2014/05/28 - 2014/05/29
556位(同エリア4065件中)
tadさん
今回の3日間乗り放題切符の旅の2泊目は長崎だった。何度も来ているところなので、普通の観光地は避けた。唯一の訪問地はシーボルト記念館だった。
シーボルトの日本の医学への貢献と、日本事情を海外に広めた点に対しては、彼の貢献は大きい。司馬遼太郎の「花神」でいねと大村益次郎の関係を知ってから、いねとシーボルトのことにも関心が広がっていたので、今回、長崎を訪れた際、この記念館を訪問してみた。資料は複製が多いものの、結構貴重なものもある。全体としては多くを学んだ。
江戸時代の鎖国状態にあって、シーボルトの行動は、日本の医学にとっては貢献度大だったようだ。シーボルトとたきとの間にできた子供いねは日本最初の女医ともいうべき存在となり、そのいねと大村益次郎との出会いは、司馬遼太郎の記述では、接点が結構あったことになっている。その真偽のほどは不明だが、シーボルトの弟子が日本全国にネットワーク的な分布をなしていたようだということを今回の記念館の展示で確認した。
大村益次郎のことは、この記念館ではでてこないが、いねが大阪で、襲われて死の床にある大村益次郎を看病したことは他の資料でもでてくる。そのいねの環境を知るのに、今回の記念館の展示は興味深いものであった。
いねとたきはシーボルトの再来日時にあっている。シーボルトはかつて、スパイ行為の嫌疑で、日本を追放された。30年後のシーボルトの再訪日時には、一転して、幕府のお抱えになっている。いねも行動がしやすかっただろうが、実際、いねの腹違いの訪日したシーボルトの二人の息子達とも後に知り合っている。
二人のシーボルトの息子は、どちらも日本等で外交官として活躍し、当時の日本の国際化に貢献した一家だといわざるをえない。いねは彼らの世話にもなったようだ。シーボルトがドイツの立派な貴族の家系の人物で、日本紹介の活動も長年にわたり、欧米で彼の日本紹介の研究や書物は当時貴重なものであったようだ。各国語に翻訳され、アメリカのペリーも訪日前に彼の日本紹介の書を読んでいたことを今回知った。
なお、今回の訪問日は、ちょうど、あじさいが咲き乱れ、「おたきさん」からきたといわれる「オタクサ」が記念館の庭や隣の鳴滝塾、今の「シーボルト宅跡地」にも咲き乱れていて美しかった。
シーボルトの日本愛は本物であったと確認できる訪問であった。シーボルトとたきやいねとのやりとりの書簡なども非常に興味深いものであった。ある時期、オペラ「蝶々夫人」のピンカートンと重ね合わせていたことがあるが、まったく違う。シーボルトはそういういい加減な男ではなかったと確信できた。
感動的なのは、シーボルトがスパイ容疑で国外追放処分になりそうなとき、彼は日本に帰化する努力までもしている。日本とのつながりを大事にしていたことが伺えるエピソードだと思う。
(クチコミに書いた文を修正したもの。クチコミでは記憶違いで、シーボルトが再来日したのは25年後と書いてしまったが、実際は30年後だった。クチコミは訂正ができないので、こちらで修正した。)
- 旅行の満足度
- 5.0
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この旅行記へのコメント (2)
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- dankeさん 2014/12/30 00:48:45
- シーボルト記念館
- tadさん おかえりなさい、ですよね。
数日前ウィーンのオペラ座から、ネットやスマホで12月31日の公演の模様が見られます、とご丁寧にメールがきました。tadさんはウィーンでどうされているかなぁ、と思っていましたが、もう帰国されたはずですよね。いかがでしたか?クリスマスをウィーンでなんて素敵ですねぇ。
今日はこちらのシーボルト記念館の旅行記にお邪魔しました。長崎は2年前に初めて行ったのですが、2泊だけでは時間が全然足りずに小浜温泉、雲仙温泉、そして長崎市内は長崎原爆資料館、大浦天主堂と中華街だけ周りました。長崎県は歴史と文化が交じり合った素敵なところだと思いました。雲仙では当時外国人宣教師をはじめクリスチャンが熱湯の中に放り込まれたその痛ましい事実を追悼する意のイベントに遭遇しました。思想や文化の違いで政治犯やスパイとみなされ罰されていたのが本当につい最近まで日本でも行われていたのですよね。
- tadさん からの返信 2014/12/30 01:08:50
- RE: シーボルト記念館
- dankeさん、
Vielen Danke!
コメントや拍手有難うございます。
そうです。昨日の夕方福岡着で帰国しました。15日、家を空けていたので、まだばたばたしています。ウィーンの日記はそのうち書きます。孫達が帰ってくる前にかければいいのですが。。。
シーボルト記念館にいらしたのですね。いい資料が見られますよね。彼に関連することは随分本で読みましたが、日本への貢献が大きい人物ですね。最近は、関連する人物としてアーネスト・サトウやミットフォードの本を読んでいます。外から見た日本の姿は、日本人が残した記録とは異なり、いい刺激になりますね。長崎のキリシタンの問題も、遠藤周作が書いた本も面白かったのを思い出します。サトウやシーボルトの見方はもっと深刻かも知れません。日本が島国だということを強く認識させられます。
tad
> tadさん おかえりなさい、ですよね。
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> 数日前ウィーンのオペラ座から、ネットやスマホで12月31日の公演の模様が見られます、とご丁寧にメールがきました。tadさんはウィーンでどうされているかなぁ、と思っていましたが、もう帰国されたはずですよね。いかがでしたか?クリスマスをウィーンでなんて素敵ですねぇ。
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> 今日はこちらのシーボルト記念館の旅行記にお邪魔しました。長崎は2年前に初めて行ったのですが、2泊だけでは時間が全然足りずに小浜温泉、雲仙温泉、そして長崎市内は長崎原爆資料館、大浦天主堂と中華街だけ周りました。長崎県は歴史と文化が交じり合った素敵なところだと思いました。雲仙では当時外国人宣教師をはじめクリスチャンが熱湯の中に放り込まれたその痛ましい事実を追悼する意のイベントに遭遇しました。思想や文化の違いで政治犯やスパイとみなされ罰されていたのが本当につい最近まで日本でも行われていたのですよね。
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