旧ユーゴスラビア5ヶ国周遊GW個人旅行 11（サラエボ～ベオグラード）

2015/05/04 - 2015/05/04

前回の旅行先が混沌のインド・パキスタンだったので、もう旅行中から「次は景色が綺麗でのんびり落ち着けそうな所に行こう」と思っていました。真剣に行き先を考え始めたのが年明けすぐで、それから3日もしないうちにルートを決めて航空券を手配しました。
13日間となかなか長めの日程ですが、あの国にも行きたいあの街にも行きたいと欲張った結果、いつもの通りのんびり出来なさそうな旅程が出来上がりました。

4/24（金） 成田→イスタンブール
4/25（土） イスタンブール→リュブリャナ
4/26（日） リュブリャナ→ブレッド湖→リュブリャナ
4/27（月） リュブリャナ→ザグレブ
4/28（火） ザグレブ→プリトヴィッツェ湖群国立公園→ザグレブ
4/29（水） ザグレブ→ドブロブニク
4/30（木） ドブロブニク→コトル→ドブロブニク
5/01（金） ドブロブニク
5/02（土） ドブロブニク→モスタル
5/03（日） モスタル→サラエボ
5/04（月） サラエボ→ベオグラード
5/05（火） ベオグラード→イスタンブール
5/06（水） イスタンブール→成田

成田→リュブリャナ、ベオグラード→成田（ターキッシュエアラインズ）…124,100円

移動時間を考慮して、ザグレブ→ドブロブニクとサラエボ→ベオグラードは飛行機で移動することにしました。それ以外のバス・列車は現地で手配します。

ザグレブ→ドブロブニク（クロアチア航空）…US$56.45（6,877円）
サラエボ→ベオグラード（エアセルビア）…106.23EUR（14,526円）

エリア ベオグラード(セルビア)

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 20万円 - 25万円
• 交通手段: 高速・路線バス タクシー 徒歩 飛行機
• 旅行の手配内容: 個別手配

眠りたいだけ眠って9時前に起き、11時過ぎにチェックアウト。今日は15:20発のエアセルビアでベオグラードに向かいます。
宿代（9.70EUR≒1,291円）は結局今日もカード払い出来ないそうで、10EUR（約1,330円）払って0.60KM（約43円）お釣りを貰いました。

スタッフに空港への有料シャトルサービスはあるかと尋ねると、ちょっとびっくりした感じで「ない」と言われてしまいました。えーっ！Booking.comにはあるって書いてあるのに、何その寝耳に水みたいな反応！と逆にこっちこそびっくりしていたら、「でもタクシーは呼べるよ」と早速電話を掛け始めました。慌てて「今すぐじゃなくてこの宿を13時くらいに出発したい」と告げ、その時間にタクシーが来るように手配して貰いました。

パンションセビリはとても快適な宿で、サラエボを再訪する機会がもしあればまた泊まると思いますが、良い面でも悪い面でもBooking.comの情報と実際が違っていましたね。このシャトルバスもそうだし、使えないはずのエリアでWi-Fiが使えたし、チェックアウトの時間も書かれている場所によってまちまちでしたし、カード払い出来ませんでしたし。
まあとにかくこれで一安心。キャリーを預かって貰って、バシチャルシァに出掛けました。

パンションセビリからバシチャルシァに入ってすぐの辺りにある玩具屋さん。スタンド付きの自動小銃が子供用の玩具とは思えないクオリティなんですけどー…。

三丁目の夕日とかを見るに日本もそうだったんじゃないかと思いますが、戦争の記憶が冷めやらない世代の子供達はそうでない世代に比べて、より兵器系玩具が好きなように思います。逆に日本の最近の子供は多分西部劇ごっこやチャンバラごっこはあまりしないでしょう。周りの大人も野蛮だ不謹慎だって止めそうですし。
戦争が身近だとある意味憧れというか、実際に戦った親世代への尊敬の念とかで、子供もこういう物を使ってみたいと思うようになるのかもなあと思いました。現在の日本の状況を見るに、もっと世代が進むとタブーのようになってしまうようですが。

天気が良くて暑い。今日もアイス日和だ！

Kinder bueno味（1KM≒71円）。何それ？という感じですが、まあオレオとかキットカットのやつみたいに砕いたお菓子が混ぜられているミルク味のアイスです。

バシチャルシァ広場手前の果物屋さん。リンゴ1kgで180円くらい。

鳩のエサを売っています。

路地にあった水汲み場。

今日もフェルハディヤ通りへ。

昨日買った切手を貼ったポストカードを、郵便局前のポストに投函。2週間後に無事届きました。

今日も立派なカトリック大聖堂。

フェルハディヤ通りと交わる道にも、オープンテラスのレストランがズラリ。

遠足？

生搾りオレンジ＆ザクロジュースの屋台。どちらも小さい方の瓶で3KM（約213円）。

こちらは瓶じゃなくてコップ。

聖火を見てから引き返しました。

昨日は通り過ぎた公園。木陰が心地良い。

公園というかサラエボ大学の敷地なのかな？

その公園にあった謎の建物。映画館にしては小さい。入場料は3KM（約213円）。
側面の写真を見て漸くどういうアレなのかが分かりましたが、これは期待して入ったらがっかりするパターンのような気がする。

公園の南に立派な教会がありました。生神女誕生大聖堂。
サラエボ最大のセルビア正教会の大聖堂で、バルカン半島全体でも最大級の聖堂の一つだそうです。

カトリック大聖堂の横の建物（写真左）で、スレブレニツァの虐殺（ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争末期の、セルビア人共和国軍によるボシュニャク人大量虐殺事件）についての展示を行っているようでした。

SARAJEVO MEETING OF CULTURES…。

バシチャルシァに戻って来ました。

時計塔と、ガジ・フスレヴ・ベイ・ジャミーヤのミナレット。実際は時計塔の方がずっと高いですが、同じ高さに見える位置を探して撮ってみました。

最後にバシチャルシァ広場の北にあるコンズム（セビリの右に写っている建物）に行って買い物をし、宿に戻りました。

ボスニア・ヘルツェゴビナ製の商品はあまりありませんでしたが、じっくり探して見つけた2つ。これと水も買って2.90KM（約206円）。

右上の2枚はパンションセビリのロビーにあったメニューです。ここで食事も頼めたのか。

ロビーというか廊下ですけどね。右にレセプションと出入り口があります。正面左側の扉が共用バスルームで、私が泊まった部屋は廊下のさらに奥。
結構部屋数の多い宿です。宿で他の宿泊者を見たのはリュブリャナ以来でした。

ちなみに共用バスルームの、小窓がある方の個室からの眺め。カフェのテラスが目と鼻の先！客と目が合いそうな距離なのでコソコソしてしまいます。

約束した13時頃に、宿のスタッフが「タクシーが来たよ」と呼びに来てくれました。

トランクにキャリーを積み込み、乗り込んだ車内にはメーターが見当たりませんでした。あれ…これ本当にタクシー？料金交渉しようとするも、運転手には英語が通じないようで困った顔をされました。
途方に暮れていたら、なんとバックミラーにメーターが付いているのに気が付きました。何これハイテク！初めて見たよ。運賃の上がり方も緩やかで一安心。

ミリャツカ川沿いの道路は西方向行きの一方通行なので、市庁舎の角をぐるっと廻ってバシチャルシァ広場の北の道を通り、空港のある東へ。

乗用車に乗るのが久しぶりだからそう感じるんだと思いますが、車高がめちゃくちゃ低い！地面を滑るように走っていきます。

廃材を使った楽器のようなモニュメントがありました。

スナイパー通り沿いの教会と、アルタという名前のショッピングモール。

その隣にホリデイ・イン。奥にアヴァズ・ツイストタワーも見えています。

低いアングルから見る景色が新鮮で面白い！

銃痕の残るアパート。所々修復されて壁がツギハギ状態です。

青空に映える教会。

セルビア正教会…いやモスクか？

丘の輪郭が一切見えないくらい家が密集しています。カラフルで可愛過ぎる！サラエボの丘にどれほど暗い過去があろうと、この景色を見たら可愛いとしか言えない。

30分程で空港に到着しました。請求された運賃は15KM（約1,065円）。歩き方には16KM＋荷物代2KMが目安と書かれていたので、思ったよりも安く済みました。

サラエボ国際空港。ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争が始まった最初の週に、セルビア人勢力によって支配されました。その後国連の管理下に置かれて人道援助用等に使用されましたが、戦禍で大きく破壊されました。
空港の滑走路を渡った先にある政府の支配領域に行くことが、包囲下のサラエボから脱出する唯一の方法だったために、通過しようとしたおよそ800人のサラエボ市民ががセルビア人勢力の狙撃手に射殺されたそうです。セルビア人勢力の目を掻い潜って安全に移動するために、4か月かけて滑走路の下にトンネルが掘られました。現在それがトンネル博物館になっています。

エアセルビアのカウンターでチェックイン。いつもは全ての荷物を機内持ち込みにする私ですが、キャリーが買い込んだお菓子でだいぶ重くなっていたし乗り継ぎなしの短距離路線でロストする可能性もないと思うので、今回は預けるつもりでした。
ベルトコンベアに乗せると、私のキャリーの重量は7.5kg。…予想外に軽い。モロッコ～スペイン旅行の序盤、フェズからバスに乗る時に量った時ですら8kg近くあったのに。だいぶ重くなってこれってことは日本を出た時点では5kgくらいしかなかったのでは。荷物が軽いのは結構なことですが、7.5kgのキャリーを引くのが重いと感じてしまった自分に危機感を覚えました。このキャリー5年くらい使ってるしタイヤ劣化したかな？（現実逃避）

機内持ち込みは8kgまで可。エアセルビアのにこやかなスタッフに「手荷物でいいわね？」と聞かれて思わずYESと答えてしまいました。まあいいか。機内持ち込みするキャリーにタグが付けられ、航空券とパスポートと一緒にクレームタグのような半券を渡されました。…何だろうこれ…？よく見たらキャリーに付けられたタグの半券だ。DELIVERY AT AIRCRAFT SIDE（航空機側の配達）って書いてあるけど何だろう？

セキュリティチェック手前のカフェの壁になんと日本語が！サラエボ空港で日本語を見るとは思わなかった。

マルカが結構残っており、セルビアで小銭が両替できない可能性があると思ったので、カフェでミックスサンドイッチ（4KM≒284円）を購入しました。
今食べないで夕食にしようかと思いましたが、挟まれたレタスが瑞々しいので美味しいうちに味見しておくか…と一口。もっちりフワッとしたゴマパンにハム、生ハム、チーズ、柔らかいレタスが挟まっていて激ウマ！！止まらなくなって半分くらい食べてしまいました。

出国審査官は厳しい顔をした女性でしたが、遂にボスニア・ヘルツェゴビナのスタンプが貰えるのが嬉しくてニコニコしながら審査を受け、フヴァラとお礼を言ってパスポートを受け取ったら頬を緩ませてくれました。
その後1軒しかないDUTY FREEを見ていたら、その出国審査官の女性がすまなそうにやって来て、何やら手続きを間違えたのでパスポートを貸してほしいと言われました。私はここで待っていてと。わざわざ探しに来てくれるとは…狭い空港で良かったなあ。その後返しに来てくれ、笑顔でバイバイと手を振ってくれました。

ゲートから見えたエアセルビア機は、予想通りとても小さい。ボーディングブリッジは勿論タラップも何も必要ないサイズ。搭乗の際は建物から歩いて行って後部から乗り込みます。乗り込む直前に、スタッフがタグを見てか私のキャリーを引き取って階段横の荷台に乗せ、機体前方のカーゴスペースに運んで積み込んでいました。…何だこのシステム！（爆笑）初体験！カーゴに入れる荷物を乗客に運ばせるシステム？！

座席は2-2で、私の席は通路側でした。ハッチが閉まっても隣の人が現れなかったので、空席だと思い窓際に移動したら、直後に男性がやって来ました。慌てて席を退いて通路に出ると、「窓際がいいの？どうぞ」と涼しい顔で譲ってくれました。おお～太っ腹…この区間を乗り慣れてらっしゃる？
上空からの景色がとても良かったので嬉しい。写真はサラエボ上空。

プロペラ機に乗るのは久しぶりです。離陸の際はブ―――ンというかボワ―――という音で耳が一瞬聞こえなくなる感じでした。

私には自分で勝手に設けている旅ルールがいくつかあるんですが、そのうちの１つは『これまでの旅で未体験の何かにチャレンジすること』です。前回のインド・パキスタン旅行では「ビザの事前手配」、その前のモロッコ・スペイン旅行では「大陸間移動」、その前の中欧旅行では「ヨーロッパ個人旅行、陸路移動手段の事前予約」、その前のタイ旅行では「ビジネスクラス搭乗、現地で国内線利用、陸路で国境越え、窓口で列車のチケット購入」など。
今回の初体験はこれです。「現地で国際線利用」。

紙袋に入った機内食が配られました。
シートピッチが非常に狭く、テーブルを出すとバッグの置き場がない。座面とテーブルとの距離も普通より近い？横にも下にも置けないので、前に押し込みました。こんなに狭いのは初めて。狭くても食べやすいように紙袋で渡してくれるのかも。

サンドイッチの中身はピクルスとチーズだったかな。パンに塗られたハニーマスタードが良い仕事をしていて、これも激ウマ！ピクルスは好きじゃないのに美味しく食べられました。

サラエボを発って40分弱。眼下に今旅では見た事がない数の家が見えてきました。

うわー…！ベオグラードって広大なんだなあ！さすが旧ユーゴスラビアの首都。
こんなに大きな都市を見るのはイスタンブール以来です。実際ベオグラードは、バルカン半島の中でイスタンブール、アテネ、ブカレストに次いで4番目に大きいんだそう。

今回廻ったエリアの中でベオグラードだけは地図の縮尺がおかしく、拡大された地図でも1cmで300mくらいあるのでした。街歩き大丈夫か？

真ん中の楕円はベオグラード競馬場か。だとするとこの写真には、歩き方に載っているベオグラードの広域地図とほぼ同じ範囲が同じ角度で写っているな。
上部に細く写っている真っ直ぐな川がドナウ川、その下に延びている川がサヴァ川、ドナウ川の下に写っている緑地帯がヴェリコ・ラトノ島、その右の半島的な部分がカレメグダン公園。切れていますが、右の方に聖サヴァ教会も見えました。

階段状の集合住宅がずらり。この形の方が日当たりが良いのかな？

市街地を通り過ぎて、畑が多いエリアにあるベオグラード・ニコラ・テスラ空港に着陸しました。タラップ（じゃないけど階段）を降りた先に空港内移動用のバスが待機しており、その手前に私のキャリーがポツンと置かれていました。本当面白いシステム。

入国後、到着ロビーの手前にあった両替所へ。クロアチアクーナからの両替はあっさり出来ましたが、コインは扱っていないという理由でマルカを両替出来ませんでした。ショック！マルカは5マルカ（約355円）という高額コインがあるので要注意です。こんな事ならサラエボの空港で激ウマサンドイッチをもう1個買って、さらにドリンクも頼んでおくんだったな。
一応到着ロビーの両替所でも聞いてみましたが、同じ理由で断られてしまいました。しかしどちらの両替所のスタッフも申し訳なさそうに理由を説明してくれたので、セルビアの第一印象は良かったです。
セルビアの通貨はディナール。ヨーロッパらしからぬアラビアンなイメージの通貨単位なので、初めて知った時は驚きました。ちなみにユーゴスラビアの通貨もディナールでした。

空港の建物を出ると、左手にスラヴィヤ行きと書かれたバスが停まっていました。スラヴィヤ広場が終点の空港バスです。

空港から市内への移動は市バス72番（170ディナール、以下DIN）で行く方が安く済みますが、私が予約しているホテルはスラヴィヤ広場にあるのでこちらの方が断然便利。運賃は300DIN（約360円）で、運転手が席を廻って切符を売ってくれます。

スーツケースを置くスペースもありました。

サヴァ川を渡る橋の上から、聖サヴァ教会の頭が見えました。真ん中から見て左寄りの、頭一つ抜けているビルの隣。

駅の手前にある長距離バスターミナル前のバス停で、私以外の乗客全員が降りました。

黄色い建物のベオグラード本駅。

空爆通りの方を向いているのはこちらの面です。

ベオグラード本駅からスラヴィヤ広場は大通り1本で繋がっています。通り沿いには官公庁的な建物や、

NATO（北大西洋条約機構）に空爆されてそのままになっている建物があります。これらも「元」官公庁。

ちゃんと調べるまでは、てっきりボスニア・ヘルツェゴビナ紛争を終結させるために空爆されたんだと思っていましたが、それはボスニア・ヘルツェゴビナ国内のセルビア人共和国（スルプスカ共和国）の方で、ベオグラードが空爆されたのはその後のコソボ紛争（1999年）でのことでした。

30分ちょっとでスラヴィヤ広場に到着しました。

スラヴィヤ広場～空港の時刻表。深夜～明け方は本数は減るものの、24時間バスがあるんですね。素晴らしい！

私が予約している宿はスラヴィヤ広場に面しています。キオスクの向こうのあれかな？

いや違う、その向かいのこっちだ。空港バスの停留所からも近い最高の立地！

チェックインして宿泊費をカード払いしました。朝食は6～10時。
ロビーには両替所もありました。

16階建てのホテルで、私の部屋は15階。エレベーターは4機あり、奇数階行きと偶数階行きとで別になっています。初め知らずに偶数階行きのカゴに乗ってしまいましたが、16階から階段で下りようとするも何故かどこにも見つからず、また1階まで戻って乗り直しました。
エレベーターで一緒になったモンテネグロ人男性と少し話しました。名古屋に行ったことがあるそうでびっくり。

ホテル・スラヴィヤ。Booking.comで予約して、朝食付き専用バスルーム付き1泊で18EUR＝2314.52DIN（2,638円）。今旅唯一の朝食付きですよ！イスタンブールを抜きにすれば。

激安なだけあって、部屋はかなり老朽化していました。それでも今旅唯一の『ホテル』です。

窓も汚れていますが、眺めが最高でした。

大きな教会が見えました。聖マルコ聖堂、セルビア正教会の聖堂だそうです。

眺めが良くてテンションが上がりましたが、なんとバスルームの電気が点きませんでした。
フロントに行って説明するも、「電気が点かない」って英語で何て言うんだっけ？停電は経験あるけどこんな状況は初めてなので分からない…部屋では使えませんがロビーはパスワードなしでWi-Fiが使えたので、翻訳アプリを起動して音声認識機能を使用。スマホの画面を見せて漸く理解して貰えました。修理の人が来るので部屋で待つようにと指示され、部屋で待機。

が、全く誰も来ない。30分待って痺れを切らし、再度フロントへ。誰も来ないんですけどと言ったら驚かれ、フロントの女性がもう一度電話を掛けてくれ、お互いに笑顔ですみません、ありがとうと言って別れ部屋に戻りましたが、和やかだったのはここまででした。

再び部屋で待つも、全然来ない。窓から見える街並みが徐々に西日に照らされていきます。観光客から時間を奪うなんて犯罪だぞ…。凄まじくイライラする。
遂に1時間が経ち、再びフロントへ。さっきの女性が他の宿泊客をさばくのをじっと待ちいざ私の番になったら、女性はうんざりしたように「私は2回も電話したの！ハウスキーピングが来ない理由なんて知らないわ」といきなり逆切れしてきました。逆切れの時点で最悪だけどよりによってお前がそれを言うな、仮にも同僚だろうが。「あなたがそうやって部屋を離れてる間に来てるんじゃないの」とまでほざかれました。
その後は無視で奥に引っ込まれたので別の男性スタッフに話したら、ふてくされた女に3回目の電話を掛けさせてくれたのでまた部屋へ。

今度こそ修理の男性が来ました。しかし蛍光灯を代えても電気は点かず、男性は「3分待って」と言ってどこかに行き、色々して、どこかに電話を掛けながら作業した末に漸く直りました。電気が点いた時は嬉しかったです。

修理の男性が去った後の洗面台が埃やら何やらで汚いままだったのは流石だなと思いましたが、もうどうでも良いよ。全く今回の旅行は宿関連で苦労してばかりでしたが、最後が極めつけでした。

兎にも角にも部屋に入ってから1時間半、これで漸く観光に行ける！

外に出たら、そろそろ日が沈みそうでした。
左端に空港バス乗り場が写っています。

ホテル・スラヴィヤの外観。翌日に撮影したものです。

ベオグラード本駅の方向。奥に空爆されたビルが見えています。
明日はカレメグダン公園に行くつもりなので、方向が違う本駅方面と聖サヴァ教会は今日のうちに行くつもりでしたが、駅は諦めよう。

スラヴィヤ広場から聖サヴァ教会へは一本道。緩やかな坂道を上っていきます。

横断歩道の脇でジャグリングをしている男性がいました。道端で練習しているだけなのかと一瞬思いましたが、信号待ちの車に向かってしていることに気が付きました。チップ目的の大道芸なのかな？

道が合ってるか不安でしたが、スラヴィヤ広場から5分程歩くと、道沿いの公園の向こうに聖サヴァ教会が見えてきました。

遠くから見ても大きい！広い公園は地元の人達の憩いの場でした。

聖サヴァ教会の前には、クリスマスマーケットのような可愛いお店が沢山並んでいました。

子供の頃の私が見たらテンションMAXになるに違いないペロペロキャンディーのお店。渦巻き模様のペロキャンってアニメではよく見るけど実物は見たことない、と子供の頃に思っていました。

タイル（？）に色々な人名が書いてあります。日本の観光地でもよく見るやつの一種ですね。

聖サヴァ教会。聖サヴァ大聖堂、聖サワ大聖堂とも。世界でも最大級の、東方正教会の大聖堂。聖サヴァはセルビア正教会の創健者であり、中世セルビアにおいての重要な人物だそうです。

1935年に建造が開始され、現在も建設中。外観は完成しており、教会としては既に機能しています。入場無料。

入口のイコンもよく見たら布、未完成です。

内部は明らかに未完成でしたが、冷房がしっかり効いていて寒いくらいでした。

入口の両脇には売店が。

広い大聖堂の中には掃除機の音が響いていました。

内部は思った以上に未完成、というかWikipediaに載っている2009年の写真以上に未完成な気がする。いやそんなまさか、工事が後退する訳は…。

私の前に教会に入っていった男性、軽装でカメラを持っていて地方から来た観光客なのかもしれませんが、聖堂内に沢山ある祭壇の一つ一つを廻って丁寧に祈りを奉げていました。こういうお辞儀って日本だけの文化じゃないんだなあ。

正面奥の祭壇はおおよそ出来上がっている様子。

私が入ってきた真ん中の大きな扉が閉ざされました。扉が閉まるゴ―――ン…という音が、聖堂内に反響していつまでも鳴り響いていました。雰囲気ありすぎ、素晴らしい。

祭壇はどれも仮設のような状態です。

しかし祈りを奉げる人達は真剣そのもので、聖堂内は非常に神聖な雰囲気でした。こんな所で写真を撮っているのが申し訳なく感じるくらいです。

たとえ掃除機の音が響いていてもです。

ロウソクを灰に挿していました。奥の男性は短くなったロウソクに灰を掛けて消火し、片付けています。

完成した所が見たいけど、一体いつになるだろう…サグラダファミリアより後になりそうな気がする。建築費は寄付に頼っているそうです。

入る時に気が付きませんでしたが、入口の近くにロウソクがありました。

右に私の前に教会を出た女性が写っています。建物を出る時に柱にキスをし（アムリトサルの黄金寺院を思い出しました）、何度も振り返って教会に一礼をしていました。
殆ど無宗教のような私にも、というより『だからこそ』なのかもしれませんが、信仰は尊いと思わせる光景でした。

日が暮れます。

可愛い土産物に混じって軍帽のようなものを売っています。

一軒だけポストカードを売るお店を発見、3枚購入しました。１枚50DIN（約60円）。

本当に美しい教会。

午前中は逆光になると思うので、聖サヴァ教会の観光は午後が良いと思います。

聖サヴァ教会の正面には体育館のような建物がありました。セルビア国立図書館らしい。

ベンチに座って教会を眺めました。噴水は綺麗だけど塩素臭かったです。

公園には暴走族が大勢いました。

公園の小高い丘に誰かの後ろ姿が。もしかしてあなたが聖サヴァ？

じゃないか、サーベル持ってるし。

半袖短パンのいかつい男性が、顔をくしゃくしゃにして泣きながらこの小さな丘の周囲をぐるぐる回っていました。何だ…？信仰心の表れなのか、彼にとってのこの場所が漸く来れた聖地なのか、銅像の人物を崇拝しているのか、それとも何か辛い事があったのか…。実際の所は何一つ分かりませんが、人にここまでさせてしまうこの場という事実に圧倒されました。

ホテルに戻るついでに、行きに見つけていたスーパーに立ち寄りました。このSHOP&GOというスーパーは、ベオグラードの至る所で見かけました。

これまでに廻った国でもセルビア製のお菓子は多かったので、製造国を確認しなくてもお手頃価格な物は大抵セルビア製だろうと気軽に買いまくりました。お菓子やっす！テンション上がります。
牛乳が安いけど、1L入りのしかない。1泊しかないのに1Lも…と迷いましたが、日本ではそんなに飲まないのに旅先ではいつも牛乳の誘惑に勝てないのだった。日本で買うより安いからな。
今日の夕食はサンドイッチの残りとポテトチップスと牛乳に決定！

全部で472.92DINですが、端数は切り上げられて473DIN（約568円）でした。

往きでジャグリングしていた男性が、帰りでもしていました。チップ貰えるのかなあこれ…。

スラヴィヤ広場に戻って来ました。
向こうのモニターに気温や天気が表示されています。現在24℃。たまたまなのかもしれませんが、ベオグラードは今回廻ったエリアで一番暑かったです。

部屋も暑いくらいだったので、これは乾くのでは？と一晩しかないのに洗濯を敢行。気持ちいい〜！少ししか開かない窓からいい風が入ってきます。

部屋から見下ろすスラヴィヤ広場。正面の道を真っ直ぐ行けばカレメグダン公園に行けると思う。

聖マルコ聖堂がライトアップされていました。

その左手に見えたこの建物は国会議事堂か。

牛乳を1Lも飲んで（暑いのでがぶがぶ飲めた）寝たら、夜中にお腹を壊して起きました。アホだ…。牛乳を飲んでお腹が緩くなるというのはよく聞く話ですが、自分がそうなったのは初めてでした。こういう場合って腹痛は伴わないんだなあ。心底アホだ。