2015年5月ＧＷ(振替)若狭・丹後・但馬の旅(3)　小浜市 古刹巡り～重伝建地区

2015/05/16 - 2015/05/16

2015年ＧＷは勤務のため中旬に振替での連休．
若狭･丹後･但馬の旅ということで東北からは行き難い福井京都兵庫の日本海側を周遊．
初日(5/16)引き続き小浜市寺社巡りと国重要伝統的建造物群保存地区の小浜西組．

エリア 小浜・若狭(福井)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• 交通: 3.5

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 自家用車 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

萬徳寺に続き小浜市遠敷の若狭姫神社．若狭彦神社の下社である．
上社から北へ約1.5km．
創建は721年上社からの分祀による．主祭神は若狭姫大神(豊玉姫命)．
写真随神門は、1743年建造，木造八脚門，入母屋造平入，桧皮葺，福井県指定文化財．

若狭姫神社 寺・神社・教会

随神門を入ると上社同様に中門までの間が空いている．
こちらも拝殿が1945(S20)年の雪害で倒壊しているとのこと．

若狭姫神社 寺・神社・教会

若狭姫神社中門(神門)．
1803年建造，木造四脚門，切妻造平入，桧皮葺，福井県指定文化財．

若狭姫神社 寺・神社・教会

若狭姫神社本殿．
1802年建造，木造，三間社流造，向拝一間付，桧皮葺，福井県指定文化財．

若狭姫神社 寺・神社・教会

小浜市多田の多田寺に移動．
到着後タイミングよく老夫婦(住職夫婦？)が帰ってきた．
下調べで見落としていたが拝観には予約が要るようである．本堂に入れていただき感謝．
拝観料\400，9:00〜16:00，2月，3月は休み．
749年孝謙天皇の勅願により創建，本尊は薬師如来．

多田寺 寺・神社・教会

多田寺本堂．
1807年建造，木造一重，入母屋造，向拝付．
堂内でお婆さんから仏像の説明を受ける．
本堂内には，本尊の木造薬師如来立像，木造十一面観音立像，木造菩薩立像の重文3躯を安置する．
薬師如来は平安初期の作，栢の一木造で薬壺を持たない薬師如来である．
また本尊を納める厨子は，1634年に小浜藩主酒井忠勝により寄進で，現本堂よりも古いものである．

多田寺 寺・神社・教会

小浜市野代の妙楽寺に移動．
創建は不詳，行基が本尊を彫り(718年)，空海が再興(797年)したとも伝わる．
真言宗寺院で本尊は千手観音．
山門は1777年の建造，木造八脚門，入母屋造，桟瓦葺．両側には金剛力士像が安置されている．

妙楽寺 寺・神社・教会

境内の石垣，山門から本堂までの参道両側に見られる．
妙楽寺の拝観料は\400，9:00〜17:00，無休(冬季は要予約)．

妙楽寺 寺・神社・教会

妙楽寺地蔵堂．
こちらには福井県指定文化財の地蔵菩薩座像(平安時代作)が安置．
お堂の建造時期はわからない．
木造一重，宝形造，瓦葺．

妙楽寺 寺・神社・教会

妙楽寺本堂．
室町前期の建造，木造一重，寄棟造，向拝一間付，檜皮葺，国重要文化財．
内部の厨子に1296年の銘があることからこの時期の建造としているものもある．何れにしても若狭においては最古級に属する建造物である．
本尊の国重文二十四面千手観音菩薩立像(平安中期の作)を安置．

妙楽寺 寺・神社・教会

続いては小浜市尾崎の圓照寺．
創建年は不詳，寺伝によると7世紀頃．
また現在地への移転も1444年と1612年(寺伝)との複数の記載がある．
本尊は大日如来．
拝観料は\400，9:00〜18:00．仏像と庭園拝観が対象．

圓照寺大日堂(坐禅堂)．
1795年建造，寄棟造，銅版葺．
本尊の木造大日如来坐像，木造不動明王立像(ともに平安時代の作)，2躯の国重要文化財仏像を安置する．

圓照寺庭園．
江戸初期に作庭された回遊式庭園．
福井県指定名勝，モリアオガエルの生息地としても知られる．

木にぶら下がるモリアオガエルの卵．

小浜市羽賀の羽賀寺に移動．
創建は716年行基による．江戸初期の頃は七堂伽藍を有する隆盛を誇るも現在まで残るのは本堂のみ．
拝観料\400，9:00〜16:00．

羽賀寺 寺・神社・教会

羽賀寺本堂．
1447年建造，木造一重，入母屋造，向拝一間付，檜皮葺，国重要文化財．
本尊木造十一面観音菩薩立像，木造千手観音菩薩立像，木造毘沙門天立像の3躯の重文仏像を安置する．

羽賀寺 寺・神社・教会

小浜市街に入り小浜西組重要伝統的建造物群保存地区に．
小浜城下に3つ(東組･中組･西組)に分かれた城下町の一つ．
商家町と茶屋町および寺町から成る．
地区西側は三丁町という茶屋町で，茶屋建築の千本格子が見られる．
写真は鯖寿司の店「若廣」．

三丁町 名所・史跡

重伝建地区を散策した．
三丁町の街並み．
カフェなどもある．

三丁町 ぼんくら グルメ・レストラン

三丁町付近の町屋．
楽市の看板と二頭身の漫画が目に付いたが，何の建物かは不明．
二頭身の漫画は俳人の尾崎放哉ということは分かったが．
街中に小浜所縁の人物の説明看板があるようだ．

重伝建地区の南側にはJR小浜線が通る．線路の向こうに常高寺．
京極高次夫人で浅井長政次女常高院の墓所である．
度重なる火災により荒廃したものの平成に入ってから再建事業が進んでいる．
参道は線路で分断されており，1本東側のアンダーパスを通る必要があるようだ．

常高寺 寺・神社・教会

小浜男山の空印寺．
1688年創建，小浜藩主酒井家の菩提寺である．

空印寺薬医門．
1688年創建時の建造である．切妻造，瓦葺，欅造り，小浜市指定文化財．

酒井家墓所 名所・史跡

こちらも小浜男山にある八幡神社．
創建は769年，祭神は應神天皇，神功皇后ほか．
写真の木製大鳥居は1694年の建造，明神鳥居，小浜市指定文化財．

八幡神社 寺・神社・教会

写真は八幡神社拝殿．
ここの神社は，殺生を戒め，捕えた魚･鳥を池や海･山野に放す儀式(放生会)に由来をもつ約300年の歴史をもつ「放生祭」が有名．
「神興」「山車」「神楽」「大太鼓」「獅子」の5種類の演し物が毎年12区ずつ練り歩くのが見所だそうだ．

八幡神社 寺・神社・教会

八幡神社前のパン屋．景観にマッチしすぎている．

こころ グルメ・レストラン

八幡神社の石鳥居の界隈も古い建物が多い．
海鼠壁の土蔵もある．

八幡神社正面から海へまっすぐ進み，左に曲がる丹後街道に沿わずにさらに海へ向かうとあるのが高鳥歯科医院．
診療所兼主屋は1925(T14)年建造，木造2階建の洋風建築，寄棟造，瓦葺．
住宅離れ及び土蔵ともども国登録有形文化財．

丹後街道に戻り西進するとほどなく町並み保存資料館．
明治中期に建てられた町家を修理再生した資料館．
入館無料，9:00〜17:00，火曜休館．

町並み資料館の西隣は都菓子舗．
店舗兼主屋は1926(T15)年建造，木造2階建，切妻造平入，桟瓦葺．
主屋裏の作業所，土蔵ともども国登録有形文化財．

丹後街道の1本海側の通り，小浜白鳥の白鳥会館．
1889(M22)年薬店の店蔵として建てられた．
土蔵造2階建，瓦葺．正面開口部廻りや腰壁等壁面の一部に煉瓦を用いているのが特徴．
通りに面する煉瓦塀とともに国登録有形文化財．

西組重伝建地区から海岸に出ると砂浜が広がる．
海水浴場として賑わうようだ．
この日は子供のダンスイベントが行われていた．
沖では小浜港の遊覧船が航行中だった．

小浜市街を離れ，舞鶴方面へ向かう．
小浜市飯盛，飯盛山中腹の飯盛寺．
創建は14世紀中頃，本尊は薬師如来．
写真は山門，1489年建造との記載もあるが真偽は不明．文化財指定等は無い．
柱はだいぶ古そうである．屋根の桟瓦葺は近年のものか？

飯盛寺本堂．
1489年建造，木造一重，入母屋造妻入，茅葺，向拝一間(杮葺)付，国重要文化財．
今年(2015年)1月に吹き替えが完了したばかりなので，とても綺麗な茅葺である．

飯盛寺本堂．
内部の拝観は毎年秋の特別公開時のみのようだ．

寺務所前と山門脇の犬に結構吠えられた．

16:30を過ぎたので宿泊地の舞鶴に向かう．