横浜三塔物語

2008/05/23 - 2008/05/23

皆さんは「横浜三塔物語」ってご存知でしょうか？　
横浜でちょっとした話題になっている都市伝説です。
開港以来、横浜のシンボルとなっている3つの歴史的建造物があります。神奈川県庁（キング）、横浜税関（クイーン）、横浜市開港記念会館（ジャック）この3つの建物が横浜三塔と呼ばれています。
そして「横浜三塔物語」とは、実はキング・クイーン・ジャックが、地上から同時に見える場所は3ヵ所あるのですが、そのすべてを回って横浜三塔を眺めると、願いがかなう、という伝説のことです。
伝説の由来は２つあり、１つは「外国の船乗りが、横浜三塔に航海の安全を願掛けした」という説と、もう1つは「三塔が関東大震災や戦災などの試練を乗り越えてきたことから、カップルが困難を乗り越えて結ばれる」というものだそうです。

今日はたまたま仕事で県庁に来る用事があったので、この横浜三塔を眺めてきました。

エリア 横浜(神奈川)

• 交通手段: 自家用車

横浜にある３つの塔にまつわる都市伝説　冒頭で紹介しましたが、関内の海沿いのエリアはもともと旧居留地だったこともあり、今でもレトロな雰囲気を残す歴史的建造物が建ち並んでいます。
まずはキングの塔と呼ばれている神奈川県本庁舎　れっきとした現役の県庁の庁舎です。
最近ではドラマの舞台に登場したりして、あれこの建物？と思われる方も多いと思います。

この神奈川県庁舎は、１９２８年(昭和３年) にその頃流行っていた帝冠様式のデザインを取り入れた外壁のスクラッチタイルと中央の高塔が特徴の通称キングの称号にふさわしい存在感のある建物です。

仕事柄市役所には良く行くのですが、県庁の用事はめったに無く、ホント久しぶりです。

今まであまり気にして眺めたことの無かった県庁舎ですが、国の登録有形文化財だけあってなかなか重厚感のある建物です。

床も壁も階段も贅沢に石を貼って　天井は織り上げて漆喰で仕上げています。

内部はエントランスホールと中央の階段周りが見せ場となってます。

片山東熊の作品だった三代目庁舎が関東大震災による火災で大きな被害を受け、設計コンペにより小尾嘉郎の案が採用され、大林組の施工により完成しています。

外壁のスクラッとタイルや内部の雰囲気を見るとフランク・ロイド・ライトを意識しているようにも見受けられます。

ここは県議会議場も見ごたえがありますが、残念ながら内部は公開していません。

中央に聳え立つ２層の塔の部分は下から48.6mの塔屋があり、１５階建て相当の高さがあります。

２つ目の塔は、クイーンの塔こと横浜税関事務所
ここは、１９３４年(昭和９年）に建築された、3代目の税関庁舎です。

イスラム風のモスクを乗せたような特徴的外観の塔は５１ｍあり、隣の神奈川県庁舎よりも当初低い計画だったものを、当時の金子税関長の、「国の機関である税関が県よりも低いのはけしからん」という意見により計画が変更になり、現在の５１ｍになったというエピソードが残っています。

前面にはパームツリーが植えられて建物の印象を変えています。

車寄せ部分はゴシックのアーチが取り入れられています。

この辺りもイスラム建築の雰囲気が漂っています。

１階の角にあるミュージアム以外は中には入れないため、外観だけの紹介です。

３つ目はこのジャックの塔。現在の横浜開港記念館の建物です。

横浜市開港記念会館は、横浜開港５０周年を記念し、横浜市民からの寄付を募り建設された記念建造物で、大正6年（1917年)に竣工しました。

横浜市の公会堂で、大阪中之島公会堂とともに大正期二大公会堂建築のひとつになっています。

建築様式は、赤煉瓦に花崗岩をとりまぜた、いわゆる「辰野式フリークラシック」を採用し、明治期赤レンガ建築スタイルを継承しています。

三方道路の角地に、時計塔、角塔、八角塔を配し、ドーム屋根を乗せた姿はどの角度から見ても絵になりますね。

この建物の設計は、基本設計をコンペで当選した東京市の技師福田重義で、彼の基本設計をもとに山田七五郎を中心に市役所の営繕課の職員が実施設計を行なったそうです。当時の市の職員はなかなかの技量を持っていたんですね。

正面玄関上の半円の窓もすごくいい感じですね。

高さ約36ｍの時計塔は大正期の煉瓦作り構造技術の水準の高さ示しています。

時計台はこの建物が建築される前にあった町会所の時計台のイメージを継承、長く時計台のある建物として親しまれています。
今日は全館貸切の行事が行なわれていたため、中に入れませんでしたが通常は内部も一部だけ見ることができます。毎月１５日は日頃見られない講堂や会議室を一般公開しています。

後日写した写真ですが、横浜三塔が同時に見えるポイントの一つです。ここは赤レンガ倉庫運河の脇　真ん中のジャックの塔がわかりにくいようですが確かに３つ見えますね。

この旅行記へのコメント （2）

• Luceさん 2008/06/10 22:59:03

  横浜都市伝説

  ぬいぬいさん、こんばんは。
  「横浜三塔物語」初めて知りました！
  なんだかロマンティックですね。
  キング・クイーン・ジャックをちゃんと見たこともありませんでした。
  今回こうやってぬいぬいさんの旅行記を拝見して
  すごく素敵な建物なんだな〜とわかりました。
  今度横浜を訪れるときは寄ってみたいと思います。
  
  Luce
  

  ぬいぬいさん からの返信 2008/06/10 23:35:03

  三塔が見えるポイントの写真　最後にアップしました。

  Ｌｕｃｅさん　こんばんは
  
  
  会社が横浜なので仕事でこの辺りは毎日のように何気に通り過ぎる場所ですが
  たまにじっくり眺めて見たりすると　すごいなあ　と思ってしまいます。
  
  横浜の写真たくさんアップしてますのでお暇なときに眺めてみてください。
  先ほど、３つの塔が同時に見える場所　最後に追加しておきました。
  ご覧ください。