アラルコン_Alarcón　要塞の古城に泊まる！『中世にタイムスリップ』としか表現し得ない村

2014/05/01 - 2014/05/02

スペイン中部南東寄り、カスティーリャ・ラ・マンチャ州クエンカ県の村であるアラルコンを訪れました。イスラム勢力の統治下からレコンキスタを経て、狭い面積に4つの教会を抱く深い信仰とともに中世が現代に残っている趣深い村です。
★古城のパラドールに泊まり、これこそまさに中世にタイムスリップ。
★荒野のオアシス、かつ信仰深い中世が残る村を散策。

[いただいた郷土料理/ご当地グルメ]
◎ケソ・マンチェゴ・クラド（羊乳のチーズ）
◎コチニージョ

エリア クエンカ(スペイン)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 5.0
• グルメ: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦
• 一人あたり費用: 10万円 - 15万円
• 交通手段: レンタカー 徒歩 飛行機
• 航空会社: ルフトハンザドイツ航空 ANA
• 旅行の手配内容: 個別手配

アラルコンの村は、カスティーリャ・ラ・マンチャの大平原のなかにポツンとある村なので、レンタカーのガソリンは満タンにしておきます。

ガソリンスタンドは基本セルフのところが多いです。ガソリンはGasolina、ディーゼルはGasoleoですので、借りた車がどちらかを確認して、間違えないようにしましょう。

ラ・マンチャの大平原を進む道。

スペインでは各地で風力発電用の風車を見かけます。

湖の横を抜け...

...さらに平原を走りアラルコンへ到着。マドリーから南東へ200kmほどの小さな村です。

フカル川が大きく湾曲し小さなダムとなっている場所があります。

ここに大きな塔があり眺望エリアとなっています。（塔は登れませんが）
アラルコンは、西ゴート族の王アラリックの子がこの町を築いたことからこの名が付けられたそうです。

そしてここからフカル川に囲まれた場所に、要塞の如く建つ城が見えます。（画像の左）
先ほどの塔は、城の周囲の監視塔だったのでしょう。

これが、古城を改装したパラドール・デ・アラルコン（Parador de Alarcon）です。小さなパラドールですので、部屋数は少な目......人気のパラドールでしたが、パラドールのサイトにて早めの予約で部屋を確保できました。

パラドールは、かつては国営で現在は半分民営のホテルチェーンです。スペイン各地で古城などの歴史建造物をホテルに改装し営業しています。またここは、元は8世紀のムスリムの城砦であり、後の15世紀のマルケス・デ・ビリェーナ（Marques de Villena=ビリェーナ伯爵）の城だったとのこと。

客室。

奥にバスルーム。

窓からはフカル川の渓谷と対岸。そこにも塔が見えます。

バスルームのアメニティ。

パラドールおなじみの、重厚なキーホルダー付きの部屋のキー。

部屋から出ると眼下には雰囲気の良いパティオ。

さて、チェックイン後に落ち着いたところで、パラドール友の会特典の無料ドリンクチケットでまずは一杯。

ＢＡＲへやってきました。

スペインの発泡酒、カバで。

ＢＡＲでゆっくりとくつろいだ後は...夕食です。これがスペインスタイル。

いつもならリオハやリベラ・デル・ドゥエロのワインで行くところですが、今回はカスティーリャ・ラ・マンチャ産を選んでみたくなりました。

アペリティボ（前菜）。

パン。

ハモン・イベリコにチョリソ、サルチチョンにチーズはマンチェゴ・クラド（Surtido de Ibericos y Quesos Manchegos con Pan con Tomate）...ワインのお供にこれらがあれば、もう......ぐはぁ。

さらに、ラ・マンチャのものではないにしろ味わい深いパン・コン・トマテ。この時点で既に夫婦そろってかなりのご満悦。

そしてメインは皮がパリパリのコチニージョ（Cochinillo）、子豚の丸焼き。

そして、エントレコット（Entrecot）、牛リブロースステーキ。

もちろんポストレ（デザート）も。ティラミス。

アイスクリーム。

カフェ・コルタドにて〆。
いやーこのレストランは美味かった。

ライトアップされたパラドールの塔。夜のパラドール周辺を少しだけ散歩し、今日は休みにつきます。

翌朝、この日も良い天気。

相変わらず趣のあるパティオ。

朝食は昨夜と同じレストラン。

パラドールでは珍しく、ビュッフェではありません。宿泊者が少ないからか、個別にオーダーを取りに来ます。

何を頼んでも一律料金の様で...

チュロスに色々なパン...

ラスク...

カフェ・コンレチェをいただきます。

もちろん、温かい卵料理も。目玉焼きに...

レブエルト（炒り卵）。

おっと、野菜も忘れず頼みましょう。

朝食後は、フロントに鍵を借りて城の上層部に上がります。

ここからだと中庭も小さく見えます。

城へ入る城門方面。

フカル川方面。

アラルコン・ダム・

ここからの眺めは、ここがかつて天然の要塞であったことが覗えます。

さて、城(パラドール)を出て、村の散策へ出かけます。

パラドール以外にもホテルがありました。

一周するのに1時間も要らない小さな村です。村の東の端にある城から、村を貫くアルグティン・トルトサ通りを西へ。

村の中ほどにある、サンタ・マリア教会(Iglesia de Santa Maria)。

15世紀のプラテレスコ様式を主とし、ゴシック様式も交えた教会だそうです。

その近くには広場と建物。

サント・ドミンゴ・デ・シロス館（Auditorio de Santo Domingo de Silos）、12〜18世紀の教会でしたが、現在は講堂や展示の為の建物として活かされている様です。

村の西の端に近くに来ました。ここに（Plaza del Infante Don Juan Manuel）があります。左の建物はコンセホ宮殿（Palacio del Concejo）で、現在は村役場となっている模様。
そして、右側の建物が...

...サン・ファン・バウティスタ教会（Iglesia de San Juan Bautista）、15世紀のロマネスク様式とのこと。

その内部。何故か構造物は取り払われており、伽藍堂です。壁と天井にはへスース・マテオ(Jesus Mateo)という芸術家のアートが施されていました。

城の方面に戻ります。小さいけど紋章が立派な家。

戻る途上、村の南にある教会へ。

サント・トリニダード教会（Iglesia de Santo Trinidad）、13〜16世紀にかけてのロマネスクとゴシック様式の教会とのこと。

主たる見どころをほぼ見終えた後、いよいよ村を後にします。城門が見えてきました。

ここが城門。

名残惜しくも、遠ざかって行くアラルコン城。

アラルコンを去る前に、もう一度この展望エリアから村を眺めます。

昨日の夕方は逆光でしたが、今朝は陽を受けてくっきり。

うわぉ！素晴らしい眺望。荒野にそびえる要塞と城、およびその城下町。

この城での宿泊は、本当に月並みな表現ですが、中世にタイムスリップしたとしか、他に表現のしようがありません。

川の対岸には監視塔らしき、ミニアラルコン塔(Torre de Los Alarconcillos)。

こちらにも、カナヴァテスの塔(Torre de Canavates)。

そして、本当に最後にアラルコン城を眼に焼き付けます。

この村に出会えたことに感謝しつつ、ラ・マンチャの大地をさらに進みます。