ロンドン滞在はバスを活用しよう！

2012/03/06 - 2012/03/24

海外旅行愛好のかたの報告等を読んでいると、個人旅行者はあまり多くないようだ。ツアーでイギリスに行くなんてとんでもないと私などは学生には話している。理由は簡単でロンドン等はツアーで楽しめるはずがないと思う。そういうツアーのコースを見ると悲惨な内容だ。中味のない旅が組んである。イギリスを一週間前後で旅するツアーの内容をいくつか見たことがあるが、英国のよさが伝わるとはとても思えない内容だ。全く英語ができないかたなら仕方ないが、いやしくとも大学等に行った方なら、絶対に個人旅行にすべきだ。特に航空券とホテルのセットでロンドン滞在というのなら、学生にもオーケーを出している。もし初日にロンドン観光案内があるくらいで後は自由行動というのなら、これも反対しない。

実際、私の家内は英語はさっぱりだが、かつて、最初に連れて行った時は、初日にロンドンのバスと地下鉄の乗り方を教えた。それだけで、後は自分で行動せよと放り出した。（私は昼間は研究で大学にいるから、別行動だった）実は、私は学生を海外に引率して行ったことも多いが、その場合も初日だけ、交通機関の乗り方を教え、後は自由行動を勧めた。団体行動は禁止した。行く先は英語で人に聞くよう指導した。これはソウルでさえもそういう方式をとっていた。それで、2日目からは、ちゃんと一人で海外の旅ができるようになるのだ。勿論、そういう経験を積んだ学生は今でも感謝してくれている。仕上げの日に一緒にパブなどで、成果を話しあうとすっかり逞しく変身をとげている。もっともそういう学生もこの10年間くらいは減少してきた。いわゆる内向き学生の増加だ。行きたい学生も資金を親が出してくれないという。

すべておまかせのツアーで海外にいっても、たいして文化は吸収できないだろう。ハイヴィジョンの画面を見ているのと大差ないだろう。博物館や美術館を人と同じペースで移動するなんて考えただけで私などはぞっとする。ここ数年、退職後に家内とヨーロッパに行くのに初めてツアーを利用して、その苦痛を味わった。無理矢理いっしょに移動させるガイドの場合、出口集合時間を聞いて、それまで、グループから離れた。それでも、あまりに時間が少なかったり、インチキな土産物屋の時間だけたっぷり使うようなツアーだったりすると、次の時は今から離団しますと宣言することにした。離団書を書いたら自由行動を認めてくれた。

まだ元気の残るかたなら、今からでも、自由滞在型の旅行を特にロンドンの場合おすすめしたい。バス、地下鉄の乗り方さえ覚えて、しっかりした地図を手に入れればもう準備は終わりだ。勿論、行きたいところを調べておくのは大前提。海や山を眺めに行くだけとは違うのだ。後はイギリスの場合、博物館、美術館はまともなところは全て無料だからチケットの購入方法さえ知らなくていい。初めて行く人なら一カ月は、無料の博物館と美術館で過ごせるはずだ。英語の説明が読めないかたは、日本語の詳しいガイドブックがそれぞれ販売されているから、それは必要だろう。勿論、英語力アップを図りたい人は展示品の解説も英語で挑戦すべきた。一週間滞在でも世界的なレベルの展示品を結構見ることは可能だと思う。ひどいツアーは大英博物館を半日以下とか、ナショナル・ギャラリーは入らないなどというのがあるようだが、まったくお話にならない。（こういうところでゆっくりすると、旅行社が儲からないと言われるならそれは理解できる。だから参加しないほうが賢明なのだ。）今まで数回、既にツアーに参加されたかたはもう仕方ない。せめて、今から、賢明な旅をしてみてほしいものだ。いやしくとも一度でも受験英語を勉強したことのあるかたなら、まったく困るということはないはずだ。

ところで、今回、ロンドンで211番のバスに乗り、HammersmithからWaterlooまで2階席の前に陣取って写真をとった。さまざまな建築様式の建物が現れてくるコースだ。Fulham, Chelsea, Parliament house, Westminster bridgeなどを通る。

なお、ロンドンはOyster Cardが絶対の必要品。3ポンドくらいのデポジットで東京のPasmoのようなものを購入する。東京のpasmoはなんの割引もないが、このロンドンのカードでバスや地下鉄に乗ると、一気に半額以下になる。この3月の値段だと、バスは、終点まで乗っても１．３５ポンドだった。（一ポンドは130円前後）これを一回限りのチケットにすると倍額以上になる！ロンドンのヒースロー空港でこれを購入して2，30ポンド入れておけば、市内にも安くいける。しかも、一日で何度も乗り過ぎた場合、一定金額以上は引き落とさないという制度もできている。これさえ持っていれば、乗り過ごそうが、間違えようが、その新しい景色を楽しめばよい。地下鉄は何も見えない。バスは賑やかなところは遅いが、そういうところは、街も賑やかでゆっくり観察すればよい。だいたいつまらないところは、車も少ないので、さっと通り過ぎる。ただ、今度の夏のロンドンは絶対にすすめない。オリンピックに人生を捧げるひとは別だが。。。

なお、バスや地下鉄のアナウンスはきれいな発音で音質もはっきりしていて、ひそかに地名を口真似して言えるようにするとよい。頭の中を英語だけにする訓練をすると英語も進歩するだろう。私は、英語圏の国ではできるだけ日本語も使わないようにするし、日本人とあうのも避けるようにする。せっかくの機会だから英語のサビ落としをしたい。

エリア ロンドン(イギリス)

• 旅行の満足度: 5.0

211番バスの２階最前列の席から撮った写真。Hammersmithを出発すると様々な建築様式が現れてくる。

Fullham Broadwayのバス停。番号の書いてあるバスが通過する。バスの路線図は必需品。

Chelseaを通過してバスはVictoria stationに近づいている。

Victoria stationを通りすぎ、ウェストミンスター寺院が見えてくる。

Westminster Abbeyの次は国会議事堂。ここを通り過ぎると、Westminster Bridgeを渡る。バスはそのままSouth Bankまで行く。これだけ乗って1.35ポンドなら文句ないだろう。