晩秋のイタリア周遊旅情・ＷＴ信の旅行三昧ここから始まる９、待望のローマその１フォロ・ロマーノ

2003/11/27 - 2003/11/27

晩秋のイタリア旅行は後半に移り、その最初が待望のローマ。

ローマはシエナの広場で見上げた狼の乳で育てられた双子の兄弟の兄ロムルスが、18歳にして初代王となり、建国をしたので国の名もローマとなったと云う。

不思議なことに、3000年も昔の話だが、その建国日が紀元前753年4月21日と日にちまで判っているらしい。

そこで気になるのがなぜ双子の兄弟は狼の乳を飲んでいるのか、その双子がなぜ兄だけがローマの名の起源となったのか。

小川TD のローマ建国物語はギリシャ神話のトロイの美女ヘレンを巡るトロイ戦争に始まる。

ギリシャの木馬作戦で知られるトロイ戦争で敗れ、逃げ延びたトロイ側の一族がいた。

その一族の兄弟同士の争いで、殺された兄王の娘レア・シルウィアは、子孫の反逆を恐れた父の弟アムーリウスにより、巫女に出さされる。

巫女は30年努めなければ結婚できない掟で、シルウィアに子孫が出来ないようにと意図したことによる。

しかしながらシルウィアは軍神マルスの子を身籠ってしまう。

それを知ったアムーリウスは生まれた双子をテレヴェ川に流す。

しかし双子は運よく人里離れた村に漂着し、ここで山から出て来た雌狼の乳で生き延びる。

この双子の名が後にローマの街の礎を建てたロムルスとレムス。

しかしこの双子の兄弟も、ローマ建設の考えの違いから仲たがいし、レムスは兄に殺害され、遺された二人の子供がシエナに逃れる。

兄ロムルスは紀元前753年4月21日、ローマ初代の王となる。

ローマ市の中心に建つ、ローマのランドマーク・白亜のヴィットリアーノの裏（東側）は、古代ローマの中心カンピドーリオ広場。

カンピドーリオ広場から真下に広がるフォロ・ロマーノを最初に目にした。

ロムルス初代王以来古代ローマの政治と人民の生活の中心であり、歓喜と悲哀が織りなす歴史が幾重にも滲む場所である。


我々が目にするフォロ・ロマーノは、かのジュリアス・シーザー（ガイウス・ユリウス・カエサル）が整備した姿だと云う。

そしてそのシーザーも、親代わりに育てたブルータスによってここで暗殺される。

「ブルータス、お前もか！」

フォロ・ロマーノのセンター道路・聖なる道（Via・Sacra)を歩くと、歴史を刻んだ人々の怨念が、周囲に次から次と舞い出ずる感じに襲われ、思わず襟を正す。

シーザーのバリシカの廃墟のとなった岩の上には、今日も生花が供えられていた。

フォロ・ロマーノは10年後再び訪れている。しかし聖なる道を歩いたのはこの旅だけであった。

＊参考
第２部ヴァチカンを飾る、４人の天才を巡るローマ美術散歩25カンピドーリオ広場から望むフォロ・ロマーノ眺望
http://4travel.jp/travelogue/10801290

エリア ローマ(イタリア)

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: 観光バス 船
• 旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行あり）