2006/10/11 - 2006/10/20
59位(同エリア108件中)
kojikojiさん
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「世外桃源」から陽朔の街に戻ってホテルにチェックインしました。西街の入口の「百楽来陽朔度暇飯店」です。ホテルの外は賑やかですがゲートをくぐるとリゾートホテルの趣きです。建物は低層の伝統的な外観を守り、ゆったりしたスペースが癒されます。奥にはプールがあり仰向けに浮かぶとホテルの裏にそびえるカルストの奇岩が迫って見えます。チェックアウトした後もカードを見せるとプールは使用できるので、夜行バスに乗る前にシャワーが使えて着替えが出来るという事です。ホテルの裏はバスターミナルでとても便利です。そこまで考えておきながら、マッサージ屋で沈没して、バスに乗り遅れましたが。ホテルのスタッフもとても親切で、心に残る滞在を楽しめました。ただ、このホテルは現在検索してもヒットしないので、経営が変わって名前が変わったか無いのかもしれません。この当時陽朔の町では最高級のランクのホテルでした。さて夕方からは北京オリンピックの開会式の演出をした張芸謀(ザンイーモウ)の演出した「印象・劉三姐」を観に行きました。今回の旅行のハイライトででもあります。彼の映画の色彩にはとても魅かれていたので楽しみにしていました。また天然の川を舞台にカルストの岩山を背景に、お客は元段々畑だった所に座り、出演者は近隣の農民の若者です。そして劉三姐を題材にした色をテーマに使った演出、感動しない訳がありません。この後に雲南省の麗江でや杭州の西湖へ印象シリーズを観に行くことになりました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- ショッピング
- 4.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 船 自転車 タクシー 徒歩
- 航空会社
- ANA
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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2004年から開演した「印象・劉三姐」は中国の映画監督の張芸謀(チャン・イーモウ)の演出とあって、今回の旅のハイライトと考えていました。若いころに「紅高梁」(紅いコーリャン)、「菊豆」(チュイトー) 、「大紅燈籠高高掛」(紅夢)、「活着」(生きる)、「搖阿搖! 搖到外婆橋」(上海ルージュ)などのコン・リーとの映画、「我的父親母親」(初恋の来た道)や「一個都不能少」(あの子を探して)なども好きな映画です。
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「印象・劉三姐」の演出では12の山をライトアップできる巨大な照明装置が設置され、白、赤、緑、黄色に変色することができ、この4色はこの作品の4つのテーマに繋がる色合いとなっています。
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赤を使って喜びと祝福の気持ちを表現するとともに中国の色を主張しています。白は人間の感情の無垢、純真さを表現し、黄色は季節の秋を示し、黄金色に染まった穀物を収穫することを意味しています。最後に人間が住んでいる地球を緑で表現し、末永く緑に覆われた地球というイメージで環境保護を訴える意味も込められているといわれています。
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竹筏に乗った青年が漁火を持って現れます。筏の数は数えられないほどです。舞台は自然のままの漓江の川辺で、対岸にはカルストの奇岩が連なります。観客席は元々田圃であったのでは無かったのかと思えるような傾斜地です。
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筏に乗って赤い布を左から右、右から左へと広げていきます。赤いコーリャンの映画の画面の色や菊豆の染色された布のイメージと重なっていきます。
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全員で布を水面に叩きつけます。あまりのスケールの大きさに感動します。この日下ってきた漓江の川辺の風景と重なります。このショーを見る前に川下りは必須だと思いました。
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この舞台の題材となっている劉三姐は広西チワン族自治区の中で知らない人はいないほど有名な女性です。生まれは唐朝時代の中宋年代で本名は劉三妹といい、広西柳江流域において優秀な実力派民謡歌手として活躍しました。三妹は歌唱力だけではなく、その容姿も美しく、どんな言葉も学ぶことなく見るだけで習得することができたといわれます。
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三妹が17歳の時に1人の俊英な青年歌手と出会います。2人は歌の最中に意気投合し、心惹かれあうようになり一生の愛を誓い合います。しかしその幸せは長続きせず、村のある悪人が三妹を狙い三妹と青年の関係に激昂し三妹を奪い去ることを計画します。
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ある月の白く光る夜に三妹と青年が河辺の岩の上で月を見ながら語り合っていた時、突然周囲で炎が灯り声が沸き起こり村の悪人たちがやって来ます。2人は山中をさまよい、河のほとりで窮地に陥ってしまいます。
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2人は生死をも共にすることを決意し、現世だけではなく来世でも一緒になることを誓い、手を繋ぎ、身を寄せ合ったまま河に身を投げ波の中に消えていきます。
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場面構成としては「紅色印象 山歌」では川で漁をする漁民たちが「対歌」と呼ばれる問いと返しの歌を謡う様子を表し、「緑色印象 家園」では緑溢れる農村の風景が展開されます。
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朝の農村の情景でしょうか。本物の水牛まで出てきます。
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「藍色印象 情歌」では劉三姐が伝統の愛情歌を歌う様子が演じられ、「金色印象 漁火」では夜の漓江に光る漁り火の情景を周辺の5つの村の漁民が出演します。「銀色印象 盛典」では伝統的な祝いの風景で、200人の少数民族の女の子が民族衣装を着て出演します。
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竹筏に乗って傘を被った川漁師たちが網を打つだけの演出ですが、感動するのはこの日眺めてきた風景と重なるからです。
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これらの演出では劇団員が出演しているのではなく、近隣に住んでいる人たちが演じているところが素晴らしいと思います。
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「藍色印象 情歌」の舞台も川の上を流れてきます。
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個人的には青色印象は好きではありませんが、音楽は素晴らしいので聞き入ってしまいます。
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最初の頃は全裸での演出だったそうですが、当局から御咎めがあったために着衣になったそうです。
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そんな話はしていても目で追ってしまいます。開演前に座席周りにCDなどを売りに来るので買い求めましたが、とても素晴らしい音楽ばかりなのでおすすめです。
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「藍色印象 情歌」だけが元々の劉三姐の物語に沿った演出ではあります。
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この後の中国の旅では各地の劇場のショーは必ず観るようになりました。その土地の歴史を知るにはビジュアルで分かりやすいので楽しいです。
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色彩の美しさはさすが張謀芸と思わせます。
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個人的には「銀色印象 盛典」が好きです。苗族(ミャオズー)の銀の飾りを電飾で光らせて、そしてその数たるや200人の女の子がシャンシャン踊る姿は言葉では表せません。また音楽が最高にマッチしています。
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実際の演者は200名ですが、川面に映り込むので400人に見えます。
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この当時苗族(ミャオズー)のことなどはほとんど何も知らなかったのですが、これを機会に中国の少数民族の文化や衣装について学びました。
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暗い水面の奥の方から一人二人と灯が燈るように増えていき、これだけの数になると圧倒されるよりも感動します。
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全身を覆う銀細工の鈴がシャンシャンとなるのですが、これだけの数になるとその音色だけでもすごい音量です。
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その銀細工の衣装が全て照明が仕込んであって、水面に浮かぶので美しくない訳がありません。
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途中で立ち止まり、シャンシャン踊りますが、その乱れぬ踊りにも感動します。
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この分野で中国は日本を超えていると感じました。
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「尾声・天地頌唱」がエピローグです。
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最後に出演者が舞台の前に集まります。
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奥ではまだ女性たちの踊りが続きます。
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「金色印象 漁火」で竹筏に乗っていたのは地元の村々の青年です。
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最後は自分の村の旗を持って退場していきます。観客も総立ちです。こんなスケールの大きなショーは日本ではあり得ないなと思いました。
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最後に背後の山々がライトアップされて、巨大な舞台の全景が現れます。
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映画でいうエンドロールのように、大型のモニターに監督や演出家や音楽監督の紹介がされます。翌日もう1回観たいという気持ちでした。そして、次の旅は雲南省の麗江へ行こうと決めました。
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興奮冷めやらぬまま、迎えに来たガイドさんと車に乗って陽朔の町へ戻りました。ガイドさんとはこれでお別れです。実際は翌日に別のお客さんを案内した帰り道の所でばったり出会いました。
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気がつくとお腹が減っていたので食事にしました。。
陽朔はどこのレストランも同じ食器を使っています。全て同じ所が回収して洗浄と熱湯消毒します。そしてラップしてレストランに卸します。お客は1元負担になりますが、一括して洗浄するため河川の汚染も防げて、衛生面もクリアするという一石二鳥のシステムです。 -
通り出されたテーブルに座って料理を注文しました。2人で食べるにはちょっと多すぎた気がします。
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桂林田螺(桂林タニシ) は名前の通り桂林の名物料理です。タニシの特徴は大きくて食べる部分が多く、味もすばらしいです。タニシを煮るときには桂林特産の辛くて酸っぱい調味料が欠かせなく、更にネギやショウガや三花酒など各種材料を合わせて炒めてできあがりです。
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チワン族の竹筒ごはんです。糯米とハムや小豆などを新鮮な竹筒に入れて、適量の調味料と水を加え竹筒のまま蒸しあげてありました。龍背棚田の村で食べた竹ごと焼いたものも美味しかったですが、蒸したものも美味しかったです。
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尼姑素面(尼僧麺) 中国語で「素」とは精進料理の意味で、この麺は桂林の月牙山の尼僧が発明したといわれています。尼僧麺の命のスープはもやし、新鮮なフクロタケ、シイタケ、タケノコなどを長い時間煮込み作られます。スープの色は黄金色で香り高く甘い味がします。まず麺を茹でてお椀に盛り付け、スープをかけて桂林特産の湯葉や精進料理用のハムに似せたものなどの具を乗せます。
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琺瑯のタライで麺を食べている妻を見ていたら、逞しくなったなと感心しました。
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食事の後は西街をぶらぶら散歩しました。お店は暇そうで女の子たちが遊んでいます。陽朔は日帰りするにはもったいなさ過ぎる街です。欧米人には人気の街ですが、日本人の姿は夕方以降は見られません。
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少数民族グッズも充実しています。雲南省や貴州省や西蔵から来ているようで、現地に比べると少々お高いようです。この後はマッサージ屋さんでみっちり2時間全身と脚をもんでもらいました。明日は貸自転車で陽朔郊外の村々を走り回ります。
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