2002/04/28 - 2002/05/04
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旅人のくまさんさん
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<2002年5月2日(木)>
ソラクサンのロープウェイは残念でしたが、絶好のハイキング日和に、土旺城渓谷の瀑布見学を楽しむ事が出来ました。何よりも大浦港で美味しい刺身を満喫できました。いよいよ、今回の旅行は残り僅かとなりました。
<テポ(大浦)のセリ>
Muさんは早起きしてご来迎を仰いだようです。5時半ごろだったと聞きました。私は、昨日聞いていたものの、トンヘ(東海)の日の出は、次回の楽しみに取っておくことに決めていました。今回持参したデジカメは、望遠付きでないので、望遠付きのカメラの時に撮影しようと思ったからです。折角撮っても、太陽が小さすぎて、迫力が乏しい写真になってしまうのが自明でした。
とは、言ったものの、昨日に続いて素晴らしい五月晴れでしたから、少しばかり悔やまれました。本当に今回の雨の合間を縫った旅行は、誠に天候に恵まれました。
ご来迎を仰いだMuさんが、部屋にやって来て、「今、港でセリが始まった。昨日の店のアジュマ達がセリに加わっている」と教えにきてくれました。私も早起きして、そのセリを見に行く事に決めました。写真素材や、俳句の材料に最高の場面が期待されました。
予想通り、写真も沢山撮れましたし、俳句を詠むにもうってつけの場面でした。セリ独特の大きな声は聞かれなかったものの、浜での生活、生命の煌きを、まだ上がったばかりの朝日の中で実感出来ました。
揚った魚は、近海物ばかりで、種類が豊富でした。大漁だったのは鰯でした。取れすぎたためか、生簀で生かして運んできたのを、スコップですくって箱詰めにしていました。四輪車一杯になった鰯は、どこかの加工工場にでも運ばれたのでしょう。あとには剥れた鱗と、こぼれた僅かの鰯が残りました。
その鰯を、セリの人が海に向かって大きく放り投げました。すると、たちまちカモメが舞い降りてきて、魚の奪い合いを始めました。大きな鳴き声を上げて、カモメも必死です。多分、セリの度に繰り返される光景なのでしょう。
インスタントですが、セリの後に飲んだ屋台の暖かい珈琲が美味でした。一味違ったのは、今見た光景の満足感のためでしょうか。
<2日続きのソラクサン詣で>
ヤンヤン空港からの出発には時間があったので、昨日に続いてバスでソラクサンに向かいました。朝8時半頃から運転していて、運がよければゴンドラに乗れるからです。しかし、昨日より更にバスが増えていました。待ち時間を確認するまでも無く、ソラクサンを退散しました。
このまま空港へ行っても、手持ち無沙汰になりますので、ヤンヤンの街を散策する事にしました。ついでにスンドウプの店を探して、朝食です。バスは、南行きはほとんどヤンヤンを経由しますので、直ぐに乗る事が出来ました。料金はほとんど650ウォンですから、何度乗ってもしれています。
<ヤンヤンの街>
ヤンヤンまではさほど時間がかかりませんでした。ソラクサンから海岸線に出るまでの距離の方が、ここから海岸線をヤンヤンへ行くより距離があるほどです。
「ヤンヤンの街は、ここが最後です」
と言ったバスの運転手さんの案内に従って、川の手前のバス停で降りました。そのバス停近くにスンドウプの文字がありましたので、そこで朝食を摂りました。この店では、野菜を刻んだり、いろいろ支度をしていましたので、結構待たされました。しかし、出されたスンドウプは、中々の味で満足できるものでした。添えられたキムチも、まろやかで味が良いものでした。海の幸、山の幸に恵まれた土地の故だと納得しました。
ヤンヤンの街は思ったより小さな街でした。農業が主体の街のようです。日本で言う、農協施設があちこちにありました。牛の生産地らしく、農協ビルの一角には「世界一の牛」の全身像が飾られていました。
<ヤンヤン空港からキンポ空港へ>
ヤンヤンからはタクシーで空港へ向かいました。10分とかからない距離なので、タクシーでも料金が知れています。バスですと、万が一知らない方面に曲がってしまったりすると、今度は戻ってくるのが大変です。街中ですと、タクシーも拾えますが、田舎町ではそれも期待できません。幸い散策中に客が降りたタクシーがやってきましたので、少し早かったものの、これに乗る事にしました。
テポに1泊しただけで、翌日の5月2日には、ヤンヤン空港を発ってキンポ空港へ戻りました。この日も天候が良かったですから、欠航になる恐れはありませんでした。霧の心配もありませんでした。
この空港では、出発便と到着便の客が合流しないよう、中々、中の待合室には入れてくれませんでした。小さな空港なので、スタッフが少なく、同じメンバーで到着便も、出発便も捌いているためでした。一日の便数が少ないので、それも十分可能な事と思われました。
この空港で、1つだけ困った事がありました。待ち時間を過ごすのに、骨が折れることです。喫茶店はありましたが、アルコール類は一切置いてなかったことです。店の飾りにハンバーグと一緒に生ビールの写真がありましたので「センメッチュ ジュセヨ」と頼んでみました。
店の人は、その写真を見て、苦笑いをしながら、済みませんといった仕草をされました。喫茶店も純粋に珈琲だけであり、土産物店にもアルコール類はおいてありませんでした。勿論、自販機もありません。
<イムジンガン行きの下調べ>
キンポ空港からは、真っ直ぐにソウル駅に向かいました。地下鉄で1回乗換えがありますが、1時間ほどです。京義線で国境の町、イムジンガンへのアクセスを調べるためです。
現大統領、キムデジュン(金大中)氏の太陽政策を受けて、急速に南北間の鉄道連絡復旧工事が進められています。ところが、北側の方は工事が進んでいないようです。南の京義線は、イムジンガン(臨津江)から、更にトラサンへと伸びています。
この日は帰りの時刻から判断して、列車でのイムジンガン行きは諦めました。日本へ戻ってから見たNHKテレビで特集番組のことです。終点駅で、少しでも北の故郷に近いところから眺めては、また南に戻っていく人達が写されていました。
大浦のセリ
春の魚桟橋に待つ早き朝
零れ魚海鳥に投げ競仕舞
コーヒーで手を暖めし春の競
大浦を出発の朝
干鰈店の老婆は目覚め前
ヤンヤン空港で
新空港開店祝う蘭競い
ヤンヤン空港からキンポ空港へ向かう機中で
旋回の翼指差す春の海
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泊まった大浦港の宿の紹介です。立派な造りではありませんが、値段相応の設備です。机もありました。
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バスタブです。私の場合、シャワー施設だけがあれば十分です。お湯もちゃんと出ました。
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取れた魚を積んできた船が接岸されますと、メモを片手にセリの人が集まってきました。威勢のいい掛け声は聞かれませんでした。
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頭の大きい、少しグロテスクな魚は、多分アンコウでしょう。姿に似合わず、から揚げや、鍋物にしたら最高の魚です。
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ベニズワイバガニも生きたものが競り落とされていました。少量のセリは、小さな店のアジュマ達が自分で参加していました。
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酸欠状態のカレイかヒラメには、早速海水が注ぎこまれました。海水を通じての酸素補給です。
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タコは必死に色を変えたり、身を縮めたりしていました。ポリタライ(?)一杯の大タコも見かけました。ナクチ(タコ)の専門店もあります。
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鰯は大量だったようです。まだ生きている鰯の山が、スコップで無造作に扱われていました。桟橋は剥れた鱗で一杯です。
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今この籠に移されたばかりの鯛は仮死状態で、微かに呼吸をしていました。酸欠防止に、新鮮な海水がたっぷり注がれ始めました。
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1匹だけで容器一杯になってしまった大きな蛸です。マダコでしょうか。
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こぼれた魚は、ダンボールを挟んで落ちないように工夫されました。この後で、更に幌が被せられました。加工工場が行き先でしょう。
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鰯はやってきたトラックに積み込まれましたが、荷台から溢れて零れてしまいました。鰯の文字が良く理解できた陸揚げでした。
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せりが終わった船が出るや否や、次の船が隙間を縫って接岸してきました。空にはカモメが舞って、こぼれた魚が投げられました。
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近海物を採る小船が接岸した桟橋です。規模は大きくないものの、活気があります。この数年、その勢いを増しているように感じました。
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いつも刺身を食べる屋台の裏側です。翌日、ソラクサンに向かう朝に撮りました。本当に舳先が背中を押してくるような海端です。
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ヤンヤンの町は、かつてバスで通過したことはあるものの、降り立ったのは初めてです。国際空港が出来、急発展もありそうです。
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朝食を摂った街の食堂です。少し待たされましたが、スンドウプは味付けもよく、美味でした。キムチもまろやかでした。
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その美味しかったスンドウプチゲです。味付けも量も十分で、ナムル、キムチも美味でした。海と山で採れた、地元材料でしょう。
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早めに行動しましたので、市内を散策する時間がありました。日本でいえば、町役場か村役場といたところです。新しい建物です。
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ヤンヤンの警察署の前景です。石碑には漫画が描かれ、後ろの小さな堂屋には憩いの場所提供の座椅子もありました。
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青空をバックに楓の新緑です。この写真だけ見ると、紅葉と勘違いさせるような、もみじ葉と青空です。
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かなり高い石垣の上に、かなり立派な民家と思しき建物がありました。電線を避けて撮影しようと思いましたが、結局邪魔になりました。
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小学校か、中学校の石垣を見上げて写しました。後ろ向きの像は、韓国の英雄に違いありません。素晴らしい春日和になりました。
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ヤンヤンの学校校庭で咲いていた白い花です。私自身は、余り見たことのない、珍しい八重咲きの花でした。
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ヤンヤンの町の、現在の主要な産業は農業のようです。日本でいう農協をあちこちで見かけました。「世界一」と称される牛の像です。
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