2015/05/05 - 2015/05/06
45位(同エリア310件中)
susuさん
前回の旅行先が混沌のインド・パキスタンだったので、もう旅行中から「次は景色が綺麗でのんびり落ち着けそうな所に行こう」と思っていました。真剣に行き先を考え始めたのが年明けすぐで、それから3日もしないうちにルートを決めて航空券を手配しました。
13日間となかなか長めの日程ですが、あの国にも行きたいあの街にも行きたいと欲張った結果、いつもの通りのんびり出来なさそうな旅程が出来上がりました。
4/24(金) 成田→イスタンブール
4/25(土) イスタンブール→リュブリャナ
4/26(日) リュブリャナ→ブレッド湖→リュブリャナ
4/27(月) リュブリャナ→ザグレブ
4/28(火) ザグレブ→プリトヴィッツェ湖群国立公園→ザグレブ
4/29(水) ザグレブ→ドブロブニク
4/30(木) ドブロブニク→コトル→ドブロブニク
5/01(金) ドブロブニク
5/02(土) ドブロブニク→モスタル
5/03(日) モスタル→サラエボ
5/04(月) サラエボ→ベオグラード
5/05(火) ベオグラード→イスタンブール
5/06(水) イスタンブール→成田
成田→リュブリャナ、ベオグラード→成田(ターキッシュエアラインズ)…124,100円
移動時間を考慮して、ザグレブ→ドブロブニクとサラエボ→ベオグラードは飛行機で移動することにしました。それ以外のバス・列車は現地で手配します。
ザグレブ→ドブロブニク(クロアチア航空)…US$56.45(6,877円)
サラエボ→ベオグラード(エアセルビア)…106.23EUR(14,526円)
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩 飛行機
- 航空会社
- ターキッシュ エアラインズ
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
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カーテンを閉めずに寝たら、夜明けと共に目が覚めました。しかし今日は早起きの必要がないので二度寝三度寝。
依然としてお腹の調子は悪いですが、それ以外の体調は良いので8時半にシャワーを浴びて朝食を食べに行きました。 -
9時過ぎにレストランへ。昨日エレベーターで話したモンテネグロ人男性が挨拶してくれました。
フォークが補充されていなかったりとやはりサービスがいまいちですが、朝食バイキングの内容は普通。ファミレスのドリンクバーにあるようなサーバーから注いだアップルネクターが何故か水のような薄さだったけど。オレンジジュースは普通でした。
品数は写真に写っているこれら+コーンフレーク類くらい。マッシュルーム炒めと歯応えのあるソーセージが美味しかったです。朝食としてはこってりしてるけど、ソーセージにマスタードの組み合わせは本当最高だな。 -
昨日の女性スタッフがフロントにいないことにホッとしつつ、11時前にチェックアウト。
チェックイン時に宿代をカード払いし(たつもりで)レシートまで貰っていましたが、昨日のはプレ?だったそうで改めて支払わされました。よく分からないシステムだけど、昨日貰ったレシートよりも今日の方がレートが良かったからまあいいか。セルビア出国時に必要になることがあるらしい宿泊証明書もくれました。フロントに荷物を預けて観光に出掛けます。
今日の天気は快晴で、最高気温は32℃の予報。午前中は24℃らしいけど既に暑い。こんな中で街歩きとか絶対死ぬ…カレメグダン公園遠いし。トロリーバスやトラムが沢山走っていますが、料金がゾーン制で難しいのと路線が分からないのとで、一切利用しないことにしました。
浮くのを承知で日傘を差して出掛けます。東アジア人の時点で既に十分浮いてるからいいよ。ベオグラードでは東アジア人だけでなく、団体ツアー客というものをほぼ見かけませんでした。
わー体感温度が全然違う。持ち運べる日陰最高! -
スラヴィヤ広場とテラジエ(町の中心の通り)を結ぶKralja Milanaという通り沿いには、色々なお店が並んでいます。大きなスーパーやショッピングモールらしき建物も。
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お洒落な洋菓子店も。
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真っ直ぐカレメグダン公園に行くつもりでしたが、途中に気になる案内板があったので脇道へ。
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花でいっぱいの公園の向こうに建物が見えてきました。
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セルビア議会議事堂(国会議事堂)!
1906年に建設が始まりましたが第一次世界大戦で工事が中断、1936年に完成したそうです。 -
周囲には警官が大勢いましたが、物々しい雰囲気はありません。
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奥の建物は旧宮殿。現在は市庁舎だそうです。
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国会議事堂の向こうの建物はセルビア郵便本社。その奥には聖マルコ聖堂の頭が見えています。
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ベオグラードにも野良犬がいる。
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国会議事堂に向かって左に進むと、さっきの大通りの延長にあるテラジエに出られます。
テラジエの手前にあるニコラ・パシッチ広場。 -
靴磨きのおじさんの最高の笑顔!
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素敵な建物を発見!ホテル・モスクワ。セラミックのタイルで出来たファサードが有名な、ベオグラードを代表する美しい建築のひとつだそうです。1906年に建てられました。
緑色のタイルがキラキラしていてとても綺麗。一目で気に入りましたが、何故か南側の壁には装飾や窓が一切無く、剥がれかけのコンクリートがむき出しの状態でした。
手前の白い塔は水飲み場(テラジイスカ・チェスマ)。 -
テラジエはKralja Milana以上に幅が広く、通り沿いには大きな建物がずらりと並んでいます。ベオグラード市民の多くは共和国広場やカレメグダンをベオグラードの中心と考えているそうですが、テラジエは公式にベオグラードの中心として設計された場所なんだそう。
ショッピングモールの壁のモザイク。 -
テラジエからすぐの共和国広場に出ました。中央に建っているのはミハイロ・オブレノヴィッチ公の像。近代セルビア随一の明君として評価されている人物だそうです。
その後ろの建物は国立博物館ですが、残念ながら補修工事中で外観が見えませんでした。 -
あっ漢字!この北京飯館は歩き方の地図にも載っていますが、そっちの表記は「北京飯店」になっているな。
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寄り道もしましたが、スラヴィヤ広場から50分程でカレメグダン公園の敷地に到達しました。地図上ではかなり遠く(3~4km)見えたけど、日傘のお陰で全然余裕。スペシャルサンクス日傘!
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カレメグダン城址公園(ベオグラード要塞)。公園があるサヴァ川とドナウ河の合流点を見下ろす小高い丘の上は、昔から戦略的にとても重要な地点だったために、2世紀から18世紀の間に何度も建設と破壊が繰り返されました。
「カレメグダンは」トルコ語で、「カレ」は砦、「メグダン」は広場・野原を意味しているそうです。 -
何だこりゃ?
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公園内を観光列車が走っていました。
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観光列車が進んで行った方へ向かうと、時計塔が見えてきました。
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途中にはテニスコートがいくつも。そういえばセルビアはジョコビッチの国ですね。
テニスコートだけでなくバスケットコートもあります。カレメグダン公園はスポーツ施設が充実していました。 -
イチオシ
時計塔とスタンボル門。スタンボルとはイスタンブールのことだそうです。
見て下さいこの微動だにしない旗を。雲一つない空を。暑い!
ベオグラードで気温が30℃を超えるのは、平均で年間30日程度だそうなので、5月の頭で32℃は珍しいのかもしれません。まあ明日の予報は34℃なんだけど。 -
門の中はひんやりしていました。カラッとしているので日陰は快適です。
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門を抜けた先にはまた城壁。城壁が二重になっているんですね。間のお堀のようなスペースには、近代的な兵器がずらりと並んでいました。
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もう一つ門をくぐります。
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門を出てすぐの所に旧式の大砲がありました。要塞を守る大砲で、こういう造りの大砲の中では最大級のものだそう。
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内側の門の先は木陰の多い公園でした。ここが丘の頂上で、ゴルニ・グラード(上町)というらしい。土産物屋がいくつも出ています。
!!!
日本刀の木刀を売ってる!!古今東西の武器に混じって!(爆笑) -
ゴルニ・グラードを抜けると、一気に視界が開けました。
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サヴァ川が見えました。右端の方でドナウ川と合流しています。サヴァ川の対岸の森はヴェリコ・ラトノ島。
川の手前に見える一帯がドーニ・グラード(下町)。 -
WALKING IN THIS AREA YOU RISK YOUR LIFE
この看板が色々な所にありました。 -
15~17世紀の城跡。ここにあった城は17世紀の墺土戦争で破壊されました。この遺跡は1970年代に発掘されたそうです。
落ちたら怪我するでしょうが、道幅がそこそこあるので怖くはありません。元々高所は平気ですが、今回の旅では落ちたら即アウトな高所にばかり行っているのでますます恐怖心が麻痺しているような気がする。
しかし渡りきった所に鬼畜トラップが仕掛けられていました。 -
道を塞いでいる鬼畜トラップフェンス。自己責任で渡っていい(意訳)って書いてあるのにこの仕打ち。フェンスの角以上に突き出ている鉄パイプが実に鬼畜ですね。流石にここは慎重に渡りました。
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木陰のベンチに座って日記を書いていたら、目の前のアスファルトが急にパカパカ鳴りだしたのでびっくり。顔を上げると、馬に乗った警官が横を通り過ぎていくところでした。
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あれ、さっき(6枚上の写真)見た時には無かった花輪が供えられてる。やっぱりお墓だったのか。
これは歩き方の地図に載っているダマト・アリ・パシャの墓ではないと思う。シラーダーリ・ダマト・アリ・パシャは墺土戦争 (1716年-1718年)で活躍した人物ですが、この墓標には1456年と書いてあるので。
ちなみにその戦争で勝利したハプスブルク君主国のリーダーの名前に見覚えがあると思ったら、ウィーンの新王宮の英雄広場に建っていた2体の像の片方、オイゲン公(オイゲン・フランツ・フォン・ザヴォイエン=カリグナン)でした。
ハプスブルク君主国とオスマン帝国は、まさにここベオグラードで激突したのか…。 -
物見塔とジンダン門。
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石垣のあちこちに草花が生えています。
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良さげな日陰を見つけては、のんびり座って休みました。やっぱりお腹の調子が良くない。
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お堀のようだと思ったスペースは、昔は実際にお堀だったそう。現在は埋め立てられています。
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牢獄跡らしい。
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教会らしき塔を目指して坂を下ります。途中にレストランがありました。
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奥まで行ったら行き止まりだったので一瞬途方にくれましたが、手前左側に階段を発見。
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びっしり蔦に囲まれた聖ルジツァ教会。
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入口は正面のここではなく、
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もっと右側のこちら。教会内には弾丸で作ったシャンデリアがあるそうですが、内部は写真撮影不可。
今気が付きましたが、ドアの向こうにシャンデリアがチラッと写っているな。弾丸のシャンデリアではないと思うけど…。 -
すぐ下には聖ペトカ教会がありました。聖水で有名なんだそう。
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ベンチに座って景色を眺めました。
見渡す限りの平地です。これは確かに要塞にもってこいの丘だわ。 -
遠〜〜くに見えた特徴的な建物。…ゼムンのシビニャニン・ヤンコの塔じゃないか!
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聖ペトカ教会に出入りする人は多かったです。
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色鮮やかなモザイク!
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描かれている内容はどこかコミカル。何か御触れのようなものを見せられてるけどどういう場面なんだろう?
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ポンプ式の井戸。これも聖水?少し漕いだらすぐに水が出てきました。
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ドーニ・グラード(下町)へ。
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水飲み場を発見。他で見た水飲み場と違って、絶えず水が出ている訳ではありません。ちょっと迷って蛇口の上のボタンを押したら、冷たい水が出てきました。気持ちいい!
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廃墟かと思ったら、門でした。カルラ6世門。
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芝を刈っていました。刈ったばかりの芝、いい匂い!ハーマイオニーが好きな匂いの一つに挙げたのがこれか。
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刈られたばかりの芝生を見ながら、またベンチで休憩。移動しては休みの繰り返しです。
大はしゃぎで公園を駆けるゴールデンレトリーバーのような犬と、ゆっくり後ろを歩いて行く飼い主のお婆さんを見かけました。ベオグラード市民もやはり犬の散歩にリードを使わないんですね。名前を呼んだらちゃんと戻ってくる犬、可愛くて賢い。 -
城壁の上に見えるのは勝者の記念碑。ベオグラードのシンボルで、第一次世界大戦のセルビア王国の勝利を記念するモニュメントです。
1917年にアメリカ合衆国が参戦したことでセルビアが属する連合国側が勝利したとはいえ、セルビア王国は滅亡の危機に追い込まれるほどの徹底的敗北を喫しました。当時のセルビア王国の人口は約450万人で、第一次世界大戦によって全人口の28%、男子人口の58%をも失ったそうです。 -
カレメグダン公園の外側をぐるっと回ってベオグラード本駅を目指します。
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教会の塔が見えてきました。
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オーストリア大使館らしい。
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その隣には大きなセルビア正教会がありました。
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その向かいにもセルビア正教大聖堂。こちらは歩き方で紹介されています。
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その斜向かい、さっきのセルビア正教会の隣にあるのはリュビツァ妃の屋敷。
1815年の第二次セルビア蜂起の指導者として、オスマン朝からセルビアの自治を獲得したミロシュ・オブレノヴィッチの屋敷です。共和国広場に像があったミハイロ・オブノレヴィッチは彼の次男。
ミロシュの都市計画によって、トルコ色の強かったベオグラードの街並みがヨーロッパ風に変えられたそう。へえ〜…もし変えられなかったらベオグラードはサラエボのバシチャルシァとかモスタルみたいな街並みだったのかな?
ミロシュの統治は冷酷で専制的だったために、何度も反乱が起こるくらいセルビア人からは不評だったそうですが、自分の屋敷に奥さん(子沢山だけど偉人でも何でもない)の名前を付けるなんて憎めないところがあるなあ…と思ったら、英語版Wikipediaを読むに円満な夫婦でもなかったようだ。リュビツァ妃はミロシュの愛人の一人を殺しそうになったことがあるらしい。愛人の「一人」って一体何人いたんだよ。屋敷の名前は奥さんのご機嫌取りだったのかな。 -
駅を目指して北へ。
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なんか物凄い壁画!左上の絵の画風・作風が漫☆画太郎そのものだったので爆笑でした。
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ベオグラードではどういう訳か、判子屋さんをやたらあちこちで見かけました。ここなんて3軒隣り合っています。
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何だこの建物、壁がない!
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昨日空港バスで通った道かと思ったけど、違うみたい。
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下にバスターミナルが見えました。
うーん…長距離バスターミナルじゃなくてラスタ社専用バスターミナルかな? -
地図アプリを見ながら正しい道を探します。
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一旦北に戻り、違う通りをまた南へ。
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その先に長距離バスターミナルを発見しました。ここは乗り場で、入口はもっと本駅寄りのようです。
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遂に本駅の案内板を発見!
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長距離バスターミナル前の公園の芝生には、色の浅黒い南アジア系の男達がゴロゴロ寝ていて異様な雰囲気でした。かなりの人数で、全員男性。
もしかして彼らがロマなんだろうか?だとしたら初めて見た。 -
ベオグラードで初めて、近代的なトラムを目撃。珍しいので興奮しましたが、個人的にはレトロな見た目の乗り物の方が好きです。
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LET'S DO ITという日曜大工のお店、ストレートな店名で面白いですね。
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遂に本駅の前に到着しました。
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駅前の様子。
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水はとっくに尽きて喉がカラカラです。
駅入口の階段に座って景色を眺めていたら、屋台でアイスを購入している女性が目に入りました。購入したアイスをその場で食べる場合は、お店の人が包みを剥いて客に持ち手の方を差し出してくれるようです。その様子を見て何か良いなあと思い、私もフラフラと吸い寄せられました。
スイカバーそっくりのアイスを購入。40DIN(約48円)、驚きな事に今日お金を使うのはこれが初めて。お店のおばちゃんが包みを剥いて差し出してくれました。何だかとても暖かく、嬉しい。
こういう市販アイスクリームの屋台は色々な国で見かけますが、利用するのは初めて。『世界中にあるけど日本でだけは見かけないもの』って結構あるように思いますが、これもその一つだと思います。他にはLay'sのポテトチップスとか、COSTA COFFEEとか。
スイカバーは日本のものと違って滑らかな食感でシャリシャリ感は無く、種チョコは表面の一部に纏まってくっ付いていました。これはこれでとても美味しい。 -
イチオシ
駅前の階段に戻ってアイスを食べながら、景色を眺めました。
駅前から空爆ビルが見えています。奥の突き当たりがスラヴィヤ広場。 -
ベオグラードであと何をしよう…とぼんやり考えて、ハッと気付きました。そうだ、郵便局に行こう。本駅のすぐ隣にある。
郵便局の入口の前にも中にも、さっき公園にいたのと同じような風体の男達が屯していました。郵便局の窓口で何かの申請をしているようですが、うーむ…彼らを見ているとロマがヨーロッパ中で嫌われる理由がなんとなく分かる気がする。徒党を組んでいて何か良からぬ事をしそうな雰囲気があるというか、人の警戒心を煽る何かがある。
混んでいる訳ではないけど前の男性の手続きが長く、30分近く待たされてやっと切手を購入。歩き方には40DINと書いてありましたが、窓口では74DIN(約89円)だと言われました。まあ今時40DINは安すぎると思ったよ。 -
駅前のキオスクで水(55DIN≒66円)を買おうと並んでいたら、東アジア系の女性に英語で空港バスの乗り場の場所を尋ねられました。もしやと思ったらやっぱり日本の方!バスで今朝ベオグラードに着いて、今夜の私と同じターキッシュエアラインズの便で帰国するそうです。びっくり!
空港バスですが、私はスラヴィヤ広場から乗車するので駅前の停留所の場所はよく分かりません。昨日の空港からのバスは長距離バスターミナルの辺りで停まっていましたが…とそのまま説明しました。
夕方に空港バスに乗ってから知りましたが、駅前の空港バス乗り場はまさにこのキオスクの目の前(4枚上の写真右端の辺り)でした。駅前の中央分離帯の。なんてこった、役に立たなくてすみません。 -
駅前からスラヴィヤ広場方向へ、空爆されたビルを見に行きました。旧ユーゴスラビア国防省。
手前の道路がクネズ・ミロシュ通り、通称『空爆通り』。官公庁が多い通りで、左に真っ直ぐ進むと国会議事堂前に出ます。 -
ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争に続き、コソボ紛争で再びセルビア側の非人道的行為が世界中から非難され、国際世論に押されたNATO軍が1999年3月にベオグラードを空爆しました(アライド・フォース作戦)。
アメリカ率いるNATO軍と旧ユーゴスラビア軍の間には圧倒的な戦力差があったので、NATO軍は武力行使によってセルビア側を即座に屈服させ、速やかに和平交渉に持ち込めると考えていたようですが、予想に反してミロシェヴィッチ政権は和平案を拒否し続け、コソボのアルバニア系住民に対する民族浄化を続けた為に、78日間もの長期に渡って空爆が続けられました。
ミロシェヴィッチ政権が和平案を拒否し続けた理由として、和平交渉の期限切れ直前にアメリカが提示した「コソボのみならずユーゴスラビア全域でNATO軍が展開・訓練でき、なおかつ治外法権を認めよ」という、ユーゴスラビアの占領化を意味するような条件があったことが空爆終了後に発覚して問題になったそうです。
この内容を調べて、サラエボ事件から第一次世界大戦勃発への流れを思い出しました。どちらも発端を作ったのはセルビアですが、武力行使を回避する条件として到底呑めない要求を提示されて、拒否したら大義名分が出来たとばかりに叩かれる。セルビアは旧ユーゴスラビア構成国の中では強者であり、暴虐の限りを尽くし(尽くされ)ましたが、歴史の中ではより大きな国に苦汁を嘗めさせられ続けてきた国だと感じました。第二次世界大戦時はナチスに『ドイツ人の死者1人に対してセルビア人市民100人、ドイツ人の負傷者1人に対してセルビア人市民50人を殺害する』という無茶をやられていますし。
6世紀にスラブ人が住み始めて以降、ベオグラードは40もの異なる民族に占領され、38回も破壊されたそうです。 -
78日間もの空爆。破壊されたのは当然この2つの建物だけではないでしょう。しかしそんな事はまるで無かったかのように、この2つの建物だけ残して周囲は綺麗に建て直されています。
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近くの交差点では軍人が周囲に目を光らせていました。このビルを見上げていたりすると注意されるらしいです。見せるために残しているんじゃないんなら、何のためにこの建物を残しているんだろう?
空爆されたビルから落ちる瓦礫が通行人に当たらないように、歩道に屋根が付けられています。そうまでしてこの建物を残す理由は何だろう。平和への願い?セルビアがしたことに対する反省?アメリカへの恨み?…2番目は絶対無いな。 -
両替したディナールが結構残っていますし、お腹の調子が良くなったので昼食を摂ろうとお店を探していたんですが、本駅周辺ではレストランを見つけることが出来ませんでした。
時刻はもう4時近く。諦め気味でスラヴィヤ広場に向かって歩いていたら、脇道にオープンテラスのカフェを発見しました。こういうお店、ベオグラードでは意外に見なかった。クネズ・ミハイロ通りとかスカダルリヤのような繁華街に行ってないせいだと思いますが。
すかさず入店、というか着席。AKADEMIJA 28というお店でした。
食事系のメニューはピッツァのみですが種類が豊富。セルビア料理を食べられなかったことが残念ですが、セルビアンピッツァ(一番小さいミニで360DIN≒432円)というメニューを発見、これだ!それとビッグエスプレッソwith Milk(140DIN≒168円)を注文しました。 -
エスプレッソには水のグラスが付いてきました。これは嬉しい。
メニューによるとセルビアンピッツァの具はトマト、モッツァレラ、ハム、マッシュルーム、生ハム、パンチェッタ、ホットチリペッパー、オレガノ、オリーブ。なぜかジャーポット一杯のトマトケチャップが付いてきました。タバスコ入り。 -
ナイフで切って持ち上げようとしたら、チーズが伸びる伸びる伸びる!どこまでも伸びる!(笑)パンチェッタと生ハムがしょっぱいけどとても美味しかったです。ゴロっと上に乗っている大きくて黄色いホットチリペッパーは、ナイフで切ろうとしたらとても硬かったので、食べずに放っておきました。
ミニでも意外に量があります。美味しいので限界まで食べましたが、3/4くらい食べてギブアップ。く、苦しい…。 -
スラヴィヤ広場に戻ります。
途中にあった煌びやかなパン屋さん。有名店らしい。 -
ホテル近くのスーパーSHOP&GOへ。昨日行ったのとはまた別の店舗が近くにありました。
空港バス代300DIN以外の残金全てを使い切るべく、3回買い物を繰り返しました。何回目かのレジで初めて気が付きましたが、セルビアのスーパーの価格表示は内税のようです。商品棚に書かれている値段のまま。ちなみにクロアチアは外税で、+25%がっつり取られるのでよくレジで混乱しました。財布から出して用意していた紙幣じゃ足りなかったりして。
全部で652DIN(約783円)。バックパックがお菓子でパンパンです。前回のインド・パキスタン旅行では市販のお菓子を全く買えなかったので、今回は買いまくるつもりだったけどそれにしても買い過ぎですね。あー楽しい。
ホテルのロビーでWi-Fiを利用して時間を潰し、17:40発の空港バスでニコラ・テスラ・ベオグラード空港へ向かいました。 -
食べ過ぎ水の飲み過ぎで、チェックインカウンターの列に並んでいる時に猛烈に気持ち悪くなりました。荷物を預け、席は通路側をリクエストして、搭乗券をゲットするなりトイレへ。帰りの空港で吐くのがここ最近のトレンドなんだろうか。私の。
出国審査では搭乗券のみにスタンプが押されてパスポートには押されませんでしたが、すかさず「パスポートにもスタンプを頂けますか」と丁寧に頼んだら、すんなり押して貰えました。嬉しい。宿泊証明書の出番は無しでした。
イミグレの前後にセキュリティチェックが無いのを不思議に思っていましたが、なんとニコラ・テスラ空港のセキュリティチェックは各ゲートの入口にあるのでした。えーっ!初めて見た!なので搭乗時間が近くなるまでは誰もゲートに入れず、通路のベンチに座って待つことに。
セキュリティチェックが始まったら始まったでゲート内の席数に対して乗客がとても多く、座れない人が溢れてカオスでした。 -
20:20発のターキッシュエアラインズでイスタンブールへ。
往路と同じく生搾りオレンジジュースが美味しかったです。チキンサラダを少し食べたら胃がギィーッと痛んだので食事終了。牛乳が原因で胃が痛くなるってどういうこと?胃の粘膜を保護してくれるんじゃないのか。…いや、これは今日の食べ過ぎが原因か。 -
翌01:15発の便で成田へ。
座席が24Aだったので、通路側をリクエストしたのに窓側だなあと思っていたら、なんとエコノミー最前列でした。やった!足元広々、トイレは目の前!
しかし非常口から隙間風のような冷気が漂ってきてとても寒い。それに最前列になるといつもそうですが、モニターの出し方が毎回分からないんだよな。肘掛けの下にあるのを力一杯引っ張っても出てこない。CAさんに頼んで出して貰い(やっぱり力ずくで出してると思う)、ついでに普通の席なら目の前にあるUSBの差し込み口の場所を教えて貰いました。なんと足元。
往路と違ってアメニティは素敵なケースに入っていました。中身は往路と同じ。 -
この頃にはもう体調が回復していたので、機内食は普通に食べられました。
メインはパスタを選択、トマトソースのリガトーニ。ちなみにビーフはトルコ風ハンバーグ。往路で食べたやつかな。ドリンクは自家製レモネードを。
ターキッシュエアラインズのパンは温められており、表面パリパリ中はしっとりふんわりでとても美味しい。機内食のパンはどこの航空会社のも好きです。
右上のデザートは生クリーム チェリーとラズベリーのソース添え。
食後はアイマスクをして、オーディオを聴きながら眠りました。 -
2回目の機内食の匂いで目が覚めるまでぐっすり、現在地は北京上空です。2回目はチキンとリガトーニの選択肢だったので、チキンを選択しました。鶏胸肉のグリル。
残りの時間は往路でも観たスポンジボブの2004年の映画(カニカーニ2号店が出来る話)を観て過ごしました。映画版は初めて見ましたが、日本語吹き替えのパトリックとプランクトンの声が低いのが残念。英語版の声と似ているのはこっちなんですが、私はNHK版の吹き替えが好きだな。聴き慣れてるから。
ちなみにスポンジボブの新しい映画が近日公開されるようで、今回旅したエリアの色々な所でポスターや看板を見かけました。
日が暮れる頃に成田に到着。機内でぐっすり眠れたのでいつになくすっきりしていて、京成線の中でも全く眠くならず、家に着いても深夜まで寝付けませんでした。いつもは機内で眠った分はノーカンの勢いで眠れるのに。この夜に眠れなかったせいで、帰国してから暫くは時差ぼけのような状態が続きました。こんなの初めてかも。
13日間の今回の旅行はかなり天気に恵まれて、絶景を沢山見ることが出来ました。GWに海外旅行をするのは初めてで、春~初夏のヨーロッパに行くのも初めてでしたが、花の咲き乱れるヨーロッパは素晴らしかった。またこの時期を狙って行こう。
ここまで読んで下さってありがとうございました。
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