第１部イスラエル周遊旅情第２章エルサレム探訪34オリーブ山のイエスその３最後の晩餐の場のあるシオンの丘の景観

2011/11/04 - 2011/11/04

かの有名な”最後の晩餐”の場所はオリーブ山の南西のシオンの丘にあった。

”シオンの丘”は旧市街の最南端の壁の門”シオン門”を出た辺りにあり、直ぐ近くに”ダビデの墓”も有る。

”シオンの丘”とは”神殿があった場所”を意味し、ユダヤ人の原点ともいえる場所。

”シオニズム運動”の”シオン”はここから来る。

”シオン門”には1948年のイスラエル建国に伴う第一次中東戦争の際の弾痕が生々しく残る。

”ダビデの墓”のダビデの棺の置かれた部屋は壁で二つに区切られ、男女分かれて入り、男性はキッパを被る。

部屋の奥にそれだけがポツンと置かれたダビデの棺。

棺を覆う布には”ダビデの星”と並んで”竪琴”の刺繍がある。

ダビデは竪琴の名手だったとかで、中庭には己の竪琴の音色に恍惚としているダビデ像がある。

かの”最後の晩餐”を執り行なった会場”は”ダビデの墓”の隣の建物の２階にあったが、云われなければ”最後の晩餐”会場を象徴する物は何も見当たらない。

結果的に”最後の晩餐”になってしまうのだが、この食事は子羊を屠り、夜に子羊の肉と酵母の入っていないパンを食べるという、単に”過越し祭”のユダヤ教の儀式に則って行われた。

少なくともイエス以外はこれが”最後の晩餐”になるとは夢にも考えていなかったに違いない。


”イエスはパンを取り、 賛美の祈りを唱えて、それを裂き、弟子たちに与えて言われた。
「取りなさい。これはわたしの体 である」 また、杯を取り、感謝の祈りを唱えて、彼らにお渡しになった。
彼らは皆その杯から飲んだ。そして、イエスは言われた。
「これは、多くの人の ために流されるわたしの血、契約の血である。」（マルコ伝）”

これが我々が良く耳にする”最後の晩餐”でのイエスの言葉であり、今に続くカトリック教会のミサの儀式の原点。

しかし同じ場面を”ヨハネ伝”では次の様に記す。

”イエスは、父がすべてを御自分の手にゆだねられたこと、また、御自分が神のもとから来て、神のもとに帰ろうとしていることを悟り、 食事の席から立ち上がって上着を脱ぎ、手ぬぐいを取って腰にまとわれた。

それから、たらいに水をくんで弟子たちの足を洗い、腰にまとった手ぬぐいでふき始められた。”

そして”最後の晩餐”の食事中にイエスは、この中に”私を裏切ろうとしている者がいる”と弟子たちに告げる。

ユダが席を立つ。

それを見たペトロは云う。「師よ、私はあなたと心中する覚悟です」。

イエスはペトロに告げる。「お前は今夜、一番鶏が鳴く前に三度私を知らないと云うだろう」。

エリア エルサレム(イスラエル)

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: 観光バス
• 旅行の手配内容: ツアー（添乗員同行あり）