2015/04/29 - 2015/04/29
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fmi(ふみ)さん
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関東一円には、週末に運行されるSL行楽列車が増えてきたが、その草分け的存在が、上越線高崎-水上間を走るSL列車である。動態保存が始まってからもう20年以上になるが、5年前の2011年に、いわゆる旧型客車を整備し、運転を始めたことで新たな局面に入った。
12系など、現代的な客車が使われることの多いSL行楽列車だが、上越線のSL列車は、期日を限定して、旧型客車の旅を楽しむことが出来る。昭和の時代の昔ながらのノスタルジックな「汽車旅」、冷房もなく、窓を開けっ放しで走るので、煙も入ってくる、車両によっては内装や座席が木製のものもある。
本物の汽車旅を体験したい場合にお勧めだ。
全席指定の快速列車で、指定席は数日前に購入したが、当日は満席だったようである。4月29日に乗車した日は5両編成(7両編成まで組める)で、両端1号車と5号車が戦前製の木製内装の客車で、一番人気が高く、切符も早めになくなる。中間車は全て、昭和20年代に製造された比較的新しく、車内も近代化改装がなされたタイプ。高崎を9時56分に出発、水上には12時4分に到着する。2時間以上もかかる理由は、最高速度を時速50キロから60キロ以内とし、途中渋川駅などで長時間停車するため。SLのボイラーの安全基準を考慮し、上越線の勾配をゆっくり進む。
窓を開けて、SLの汽笛と旧客の走行音を聞きながらのどかな上州の利根川沿いを進む道中は最高だ。旧型客車は、大井川鉄道(静岡県)でも乗車出来るが、大井川鉄道が、小型から中型のSLを揃えているのに対し、高崎で動態保存されるSLは、もともと東北線や常磐線、信越線や羽越線といった、幹線で急行や特急、重量貨物列車を牽引していた大型機ばかりなので迫力がある。
高崎では、C61型とD51型を運用、時に新潟のC57や秩父のC58もイベントに駆けつけることもあるが、この日はD51型の牽引だった。毎週末の土日に、上越か信越(横川まで)のどちらかでSL運転を行うが、月に1度くらいの割合で、旧型客車を走らせている。スケジュールはJR高崎支社のホームページに掲載。「レトロ」と名前についてるのが旧客運用の日で、5月中は、6日に高崎-水上間、5日と31日に高崎-横川間で運行予定。連休中の旧型客車とSL人気は高く、かなりの人出だった。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 3.0
- 交通
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 高速・路線バス JRローカル
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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早朝、7時頃に上野駅を出発。普通列車で高崎まで向かう。
2時間程度で着くので、7時40分くらいでも間に合うのだが、SLの入線や入れ替えを見たいので早く出る。 -
高崎には9時前に到着。SL列車出発までまだ1時間あるが、既に、カメラを持った人がホームには結構いた。
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高崎機関区からSL、D51がやってきた。SLは一番西側の2番線ホームから出発するが、まず、機関区を出区後、2番線わきの側線を北上し、ホーム北端で待機、客車がDL牽引でホームに入線したのち、連結作業に入る。
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ホーム北で待機中のD51。SLみなかみ号は、長時間停車する駅のいずれも、対向ホームのないところに停車するので、引きのある停車写真を撮るのが難しく、撮影する場所も限られるので、停車中は撮影する人たちでホームはかなり混雑する。
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後ろから見たD51。
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つづいて客車が推進で2番線に入線。誘導員の指示で入線する。今回の目的である旧型客車だ。
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蒸気機関車との連結。連結ののち、客扱いを始める。客車の扉は手動だが、走行中などはロックされて開かないようになっている。
出発15分前だが、このように大勢のファンが押し寄せている。 -
高崎駅で出発待ちのSLみなかみ号。ホームの北端で、ここはあまり広い所ではなく、乗務員の詰所などもあり、危険なのでホームに鎖で敷居がつくられている。
特に連休シーズンで人気の旧客運転なので人出は多い。SLみなかみ 乗り物
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先頭5号車車内。ご覧の通り内装が木で出来ているうえ、機関車のすぐ後ろなのでドラフト音なども直に聞こえるとあり、とくに人気のある車両。
客車の形式はスハフ32型といい、JRの現存する客車では最も古い。扇風機もなく窓は狭い。この客車だけ、戦前に製造されたもの。 -
いちばん後ろ、1号車の車内。こちらも古い木製内装で、人気がある。こちらは窓が広く扇風機もついている。客車の後ろ3分の1が荷物車になっているが、現在は、車内販売の基地などに利用されている。オハニ36型と言う形式。
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中間車3両につかわれてる客車。比較的新しい43型客車というタイプ。1950年代に急行用として製造されたものなので、座席や台車もよく乗りごこちも良い。車内も鋼製で明るい内装。それでも12系や50系に比べて重厚な作りである。灯具の数も多い。トイレ付の車両もあるが、トイレは今風のバリアフリー対応様式トイレに改装されている。
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旧型客車の窓は大きな1枚窓で、上に持ち上げて開く。43型客車はテーブルがついている。
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高崎駅、出発時間が近づいている。
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客車天井。扇風機と丸型蛍光灯のみ。(昔は白熱灯だった)
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汽笛一斉出発、上越線を北上する。
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渋川駅で25分停車。写真撮影や土産物の販売を目的にしてるほか、SLの最高速度が遅いので、ここで後続の水上行普通列車に道を譲る。
また、こういった停車時間を利用し、機関車や客車の点検やテンダの石炭のかきだしなどを行う。渋川駅 駅
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ほんと雰囲気良いなあ旧型客車は。
昭和60年までは、日本全国でこのような旧型客車が走っていた。ここで保存されてる客車は、現役時代は東北線、羽越線、常磐線などで走っていた。そのころには真っ赤な50系客車も走っていたが、それに混じって活躍してたのである。昭和60年の東北新幹線上野開業で、多くの特急、急行用電車や気動車が余剰になり、それらが旧型客車を置き換えた。
ドアが開きっぱなしで走行するので、朝夕の通勤時間帯には危険で、実際転落事故も少なからずあり、沿線自治体からは改善の陳情などもあったらしい。
現在は、ドアに電磁石とドアクローザを付け、大掛かりな改造をせずに半自動化している。 -
渋川を出発すると利根川を渡って谷あいの線路をカーブを切りながら走行、山道になる。
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水量豊かな利根川を見ながら走る。
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沼田駅停車
沼田駅 駅
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谷川岳が見えてきた。
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水上駅に12時過ぎに到着。周囲の山には、まだヤマザクラが咲いている。
水上駅 駅
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機関車は到着後すぐに切り離され、この先にある転車台に向かい、客車だけが留置されている。
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水上駅と駅前。背景の山に桜が。
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駅の北側にあるSL広場。上毛高原駅に飾ってあった保存D51の後ろで、今まで走ってきたD51が転車台で交換中。
水上駅 駅
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背景のヤマザクラ
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D51の入れ替え風景、転車台で向きを変えた後、ピット線に入り、水を補給しながら足回りやテンダ、火室などの点検を行う。
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機関車の周りにたくさんの観光客。
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機関車の整備風景。
動態保存に使うD51蒸気機関車は、498号機という1940年に製造されたもの。D51の大半は戦争直前から戦時中に製造されており、もともと貨物用の機関車だった。中央本線や東北本線の北部と言った勾配の急な路線では旅客者も牽き、1000両以上も生産された。498号機は製造後、山陽線などで貨物の牽引にあたり、その後、主に北陸、信越地方で1972年まで使われていた。動態保存が始まったのは1988年からで、もう25年上越線を走っている。
水上駅は、上越線清水トンネル開通(全通)時に運転の拠点として機関区が整備され、このSLの広場はその跡地である。開通当初(昭和6年)から電化されており、当初から電気機関車が走っていた、SLとは縁のうすい路線なのである。
上越線の動態保存SLは、ほかにC61(2011年運行開始)があるが、どちらも東北線などの幹線で使用した大型蒸気である。 -
たんぽぽの花と蒸気。
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初夏の利根川、水上峡は水量が豊富。水上周辺を少し散策。
水上峡 自然・景勝地
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水上駅前にとまる関越交通バス。水上、上毛高原駅、後閑駅を起点に、奥利根温泉郷、谷川岳、奥日光片品を結んでおり、大体1時間間隔で運転。
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さて、帰りは、この関越交通が運行する、季節運転の高速バスで帰ることにする。
午後1時ちょうどに、新宿行バスが出発。1日1往復、運転日が限定されてるのでHPで要確認。
4時間の運転、午後5時に新宿駅に到着するが、途中、川越駅、練馬駅にも寄る。また、関越道の上里SAなどでトイレ休憩がある。 -
途中、三好PAで。ずらずらとツアーバスが並ぶ。
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新宿駅、新宿通りのルミネ前に到着、15分ほど早着した。道路は渋滞してなかった。
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