バルトロ氷河　再び　６

2016/08/15 - 2016/09/09

トレッキング開始から９日目、我々はバルトロ氷河から、更にアッパーバルトロ氷河を遡り、標高4900ｍのシャグリンに着いた。全員が体調も良く、翌日はアブルツィ氷河に入り、最終宿泊地のガッシャーブルムベースキャンプ（5150ｍ）に向かう・・・はずだった。

エリア パキスタン

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: 社員・団体旅行
• 交通手段: 徒歩

標高が5000近いのによく眠れた。
夜中にトイレの行こうと、テントのジッパーを開けたら、なにやらドッサっと落ちて来た・・？？？

寝袋の上に落ちて来たのは雪だった。

ど、ど～したの？
と外を見たら、「なんだこりゃ～！」の世界。

とりあえずはテント内に侵入してしまった雪を片付けて・・・落ち着いて写真を撮ろう！　　と撮ったのがこの写真なのだが、かすかに星が写っているのが分かるかな？　朝4時ころ。

昨日ここに着いた時は、こんな平和な世界だったのに。

一晩経ったら、これ！

まぁ、落ち着いて写真でも撮ろう！

気温はマイナス5℃。

凄いね！

どうなっちゃうの？

前室が潰れてしまったテントも。

いずれにしても、出発は無理だろう。

結局この日は、午前10時までは様子見待機。
天候が回復しないので、ここで一日停滞することになった。

テント泊で雪・・・も～やることない！
何冊か文庫本があったのだが、山登りの本ばかり。
山登りの本って、遭難話ばっかりじゃんね。

もちろん、こんなところで遭難騒ぎになるわけはないいんだけど、もうちょっと楽しい本はないの？　暇なのでダイニングテントに行ってみると、この時ばかりと、某旅行会社のパンフレットがいっぱい置いてあった・・・やるなぁ。

その晩、ダイニングテントには添乗員が作ったてるてる坊主が。
イスラムの国だから、偶像崇拝はどうかとも思うんだけど。

これ以上雪が降ったら、この先には進めないことは分かってる。
それどころか、これ以上雪が積もってしまったら、ここからの帰り道も心配だ。

私は冬山経験はないし、スキーだって学生時代に2-3回行っただけなので、雪の上を歩くこと自体が経験不足。

翌朝、ビミョーな天気。

https://youtu.be/_HdscZDQlnw
天気が悪かったが、せっかくだから撮ってみた。
最後がカッコいい。

とりあえず出発したが、全員が「こりゃ無理だろ」って分かってる。
予定では左に見えている稜線の下を左に上って行く。
その前にアッパーバルトロ氷河を横断しなければならないが、雪が積もっていたらクレバスが隠れてしまっていて超危険。

っつ～か、また雪が降って来たし。

標高5000ｍの地点で、全員納得の撤退となった。

もう二度と来ることないだろうなぁ・・・と思いにふける隊員。

私は、もう一回来るぞ！　と密かに誓ったけどね。

そのまま、コンコルディアに下る。

雪が積もったので、来た時とは雰囲気が違う。

休憩時間も雪が降り続けた。

気が抜けた？せいか、この日の8時間の歩きは辛かった。
遠くにコンコルディアのキャンプが見えた時は嬉しかったなぁ。

夕方になって、期待を抱かせるかの様に、ちょっとだけ夕焼けが。

K2もちょっとだけ見えた。

おお、いい天気に！
と思ったら夜になって再び雪。

コンコルディアまで無事に降りられて、ちょっとほっとしてる添乗員。

翌朝には、再びこんなになっちゃった。

コンコルディアに1泊して帰路に着く。
ここからジープが待つアスコーレまでは、たったの5日間だ！
更に日本まで5日間。
10日後には、風呂と刺身とビールだ！！

コンコルディアには、カラコルム環境委員みたいな方が、シーズン中は常駐している。

このテントが事務所？になっている。

彼らも数日の内には下界に下るという。
コンコルディアの夏は短い。

冬には数mの雪が積もるとのことだ。

予定通り7時に下山開始。
下りだから楽ということはなく、連日登り時の50％増しの距離を歩くので油断は出来ない。

添乗員曰く、今日から5日間は、「怒涛の下り」なんだそうだ。
今日の歩行時間は7時間の予定。

一番奥に見える雪山の下が、ウルドカス辺りになるのかなぁ。
あそこまで2日間。

最終目的地のガッシャーブルムベースキャンプにはたどり着けなかったが、まぁ空の神様の思し召しなのでしょうがない。

帰路は空気もどんどん濃くなるので、陽気なトレックが続く。

2日間は雪の上を歩くことになるのかな・・・どうせ下は氷なんだけどね。

初公開？
18泊したテントの中。
テントは2mｘ2mのものを一人で使うので広々している。

天気が良いと、日中は暑くて中に居られない。
夜間は0-5℃くらい。
寒いから寝袋に入る。
寝袋に入ると、条件反射で眠ってしまう。

この旅行記へのコメント （8）

• ワミさん 2016/10/12 14:26:04

  山の夏は短いですね

  最終地点まで行けないの残念でしたが事故やガイドさん以外に病人がでなくてなによりでしたね。
  山の気候は変わりやすいから油断大敵ですね、ポーターさん達の稼ぎシーズンも終わりですかねぇ
  雪のおかげで行きと帰りの違った景色はチョットお得♪
  ほいみさんのことだから絶対又行きますね！
  
  

  ほいみさん からの返信 2016/10/12 21:00:29

  RE: 山の夏は短いですね

  実は最近、あの国内便がけっこう真面目に飛ぶらしいんです。
  だとしたら、毎年でも行っちゃうかも。
  
  そうそう、ほぼ全員が途中で体調不良にはなりましたが、誰一人、歩けないところまでには悪化させなかったところが、歳の功？です。
  
  本気で稼ぐポーターは、１シーズンで3往復するとのことです。
  この後は登山隊が入山したりしますが、非常に寒くなるので、ポーターも命がけみたいです。

• くろねこだりゅんさん 2016/10/11 18:03:27

  自然の前には

  先程、山岳小説上下巻読み終わった所です。
  やはり遭難？下山しなかったです…(-_-;)
  自然の前には撤退する勇気も必要だけど、こんな場所に来ちゃったら諦めたくない気持ち良く解ります。
  ツアー会社も目的地に至らなかった場合次回のツアー料金を何％ＯＦＦとかにしてくれたら良いのですけど〜
  
  行きは空気が薄くても気力で歩ける、帰りは脱力してるけど空気が濃くなるので歩きやすい…帰りたくない方が殆どでしょうね

  ほいみさん からの返信 2016/10/11 20:28:43

  RE: 自然の前には

  
  私も雪でひまだったので、添乗員が持っていた「トムラウシ」の遭難の本を読みました。遭難って、簡単？なことがきっかっけになって起こるんだなぁ・・・って、ことは身近な危険なんだって思いました。
  
  あまり報道されないけど、カラコルムやヒマラヤのトレッキングでの死亡事故は珍しくありません。特に日本人の場合、65歳まで働いて、「夢のヒマラヤトレッキング」ってことが多いですから、平均年齢が高く、かつ一生に一度のチャンスとばかり無理をしちゃうんで、重度の高山病に陥ったり、心筋梗塞・脳梗塞で倒れて手遅れになるようです。
  
  トレッキングも長期間になると、風呂に入ってビール飲んでベッドに寝たい・・・という欲求が大きくなります。この3つが満たされるトレッキングだったら、本当に帰りたくなくなっちゃいますね。

• gontaraさん 2016/10/10 10:57:47

  怒涛の下り

  ここからジープが待つアスコーレまでは、たったの5日間だ！
  って、本気で、たったの、と思えてくるようなツアーでしょうね。
  危ない！アブナイ！
  浮世離れしてしまった人には近づかないようにしなくては・・・
  
  これは憧れるけど、羨ましいとは思わないなぁ〜
  僕にはこんな贅沢な旅行はできないので、明日からファーストクラスでお出かけ！

  ほいみさん からの返信 2016/10/10 14:58:26

  RE: 怒涛の下り

  
  殿様トレッキングは日本じゃ出来ないし、体験してみるとクセになりますよ。
  
  ファーストクラスですか！
  それこそ、殿様フライトですね。
  
  暫く海外旅行の予定はないなぁ。

• jamokaさん 2016/10/09 22:44:24

  撤退、下山ホッとしました。

  お馬さん、可愛そう過ぎてみれません。。。
  
  ７人の皆さんが４，５０００ｍでもよく食べれて眠れるって何よりでしたね！
  やはり山と空のコントラスト、星空は誰でも見ることができない登った者にしか見れない、美し過ぎる〜☆彡鳥肌もんです！
  
  ほいみさん、またまたパワーアップ血の気増量　危ない危ない。

  ほいみさん からの返信 2016/10/10 14:55:15

  RE: 撤退、下山ホッとしました。

  人間なら落ちても助けてもらえるのですが、馬は重たくて持ち上がらない様です。荷物だけは助ける様ですが。
  
  天気が良かったら、寝不足になるくらいの星空が撮れたはずなんですけど。
  いろいろ行ったけど、山を見るならバルトロが最高ってことで納得しました。
  
  70歳の方が二人いましたが、元気に歩き通しました。
  励みになりますね。