会社の評判にも関わるしね。
  
  世の中の常識には反してますが、普段から手洗いとかは「心掛けて」しない様ににしてますし、自宅にいてもベランダや廊下に寝たり、クルマの中に寝たりはしてます。
  
  水は沸騰させれば安全です。
  ネパールやパキスタンの山の水は一見安全そうなんですが、トイレが無い上に標高5000m以上でも家畜の放牧がされているので、そのまま飲むのは「日本人にとっては」危険です。

• くろねこだりゅんさん 2016/08/04 17:05:02

  素晴らしい景色の連続！

  やっぱりＫ２はカッコ良かった！パキスタン凄し！と再確認出来た旅行記ありがとうございます♪
  凡人には絶対見ることが出来ないの景色なので、楽しかった〜☆
  
  実際、あの川の濁流を見ながらの橋渡りorロープで吊るされては凡人はビビッてしまいます。その苦労をするとあのすばらしい景色！ご褒美ですね。
  体調を壊すほどのジープ道…パリダカ以上かも(笑)
  
  
  

  ほいみさん からの返信 2016/08/04 19:38:46

  RE: 素晴らしい景色の連続！

  > やっぱりＫ２はカッコ良かった！パキスタン凄し！と再確認出来た旅行記K2はカッコいいです！
  エベレストは何回か見てますが、K2と比べたら、ちょっと背が高いだけの一般人。
  
  パキスタンは、ほんと素晴らしいですよ。
  テロ騒ぎで、外務省からもストップが出ていますが、今どき、何処が安全ってことも無いしね。
  
  そうなんです。
  パキスタンのトレッキングの最難関は、現場までの交通機関なんです。
  国内線が飛んでくれれば楽なんだけど、現在８戦で１勝７敗！！

• gontaraさん 2016/08/04 13:48:25

  凄げ〜

  体重の減る旅行ってのが有るのですね。
  驚異の世界です。
  どんなに我慢しているつもりでも、知らず知らずの内に食べ過ぎて、増量して帰宅するのが旅行だと思ってましたが、こんな旅も有るんだ！
  如何に過酷かってことですね。
  
  減量できるなら、参加するか。
  
  ところで、バッテリーは足りましたか？
  
  

  ほいみさん からの返信 2016/08/04 19:33:03

  RE: 凄げ〜

  バッテリーは何とか足りました…ってストレスは溜まりましたが。
  
  パキスタンは禁酒国でもあるので、帰国後血液検査をしたら、全部花丸！
  医者が驚いてました。体脂肪も22％位が17％！　でも全ては1ヶ月元で通り。人間の回復力には驚かされます。
  
  長期間のトレッキングって、現代人にとっては超健康的な生活なので、帰国後は皆さん体調が良い様ですよ。リバウンド万歳！

• お気楽母娘二人旅さん 2016/08/04 11:12:10

  読んでるだけで…

  だから、早いんだヨォォォ！
  さすがサンデー毎日！（笑）
  
  読んでるだけで吐きそうな日程なんですケドっ！
  私ですらコンビニが豪華に見えるじゃ〜ん！（大笑）
  そりゃさぞかしニワトリは美味しかった事でしょーー！
  重量計算か？（爆笑）

  ほいみさん からの返信 2016/08/04 19:24:11

  RE: 読んでるだけで…

  過去を覚えているうちに、アップしとかなくっちゃね。
  
  思い出しても吐きそうな日程・・・っていうか、この時は予備日が2日間有ったから、休息日もあって楽な方だったんだよ。
  
  一般的な「山男ツアー」は、もっと大変。
  あ〜・・山男でなくて良かった。