エルチェ_Elche　世界遺産の椰子園！乾いた大地にオアシスを築いたイスラム勢力の遺産

2014/04/30 - 2014/04/30

スペイン南東部、バレンシア州アリカンテ県の都市、エルチェを訪れました。と言いますか、アリカンテからムルシアへ向かう途上で世界遺産に指定されている椰子園に寄ってみました。
★椰子園の真っただ中にある植物園で、様々な椰子を見ながら散策

エリア エルチェ(スペイン)

• 旅行の満足度: 3.5
• 観光: 3.5

• 同行者: カップル・夫婦
• 一人あたり費用: 10万円 - 15万円
• 交通手段: レンタカー 徒歩 飛行機
• 航空会社: ルフトハンザドイツ航空 ANA
• 旅行の手配内容: 個別手配

エルチェの人口は22万人、バレンシア州では3番目に人口が多い都市だそうです。

先史〜古代イベリア人によって築かれ、紀元前5世紀のカルタゴ支配下の時代に椰子が植えられ始めたとのこと。

もうこの辺りは椰子園のエリアの様です。

「ここからここまでが椰子園、ここが椰子園の入場門」といった様なはっきりした区分けがある感じではなく、いつの間にか椰子だらけになってました。

それでも、このウエルト・デル・クラ(huerto del cura)の様に、椰子を中心とした植物園があることを知り、訪れてみました。

入場ゲート。

ゲート横の管理事務所兼お土産店。

庭園内にもお土産を売っている屋台がありました。

1万3千平方メートルの敷地に、約1,000本もの椰子の木を擁しています。

植物園ですので、椰子以外にも色んな植物が。

それでも、やはり椰子が最も目立っています。

張り出した椰子の木…別の木でつっかえ棒。

池の水面に映る逆さ椰子。

園内で飼われている孔雀。

サボテンの庭。

アートも。

そして、この植物園の主役はこれ「皇帝の椰子（Palmera Imperial）」ですね。

19世紀の末頃にこの椰子園を訪れたオーストリアの皇后にちなんで名付けられたのだとか。

この7本の幹は一体どうなっているのでしょうか？

それぞれの幹も随分と頑丈に補強されています。

椰子園は、イスラム勢力の後ウマイヤ朝のアブド・アッラフマーン1世の時代に現在の規模になったとか。（ちなみにこの像は、イスラム勢力と戦ったアラゴン王ハイメ１世ですが）

アブド・アッラフマーンはアラブ式の灌漑を導入し、もともと乾いた地であったこの地に、アラブ世界ではオアシスの象徴であった椰子の群生を築くことを考えたのかも知れませんね。

エルチェ、日本ではややマイナーな世界遺産を有する町ですが、支配者が目まぐるしく変わったこの地域で、これだけの広大な椰子の林が古来より重宝され残ってきたことは、ひとつの奇跡と言えるのではないでしょうか。